折立からの黒部源流部ぐるり。


- GPS
- 57:35
- 距離
- 61.0km
- 登り
- 4,706m
- 下り
- 4,657m
コースタイム
天候 | 全日晴れ。 15日は夕方から雨。夜中は雷の音が聞こえる。 16日は夜パラパラと雨。 日中はカンカン照り。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
林道折立太郎平線が治山ダム工事のために途中まで入れるので、そこに車をdepo。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
真川は、おそらく2年前の土石流により、ほぼ全ての支流がズタボロ。しかし、川底の岩盤がだんだんと見え始めてきている場所もあり、徐々に元の姿に戻りつつあるのかしら? 夏道は特に何も。まだ雪渓はいたるところにあるので飲水の心配は少ない。 黒部川源流部にはまだ雪渓がある。が、後数日ですべて危険はなくなるでしょう。 祖父沢は、登り易くて良し。 高天原温泉は日本最奥の秘湯とか言うからどんなところかと思って行ったのに、非常にがっかり。行かなきゃよかった。 薬師沢周辺の夏道も色々と崩れたあとがあるが、特に危険はない。 下山しようとした沢は、多分非常に楽しい沢。ただ、装備と、技術力が足りない。 |
写真
感想
お盆休みだっていうことで職場も空っぽだし、夏休みとれば?帰れよ。みたいな雰囲気をひしひしと感じたので、急遽お盆休みをとって荒廃渓流を尋ねる旅へ。
朝5時頃に家を出て、有峰林道ゲートまで。ゲート開通10分前についたのだが、長蛇の列。さすがお盆。っていうか、こんなに人くるんだ。通行料1800円払って、GO!今後この林道の工事の担当になることもあるのかなーとか何とか思いつつ、むしろ、なんでこんな山の中に下界よりも高規格な道路があるんだとか思いつつ折立まで。
折立も混んでいる。臨時駐車場まであるが、それでも飽きたらずみんな路駐。しかし、それは夏道を歩く人間の話。私みたいに最初から沢を選択する人間に必要はない。2年くらい前に大規模な土砂の流出があった真川の復旧で、治山ダムを入れる工事をやっているとかいう噂もあったので、車で行ける所まで林道をはしらせてみる。すると、工事箇所。ここに入れるくらいだったらもっと上流側に荒れてる谷あるだろう(ハゲ谷、ヤクシ谷とか)、と思うけれども、まぁしょうがなかったんだろう。ここまでは非常に整備された林道。この先は、灌木の生い茂る元林道。とりあえず林道に踏み跡らしきものはあったので行ける所まで歩いてみることにする。ちなみに、バックホーが道を塞いでいたので、どうあがいてもそれ以上先に車は進めなかった。
進んでいくと、路肩を抑えている擁壁が抜けていて、道路が大きく崩落。その先へは進めそうにないので、そこから真川へと降りていく。真川は、やはり非常に荒廃している渓流ではあるが、2年前の死んだような川とは違い、だんだんと息を吹き返している感を感じる。明らかに、2年前に訪れた時よりも川底が1-2mは下がっている。気がする。所々釜のような場所も出来てきているし、あと何年かしたら元に戻るのかしらん?
そんなこんなでヤクシ谷を過ぎシンノ谷へ。真川本流よりも本流っぽい。広い。しかし、この沢なんだ?っていうか、一番の荒廃源ってここじゃないの?っていうくらい酷い。というか、何この沢。こんな量の土砂が出てくる沢には見えないけれどもすごい沢。職場行っていろんな人に見せてやろうかしらと写真をいっぱい撮りながら登っていく。と、滝。
滝のある辺りは流速が強くなるからか、削れやすいからか、土砂はない。真川の釜も、後々の最後の沢でも思ったが、こういう岩盤質系のところは結構早めに土砂が洗われるのか?
