初の南アルプス南部・荒川三山を堪能
hirokok510
体力度について
- GPS
- 31:21
- 距離
- 25.0km
- 登り
- 2,858m
- 下り
- 3,121m
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21日：4:20出発−4:32吊り橋手前でストレッチ−8:02マンノー沢ノ頭8:11−10:02千枚小屋分岐−10:26千枚岳10:29−11:56丸山−12:46悪沢岳（荒川東岳）−14:31中岳避難小屋14:44−14:48中岳山頂−16:38荒川小屋
22日：4:18出発−4:56大聖寺平−6:07小赤石岳−6:17赤石小屋分岐−6:30赤石岳6:38−6:47分岐−7:30水場−8:25富士見平−8:57赤石小屋9:10−10:49樺段先林道−11:42登山口−11:50椹島ロッジバス券交換所（カフェ）−12:27東海パルプ100周年記念館（白旗史朗写真展）12:40-13:00送迎バス−14:00畑薙第一ダム−14:25しずてつジャストライン乗換14:25-17:50静岡駅
| 天候 | 20日:晴れ、21日、曇り後晴れ、のち雨、22日：晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2013年07月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車 バス
畑薙第一ダムまではマイカー以外は、しずてつジャストライン（静岡駅発−要予約）か毎日アルペン号（竹橋発−要予約）でいけるが、週2本の毎日アルペン号は、7月末から毎日運航になるそうだ。送迎バスは東海フォレストまたは聖方面の山小屋宿泊が条件で特に二軒小屋は一泊二食付宿泊の予約が必要。バスに乗るときに3000円を払ってデポジット券を入手し、その券を山小屋に提出すると3000円引きになる。その領収書を提示すると帰りの送迎バスのバス券と交換できるしくみ。なぜそうなっているかは感想で記した。 なお「しずてつジャストライン」の往路の送迎バス乗継場と復路の乗り場（畑薙第一ダム）が異なる点に注意のこと |
| コース状況／ 危険箇所等 |
二軒小屋−千枚岳ー荒川小屋：最初はいきなり鉄梯子などの急登で道もやや不鮮明な箇所有。道標は登山口とマンノー沢の頭までほとんどない。小尾根に出てからは尾根を外さないように歩けばよい。赤テープも数か所あり。マンノー沢の頭を過ぎるとやや傾斜が緩むので、最初飛ばしすぎないほうがよいかもしれない。千枚小屋分岐までは6時間あれば十分いける。しかし千枚岳から荒川三山、荒川小屋までは何度も下っては登る険しいコースで、十分な準備が必要。特に悪沢岳（東岳から中岳の間は岩場が多く、三点確保でクライムダウンするような箇所もあるので要注意。悪沢岳。中岳、荒川小屋の間のお花畑は素晴らしい。荒川小屋までの下りはガレ場が続き、けがのないように慎重に。ガイドブックでは二日に分けて歩くコース、距離は大したことないが、標高差が2000m、累積標高差は3000m以上あることを考慮に入れるべし。 荒川小屋ー赤石小屋：気持ちの良い道が続き、危険個所はほとんどない。展望、お花畑、天気が良ければ最高のコース 赤石小屋−椹島：長い樹林帯の急下降、標高差1300mは、下降なら良いが登りは展望もなく相当きつそう。 なお、二軒小屋ロッジの食事は最高、弁当もよい。椹島ロッジのカフェのカレーもおいしいそうだ。シャワー設備使用は500円。 なお椹島ロッジの白旗史朗の常設展は一見の価値あり―入場料二百円。写真集も2千円は安い。 |
写真
広大な森林を所有する会社らしく、豪華な木材をふんだんに使った素晴らしいつくりーー二回まで突き抜ける太い柱は井川産トウヒを使い、井川産落葉松など、ぜいたくなつくりだ。
1
