南アルプス(光岳・聖岳・赤石岳)


- GPS
- 56:00
- 距離
- 52.8km
- 登り
- 5,757m
- 下り
- 5,565m
コースタイム
8/02(金):茶臼小屋[4:15]〜茶臼岳〜光岳[8:30]〜茶臼小屋[14:20]
8/03(土):茶臼小屋[4:15]〜上河内岳〜聖平小屋(テン場)[10:30]
8/04(日):聖平小屋[4:00]〜聖岳(奥聖岳)[9:20]〜兎岳〜小兎岳[15:30]〜百間洞山の家(小屋泊)[18:30]
8/05(月):百間洞山の家(停滞:小屋泊)
8/06(火):百間洞山の家[5:15]〜赤石岳[9:30]〜赤石小屋(テン場)[14:30]
8/07(水):赤石小屋[6:30]〜椹島(テン場)[12:00]
8/08(木):椹島[13:00]〜自宅
天候 | 8月1日(木):曇一時雨 8月2日(金):晴のち曇(夕方:一時雨) 8月3日(土):晴のち曇 8月4日(日):曇一時晴(夕方:雨) 8月5日(月):曇一時雨 8月6日(火):雨のち曇(夕方:一時雨) 8月7日(水):晴 8月8日(木):晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
|
写真
感想
【7/31(水)】
自宅〜東京(竹橋)〜沼平ゲート
チャイムが鳴ると同時にパソコン電源オフ!
上司に「行ってきます!」と言葉を残し、カバン片手にダッシュで退社(^^ゞ
会社の夏休み9連休に、未消化の代休2日をくっつけて11連休。
全て南アルプス縦走につぎ込む。
準備しておいたザックを背負い電車で東京へ移動し夜行バス(毎日アルペン号)で登山口まで移動。
【8/01(木)】
沼平ゲート〜ヤレヤレ峠〜ウソッコ小屋〜横窪小屋〜茶臼小屋(テン場)
6時にバスを下車し、まずは登山口まで林道をテクテクと歩く。
登山口には長さ182mの畑薙大吊橋があり、重荷なので結構揺れる。
いきなりの急登をヤレヤレ峠まで一気に登る。
久しぶりの長期縦走で、重荷は体にこたえる。
まだ、体が縦走仕様になっていないようだ。
時折ポツポツと降りだした雨が、ウソッコ小屋に到着するころには、一旦本降りに。
薄暗い樹林の中は蒸し暑いので、カッパはあまり着たくないが仕方が無い。
黙々と急登を登り、横窪小屋に着く頃には雨は上がった。
小屋番が冷たい麦茶を出して労ってくれた。
急登はさらに続き、樹林の中をひたすら登る。
何回か休憩を取るが、途中、物凄く眠くなり、休憩中に何時の間にか寝てしまうほどだったZZzz..
途中、手作りの色々な看板が気を紛らわしてくれる。
延々と続くんじゃないのかと思うような登りも、小屋まで20分の手書きの看板に元気付けられ最後のひと頑張り。
森林限界を超え小屋に到着すると、富士山が良く見える。
さっそく富士山が見える位置にテントを設営。
もちろん入口は富士山側で最高のロケーション(^o^)
明日からの稜線暮らしに備えて、夕飯はモリモリと食って飲んで、早めに就寝。
【8/02(金)】
茶臼小屋〜茶臼岳〜光岳(ピストン)
3時に起床しアタック装備で薄暗い4時ごろ出発。
寒いかと思ったが、風も無く思ったより暖かい。
足元が濡れるのが判っていたので、スポーツタイツの上に直にカッパを着用する。
蒸れないから、なかなか良い。
茶臼岳には直ぐに到着。
振り返ると上河内岳や聖岳が薄っすらと見え始めていた。
仁田池まで進むと、木道がしばらく続く。
光岳がチラチラと見えているはずなのだが、特徴が無い山なのでどれがそうだか見分けがつかない。
ダケカンバの森をアップダウンしながら進むと、易老度からの登山道と合流。
ちょっと離れた樹林の中に広場があり、そこが易老岳。
展望はまったく無いが、休憩するには良いところ。
そろそろ樹林を進むのに飽きてきたころ、ゴーロの谷筋を登るようになり、静高平に到着。
冷たい水が沢山湧き出ている。
ここで給水ができる間は、小屋では水を分けてくれないらしい。
しばらく行くと、また木道となり光小屋まで続いていて、雰囲気が良いところだ。
小屋は帰りに寄ることにし、まずは光岳へ。
光岳は樹林の中で眺望は無いが、その先の光石まで進むと最高の眺望が得られる。
光石に登って、しばらく休憩し、小屋へ引き返す。
小屋で小休止後、パスしておいたイザルヶ岳へ行ってみる。
聖岳方面はガスがかかってしまい、残念ながら眺望は良くなかった。
途中、今年初の雷鳥の親子を目にした。
仁田岳も経由しようと思っていたが、天気が怪しくなってきたので、テン場へ急いで戻ることにする。
往復10時間ほど。まぁまぁのペースだった。
