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Yamareco

記録ID: 335053
全員に公開
沢登り
剱・立山

折立からの黒部源流部ぐるり。

2013年08月15日(木) 〜 2013年08月17日(土)
情報量の目安: S
都道府県 富山県 長野県 岐阜県
 - 拍手
体力度
10
2〜3泊以上が適当
GPS
57:35
距離
61.0km
登り
4,706m
下り
4,657m
歩くペース
標準
0.91.0
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

GPSログ参照
天候 全日晴れ。
15日は夕方から雨。夜中は雷の音が聞こえる。
16日は夜パラパラと雨。
日中はカンカン照り。
過去天気図(気象庁) 2013年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
有峰林道を通って折立まで。
林道折立太郎平線が治山ダム工事のために途中まで入れるので、そこに車をdepo。
コース状況/
危険箇所等
真川は、おそらく2年前の土石流により、ほぼ全ての支流がズタボロ。しかし、川底の岩盤がだんだんと見え始めてきている場所もあり、徐々に元の姿に戻りつつあるのかしら?
夏道は特に何も。まだ雪渓はいたるところにあるので飲水の心配は少ない。
黒部川源流部にはまだ雪渓がある。が、後数日ですべて危険はなくなるでしょう。
祖父沢は、登り易くて良し。
高天原温泉は日本最奥の秘湯とか言うからどんなところかと思って行ったのに、非常にがっかり。行かなきゃよかった。
薬師沢周辺の夏道も色々と崩れたあとがあるが、特に危険はない。
下山しようとした沢は、多分非常に楽しい沢。ただ、装備と、技術力が足りない。
お盆のさなかだけあって車がいっぱい。
2013年08月15日 07:14撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/15 7:14
お盆のさなかだけあって車がいっぱい。
林道折立太郎平線は今年の治山ダムの工事のためにここまで車で入れる。道も非常に整備されてる。
2013年08月15日 07:38撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/15 7:38
林道折立太郎平線は今年の治山ダムの工事のためにここまで車で入れる。道も非常に整備されてる。
この林道、元々は太郎平まで行くはずだったんだそうだ。
2013年08月15日 07:49撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/15 7:49
この林道、元々は太郎平まで行くはずだったんだそうだ。
工事現場から先はこんな道に。
2013年08月15日 07:50撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/15 7:50
工事現場から先はこんな道に。
ここで、道がこのように陥没していたので沢へ通りた。この崩れている一番上の部分が本来の道路面。
2013年08月15日 07:54撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/15 7:54
ここで、道がこのように陥没していたので沢へ通りた。この崩れている一番上の部分が本来の道路面。
あんなに荒れていた真川もこんな場所が見られるくらいまで土砂が減っている!
2013年08月15日 08:39撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/15 8:39
あんなに荒れていた真川もこんな場所が見られるくらいまで土砂が減っている!
ヤクシ谷出合。まぁこんなもんか。
2013年08月15日 08:53撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/15 8:53
ヤクシ谷出合。まぁこんなもんか。
同上パノラマ
2013年08月18日 14:56撮影
8/18 14:56
同上パノラマ
この先も土砂はあるが、なかなかきれい。
2013年08月18日 13:09撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/18 13:09
この先も土砂はあるが、なかなかきれい。
こんな釜も。
2013年08月18日 13:10撮影
1
8/18 13:10
こんな釜も。
シンノ谷。本来は岩盤質な沢っぽい
2013年08月15日 09:55撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/15 9:55
シンノ谷。本来は岩盤質な沢っぽい
荒廃渓流
2013年08月18日 14:56撮影
8/18 14:56
荒廃渓流
こういう渓流に谷止工入れればいいんだと思うんだけれども。
2013年08月18日 14:56撮影
8/18 14:56
こういう渓流に谷止工入れればいいんだと思うんだけれども。
どんだけ土砂出たんだよっていう。
2013年08月18日 14:56撮影
8/18 14:56
どんだけ土砂出たんだよっていう。
やっとこさ滝が現れた。寒そうだったので右岸の端の方を。
2013年08月15日 10:54撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/15 10:54
やっとこさ滝が現れた。寒そうだったので右岸の端の方を。
お次の滝。テクテク。
2013年08月15日 10:57撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/15 10:57
お次の滝。テクテク。
滝のあたりは土砂が少ない。
2013年08月18日 13:20撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 13:20
滝のあたりは土砂が少ない。
同じ滝。右左二本あるうちの右が本流。その、左端を登った。
2013年08月18日 14:56撮影
8/18 14:56
同じ滝。右左二本あるうちの右が本流。その、左端を登った。
そして、登ってみるとまた荒廃している。この沢。
2013年08月18日 14:56撮影
8/18 14:56
そして、登ってみるとまた荒廃している。この沢。
だんだん本来の姿が?
2013年08月18日 13:21撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 13:21
だんだん本来の姿が?
もうそろそろ詰め終わり。
2013年08月18日 13:21撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/18 13:21
もうそろそろ詰め終わり。
そしてででーんっと雪渓。
2013年08月15日 13:31撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/15 13:31
そしてででーんっと雪渓。
お花も咲いてもうすぐ夏がくるかなーッて感じ。
2013年08月15日 13:50撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/15 13:50
お花も咲いてもうすぐ夏がくるかなーッて感じ。
黒部五郎岳。
2013年08月18日 14:56撮影
1
8/18 14:56
黒部五郎岳。
早朝の薬師岳。
2013年08月16日 04:58撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 4:58
早朝の薬師岳。
同じく笠ヶ岳
2013年08月16日 05:07撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 5:07
同じく笠ヶ岳
三俣蓮華から笠ヶ岳、黒部五郎というパノラマ。
2013年08月18日 13:27撮影
8/18 13:27
三俣蓮華から笠ヶ岳、黒部五郎というパノラマ。
綺麗ですよねー
2013年08月18日 14:56撮影
8/18 14:56
綺麗ですよねー
三俣蓮華のカール。名前なんて言うんだっけ。
2013年08月16日 05:56撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 5:56
三俣蓮華のカール。名前なんて言うんだっけ。
同じく。
2013年08月16日 06:09撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/16 6:09
同じく。
三俣蓮華の山頂から。
2013年08月18日 14:56撮影
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8/18 14:56
三俣蓮華の山頂から。
槍。補高。
2013年08月16日 06:32撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/16 6:32
槍。補高。
いわゆる双六谷とか金木戸川とかそういう奴の辺り。
2013年08月16日 06:39撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 6:39
いわゆる双六谷とか金木戸川とかそういう奴の辺り。
双六岳のカール。
2013年08月16日 06:42撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/16 6:42
双六岳のカール。
槍。とか。
2013年08月16日 06:50撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 6:50
槍。とか。
三俣のテン場。
2013年08月16日 07:09撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 7:09
三俣のテン場。
黒部川源流部。まだまだ雪渓残ってますよ。
2013年08月16日 07:54撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 7:54
黒部川源流部。まだまだ雪渓残ってますよ。
同上。ここは中を行く。
2013年08月16日 07:56撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 7:56
同上。ここは中を行く。
水が綺麗。
2013年08月16日 07:58撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/16 7:58