何か御代わりありますか？？と尋ねたら、二日目料理のカレーが出てきたーー私が食事について撮影したり、熱心に質問したのでーーシェフがどうぞとサービスしてくださったーー
2
マンノー沢ノ頭までコースに道標がほとんどなく、少し不安だが、たまに大岩にこんなペンキの道標がある（ロボット雨量計とあるが、現在はない）
1
これは何かな？ヒゴタイなどのトウヒレン属とは葉が違うし、ミヤマラッキョウとも違うように見えるーー？？ーーあ、わかった――葉はショウジョウバカマで花はチシマゼキショウかな？？
感想
梅雨が明けたとはいえ、はっきりしない天気。しかし次週もよくなりそうもないし、天気は持ちそうなので、懸案だった南アルプス南部に出かけることに。以前、計画を立てようとしたら台風の被害で静岡側からのアクセスができなくなったが、現在は東京からの夜行バス（毎日アルペン号）や静岡駅からは「しずてつジャストライン」のバスが畑薙第一ダムまで走り、東海フォレストの送迎車などが椹島や二軒小屋に送ってくれる―ただその仕組みがわかりづらい。今回は南アルプス南部の荒川三山、赤石岳方面を周回し、合わせて、アクセス方法を確認する意味で、二軒小屋に入り、荒川小屋にもう一泊して椹島に戻る計画にした。荒川小屋までアップダウンの多い標高差1800m以上、いくつもの大小ピークを越えていくので、極力距離の短い二軒小屋から出発することにした。
7月20日（土） 土曜の朝、新幹線を使わず、東海道線を乗り継いで静岡駅へ。ここはJR東日本と東海の壁があって、熱海や沼津で乗り換える不便な区間だ。静岡駅前のバス停ではすでにハイカーが並んでおり、満員に近かった。9時50分、駅前を出発し、横澤、井川駅（大井川鉄道ー南アルプスアプトラインの終点）と二度休憩し、3時間半かかって13時15分、畑薙第一ダム手前の乗換所に到着。大半の乗客はここで東海フォレストの送迎バスに乗り換える。バスは乗換所から畑薙ダムまで進み、茶臼小屋または聖平に向かう。また二軒小屋ロッジでなく、登山小屋に宿泊予定の女性ハイカー二人は10�劼領啼擦鯤發�という。暑くて大変そうだが、立派。当方は送迎バスを椹島で一時間待ち、3時半に送迎車に乗り込んで4時には二軒小屋到着。3人しかいなかった。
二軒小屋はかつて伝付峠の峠越えの経由地として使われ、宿が二軒あったので、二軒小屋という名称がついたようだ。東海フォレストとしては畑薙第一ダムから二軒小屋まで有料バスにしたいのだが、静岡県側は、道が危険として路線バスの許可を出さないために、宿泊者へのサービスとして現在のシステムが苦肉の策でできたようだ。そのシステムとは、乗換所で3000円をデポジットで支払、その券を出せば、東海フォレスト関係の山小屋では3000円分を引いてもらえる。つまり宿泊すれば送迎代は無料ということ。しかし二軒小屋までの送迎は二軒小屋1っ拍二食付きで泊まらないと送迎車は使えない。つまり登山小屋や自炊、テント泊などでは10�劼鯤發�よりないということ。
また聖、茶臼方面では別の小屋関係者が送迎車を出している。それは乗換所の受付で申し込めばよいらしい。また毎日アルペン号はこれまで週二日しか運航していないが、7月末から毎日運航に代わるという。登山者などが増えたらしい。
また椹島から少し先まで電柱が続いているが途中でなくなる。しかし二軒小屋には山を越えて電線が来ているという。しばらく走ると再び電線が出てきた。これはおそらく東海パルプの事業との関係だろう。いずれにせよ、椹島も二軒小屋も電気の通った快適な小屋だ。
4時に到着し、チェックインして付近の遊歩道を散策、遊歩道の入り口にはヤナギランが咲いていた。暗い谷沿いの道を登り、小尾根の展望の開けたところまで歩いて景色を眺めてから、宿舎に戻る。明日の登山道入り口も確認しておいた。
