白根三山〜白根南嶺 縦走 (広河原↑奈良田↓)


- GPS
- 13:46
- 距離
- 26.6km
- 登り
- 2,601m
- 下り
- 3,396m
コースタイム
- 山行
- 5:13
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 6:43
- 山行
- 10:18
- 休憩
- 0:30
- 合計
- 10:48
天候 | 晴れ→雨→ガス→曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
奈良田湖ダム近くに第一駐車場とバス停周辺の第二駐車場になっています。今回の連休では奈良田の里駐車場は何故か塞がれていて使用できませんでした。結果的に駐車台数キャパは激減です。そもそもで山小屋定員も幕営数も減少しているため、このくらいでもいけるのかとも思いますが、つい先日南嶺を歩いた時は路駐で道路沿いは埋まってました。今回に限って言えば、台風接近中ということで、おまけに南ぷすリザーブからもキャンセル料無料の通知もあってか駐車場は余裕でした。 バスは山梨交通バスが夏季ダイヤで運行しています。広河原から先、北沢峠は林道崩壊のため南アルプス市営バスは運休です。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
広河原〜北岳山荘(草スベリ・トラバース道経由):ものすごく良く整備されてます。長い入山禁止中に小屋関係者の方々など整備くださっていた様子。トラバース道は狭いので、混雑時のスライドには注意です。 北岳山荘〜農鳥小屋:こちらもよく整備されています。 農鳥小屋〜大門沢下降点:西農鳥岳から農鳥岳の間の岩場には集中力を要します。特に疲労気味の場合は細心の注意で臨んでください。岩場のうち一ヶ所は滑落した場合、命に関わることになります。 大門沢下降点〜大籠岳:白根南嶺の中でもまだルート明瞭な部分ですが、それでも上級者向けとしている案内本が多いルートです。古いかすれた黄色ペイントを辿るのが正解。ゴーロには特に注意です。 大籠岳〜笹山北峰:ルート不明瞭です。トレースはほぼ消えかかっています。やはり黄色ペイントとケルンを注意深く辿ることです。ハイマツ薮の転倒に注意です。 笹山北峰〜笹山ダイレクト尾根取り付き:一般ルートです。笹山ダイレクト尾根はタフなルートですが、危険箇所もなくよく歩かれていて今や普通の登山道ですね。1600m笹山水場分岐から水場の様子も見てきました。水量はいつもと変わらず、ルートは不明瞭ですが、ピンクテープを辿ればサクッとピストンできます。 |
その他周辺情報 | 台風接近中ってことでどこにもよらず。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
食器
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
日焼け止め
携帯
サングラス
タオル
ナイフ
カメラ
シェラフ
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感想
2019年の台風19号の大きな被害があって、そのままコロナ禍で入山し難い状態が続いた北岳ですが、開山直後の今年7月中に1度下見程度に行ってきました。その際は登山道がよく整備されていてペースが上げやすいなぁといった印象。下見で花の目星はついたので、今回はしっかり南ぷすリザーブで北岳山荘テン場を予約してコツコツと準備してました。ところがぁ〜の今回の台風9号10号接近の予報で、南ぷすリザーブからもキャンセル料無料だからどうする〜?の通知。前日にしばらくyamayama GPVと睨めっこで風速の予想チェックして決行を決断。これまで何度か暴風雨の高山帯でデジ一を雨濡れで再起不能にしていたり、テントを破壊していたりなのでテン泊から小屋泊に予約を変更して臨みます。加えて雨量次第では大門沢で靴を濡らすのも嫌だしってことで、南嶺も縦走路に組み込んでしまいました。南嶺についてはテン泊じゃない分、ザック重量が軽くなったのと白根三山とはまた違った花があるので欲をかいてみました。
当日朝一で奈良田第一駐車場に車を置いて、始発バスで広河原入りしてインフォメーションセンターから山行スタートしました。スタート時点では台風接近を感じさせない空模様。ただ、いつもなら混雑の奈良田もバスもガラガラ...皆さん冷静に正しい判断をなさったと思います。当然ながら広河原インフォメーションセンターではお巡りさんに危険だからと念押しをされましたし、雨量次第では奈良田から戻る県道も通行止めになる旨言われましたし、後ろ髪引っ張られるスタートになりました。もちろん、コンパス提出済ですし、暴風雨の高山帯は何度か経験していること、南アルプス山域なら土地勘はあることなど考慮しての決行でした。
これまでは連休で混雑した南アルプス山域ばかり見てきたので、今回は驚くほど人の少ない山行でとことんマイペースで歩くことができました。タイミング的に御池小屋までは数組とのスライドでその先では2組とだけ。インフォメーションセンターでゆっくりしたので先行がいますが、それでもほんの数組程度。北岳山頂は独占状態でした。翌日の間ノ岳から先もピークでは農鳥岳で1組とご一緒しただけ。他のピークは全て独占です。って言っても何も眺望はないのでただのピーハンですが(笑)。北岳山荘小屋泊も5組ほどでテン場も5張ほど。連休とは思えないガラガラの南アルプスでした。おかげで花を見つけては立ち止まりを繰り返しても他の登山客に迷惑をかける心配もなく、あちこち見て回ることができました。
天気の方は眺望を楽しむにはやはり生憎のものでしたが、タイミングが合えばガスが晴れる瞬間もあって、特に、北岳山荘で夕日を眺める頃には富士山も仙丈ヶ岳も北岳も勇姿を見せてくれました。2日目の南嶺でも塩見岳が見える瞬間もありましたよ。花の方は夏の北岳ならではの豊富な種数で、固有種もちょうど花期だったり、亜高山帯の花にもジャストなタイミングだったりで歩いている最中疲れを感じさせることはありませんでした。花以外でもヤツガタケシノブが見られたり、アスヒカズラの胞子葉が見られたり植物ヲタなら満足できる山行になりました。
白根南嶺は山行記録が少ないようなので注意点を少々。広河内岳まではハイマツ藪がある程度でトレースは細いですがルート明瞭です。大籠岳にはゴーロを越えて下り、フラットになりますが、この辺りからケルンと黄色ペイントを慎重に辿る必要が出てきます。外れると大きな時間ロスになります。今回1泊で奈良田まで至りましたが、もう1泊入れるくらいの方がコンディションによっては安全かもしれません。大籠岳から笹山北峰はほぼトレースはありませんしハイマツ藪で道が埋まっている箇所があります。ゴーロは浮石が多数なので用心のためメット着用もありです。今回は天気が味方してくれたのでガスの中ケルンを探して歩くほどではありませんでしたが、上級者向けルートと言われるだけのことはあります。
笹山北峰から奈良田までは一般ルートです。暑い季節なので、標高を下げるにつれ脱水や熱中症リスクが高くなります。下りで使う場合は疲労や脱水のため脚攣りなど起こしやすいことは考えられます。今回の縦走の場合、農鳥小屋で水タンク補充して次は笹山ダイレクト尾根1600m水場まで補充できません。今回と同じようなルート取りをされる場合、丁寧にリスクヘッジは行って臨んで欲しいと思います。
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