【深山の渓へ】池口沢〜ダルマ沢〜リンチョウ沢〜光岳
- GPS
- 36:02
- 距離
- 48.3km
- 登り
- 5,840m
- 下り
- 5,474m
コースタイム
- 山行
- 7:26
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 7:26
- 山行
- 9:22
- 休憩
- 1:29
- 合計
- 10:51
- 山行
- 7:45
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 8:47
天候 | 毎日高気圧圏内だが、湿った空気の影響で大気不安定 ほぼ毎日、午後になると数回の夕立があった |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
池口沢: リンチョウ沢: |
その他周辺情報 | 道の駅 遠山郷かぐらの湯 飯田の焼き肉屋 徳山 |
写真
感想
7月の4連休、今回は南アルプスの深南部を攻めようと地図を眺める。
長大かつ特異な渓谷を形成する大井川源流部の地図を眺めていると「リンチョウ」という文字が目に入る。
寸又川の最深部、光岳に突き上がる沢で、なかなか奇麗そうだ。
どうこの沢に入り込もうか、いろいろ考えるも3泊4日を持ってしてもなかなか足りない。
結局、伊那川から池口岳に突き上げる、池口川からダルマ沢を経由し、リンチョウに入るルートを選択する。
久々の後輩のK野きゅんを加え、久々の長丁場に臨む。
7月21日
土日の白山の疲れが抜け切れていない感じだが、時間休で余裕を持って出発。
多賀でK野きゅんと久々の邂逅。仕事が忙しいようで、山も控えめとのこと。
お互い職場の中堅ところになってきたということか。
遠山郷方面でアプローチに余裕もあることから、恵那峡SAで沈。
7月22日 池口沢 まさかのミス
翌朝、恵那山トンネルを抜け飯田山本から遠山郷方面へ。コンビニで朝ご飯を頬張り、池口沢にかかる橋の手前に車を置く。すでに1台、釣り師だろうか。
さて、適当に準備して3泊ということで方にずしりとするザックを揺らしながら、少し踏み跡を歩いて広い河原を歩く。
序盤にある堰堤は右岸に階段がついていて簡単に巻くことができる。
地図で両岸が崖マークになるとその通り渓が深くなる。ラジオラリアとおもしき赤い岩なんかも横目に進んで行く。少し水が濁っているようにも思えるが気のせいか。
時折、小さなゴルジュとなり、落差は無いながら迫力の滝を形成する。登ったり巻いたりしながら進んで行く。
稜線まで岩壁とも崩壊ともいえるような地形をいくつも眺めながら、1020二股で大休止。天気も良くて気持ちが良い。
さて、行こう。少し斜度の強くなった沢へ進んで行く。
ほどなくして沢が狭まり、5mほどの滝が懸かる。第1のゴルジュだろうか。
登るのは難しそうなので、右岸から巻きにかかる。掴むものも乏しく足元もボロボロ、しかも滝がまだまだ続くでかなり長い巻きとなる。
やっとこさ沢身に降り立つ。なんかおかしいなと思いGPSで確認すると、なんと支流の方に入ってしまっている。ありゃりゃ。この辺りで気づいてよかった。
懸垂を交えながら1020二股まで戻る。
気を取り直して、本流を詰める。こちらも早速ゴルジュとなる。そこそこ水量のある中を腰まで浸かりながら進んで行く。
間違えた沢よりも俄然岩盤質で美しいゴルジュが続く。時折ナメっぽくな部分もありつつ、難所も特になくのんびりと迫力なる沢を進み2時間ほどで今日の泊地の1300m二股へ。岩小屋沢へ少し入って適地発見。
設営して、薪を集めて釣りに出かけるも、二股前にちょいちょいあった魚影はほとんどなく、反応もなし。あきらめて帰り始めるとスコールのような夕立を食らって途端にびしょぬれになってなえる。
テンバにつくころには小康状態、タープの下で一息ついて、服を絞って焚火で体を温める。