で、さくっと詰め上がって、北ノ俣岳。そこから、雨が降ったりする中、ひとりテクテクと黒部五郎のキャンプ場まで。日没ギリギリ。或いは過ぎ。暗くなりかかっていた。遠かった。1日で来る距離じゃない。というか、現役の頃の下調べでは、シンノ谷を上がるまでに1日以上かかるはずだったのに。。。おかしいな。こんな長野県境まで来るつもりはなかった。
翌朝、本日は高天原温泉に行ってみようと思っていたが、このまま沢を下って祖父だけ登るのもあれなので、三俣蓮華までは行ってみようと夏道を登っていく。景色が綺麗。すごろく方面には列をなして人が居る。というか、このあたり混んでる。さすがお盆。そんな混んでいる所に行きたくはないので、三俣山荘のテン場から、夏道通りに降りていくと見せかけて途中から沢へ。黒部川の源流だ。意外と岩が赤色で、綺麗く見えない。と思っていたのもつかの間。水量が増してくると、透き通るような青。これですよこれ。
途中雪渓も沢中に出てくるが、真ん中は落ちているのでおそらく倒れてきても普通に倒れてくる分には下敷きにならないだろう、という当たりをなんとなく歩く。実際倒れてきたらヤバいかもしれないけれども、そこはサクッと。一つまだ両岸ぎりぎり繋がっているのがあったので、巻くことに。右岸をまこうとしたら失敗。左岸が緩くて吉。
五郎沢との合流点も過ぎ、だんだんとチャプチャプかなと思ったら余裕で足がつかなかったでござる。みたいな釜に飛び込みながら祖父沢出合。ここから祖父沢を登っていく。
祖父沢は、崩壊地を過ぎた辺りから沢登り。小滝に次ぐ小滝。段差に次ぐ段差。沢歩きって感じよりも、沢登り、って感じが適当かな?みたいな沢。河原をただ歩くよりも俄然楽しいので良し。全く難しい場所もなく、そろそろ飽きてきたなーとか思った頃に源頭へ。黒部五郎を見ながらラーメンを食べて、テン場へと。
テン場を作って荷物をおいたら昼を過ぎていたが、ここまで来て、高天原へ行かないのは勿体無いと、日本最奥の秘湯へ向かう。この雲の平から降りる道は薬師沢方面も高天原方面も大きな岩と、急な木の根っ子の斜面ばかり。山靴より沢足袋の方がいい気もするし、ドロドロだから山靴のほうがいい気もするし。とか言いながら、はしごとかを下りながら高天原まで。
なるほど、まぁ、こんな奥地に湿原があったら、そんな高貴な名前つけるかもしれませんけれどもー。。。みたいな湿原。しかし、日本最奥の秘湯とはどのような場所だろうと期待に胸を弾ませ温泉へ。
山に来てここまで拍子抜けしたのは初めてだ。というか、憤りすら感じる。いや、何も写真も、下調べもせず、ただ、日本で一番訪れるのが難しい温泉の一つだというそれだけの情報をもとに来たので?期待が高かった。というのはありますけれども。なにこれ。
そもそも、最初に目に飛び込んでくるのが、女性用とはいえ、全面囲まれてる小屋。次に見えるのが、横に屋根付きの着替える場所がある露天。最後に、川の左岸側にある野湯。最奥の!とか言うんだからさ、デデーンと野湯だけがあって欲しかった。なにこの、人工的に引っ張ってきました感満載な。男女別浴です。そこら辺配慮してます。的な。
なんというか、大雪山の中岳温泉みたいな雰囲気を勝手に想像していただけに、落胆ぶりが凄まじかった。しかも景色も良くないし。なにもかも中途半端。同じ北アルプスなら阿曽原温泉とか、仙人温泉とかのほうが完全に勝利。はぁ。ここまで来て損した。とか何とか愚痴を言いながら、風呂に入って、テン場へと戻る。本日も充実の12時間行動である。そろそろ足が限界。
