予報に翻弄され、北岳・間ノ岳から熊の平と両俣経由の1周山行


- GPS
- 32:00
- 距離
- 26.7km
- 登り
- 2,734m
- 下り
- 2,475m
コースタイム
8/30 熊の平5:22→6:40三峰岳6:52→8:40野呂川越8:52→9:27両俣小屋930→11:15野呂川出合バス停
天候 | 29 晴 30 雨&暴風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所は無いですが、稜線は強風時注意。 大樺沢の登山道上は雪ナシ。 |
写真
感想
実は29日の木曜日から、お盆に続く夏休みの後半戦4連休であったが、
なんと台風と低気圧にて予報天気は最悪の状態・・・。
しかし、休みを返上して出社したところで夏休みの日程を変えてくれる訳もない。
妻とどうするどうする?と唸っていたら前日になってしまった。
忌々しいことに29日のみ晴予報で、あとは壊滅的な天気になりそうである。
北アは完全にダメそうであるので、少しでも影響の少なそうな南アへ行くか。もう何度も通いつめている行き慣れたルートであるし、天気の様子を見てダメそうだったら即エスケープ・下山しよう。
雨中のテント撤収は大キライなので、ハナから小屋泊で出かけることにする。
こんな予報じゃ出かけることを見合わせる人も多いだろうから空いているだろうし。
まずはとりあえず、大好きなお気に入りの場所である熊の平に向かうことに。
芦安の駐車場はさすが木曜日なのでガラ空き。
乗合タクシーの始発を待ち、広河原へ。
いや〜、今日は快晴である。この天気がちょっと後ろにずれてくれてれば良かったのであるが・・・。
御池回りも大樺沢回りもどちらも好きであるが、今日は大樺沢経由で。
大樺沢から見る北岳も輝いている。
広河原から八本歯のコルまで3時間で到着。いつも熊の平に向かう際は、最短距離をとってここから北岳山荘にトラバースしていくが、あまりに天気が良いので寄り道になるが北岳山頂へ寄っていくことにする。この前teku姐さんたちとボーコンへ行った際も寄らなかったし。
と思ってせっかく北岳山頂に寄ったのに、ちょうどガスに巻かれてしまった!
まあ、何度もピーカンのときに来ているから運動になったかと思えばいいか。北岳山荘まで下りてトイレ休憩。
休憩しているうちにまたガスが晴れてきた。さて、ここから間ノ岳を経て仙塩尾根に向かい、熊の平まで向かう。間ノ岳方面に黒雲がかかって嫌だなと思っていたら近づくうちに晴れてきた。青空の面積もどんどん大きくなっていく。ヨシヨシ。
間ノ岳で妻持参のフルーツゼリーを食べる。先々週冷たく「要らない!」と突っぱねたシロモノ。さてそれでは三峰岳へ向かう。と、北岳と甲斐駒がきれいなアングルでくっきりと見えてきた!
この稜線はいつも人がいないが、今日はまた特別いない。
仙塩尾根と合流して、三峰岳山頂。ここは剣岳と同じ標高2999m。いつも静かな好きな山。山頂は狭いが、東海フォレストの妙に立派な山頂標識がある。
ここから仙塩尾根を辿って、大好きな熊の平へ。
三国平から農取へのトラバースルートは水場がたくさんあってよいが、何しろ深いv字谷を2回経ていくので見た目より時間がかかるところ。v字谷を左下に見ながら熊の平へ。
熊の平はスゴ乗越に似た大好きなところ。ここの水は特筆モノ的に美味しい。この水目当てに何度も来てしまう。いつもここはテントで来るが、今日は久しぶりに小屋に泊まる。そして小屋は結局、我々以外2人しか泊まらず、お客さんは4名だけという快適さでした。
しかし、昨年も一昨年もテント泊したとき、小屋には団体さんがいて超コミコミだったので、今日はツイテイタ。・・・予報が悪いからか・・・・。
熊の平でおでん食べたりチューハイ飲んだり、熊の美味しい水を飲み、小屋前の西農取がクッキリ見えるベンチでまったりして満足満足。
しかし、明日からの天気はどうなるか?仙塩尾根は、完全なる「携帯圏外」。この尾根上で携帯が繋がるところはほぼ無い。
小屋のおじさんが無線等で確認したところ、なんと台風が進路を速めているとのこと。前線は北であるので、雨の影響というよりは風か?