今日は職場の購買で安く買える丹波しめじのアヒージョからのポトフという二段構え。久々の食計だったが美味しく作れた。ウィンナーうまし。もう一回くらいぱらっと来たが日が暮れるころには降るような雲の感じではなくなった。焚火で癒されながら沈。
23日 登って下って
さて、今日は池口岳へ詰め上がり、リンチョウを目指してダルマ沢を下る。
当初は岩小屋沢を詰めて、北峰に上がり南峰からダルマ沢に入る予定だったが、距離が長くなり、午後の雨につかまりそうなので、湯沢で直接南峰に上がる最短ルートを選択する。
いつもの棒ラーメンを啜って、湯沢を詰める。
序盤はちょっとしたゴルジュに滝が続くが、どれも簡単に直登できる。
1700mくらいからは木がなくなり、両岸を高山植物が彩るようになる。この辺りも岩盤質のなかんじで続くが、2000m付近からはガレガレの沢に変貌する。
トポでは早めに左岸の尾根にとあるが、もう少しガレガレの沢を詰め、南峰北西の崩壊地形目指して登る。
北岳バットレスの取り付きみたいなグズグズのガレ沢で、落石に注意しながら登っていく。
崩壊地にたどり着くと稜線から3本微尾根が伸びている。
取り付きやすそうな一番右の尾根目指して登り、適当に乗る。
鹿道を使ってのぼり、微尾根からメインの稜線に乗るところがちょっと崩壊気味の段差にあっているが特に問題にはならない。
あとは藪漕ぎもなく鹿道を歩いて池口岳南峰へ。200名山だけあって池口岳北峰はなかなか迫力がある。
ひと息いれて、ピーク北東から東に伸びている尾根を使ってダルマ沢を目指す。
最初は尾根上に踏跡があったが、尾根がなだらかになってからは尾根上にシラビソが繁茂し尾根を避けながら踏み跡を探しつつ下っていく。
尾根が再び急になる200mくらいは時折ブッシュ漕ぎで劇ダル。
思ったよりも消耗しながらダルマ沢にたどり着く。
ダルマ沢自体も特になにもない沢だが、巨大なカツラなどを主軸とする原生林は、奥美濃と負けず劣らず美しい。
池口岳では曇り空だった空からぽつぽつと来たかと思えば、あっという間にバケツをひっくり返したような雨になってします。
木陰では防ぎそうにないと思っていると、小さな岩小屋を発見。そこに滑り込む。
岩小屋を役立てることができたのは初めてかもしれない。
原生林に降り注ぐ雨をうつらうつらしながら眺めながら1時間ほど過ごすと雨は小康状態になる。
しかしながら、目の前の川は濁流となった。水量が増えたわけではないので遡行に大きな問題はないが、水中の石が見ずらいので少し時間がかかる。
リンチョウ出合にたどり着くくらいで再び雨脚が強くなってきたので、カツラ巨木の下に適地を見つけて本日の寝床とする。
本流は濁っているので水は支流からとる。
雨が収まるまで、木陰のタープでのんびり過ごし、雨が弱まったら木を集めて焚火。
木は結構濡れていたが、雁皮の力などを借りて点火成功。
今日はペミカレー。油が染み渡る。その後は雨は降ることはなく、ウィンナー焼いたり花火をしたりと楽しい夜は更けていく。
24日 気合の詰め上がり
今日は光岳までの詰め上がり。標高差や距離もさることながら、やはり雨に捕まりたくないので、4時半出発。
茶色ではなくなったものの、少し白濁りしている沢を進む。
リンチョウ出合は広大な河原でいいテントサイトだ。
しばらく広い河原と原生林を楽しみながら歩いていく。
地図で沢幅が狭まるとおりに両岸が切り立ち岩盤質のゴルジュとなっていく。
1550m付近がいわゆる第1ゴルジュ。1つ目の滝は残置ハーケンなどもあり、いけるかなと思い、K野きゅんに空身確保で登ってもらうが、その先の滝が難しそうということで、中突破はあきらめ、少し戻った右岸から巻くことにする。
もろい足元の中、落石に注意しながら、登り、途中で木の根など少ない持ち手を頼りに、微沢を横切り、トラバースできそうなところ探しながら高度を上げる。
少し早めにトラバースしたきらいはあったが、ちょうど捨て縄が置いてある木を発見。我々もそこから懸垂することにする。