宿では早速風呂に入り、着替える。立派な木のお風呂だ。それから二階の食堂の外のテラスでビールを飲む。すでに釣りや昆虫採集などをするグループが飲み始めている。ここは釣りやその他、ハイキング以外の客もかなりありそう。人里からかなり離れた場所なので、相当濃厚な自然が残されているということだろう。またあとから先に10�劼領啼擦鯤發い禿仍馨�屋に泊まる女性ハイカー二人もビールを飲みに来たていた。話をすると、これまで3−4回ここを歩いており、最初は大仙丈岳から仙塩尾根から塩見岳、蝙蝠岳を経て2泊で二軒小屋に出て泊まったという。相当な健脚だ。明日は伝付峠からテント一泊で奈良田に下るという。黒河内山方面の荒れたコースを歩くのだろうか？？
食事が始まる。このロッジは高いが食事はこっている。まず前菜、鹿肉のカルパッチョをいただく。鹿肉は柔らかくておいしい。野菜はズッキーニ、ヤングコーン、ジャガイモにドレッシング添えたシンプルだがおいしい。ロッジの管理人兼料理長があいさつ、料理の説明をした。次に手作りピザ、トマトとチーズとトッピングに青、赤紫蘇のシンプルだがグー。そのあと、メインにイワナの燻製――これは絶品。イワナがこんなにおいしいとは――。そしてコーンスープとパエリア風の釜飯。ビールに代えて、「大井川の詩」という島田のお酒）冷酒）を飲みながら味わう。まだお腹がすいており、御代りはないかと尋ねると、シェフはOkサインで、二日目の客用のカレーを出してくれた。ありがたいーーこれもおいしい。最後にグレープフルーツシャーベットで終了。ぜいたくな夕食だった。
この建物は、井川のトウヒ、落葉松などの良材をふんだんに使った立派なつくりになっている。柱や吹き抜けなどを撮影し、また二階から三階に展示されている東海パルプの昔の井川林業の写真を見る。弁当を受け取り、明日の準備をして床に就く。部屋はベッド二つで私一人だ。
21日（日）：3時半に起床、おにぎり一個と味噌汁、お茶を飲んで4時過ぎに出発。林道に出て、堰堤の滝の上に出る。吊り橋が登山道入り口だ。吊り橋手前でストレッチ、吊り橋を渡るといきなり鉄パイプの梯子とロープのある急登、これには驚いたが、まだ薄暗い中、慎重に進む。一気に100m位登ると、視界が開け、比肩小屋ロッジが見下ろせる場所に出る。最初の道はいろいろな踏み跡が出てきてまっぎらわしい個所もあり、道標がないので、迷ったらすぐに引き返し、地図、コンパスなどで確認する必要がある。小尾根に出れば、尾根を外さないように注意して歩く。しばらく傾斜が緩むが、すぐ急登になる。山と高原地図にある最初の1871mピークはどこか不明だが、最初のガレ場に出るあたりのようだ。ガレ場の先の大岩に「ロボット雨量計」と矢印がペンキで書かれているが、マンノー沢の頭まで4時間以上の道中、道標はこれと古く錆びたトタンの道標以外は2−3の赤テープがあるだけ。ただ、尾根筋を外さなければ大丈夫だろう。登山口から1時間半くらいで千枚ガレの見える場所に出る。その先のロボット雨量計跡はすでになくなって、道標もないのでわからないが、おそらく、2271mピーク付近の平たん地のどこかだろう。千枚ガレの先には丸山や悪沢岳が見える。厳しい登りが続くが、2271mピークあたりからは1時間弱でいきなりマンノー沢ノ頭に出た。ここまで3時間半。コースタイムより30分速いので、まあまあのペースか？
山頂北側の樹間から北側を見ると、塩見岳、間ノ岳などの展望が得られる。そこに千枚岳からテントを担いだハイカーが下山してきた。挨拶をして話をする。4−5日間、聖から茶臼方面をうろうろして赤石・荒川岳経由で二軒小屋に下山するという。
ここから千枚ガレの上を進んでいく。マンノー沢の頭からすぐ先の残雪のある場所を過ぎ、千枚小屋まで2時間20分の道標を見る・今日初めて見る立派な道標だ。道はやや広く明瞭になり、富士山やガレ場を見ながら小一時間で「草付」と地図にある場所に出る。タカネグンナイフウロなどの花を見ながらこの草原上の緩やかな斜面を登ると、20分くらいでハイマツ帯に代わる。標高は2800m近い。そこから20分くらい等高線に沿った道になり、千枚小屋分岐に出る。分岐手前からまっすぐ千枚岳に向かう道はおそらく廃道化している。分岐から稜線に出ると、遠くの荒川岳中岳の稜線から下の斜面に荒川小屋が見えてきた。そう遠くに見えなかったが、実際には相当遠い。