少しでもマシそうであれば、明日このまま仙塩尾根を南下していきたいが、やはり無理か?・・・。と思いつつ寝る。
翌朝。なんと雨&暴風であり、撤退を宣言。今日までは何とか持つかと思ったのに残念である。
戻るにしてもこの風では、3000mの稜線上を行くのは危険であり、行きに来た道を戻るのは危険。仙塩尾根を両俣に北上して野呂川林道沿いに広河原に戻ることにする。三峰岳から先は樹林帯に入るので風の影響も少ないであろう。
問題は、三国平から三峰岳までだ。
案の定、無風であれば、実に気持ちのいいハレバレとした稜線であるが、三国平はものすごい暴風!!
長年山に入っているが、ここまでの暴風は初めてというほど凄かった。
厳冬期の鳳凰の稜線も風が強いが、もっと強い。
妻などは縦走を予定して大量の水を背負ってそれなりに重量があったにも関わらず、完全に前に進めなくなり、右手側のハイマツの茂みの中に何度も吹き飛ばされていた。
幅の広い稜線でなの右手に飛ばされてもハイマツの中に着地するのでまだ良かったが・・・。耐風姿勢というより、ほぼ匍匐前進状態で三峰岳まで進む。途中で幅の狭い岩場になるので、慎重に。
妻に「気を付けて!」と声をかけようとしたが、言葉が口から出た途端に風に持っていかれるのでお互いに何も聞こえず。
風が強すぎて左耳の鼓膜が破れるかと思った。
なんとか三峰岳到着。やれやれ。ここからは両俣まで樹林帯の尾根となるので安堵。天気がいいときは「眺望が無くて樹林帯の中の暑苦しいアップダウンが続く長い尾根」なので、歩いていて楽しいというルートではないが、このような天気のときは大変助かる。
ようやっと会話ができるようになり、樹林帯の上でざわめく風の音を聞きながら長い尾根を辿る。
この尾根で人に会ったことは無いが、今日も遭わなかった。(当たり前??)
野呂川越から両俣へ下る。結構ガレた急坂は雨で滑りやすくなっていたので注意。
両俣小屋でコーヒーと甘いお菓子でも食べて休憩しようと、それを楽しみに下っていく。川音が近づいて両俣小屋到着。
妻が「こんにちは〜」と扉を開けたが、ふとその隣にあるボードに目を向けると、
広河原行バス時刻表が書いてあった。なんと11:25の後が13:30。現在9:30過ぎであり、バス停まではCT2時間15分。
さてどうする?通常の登山道であれば大抵CTより早く歩けるが、問題はここからは林道ということである。登りでも下りでも平地でも常に一定の速度で歩く妻は、「距離に対して同じ時間」で歩くため、急登であれば有る程CTより早いが、平地だと足が短く1歩が小さいのでそれなりに時間を見ておいた方がよい。それに両俣小屋でゆっくり休憩しようと思っていたので暴風雨の中ずっと歩き続けて疲れてもいるし・・・。
と思ったが、2時間じっと待つのもツライな。。「とにかく、やるだけやってみよう!」と休憩ナシで林道タイムトライアルにスタート!
こうなってくるとたっぷり持っている水はただの重しにしかならないが、そのまま進む。途中で妻が「お腹空いちゃった・・・」とノロノロになり、ザックを下ろして何やらゴソゴソ始めた。
「立ち止まったらバスに間に合わないぞ!」と言い、サンドイッチを取り出した妻に、「歩きながら食べなさい!」と指示。
妻はもぐもぐしながら短い足をフル回転させて必死でついてくる。
林道は工事の車が行き交っており、その都度ものすごい砂埃が舞ったが構っていられず。
大体2/3を過ぎた頃、妻が遅れだしたので、とにかく自分だけでも先に行って、万一バスが定刻時間前に通り過ぎたら「定刻時間まで待って下さい!」と交渉するつもりで先に進む。
一方、妻は11時5分前に、林道工事のおじさん達に「1人?偉いねえ」と声かけられたとのこと。「いえ、連れが先に歩いていたと思うんですけど?」と答え、「野呂川出合のバス停まであとどの位ですか?」と聞いたところ、おじさん達に、「ここから40分だな〜」と言われて愕然とした由。「本当に!?本当にまだ40分もかかります?!」と驚いて聞き返したら「かかるね〜。頑張ってね!」と言われた由。
「え〜、もう絶対間に合わないじゃん・・・」と思いながらさらに2分程歩いた地点で「バス停まであと20分」の看板を見つけたとのこと。
妻はここで工事のおじさんの言葉より看板を信じて、無事バス停に到着。あ〜、間に合った!良かった!!