翌朝今日はもう降るだけだ。と自分に言い聞かせ、出発。薬師岳を見ながら薬師沢へと下っていく。木道が終わってからのこの道の急さ。木道こんなに整備するくらいなら下まで歩きやすいようにすればいいのにとか、非常に思いつつ薬師沢。黒部の本流にかかっている橋は渡らず、パシャパシャ渡渉。腰くらい。
そのまま薬師沢遡行すれば良いんじゃねとか考え進むが、地図を見ると非常に遠回り。ということで、川岸をよじ登る。結構核心。怖かった。草まみれになりながら夏道に復帰し、テクテク歩いて夏道最後の橋まで。この時点で時間もまだあるし、最後にいっちょ沢登って終わりにしよう!と、太郎平のテン場横を突き上げる沢を登る。ここは通ったことがあるだけあって、楽しい。祖父沢よりも沢歩きっぽい。ずっと登っている、っていうより、河原、小滝、河原、段差。みたいな感じ。沢歩きと沢登りの自分の中での境界線はこれくらいだろうか。ということで詰め上がり。太郎平小屋のベンチでラーメン作って食べて、さて夏道下るぞと歩き出すが、だるい。非常にだるい。
1970mくらいのポコの手前でもう我慢ならん!それに、車置いたのこの横の沢居りたところじゃね?と思いつき、沢を下ることに。
源頭から岩盤質で、凹型の沢だなーとか思いつつ、ザックを投げたり、巻いたりしながらガンガン下っていく。非常に岩盤室で、滝!滝!滝!の沢。非常に楽しい。恐らくでっかい滝は2,3あるだろうと、ヤクシ谷やシンノ谷の沢の位置とかから考えてはいたのだが、10mないくらいか、あるくらいの滝がバンバン出てくる。まぁこれくらいなら楽勝っしょ!みたいな感じで、水量少ないながら、ウォーターシュートしてみたり、飛び込んでみたりしながら降りて行くが、次第に急になってきているのか、だんだん落差も、雰囲気も険しい物へと変わっていく。
だが、まだ巻ける、まだ行ける、と、ヤブを漕ぎつつ、滝の落ち口から覗きこんでは、これはまだ行ける、と下って行くと。。。
非常に高そうな滝が出現。下を覗いてみるも、あるぇー?何この高さ。アップしても余裕で届くとは所見では言い切れなさそうなくらい。なんとか左岸を使って巻けそうだったので、ここらでハーネスを初めて装着し、慎重に降りていく。
ヤクシ谷の2つの大滝よりは確実にでかいな。きっと。とか思うが、この滝、少なくとも三連爆っぽい。まだ1段目。ザックをちょっと置いて、焚き口から下をのぞき込むが、更に高い。そして巻けない。懸垂下降したとして、両岸とも切り立っているのでその先降りる以外の道はない。でも、その先さらに下が見えない。ヤバい。
この一連の滝を下りきってしまえば、おそらくもう最後だとは思うのだが、懸垂をすると言っても細引きしか持っていない身としては、やっても10mを繰り返すのが限界。細引きでできるというのはここまでの滝で確認済みなのでいいのだが、このまま下るのはあまりにもリスキー。というか、洒落にならん。1人だし。
ということで、まさかの引き返し。しかし、このまま戻るのは癪に障る。し、ちょっと巻きが面倒だったり、ホールドスタンス細かったところもあるので、このまま夏道に直に復帰してしまえということで、およそコンタ差300mの笹bushさんこんにちは。
丁寧に通してくださいとお願いしながらひたすら登り、夏道へついて、あとはフラフラになりながら下山。車を取りに林道を歩いて下山したのでした。
今回最後に下った沢は、通過できれば非常に楽しいし、登り応えもありそうだし、折立から夏道の急な部分を巻いて行けるいい沢だと思うので、今度、下から見に行ってみようと思います。ぜひともそれで行けそうだったらどなたかご一緒しませんか?とか。なんとか。
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