少しペースが落ちてマンノー沢ノ頭から二時間半で千枚岳に出た。ここまで出会ったのは、先にすれ違った下山者一人だけ。稜線独り占めだ。途中、軽食の補給をしたものの、朝食から6時間以上たってかなりお腹が減ったので、ここでロッジのお弁当を食べる。ローストチキンとニジマスの甘露煮の豪華弁当だ。丸山山頂にハイカーのグループが見える。今日二番目のハイカーだ。昼食を食べているうちに姿は見えなくなり、こちらに向かっていることがわかる。さて、ここからが第二ラウンド。通常のコース案内では一日目、千枚小屋、二日目に荒川小屋の二泊のコースを一日で歩く予定。距離は12期m程度でさほど出ないが、標高差は1800m、累積標高はおそらく3000mを超える。
まず丸山に向かって登る。道は岩稜帯になり、ザレ場や急な岩場が多くなる。花も、ミヤマキンバイ、タカネツメクサ、シコタンソウ、イワベンケイ、イワギキョウ、タカネコウリンカ、ミヤマオダマキ、ハクサンイチゲ、イブキジャコウソウ、ミヤマムラサキなど多彩。実は今回、これまで見たことのない（あるいは記憶にない）タカネビランジを見たいと思っていたが、これまでは見ることができなかった。すれ違うハイカーにビランジを見たか尋ねたが、答えはノー。実は30分くらい下った場所で、もしかしたら、という植物に出会った。しかし花はつぼみ、一輪だけ開花を始めている。しかしこれがそうかよくわからない。後から調べて恐らくそうだと分かったが、このときはもっと大きな群落があるに違いないと思っていた。
丸山に向かう途中、単独女性ハイカーがザレ場を下ってきたのにすれ違う。下から見て心もとない足取りでこわごわザレ場を疲れ切った表情で下ってきた。この先心配だ。その先で数人の男性グループが下ってきた。千枚岳から見上げたグループだ。花の撮影をしながら進むと、グーグーと聞き覚えのある鳴き声ーーライチョウの親子が少し先の登山道付近を歩いている。親鳥は歩きやすいのか登山道を進み、雛の様子をうかがっている。私が近づくと、少しづつ雛を見守りながら進み、撮影しながら一緒に進行。なにか気配を感じたか、親鳥が飛び立って後ろに向かい、ほどなく飛んで帰ってきた。ライチョウと別れ、丸山に向かうが撮影と疲れからか、丸山まで千枚岳から一時間以上かかっている。ここで再び補給し、少し元気を取り戻して遅れを挽回すべく岩稜地帯を進み、12時40分に荒川岳東稜（悪沢岳）に到着する。ハイカーが一人山頂にいたが、すれ違うハイカーは予想以上に少ない。私の記憶では飯豊や朝日連峰でももう少し人が多かったように思う。バスや駐車場にはあれだけハイカーがいたのにどこに行ってしまったのか？？昨日椹島泊のハイカーの大半は千枚小屋泊まりなのか？−−
悪沢岳から荒川小屋までも一人旅。中岳コルまでコースタイムで30分だが、お花畑が素晴らしいので、多数の写真を撮り、結局30分で下るところを一時間近くかけている。これはいかんと、懸命に登って中岳避難小屋までは50分で登る。二時半すぎていた。小屋の中には今晩宿泊するらしいハイカーのザックが数個置いてあった。ここで休憩し、最後の補給をして荒川小屋に出発。小屋の管理人が出てきて話をする。荒川小屋に向かうというと、どうせ遅くなってしまうので慌てずにゆっくり下るべしとアドバイスーーザレた下りが多く、あわてると危ないという。