ここで乗り遅れたら、あと1時間半歩くか2時間待つかの選択を迫られるので本当に良かった。
広河原到着後は順調に乗合タクシーに乗り継いで芦安に戻ってきた。
いや〜、本格的に天候が悪化する前に帰ってきて良かった、とその時は思っており、温泉入って先月teku姐さんたちと立ち寄ってすっかり気に入ったほうとう屋に寄ってお昼を食べて外に出ると、なんと晴れ渡っているではないですか!!ダマサレタ!!
そして、東京に戻ると、台風はどこへやらという感じで「猛暑!!」。
過ぎてみればこの4日間で一番天気の悪かったのはこの日だった・・・。
こんなことならこの日は熊で停滞するか塩見まで移動して様子を見てれば良かったなと思うものの、ま、それは結果論。
あそこまで予報が悪ければ、下山するのが妥当であったと思うが今一つスッキリしないものが残る。まあ、初日は天気良かったし、2週間まともに歩いていなかったので歩けただけ良かったか。
ということで今年の夏休みは終わり。
お盆以降の週末はなんだかずっとパッとしないな・・・。
因みに熊の平で同宿した単独おじさん2名はいずれも定年後のゆったり平日山行の方であった。
好きなときに平日でもいつでも山に行けるというのは、羨ましい限りである。
相変わらず凄い歩き方をしておられますね。
今回も嵐の中の山行、引き込まれて読んでしまいました。
両俣からの平地歩きでペン妻さんが遅れるのは意外でした。
最近のレコでペン妻さんの方が強いのだと思い込んでいました(大変失礼)。
間ノ岳、今年も行けそうにないし熊の平までも行きたい。
初日の好天
暴風では真逆でしたね〜
稜線の強風は最悪ですね。歩きにくいし危険だし・・
何事も無く下山できて良かったですね。
私も富士で天気予報みて30日は15mを越える強風だと
解ったので、早く行動しましたが・・・
東京方面は地獄
やっぱり北岳〜間ノ岳の稜線は良い感じですね〜
熊の平とは名前が怖いですが、行ってみたいです。
先週末は予報が悪いので自嘲されたら?
とコメント入れたころには
こちらにいらしたんですね
熊の平は行きたいリストに載っているんですが
中々行けずにいまして…
ベランダからの絵いいですね
甲府駅前の小作のほうとう美味しいですよね
昔よく出張でこの近辺に出没していたころ
毎回のように食していたことを思い出しました
お体ご自愛ください
hakkutさん、こんばんは!
失礼なんてことないですよ
概ね、妻の方が元気なのは事実です。
ただ、とっても小さくて(150cmそこそこ)
コンパスも短いため、平坦な林道歩きになると自分の方が有利になるだけです。
carolさん、
やはり稜線上は、どこも凄かったみたいですよ
風速20〜25m位でしたら何とか耐えられると思うのですが、おそらくもっとあったと思います。
よく知っているルートですから良かったですが、初踏の場合は本当に危険ですよね。
熊の平は、最も好きな場所の一つで、美味しい水も豊富な大好きなテン場です。(今回は悪天に備えて小屋泊にしましたが)
テン場は、早く着けば、小屋とトイレに近い静かな樹林の中か、西農取が正面に見える見晴らしのよい場所か、どちらかを選べますし。
naotosasさん、
熊の平は深いところにありますが、広河原から北岳経由で農取まで1日で来れる方であれば、それよりプラス1時間程度みておけば普通の週末で行けますよ。
公共交通機関利用でしたら1泊2日で、広河原から塩見越えして鳥倉林道にも下山できますし。(以前やりましたので、レコ載せてあるかと。)
小作のほうとう、太るので危険ですね
間ノ岳は久しく行ってないので、時間があるときに行きたいんだけど、熊の平って知らなかった。
なんだか北穂をおもわせる魅力的なテラスですね。
しかし、相変わらず早いですね。
果たして同じ行程で歩けるだろうか?