夕食を済ませ、宮崎県から単独車を飛ばしてやってきたという人と山談議を楽しむ。
明日は長丁場なので、アルコールも控えめにして夕食を済ませ、早めに就寝した。
【8/03(土)】
茶臼小屋〜上河内岳〜聖平小屋(テン場)
夜中に結構激しく雨がテントに打ち付けてあまり寝れなかったが、2時半に起床した時には雨は止んでいた。
朝食を済ませパッキングに取り掛かるが、久しぶりの縦走装備でもたつく。
結局出発は4時ごろ。
ヘッデン点けて重荷を背負い上河内岳を目指す。
樹林の中を出たり入ったりを繰り返し、森林限界を超えて、上河内岳肩への登りに差し掛かった。
この辺りで、右足が思うように前に出て行かないことに気が付く。
特に痙攣とか痛みは無く、体力的に厳しいわけではないが、何か体調がおかしい。
上河内岳の肩に到着後、ザックをデポしコンデジだけもって山頂まで往復する。
山頂は360度の展望だが足元の雲が厚い。
富士山も山頂部だけ顔を出している。
先が長いので、直ぐに肩まで降り、ザックを担いで南岳を目指す。
南岳まではほぼ予定通りのタイムで来たが、右足がかなりヤバイ状態。
下りで一歩踏み出すと、痛みが右太腿に走るようになった。
幸い、今日は長丁場予定(兎岳避難小屋まで)で早朝出発していたので、まだ時間に余裕はある。
聖平まで予定の倍の時間をかけて到着。
このまま進むのは無理そうなので、聖平小屋で本日の行程を終了しテン泊決定。
まだお昼前で時間を持て余す。
明日は百間洞山の家までは進みたい。
シップを貼った足が復活していることを祈りつつ、今夜も早くに就寝した。
【8/04(日)】
聖平小屋〜聖岳(前聖岳・奥聖岳)〜兎岳〜小兎岳〜百間洞山の家(小屋泊)
一番の核心日となった日が始まる。
2時に起床。
シップのおかげか、右足の痛みは引いていたので早朝行動することにする。
パッキングとテント撤収し4時に出発。
小屋では早い朝食が始まっているようだが、この時間だと出発する人は殆どいない。
途中の薊畑(あざみはた)までは静かな行程だった。
薊畑を過ぎた辺りから、後の稜線に太陽が昇り始め、太陽光で空がオレンジから群青色へ変化するグラデーションが綺麗だった。
軽身で小屋から聖岳をピストンする登山者に抜かれ始める。
みな軽快に登っていくのが恨めしい。。。
ちょっと時間かかり過ぎだが、2時間半で樹林帯を抜け小聖岳に到着。
一気に展望が開けて気持ちいい。
目の前に鎮座している雄大な聖岳(前聖)を見ながら、最初の大休止を取る。
小聖岳からは、痩せ尾根を進み砂礫状の登りになる。
更に進むと九十九折の登りとなり、黙々と進めば山頂に到着。
山頂に出ると、今度は目の前に赤石岳が『デ〜ン!』と鎮座している。
山頂だけにガスが掛かっていたのが残念だった。
ザックをデポし、空身で奥聖岳をピストンする。
途中、チングルマが群生しているお花畑が綺麗だった。
聖岳(前聖)まで戻り休憩しながら、この先の行程について悩む。
というのも、聖平小屋から山頂まで予想外に5時間を要した。
昨日ほどではないが、右足太腿にも痛みが出始めていた。
百間洞山の家までの予定だが、途中に兎岳避難小屋以外のビバークポイントが幾つかあることを
情報で仕入れていたこともあり、現在10時前なので先に進むことにする。
まずは聖兎ノコルまで400mほど一気に下る。
やはり下りではかなり疲労するようで、コルまで下るのに2時間半掛かった。
体力的には問題ないが、右足が思ったように前に出ない。
痛みが少し引くのを待つため、聖兎ノコルでも大休止。
とりあえず、目の前にある兎岳を登り、山頂直下にある兎岳避難小屋(無人)を目指す。
1時間ほどで小屋に到着する。
登りは何とかなるようだ。
避難小屋でビバークするか悩むが、手持ちの水が心もとない。
近くの水場まで、往復1時間半は掛かる。
避難小屋はパスして、先の小兎岳直下のビバークポイントまで進むことにする。
ここには往復20分のところに水場があることは聖平小屋で確認済み。
天気が怪しくなってきて、一面ガスで覆われた稜線上を右足を引きずるように進む。
時折「何してるんだろ俺?」とか思いつつ、頭の中に何故かZARDの『負けないで』が鳴り響く♪♪♪
15時頃、ビバークポイントに到着。
時間的にはビバークすべきなのだが、本日3回目の悩みタイム。
どう考えても、明日は丸一日休養を取らないと足の回復は期待できない。
もう少し先の小屋まで進み、翌日をそのまま休養日に充てたほうが体が休まる。
雨が降り出しそうな天気だったので、さっさと決断し小屋まで進むことにする。
小兎岳、中盛丸山のピークを超えると、後は樹林の下りのみだが、やはり辛い...