中岳から分岐に出てザックを置いて前岳を往復、お花畑の中の道を撮影しながらゆっくり下る。昨夜のビールタイムで、送迎車で一緒だったご夫婦の話にあった鹿柵が出てきた。以前はなかった柵が食害の広がりで設置され、お花畑の眺めが変わってしまったという。仕方のないことだ。対策を立てないと丸坊主にされてしまう。小屋へは前岳から400m以上下ったところだ。この下りは歩き難いザレた下りが多く、結局撮影しながら1時間半もかかって4時半過ぎにようやく荒川小屋に出た。小屋で手続きをすると、途中の小屋に入って、来ないかもしれないと思われていたらしい。手続きを済ませ、着替えて寝床の準備をして夕食となる。夕食後、隣のハイカーのお二人と話をする。若いハイカーは車で奥の駐車場まで行き、茶臼小屋経由で聖平小屋一泊、翌日、荒川小屋まで12−3時間コースを歩き、明日、鮮明小屋経由で椹島まで下るという。恐ろしい健脚だ。特に聖平から荒川小屋まで一気に歩き、しかも2時半に荒川小屋着とは恐れ入りましたーー私のほうは10時間コースで二時半到着予定が二時間も遅れてしまった。夜は激しい雨が降ってきた・
7月22日（月）：3時半起床、昨晩話をした若者はすでに出発するところだった。外は雨は止んでいる。4時前に朝食用サンドウィッチを食べ、お湯をいただいてスープとコーヒーを飲んで4時過ぎ出発。明るくなりはじめ、大聖寺平に向かう途中、樹林帯を抜け出すとガレ場に出て、富士山や赤石岳などが見え始める。大聖寺平は広い場所で、霧などの濃い場合に多少迷いやすいようだ。大きな荷物のハイカーが休憩中だったので、挨拶をして先に進む。今日は昨日よりも調子が良いようだ。早朝、太陽は出始めているが、ガスが赤石岳を半分覆っている。何も見えなくなったら赤石岳はパスして下山を考えた。今日は1時のバスに間に合わなければならない。撮影をしながら小赤石岳に向かう。6時過ぎ、小赤岳通過、赤石小屋分岐には6時17分に到着。赤石岳の右裏には岩ごつごつの碑j利だけの一部が見えているーー晴れ始めている。ザックを置いて赤石岳に向かって走り始めた。赤石山脈（南アルプス）の盟主、巨大な赤石岳だが、今は目の前だ。撮影しながらも10分くらいで山頂に到着、しかしガスが再び聖岳方面を覆う。山頂で晴れるのを待つ――聖方面から二人の男女のハイカーが上がってきた。この山域は経験豊富のようだ。振り返ると遠くに大仙丈が見えると教わった。聖岳山頂にはハイカー一人が見える。よく晴れなかったが、最後まで粘って撮影、6時40分近くなったので慌てて下り、10分弱で分岐まで戻る。さて、下山だ。できれば12時前までに下って、椹島で白旗史朗氏の写真展を見たいーー。しかしお花畑の撮影もしたい。アオノツガザクラ、チングルマなどの咲く岩稜帯を抜け、さらにハイマツ、シャクナゲ帯を抜けてお花畑に突入。撮影しながら50分くらいで水場に出る。まあまあのペース。今日は足が動いていて、体も軽い。さらに30分ほど下るとお花畑も終わり、夏道冬道の分岐に出る。ここからは登りが多くなり、谷沿いから尾根道になる。振り返ると冬道となる緑の深い尾根が赤石岳方向に伸びているのが見える。すっかり腫れ上がって青空になった。展望の良い尾根道を20分ほど登ると富士見平に出た。8時半前だ。9時前には赤石小屋につけそうだ。これでバスは間に合うと確信する。ここまでは一人旅だった。樹林帯の中を下り、9時前に赤石小屋に到着すると一息いれる。赤石小屋付近からは赤石岳、聖岳、大河内岳などが大きく見える。素晴らしい展望だ。上からは数組のハイカーらが続々小屋に到着した。残ったサンドウィッチを食べ、あんころ餅や果物の残りも食べて、水を補給し、9時10分前に先に出発。樹林帯の中の急な下りだが、すぐ後ろからすごいスピードで大きなザックを背負った大きなハイカーが下ってきた。道を譲り、マイペースで下る。いつものことだが、少し足先の外反母趾の出っ張ったところが痛み出す。ペースが少し落ちそうになるが、辛抱して下ると先行したハイカーが休憩中。少し話をする。聖岳、茶臼岳周辺で数日過ごし、今日1時のバスに乗る予定だが、おいしいといううわさの椹島のカレーを食べたいので急いでいるという。そう急がなくとも十分12時前に下れそうなので、けがのないよう気を付けてと言って、先に下る。しかしすぐ猛スピードで追い抜かれる。樺段手前の道標であと90分とある。10時12分、12時前には十分下れる。しかし標高差はまだ1000m近くある。先のハイカー氏と追いつ抜かれつして、樺段を過ぎ、林道を二回越えて、最終の下りに入る。途中、ハイカー氏に抜かれた後、さらにヘルメットをぶら下げたクライマーの男女二人に抜かれた。どこかの岩壁か滝でも上ったのだろうか？