平日山行だったんだ。
ピカピカの青空なのに翌日は暴風
なんか、去年の八ヶ岳を思い出しちゃった。
稜線での天気の豹変はコワいよねえ、きゃろさん
今日も関東は快晴だったけど、山は厳しそう・・・
ってことで、都内山屋行脚をしてきました。
ところで質問
塩見まで行っちゃったら、そのあとどうする予定だったの?ピストンするの〜〜?
Footさん、
熊の平は凄くよいところですので、
オススメです
上のコメントしましたが、Footさんなら1泊でピストンでも両俣下りでも、塩見抜けもできますよ〜。
テントがおすすめですのでぜひ
姐さん、
「珍しい」って言ったって、なにしろ「夏休み」でしたからね〜。
実は1日で熊から蝙蝠尾根を経て二軒小屋まで一気に下りようと思ってました!過去も歩いていますので、休憩入れても10時間あれば行けるなと。
しかし、肝心の長丁場な日に天気悪くてはどうしょうもなく・・・。
白峰南嶺も魅力的ですが、「水場が全く無い」というのが最大のネックですね〜
姐さん、この秋行ってみますか?
一日目のルートはちゃんと地図頭に浮かぶんですけど、
二日目の戻りのルートが…???
(あとで山と高原地図見ます
経験豊富なぺんさまご夫婦ですと、いろいろなコースご存じなんですね〜
そしてまたまた質問なんですが、
二軒小屋まで行かれたらどうやって車回収される予定だったのでしょうか?
やっぱり頭の中が?マークだらけ…(^_^;)
でも一日目に熊の平まで行けちゃうのがやっぱりすごいですよね
うち、そこから塩見まで歩いてみたいです
というか、仙丈から塩見まで歩いてみたい…
こんばんは!pen妻です
うふふ、両俣回りとか、どーやって車を回収する予定だったかは、地図見て考えてみて下さいね〜
仙塩尾根は、地味ですがいい尾根ですよ
但し、本当に眺望は限られたとこしか得られませんので、そのつもりで行って下さいね!
まず、大仙丈から野呂川越まで眺望が得られるのは1箇所のみ、その先は三峰から井川越までの間のみ。熊より南は、小岩峰以外は北荒川岳に出るまでは景色は殆ど見えません。
ルート的には北半分より南半分の方が楽かな。
ぜひ無理の無いスケジュールを立てて、歩いてみて下さいね!
(そして、姐さんも何回も仰ってるとおり、初踏の場合は夜歩き(意味取り間違えないように!
CATさんの場合は釘さしておかないと、すぐ突進していきそうですので
penさんの昨年のレコを読んで以来、水が美味しいという熊ノ平小屋がとっても気になってます!
北岳〜奈良田はやったことがあるのですが隣の尾根は未経験。
仙丈から塩見を繋げたいのでその過程で熊さんに泊まれたらと思うのですが、1日目で両俣に泊まると2日目が熊さんでは近すぎる。。。
Penさんと同じように広河原〜北岳〜熊さんと来る方がよさそうですね。
しかし仙塩尾根、そんなに眺望が無いんですか…!
そして初踏で夜歩き禁物と。ふむふむなるほど。。。
夜歩き大丈夫ですよ
CATさんは時々ビックリするようなムチャをして突っ走る傾向がおありなので
yokoさんはやはり元ワンゲルだけのことはあり、慎重&用意周到できちんと撤退のタイミング等をご存じであり、全然大丈夫ですよ。
仙塩尾根、三峰岳から三国平や、北荒川岳手前から塩見までは眺望があります。
樹林帯が多いだけに、眺望が少しでもあると「おおっ!」と思いますよ。
北半分は、本当に大仙丈から南では1か所位しか眺望が開けません。
あ、徳本から蝶に向かう感じといえばお判りかと。
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