途中で雨が降り始めるが、日も暮れかける18時頃に百間同山の家に到着。
全身濡れ鼠状態で幕営する気力も無く、今夜は迷わず小屋で素泊まり。
ビールを飲んで夕飯も食わずに小屋消灯前に泥のように就寝。
【8/05(月)】
百間洞山の家(停滞:小屋泊)
一晩休んだが、やっぱり足の痛み引かず。。。
これ以上の縦走は無理と判断し、行程前半だが早々に撤退体勢に切り替える。
そうと決まれば、ゆっくり休養するため2食付の小屋泊を決定。
小屋でエスケープ方法を色々と検討する。
進むか戻るか色々と悩んだが、赤石岳を越えて椹島へ下山することに決める。
そうと決まれば、小屋の周りを散策して休養と時間をつぶす。
また、少しでも荷を軽くするために、昼飯をガッツリと食す。
夕食は16時までにチェックインしないとありつけない小屋名物「揚げ立て豚カツ定食」!
山奥で食べる揚げ物は、最高に美味かった(^з^)-☆
小屋泊にした理由は、下山を椹島にしたため、椹島から畑薙ダムまでの送迎バスを利用するためでもある。
東海フォレスト管轄の小屋に泊まらないと、送迎バスには乗れないのです...
【8/06(火)】
百間洞山の家〜赤石岳〜赤石小屋(テン場)
前日の天気図で天気は判っていたが、未明から雨の空模様。
小雨の降るなか撤退するため赤石岳に向けて出発。
まずは赤石岳山頂の避難小屋を目標に歩を進める。
朝一の百間平までの登りが苦しいが、百間平を越え最後の赤石岳への急登は、思っていたほど苦にならず越えることができた。
登りでも足の痛みがあるが、ほぼエアリアのコースタイム通りで避難小屋へ到着。
避難小屋到着時はガスのなかだったが、晴れると必ず絶景が拝める好立地に小屋はある。
翌日は晴予報なので宿泊してしまおうか悩むが、今は兎に角、下山が最優先...
時間に余裕があるし、足も持ちそうなので、赤石小屋まで伸ばすことにする。
ここから椹島までは、本当に下りだけとなる。
登りよりも下りが問題で、コースタイムの2倍時間が掛かる見通しで山頂を出発。
百間洞の小屋番に赤石岳東尾根は急なので気をつけるように助言されていたが、確かに急な下りだった。
途中、見事なお花畑を通過し、最後の展望が望める富士見平に到着。
時折、下から見上げる聖岳と赤石岳の山頂が顔を出す程度で、荒川三山は終始ガスの中。
天候回復が見込めないので、赤石小屋へ向かい、予想通りの時間で赤石小屋に到着しテン泊。
下山予定の椹島はsoftbankしか繋がらず、高額な衛星公衆電話があるのみ。
小屋周辺でdocomoが繋がる場所を探して、静岡駅までの下山用バスを予約する。
予定外に椹島へ下山路すると、この手続きが面倒だ。。。
【8/07(水)】
赤石小屋〜椹島(テン場)
急いで椹島へ下山しても、バスの関係で椹島で1泊する必要があるので、ゆっくりと出発する。
椹島は標高1400mなのだが、標高が下がるにつれ、だんだんと蒸し暑く感じる。
通常3時間半の行程を5時間半かけて、ゆっくり確実に椹島へ無事下山。
椹島は何もないけど、静かでゆっくりボケボケするには良いところ。
【8/08(木)】
椹島〜畑薙ダム〜JR静岡駅〜自宅
椹島から畑薙ダムまでの送迎バスは13時出発なので、ゆっくり起床。
朝から時間を持て余す。
昨日下山した東尾根で負傷者(足首骨折)が出たらしく、朝から消防のヘリが慌しく着陸と離陸を繰り返している。
結局ヘリでのピックアップは無理らしく、隊員が現場に向かっていった。
時間になり畑薙ダムまで送迎バスで移動し、予約した路線バスで3時間半かけ静岡市まで下山。
街の雑踏が懐かしく思える。
JR静岡駅へ17:50到着。
この日あった地震の誤計測の影響で、新幹線のダイヤが乱れていた(´Д`)
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