下山中、多くのハイカーが登ってきたのにすれ違う。長い登りで天気も良かったので暑く、苦しそうな表情のハイカーが多かった。特に下のほうですれ違った高齢者のグループはかなり苦しそうでへたり込む人もいて、小屋までたどり着けるのだろうかと、ハイカー氏とともに心配した。
足先が痛くなり、少しペースを落として下る。12時までには何とか下れそう。急坂を40分くらい下ると下が見え始める。まだロッジとの標高差は300m位ある・すでに11時半を過ぎた。最後はジグザグの急坂を下って一気に登山口まで下った。下ると先行のハイカー氏が畑薙ダム方向から戻ってきた。クライミングの男女が畑薙ダム方向に歩いて行ったのでつられてしまい、間違いに気づいて戻ってきたそうだ。ここからロッジまでまだ100m下る。11時46分、ロッジ脇の大倉喜八郎氏の石碑に出る。ロッジの休憩所に向かい、ここでバス券交換とシャワー券および写真館入場料を払い、シャワー室で着替える。急いで写真館に向かうがけっこう12時半前になり、いそいで白旗史朗氏の写真を鑑賞し、12時40分、カフェテラスに戻り、生ビールを飲みながら残ったおにぎりや果実などを食べてバスを待つ。荒川小屋で出会ったスピードハイカー氏も送迎バスに間に合い、ダム手前駐車場で降りた。挨拶をし、ダムの静鉄バス停で下車、もう一人のハイカー氏もここで降りて毎日アルペン号に乗り換えた。
送迎バス内では運転手が相変わらず面白い話を聞かせてくれた。道中、フシグロセンノウ、キツリフネソウ、ナデシコ（タカネ？シナノ？カワラ？）などが咲いていた。14時25分、バスを乗り換え、5時前に静岡駅に到着――長かったが、南アルプス南部の様子を知ることができ、天気も大きく崩れず、満足の三日間だった。
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hirokok510さんのちょうど1週間前に、同じルートを逆回りで歩きました。(1日目は赤石岳避難小屋泊でしたが)
ルートの状況が良くわかるレコですね。
また、お花にもお詳しいようで、、、。
見習いたいです。
この辺りは登山口からしばらくが急なので、登りでも下りでも、いつもキツイです。
私は二軒小屋への下りで足を踏ん張りすぎて、筋肉痛になりました。
お天気良く、楽しい山旅、なによりです。
ricalonさん、コメントありがとうございます。
初めての南ア南部でしたが、想像以上に大きな山の連なる場所ーricalonさんのレコ拝見しました。赤石岳への思い、よくわかります。私も感動しました。
高山植物は難しいです。いろいろ調べ、実物を見て、また様々な本を読んで少しずつ勉強しています。
リハビリ、大変でしたね。復帰おめでとうございます。ご自愛ください。
二軒小屋でお目にかかった女性ハイカーです。
hirokok510さんが撮った二軒小屋の食事、本当に豪華ですねぇわたしも次は絶対に二軒小屋ロッジに泊まります!!(笑)
去年、雨で敗退してまだ赤石も荒川三山も歩いていないので、次はhirokok510さんの歩いたコースを反対から挑戦しようと思っています。
またどこかのお山でお会いできるの楽しみにしています。
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