読売新道で赤牛岳〜水晶岳〜野口五郎岳 七倉から
- GPS
- 33:55
- 距離
- 41.2km
- 登り
- 4,349m
- 下り
- 4,148m
コースタイム
- 山行
- 12:19
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 13:02
- 山行
- 8:58
- 休憩
- 0:19
- 合計
- 9:17
- 山行
- 10:07
- 休憩
- 1:24
- 合計
- 11:31
天候 | 1日目 晴れ 2日目 晴れ→夜雨 3日目 曇り、ガス→晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
歩く方も結構いるようで、6キロ位、1.5〜2時間かかるようです。 高瀬ダムの公衆電話でタクシー呼ぶのかと思ったら既に3台待機されてました。 運転手さんによるとシーズン中は平日でも常に1台は待機されているとのこと。 もしいなくても呼んでくれれば10分程度で来てくれるそうです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
全て一般ルートですが、1日目の針ノ木谷の沢沿いは渡渉10回以上?と両岸の藪漕ぎを何度も繰り返して凄い所です。ペンキやリボンもあったりなかったり。GPS見ながら後半靴のまま沢歩き状態でした。 読売新道は予想どおりの長い急登続きの登山道。初っ端から四足歩行で攀じ登る感じで一気に体力奪われます。前日の疲労が抜けない状態でテント装備ではかなりキツかったです。 赤牛岳〜水晶岳 大きな岩ゴロゴロの上を歩く地帯が多くなります。ペンキ印は豊富にあります。今回計画では烏帽子小屋まででしたが、体調不良でやむを得ず温泉沢ノ頭でビバークしてしまいました。 その先は野口五郎辺りまで幕営できるスペースはないと思い、無理して遭難するよりは体力温存を優先して幕営禁止ですが張らせてもらいました。 水晶小屋〜烏帽子小屋 時々大きなガレ場でキツいですが、稜線の気持ちの良い道が続きます。 烏帽子小屋〜ブナ立て尾根下山 時々梯子やロープがあり、よくある普通の登山道でひたすら下ります。 |
予約できる山小屋 |
七倉山荘
|
写真
感想
この山行の核心は2日目の読売新道!と思ってました。
ところがその前日、1日目の針ノ木谷の沢沿いにやられました。
読売新道は噂通りの急登でしたが、ひたすら体力勝負といったところ。
前日の針ノ木谷でやられていなければもう少しマシに歩けてたはず。
下調べでは読売新道とその先ばかり気にして、針ノ木谷は大雨さえ降らなければと、気にも留めていませんでした。
初日で船窪小屋へ立ち寄った時、小屋の女性の方に針ノ木谷の様子を伺ったところ、笑いながらあっけらかんと、薮が刈られていない?渡渉が9回ある?、、、え、結構ワイルドな道なのね、、でも一般ルートだし大丈夫でしょ、と高を括ってました。
まさかこの時はバリルート並みにとんでもないことになるとは思いませんでした。
船窪小屋を過ぎて針ノ木谷へ向けて高度を下げる時から踏み跡はあるものの藪が密になってきて、足場もかなり悪い。この時点で破線ルート並みだなと思ったけど問題は沢に降りてから。
沢岸は狭く、渡渉を繰り返して樹林の中にルートがあるのだけれど、始めは目印を辿れたのが、途中見失ったのかそもそも無かったのか、気づいたら踏み跡のない藪の中にいたのでGPSを確認。ん?合ってる?もう少し行ったらマシな踏み跡あるのかなと進んだらシャクナゲ混じりのとんでもない所にハマってしまいました。
ザックがでかいもんでなかなか動けない。
GPSで見るといつの間にルートがずれてる。修正しようにも密過ぎて思うように進めない。ため息連発。30分位?もがいてました。
やっと抜けて沢に出たら飛び石では不可能な対岸に目印が見える。これまでも半ば靴を濡らしながら渡ってきたけど、もうこの時からはやけになって、靴のまま膝まである沢を渡ってしまいました。
その後もルートがわかりにくい。
既に予定時刻を1時間以上過ぎてしまってる。
今日あまりにも遅くなると明日以降に影響してしまう。先は長く、一時は撤退も考えました。
落ち着いてコースタイムを確認すると、この先何事も無ければその日の目的地、奥黒部ヒュッテには17時に着けそう。
既に行動開始から10時間経過してましたが、初日だったこともあり、まだ動けそうでしたのでヒュッテまで行こうと決めました。
ただこの先に進んでしまうと、もう何があっても後には戻れないという怖さもあり、進みながらもやはりビバークして引き返そうかと悩みながら歩いてました。