まず、Sモアから降り、回収テストをするもザイルの流れが悪いので残りの二人は1段下ろした立木から懸垂。こっちはすんなり回収。第1ゴルジュ終了だ。
一旦、少し広めの河原を挟んで、地形図のリンチョウの「ョ」の字あたりから、第2ゴルジュが始まる。
これは事前に行けないことが分かっていたので、右岸から巻く。
相変わらず、足元も脆く、掴むものも乏しい、高度感ありと気の抜けない巻きだ。
沢身に戻るのはすんなり戻れて第2ゴルジュは終了。
他の記録と同様、第3ゴルジュはよく分からないまま、オニクビリ沢へ辿りつき一息いれる。
さて、ここからの課題は詰め上がり。
直接光岳に突き上がる、登山体系や崩壊地マークに突っ込んでいるネットの記録はなかなか苦労していそうなので、詰めやすそうだったら、.2286に突き上がる沢に入るという戦略とする。
オニクビリ沢から上は濁りはなくなるものの、池口沢以上のガレガレの沢。しかも傾斜もきつくてだるい。
歩きやすいところを黙々と登っていく。
まず目を付けていた2060m二股から北に伸びる支流は、沢の入口が長く崖になっており取り付く島もないので断念。
少し登った2130m二股から北に伸びる支流は、入口は滝だが簡単に登れそう。
とはいえ、脆くてガレているので落石に十分注意しながら登っていく。
しばらく登ると沢筋はどうあがいても登れなさそうな垂直ゴルジュにぶち当たるので、右手の斜面に取り付き尾根に乗ることとする。
取り付くは取り付けたが、こちらもすごい斜度で掴むものが乏しいので先陣を切ったK野きゅんにロープを出してもらい後続確保。
ロープを出した箇所以降は、斜度もましになる。鹿道っぽいものを辿って尾根に乗ってからは若干密なシラビソを潜り抜け、下端の草原のくぼ地に飛び出ることができた。
ふぃーと一息。曇り空だがなんとか天気も持ってくれている。割とベストルートだったのではないだろうか。
そんなこんなであとひと踏ん張りして光岳を目指す。
途中、雲間から右手の崩壊地が見えたが、こんなとこに突き上げたらどうするんだろうという雰囲気を感じた。
そんなこんなで光岳山頂。前回はしばらくこないかなと思ったけど意外と早い再登となった。景色もないので写真だけ撮って先へ進む。
こんな草地や最南端のハイマツの解説板なんてあったななんて思いながら小屋へ。
コロナの影響で営業はしていないが、4連休ということもあってそこそこ人はいた。
昼過ぎについたので、小屋の外でゴロゴロだらだら過ごす。4時過ぎくらいに雨が降り出したので、小屋の中に入って晩御飯。今日もペミ。昨日とは味変してトマトカレーだ。
さすがに3日目の疲れが出てきた。明日も長い下山となるので早々に沈。
25日 長い長い下山。
今日は御来光も少し見たいので3時半起き。
ちょうど出発するくらいにイザルガ岳の向こうから太陽が昇る。赤石や聖が見え、雲海から富士山もちょこんと顔を出しいい感じだ。
山頂を越えて、光岩にも寄り道。こちらも日の出は見えないが、深南部を望むことができる。
さてここから先は、出発地点目指して長大な尾根を下っていく。しかもちょこちょこ小ピークをこなしながらというなかなかのハード下山。
とはいえ、加賀森の先の草原地帯なんかは開けた感じで気持ちがよかったり、2日に登れなかった池口岳北峰に登ったり、道も割としっかりしていてかつフワフワした土っぽい感じで足への負担は少なめだったりと、思ったほどしんどくないかなとおもっていたが、ザラ薙や黒薙を越えるあたりからはやっぱりダるいな〜といった感じ。
最後は、余力なるSモアが先行し、池口橋にある車を回収し、池口岳の登山口で二人を迎え下山。お疲れ様でした。
沢的に困難部分は少なかったが、山中3泊でがっつり山深いところ歩きとおした疲労感と充実感はひとしおだった。
そのあとは遠山郷の道の駅で温泉に入り、疲れと汚れを洗い流し、飯田でおなじみの焼き肉屋徳山で存分に肉をくらい、最高の4日間のしめくくりとした。
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