水が綺麗。
これはまだスノーブリッジ化していたので、下はくぐらず左岸を巻く。
2013年08月16日 08:30撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 8:30
これはまだスノーブリッジ化していたので、下はくぐらず左岸を巻く。
何処まで倒れてくるんだろうねこう言うの。
2013年08月16日 08:41撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 8:41
何処まで倒れてくるんだろうねこう言うの。
水が綺麗。
2013年08月16日 09:14撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/16 9:14
水が綺麗。
水底と水面と。
2013年08月16日 09:15撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/16 9:15
水底と水面と。
水中写真。
2013年08月16日 09:15撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/16 9:15
水中写真。
祖父沢。これは崩壊したの?もともと?
2013年08月16日 10:02撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 10:02
祖父沢。これは崩壊したの?もともと?
小滝が連続。
2013年08月18日 13:34撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 13:34
小滝が連続。
最後のほう?
2013年08月16日 10:59撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 10:59
最後のほう?
詰め上がってきた。
2013年08月16日 11:05撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 11:05
詰め上がってきた。
この先が雲ノ平のテン場。
2013年08月16日 11:16撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 11:16
この先が雲ノ平のテン場。
黒部五郎を見ながら昼食タイム。
2013年08月16日 11:37撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 11:37
黒部五郎を見ながら昼食タイム。
雲ノ平。
2013年08月16日 12:39撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 12:39
雲ノ平。
水晶。
2013年08月16日 13:00撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/16 13:00
水晶。
スイス庭園だかから見る薬師。
2013年08月16日 13:15撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 13:15
スイス庭園だかから見る薬師。
これが高天原らしい。
2013年08月16日 14:28撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/16 14:28
これが高天原らしい。
日本最奥の秘湯
2013年08月16日 15:27撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
2
8/16 15:27
日本最奥の秘湯
岩間温泉に似てるっちゃ似てる。。。か?
2013年08月16日 15:38撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
1
8/16 15:38
岩間温泉に似てるっちゃ似てる。。。か?
朝の薬師岳。
2013年08月17日 06:10撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 6:10
朝の薬師岳。
今日も黒部川は綺麗です。
2013年08月18日 13:39撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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8/18 13:39
今日も黒部川は綺麗です。
薬師沢も綺麗です。
2013年08月17日 07:56撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 7:56
薬師沢も綺麗です。
こんな怖い橋あったっけ?
2013年08月17日 08:36撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 8:36
こんな怖い橋あったっけ?
太郎平のテン場に詰める沢。
2013年08月17日 09:27撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 9:27
太郎平のテン場に詰める沢。
ここもきれいきれい。
2013年08月17日 09:29撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 9:29
ここもきれいきれい。
こいつを登ると一番早く折立への夏道に行ける気がするんだけれども、面倒なので辞めました。
2013年08月18日 13:40撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 13:40
こいつを登ると一番早く折立への夏道に行ける気がするんだけれども、面倒なので辞めました。
薬師岳を中心にパノラマ。
2013年08月18日 14:57撮影
8/18 14:57
薬師岳を中心にパノラマ。
黒部の源流部。
2013年08月17日 10:15撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 10:15
黒部の源流部。
真ん中にそびえるは劔。
2013年08月17日 11:25撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 11:25
真ん中にそびえるは劔。
さて、沢を降りていこうとします。
2013年08月17日 11:49撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 11:49
さて、沢を降りていこうとします。
いきなり滝。見えないかもしれないけど結構高い。
2013年08月18日 13:44撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 13:44
いきなり滝。見えないかもしれないけど結構高い。
滝!
2013年08月18日 13:44撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 13:44
滝!
滝!
2013年08月17日 12:14撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 12:14
滝!
滝!
2013年08月18日 13:44撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 13:44
滝!
滝!
2013年08月18日 13:44撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 13:44
滝!
岩盤質!
2013年08月17日 12:22撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 12:22
岩盤質!
滝!
2013年08月18日 13:44撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 13:44
滝!
滝!
2013年08月18日 13:44撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 13:44
滝!
岩盤!
2013年08月17日 12:41撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 12:41
岩盤!
滝!ウォータシュート?したんだっけか?
2013年08月18日 13:44撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 13:44
滝!ウォータシュート?したんだっけか?
滝!
2013年08月18日 13:44撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 13:44
滝!
岩盤!
2013年08月17日 12:50撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 12:50
岩盤!
滝!
2013年08月18日 13:44撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 13:44
滝!
ぐわっと広がって、
2013年08月18日 14:57撮影
8/18 14:57
ぐわっと広がって、
岩盤!
2013年08月17日 12:53撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 12:53
岩盤!
そしてこいつが20-30mくらいの滝!
2013年08月18日 13:45撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/18 13:45
そしてこいつが20-30mくらいの滝!
で、この下にも最低でもあと2つ同じような滝があるように見えたので、やめた。
2013年08月17日 13:22撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 13:22
で、この下にも最低でもあと2つ同じような滝があるように見えたので、やめた。
有峰湖。
2013年08月17日 15:19撮影 by  TG-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
8/17 15:19
有峰湖。
撮影機器:

感想

 お盆休みだっていうことで職場も空っぽだし、夏休みとれば?帰れよ。みたいな雰囲気をひしひしと感じたので、急遽お盆休みをとって荒廃渓流を尋ねる旅へ。

 朝5時頃に家を出て、有峰林道ゲートまで。ゲート開通10分前についたのだが、長蛇の列。さすがお盆。っていうか、こんなに人くるんだ。通行料1800円払って、GO!今後この林道の工事の担当になることもあるのかなーとか何とか思いつつ、むしろ、なんでこんな山の中に下界よりも高規格な道路があるんだとか思いつつ折立まで。
 折立も混んでいる。臨時駐車場まであるが、それでも飽きたらずみんな路駐。しかし、それは夏道を歩く人間の話。私みたいに最初から沢を選択する人間に必要はない。2年くらい前に大規模な土砂の流出があった真川の復旧で、治山ダムを入れる工事をやっているとかいう噂もあったので、車で行ける所まで林道をはしらせてみる。すると、工事箇所。ここに入れるくらいだったらもっと上流側に荒れてる谷あるだろう(ハゲ谷、ヤクシ谷とか)、と思うけれども、まぁしょうがなかったんだろう。ここまでは非常に整備された林道。この先は、灌木の生い茂る元林道。とりあえず林道に踏み跡らしきものはあったので行ける所まで歩いてみることにする。ちなみに、バックホーが道を塞いでいたので、どうあがいてもそれ以上先に車は進めなかった。