見事ぴったり予定通りの17時に奥黒部ヒュッテ到着。フラフラになりながら受付し、テントを張り、着替え夕食、荷物の整理と忙しい。
でも翌日の為しっかりストレッチはして、やっと20時就寝。
2日目1:50起床。
周りのテントに灯が点いてて皆さん早くも出発準備をされてます。山奥だから皆さん行動開始も早いですね。
前日の疲れが取れないまま、予定より20分遅れで読売新道に入りました。
いきなり急登続きです。
狭い登山道で、倒木を乗り越えて、両手も使った登りが続きました。初っ端から心が折れそうに。。こんなんじゃ今日一日身体持たないよ、、、一気に弱気になります。
もちろん途中からは緩やかになる所も出てきますが、ひたすら高度を稼ぐのみ。
振り返ると黒部ダムの向こうの立山や白馬方面の後立が見渡せて少し元気になりました。
赤牛岳到着は予定より約30分遅れ。
そもそも2日目は無理な計画を立ててしまい、上手くいけば烏帽子小屋まで、多分無理でも野口五郎辺りでビバークと考えてました。
とんでもない、全く体力が追いつきません。
この時点で次のポイント、温泉沢ノ頭で諦めるしかないかなと考えました。その先は野口五郎過ぎまで幕営適地が無く、日没までに辿り着くのは不可能と判断。
案の定、ペースは落ちる一方で温泉沢ノ頭到着時には1時間40分以上の遅れ。
山頂は適度に平坦になっており、多少石を移動させてもらってテントを張りました。
この時雨が心配でしたが、面倒でフライは省いてしまい本体のみ。
その後19時頃にはまんまと雨が降ってきてしまい、更には一度雷が鳴り、飛び起きてテントから出てハイマツに身をかがめ避難しました。
幸い雷は一度だけでしたが、雨は本降りまではいかないものの、2時間位は降り続いて、テント内は雨漏り状態。
気になる所にコッヘルを置いて雨漏り対策したものの、そこそこ内部まで濡れてしまいました。。
結局寝たり起きたりやはり5時間足らずの睡眠で三日目に突入することに。
もう時間の貯金は無い。
何が何でも七倉まで下山せねば。
3:10温泉沢ノ頭からまずは水晶岳へ向けてスタート。
岩場が連続するエリアなので、ペンキを見落とさないよう慎重に進みました。
すると遠くに5つ程のヘッデンの灯が連なってるのが見えます。水晶小屋からピストンの方達のようでした。明るくなった頃もう1パーティの団体さんとスライド。
水晶小屋到着時はまだ数人宿泊者が食事されていました。その傍らで水を購入し、トイレを借りて手早く行動食を摂ってから野口五郎岳へ向かいました。
徐々にガスも取れ、昨年行った鷲羽岳が見えてやっと少し気分も晴れやかに。
時々岩場で体力消耗しますが、比較的歩きやすくなってきて順調に各ポイントを通過。
そして野口五郎小屋の側を通った時、明らかに大きなザックを背負ったソロ女性が。思わず「荷物大きいですね。」と声を掛けてました。
聞くと今日は三俣まで、その後槍へ行って黒部五郎を回って戻ってくると。。
まだ北アの奥地に詳しくない私は一瞬??でしたが、7日間と聞いてなるほど!すげ〜!同性ではヤマレコでも見ない本物だ!と😵
あちらも先を急いでそうなのでゆっくり話せませんでしたが、稀に見るガチ登山者に逢えて私も俄然やる気が出てきました(笑)
まだ若い(2〜30代?)で女のソロというハンデを背負って7日間の縦走がどれほど凄いことか。
私の中では拍手喝采の出逢いでした。
その後も女性のお陰でめげることなく無事烏帽子小屋まで辿り着けました。
当初その先の烏帽子岳〜南沢岳〜船窪岳と行きたい所でしたが、自分には明らかに無理であり、大人しくブナ立て尾根で下山することに。
日本三代急登ということで一度は歩いておきたいかったのでこれもヨシとすることに。
でも普通の登山道でした😅当たり前か。ひたすら下るのみ。
高瀬ダムへ着いて、その先タクシーで行くか歩くかすこーしだけ考えましたが、もうダメ。これ以上無理すると下山後にも支障をきたすので普段は使わないタクシーを利用することに。
今回は自分の体力を楽観視しすぎてました。
テント泊では標準コースタイムで計画立てろと前にも言い聞かせていたのに、一般道だからと0.8で予定立ててしまい初日でガタガタになりました。
正直山を楽しむ余裕がほとんどなく、予定をこなすだけで精一杯になってしまいもったいなかったなと反省。
ここに限らずアルプスの奥地は簡単にエスケープ出来ないのでマネジメント能力みたいなのが問われるなと思いました。
身の丈に合った登山。且つ、納得できる計画。
難しいですね。
来年の黒部五郎、薬師岳に役立てたいです。
ありがとうございました。
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