 進んでいくと、路肩を抑えている擁壁が抜けていて、道路が大きく崩落。その先へは進めそうにないので、そこから真川へと降りていく。真川は、やはり非常に荒廃している渓流ではあるが、2年前の死んだような川とは違い、だんだんと息を吹き返している感を感じる。明らかに、2年前に訪れた時よりも川底が1-2mは下がっている。気がする。所々釜のような場所も出来てきているし、あと何年かしたら元に戻るのかしらん?
 そんなこんなでヤクシ谷を過ぎシンノ谷へ。真川本流よりも本流っぽい。広い。しかし、この沢なんだ?っていうか、一番の荒廃源ってここじゃないの?っていうくらい酷い。というか、何この沢。こんな量の土砂が出てくる沢には見えないけれどもすごい沢。職場行っていろんな人に見せてやろうかしらと写真をいっぱい撮りながら登っていく。と、滝。
 滝のある辺りは流速が強くなるからか、削れやすいからか、土砂はない。真川の釜も、後々の最後の沢でも思ったが、こういう岩盤質系のところは結構早めに土砂が洗われるのか?

 で、さくっと詰め上がって、北ノ俣岳。そこから、雨が降ったりする中、ひとりテクテクと黒部五郎のキャンプ場まで。日没ギリギリ。或いは過ぎ。暗くなりかかっていた。遠かった。1日で来る距離じゃない。というか、現役の頃の下調べでは、シンノ谷を上がるまでに1日以上かかるはずだったのに。。。おかしいな。こんな長野県境まで来るつもりはなかった。

 翌朝、本日は高天原温泉に行ってみようと思っていたが、このまま沢を下って祖父だけ登るのもあれなので、三俣蓮華までは行ってみようと夏道を登っていく。景色が綺麗。すごろく方面には列をなして人が居る。というか、このあたり混んでる。さすがお盆。そんな混んでいる所に行きたくはないので、三俣山荘のテン場から、夏道通りに降りていくと見せかけて途中から沢へ。黒部川の源流だ。意外と岩が赤色で、綺麗く見えない。と思っていたのもつかの間。水量が増してくると、透き通るような青。これですよこれ。
 途中雪渓も沢中に出てくるが、真ん中は落ちているのでおそらく倒れてきても普通に倒れてくる分には下敷きにならないだろう、という当たりをなんとなく歩く。実際倒れてきたらヤバいかもしれないけれども、そこはサクッと。一つまだ両岸ぎりぎり繋がっているのがあったので、巻くことに。右岸をまこうとしたら失敗。左岸が緩くて吉。
 五郎沢との合流点も過ぎ、だんだんとチャプチャプかなと思ったら余裕で足がつかなかったでござる。みたいな釜に飛び込みながら祖父沢出合。ここから祖父沢を登っていく。
 祖父沢は、崩壊地を過ぎた辺りから沢登り。小滝に次ぐ小滝。段差に次ぐ段差。沢歩きって感じよりも、沢登り、って感じが適当かな?みたいな沢。河原をただ歩くよりも俄然楽しいので良し。全く難しい場所もなく、そろそろ飽きてきたなーとか思った頃に源頭へ。黒部五郎を見ながらラーメンを食べて、テン場へと。
 テン場を作って荷物をおいたら昼を過ぎていたが、ここまで来て、高天原へ行かないのは勿体無いと、日本最奥の秘湯へ向かう。この雲の平から降りる道は薬師沢方面も高天原方面も大きな岩と、急な木の根っ子の斜面ばかり。山靴より沢足袋の方がいい気もするし、ドロドロだから山靴のほうがいい気もするし。とか言いながら、はしごとかを下りながら高天原まで。
 なるほど、まぁ、こんな奥地に湿原があったら、そんな高貴な名前つけるかもしれませんけれどもー。。。みたいな湿原。しかし、日本最奥の秘湯とはどのような場所だろうと期待に胸を弾ませ温泉へ。

 山に来てここまで拍子抜けしたのは初めてだ。というか、憤りすら感じる。いや、何も写真も、下調べもせず、ただ、日本で一番訪れるのが難しい温泉の一つだというそれだけの情報をもとに来たので?期待が高かった。というのはありますけれども。なにこれ。
 そもそも、最初に目に飛び込んでくるのが、女性用とはいえ、全面囲まれてる小屋。次に見えるのが、横に屋根付きの着替える場所がある露天。最後に、川の左岸側にある野湯。最奥の!とか言うんだからさ、デデーンと野湯だけがあって欲しかった。なにこの、人工的に引っ張ってきました感満載な。男女別浴です。そこら辺配慮してます。的な。
 なんというか、大雪山の中岳温泉みたいな雰囲気を勝手に想像していただけに、落胆ぶりが凄まじかった。しかも景色も良くないし。なにもかも中途半端。同じ北アルプスなら阿曽原温泉とか、仙人温泉とかのほうが完全に勝利。はぁ。ここまで来て損した。とか何とか愚痴を言いながら、風呂に入って、テン場へと戻る。本日も充実の12時間行動である。そろそろ足が限界。

 翌朝今日はもう降るだけだ。と自分に言い聞かせ、出発。薬師岳を見ながら薬師沢へと下っていく。木道が終わってからのこの道の急さ。木道こんなに整備するくらいなら下まで歩きやすいようにすればいいのにとか、非常に思いつつ薬師沢。黒部の本流にかかっている橋は渡らず、パシャパシャ渡渉。腰くらい。
 そのまま薬師沢遡行すれば良いんじゃねとか考え進むが、地図を見ると非常に遠回り。ということで、川岸をよじ登る。結構核心。怖かった。草まみれになりながら夏道に復帰し、テクテク歩いて夏道最後の橋まで。この時点で時間もまだあるし、最後にいっちょ沢登って終わりにしよう!と、太郎平のテン場横を突き上げる沢を登る。ここは通ったことがあるだけあって、楽しい。祖父沢よりも沢歩きっぽい。ずっと登っている、っていうより、河原、小滝、河原、段差。みたいな感じ。沢歩きと沢登りの自分の中での境界線はこれくらいだろうか。ということで詰め上がり。太郎平小屋のベンチでラーメン作って食べて、さて夏道下るぞと歩き出すが、だるい。非常にだるい。

1970mくらいのポコの手前でもう我慢ならん!それに、車置いたのこの横の沢居りたところじゃね?と思いつき、沢を下ることに。
源頭から岩盤質で、凹型の沢だなーとか思いつつ、ザックを投げたり、巻いたりしながらガンガン下っていく。非常に岩盤室で、滝!滝!滝!の沢。非常に楽しい。恐らくでっかい滝は2,3あるだろうと、ヤクシ谷やシンノ谷の沢の位置とかから考えてはいたのだが、10mないくらいか、あるくらいの滝がバンバン出てくる。まぁこれくらいなら楽勝っしょ!みたいな感じで、水量少ないながら、ウォーターシュートしてみたり、飛び込んでみたりしながら降りて行くが、次第に急になってきているのか、だんだん落差も、雰囲気も険しい物へと変わっていく。
 だが、まだ巻ける、まだ行ける、と、ヤブを漕ぎつつ、滝の落ち口から覗きこんでは、これはまだ行ける、と下って行くと。。。
 非常に高そうな滝が出現。下を覗いてみるも、あるぇー?何この高さ。アップしても余裕で届くとは所見では言い切れなさそうなくらい。なんとか左岸を使って巻けそうだったので、ここらでハーネスを初めて装着し、慎重に降りていく。
 ヤクシ谷の2つの大滝よりは確実にでかいな。きっと。とか思うが、この滝、少なくとも三連爆っぽい。まだ1段目。ザックをちょっと置いて、焚き口から下をのぞき込むが、更に高い。そして巻けない。懸垂下降したとして、両岸とも切り立っているのでその先降りる以外の道はない。でも、その先さらに下が見えない。ヤバい。
 この一連の滝を下りきってしまえば、おそらくもう最後だとは思うのだが、懸垂をすると言っても細引きしか持っていない身としては、やっても10mを繰り返すのが限界。細引きでできるというのはここまでの滝で確認済みなのでいいのだが、このまま下るのはあまりにもリスキー。というか、洒落にならん。1人だし。
 ということで、まさかの引き返し。しかし、このまま戻るのは癪に障る。し、ちょっと巻きが面倒だったり、ホールドスタンス細かったところもあるので、このまま夏道に直に復帰してしまえということで、およそコンタ差300mの笹bushさんこんにちは。

 丁寧に通してくださいとお願いしながらひたすら登り、夏道へついて、あとはフラフラになりながら下山。車を取りに林道を歩いて下山したのでした。


 今回最後に下った沢は、通過できれば非常に楽しいし、登り応えもありそうだし、折立から夏道の急な部分を巻いて行けるいい沢だと思うので、今度、下から見に行ってみようと思います。ぜひともそれで行けそうだったらどなたかご一緒しませんか?とか。なんとか。

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無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [4日]
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体力レベル
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無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [4日]
高天原と雲ノ平
利用交通機関: 電車・バス
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5

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