槍ヶ岳(上高地〜槍沢〜槍ヶ岳〜槍平〜新穂高温泉)
- GPS
- 49:00
- 距離
- 33.5km
- 登り
- 1,834m
- 下り
- 2,251m
コースタイム
13:00上高地着(昼食)13:30発−14:20明神館−15:30徳澤園−16:30横尾山荘
28日
5:50横尾山荘発−7:40槍沢ロッジ−8:30ババ平−14:30槍ヶ岳山荘15:00発−16:30槍ヶ岳山頂−17:30槍ヶ岳山荘着
29日
5:30槍ヶ岳山荘発−6:00飛騨乗越−9:30槍平ロッジ−10:20レリーフ−12:50穂高山荘−14:00新穂高温泉
天候 | 3日間快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
2011年秋 多摩川をカヌーでダウンリバーしている時 フト思った『この川の源流はどこだろう?』から登山が始まった。
2012年2月青梅から笠取山を目ざして歩く旅行会社のツアーに参加した。
このツアーは、最終的に旅行会社の都合により丹波山村尾崎行雄の碑迄行って終わってしまった。
そしてこの時同じ旅行会社の案内に『槍ヶ岳登り隊』という案内を目にした。
『槍ヶ岳』という山は、バリバリの登山家だけが登る山で自分が登れる山とは全く思っていなかった。
しかし観光旅行会社が企画したツアーで登れる山なんだと思ったら急に『槍ヶ岳』が自分でも登れる山になってしまった。
そして2012年秋に登る予定であったが、流石に自分の登山能力に不安もあり、もう1年トレーニングをして登ることにした。
そして2013年9月26日その日がやって来た。
さいたま新都心を7時に出発したバスは、12時30分上高地に到着した。
何度も行ってみたいと思いながらも来ることのなかった上高地に生まれて初めて降り立った。
しかし上高地では、散策する間もなくビジターセンター前で持参した弁当で昼食、出発準備を整えて13時30分出発。
出発してからは梓川沿いの林道を進む。
歩き始めて直ぐに穂高の山々が眼前にそびえ立つ。
梓川の清らかな流れ、そして晴れ渡った青空、『これが北アルプスか!』と感じさせるダイナミックな山容が姿を現した。
槍ヶ岳は、ここからは見えない。 林道は、公園を散策しているような歩きやすさである。 このまま槍ヶ岳まで行けたらいいな!と思いながら歩みを進める。
1時間ほど歩くと明神館に到着、10分程小休止。 1時間ほどで徳沢園到着、ソフトクリームが美味しいということで食す。 それからまた1時間弱で今夜の宿泊地『横尾山荘』に到着。 距離9.2km・標高差122mは楽であった。
横尾山荘には風呂があり、寝床もカプセルホテルのような個人ベットになっていて快適な施設だった。
食事で相席になった方は、薬師岳山荘で今夏バイトし下山してアラスカに行くと言っていた。 積極的に人生楽しんでいる人もいるもんだと感心した。
翌朝は、4時起床・5時朝食・5時50分出発した。
5:50−横尾山荘出発
7:40−4km先の槍沢ロッジ到着(所要時間1時間50分)10分休憩
8:30−1km先のババ平到着(所要時間40分)10分休憩
ババ平から先は、時間をチェックする余裕が無くなった。
大曲りまでは、沢沿いに少し息があがるが特に苦しい思いも無かった。
大曲をからグリーンバンドへは急登が続く。 息が少しずつ上り始める。 息をゆっくり長く吐くよう努力するが苦しいさが増す。
グリーンバンドの200m位手前で離脱する。 多分10分程遅れて到着。
槍ヶ岳の雄姿が見える。 でも苦しい。
ここから先は、全くグループに付いていけない。
12:10播隆窟に到着。 ここからまだ2時間の急登が続くのか・・・。
槍ヶ岳が眼前に大きく見れる。 覆いかぶさるような大きさだ。
槍ヶ岳山荘まで1000m看板が見える。
『リュックが重い、ポーターがいたらお願いしたい・・・、でもいる訳ない・・・』
トボトボ歩きになってしまった。 一歩踏み出すのがやっと、苦しい。
10m歩いては小休止、リュックを降ろして休まなければ再び歩けない。
登山ガイドが僕のリュックを担いでくれた。 『なんとありがたいことか・・』
しかし完全にバテてしまった体は簡単に元へ戻らない。 朝2ℓ持った水も無くなった。
先に行ったみんなが食事が終わる14時30分迄に槍ヶ岳山荘に到着しなければ槍ヶ岳にアタックできないという思いが繰り返し繰り返し浮かんでくる。
山荘まで600mの看板を過ぎた辺りで、両足の太ももが痙攣し始める。
歩くどころか、立っていることもできない。 突然強い吐き気に襲われ吐いた。
同時に強い空腹感も感じる。 とても何かを食べたいと思わないし食べられない。
それなのに空腹感が・・『シャリバテ??』
右側にそびえる槍ヶ岳の下に殺生シュッテが見える。 『今日はここで終わりにしたい、ここに泊って明日にしたいと・・・』と思う。
付き添ってくれている添乗員のTさんが背中をさすってくれる。
『単独登山だったら遭難するぞ!』と自分に叱咤する。
多分この時点で13時45分位だったと思う。
『今日登らなければ次はない! こんな晴天が次もあるとは限らない、今日は最高の天気だ、登れば必ず素晴らしい山容が見える、今日は最高の登山日和だ! 次は無い、登りたい!』という強い思いで立ち上り、酩酊し酔っ払った時以上にフラフラと歩き始めた。
歩いては止まり、そしてまた歩き500m、400m、100mと看板が過ぎていく。
槍ヶ岳山荘への最後の直線は、多分夢遊病者のようだったと思う。
14時15分山荘に到着した。
添乗員さんからポカリスウェトを貰い、一気に一本を飲み干す。
ベンチに座り、登って来た登山道を見下ろす。 今迄登って来た登山道より特に険しいとも思わない。 それなのに・・・・
山小屋でヘルメットをレンタルした。
14時30分槍ヶ岳にアタック準備をしているメンバーに追いついた。
特に不安は無い、息も正常に戻ったし思考することも大丈夫、手足の筋力もしっかりしている。
15時頂上へのアタック開始
ここから頂上へは、30分位で登れるらしいが、大渋滞でその歩みは遅い。
この遅さは、周りの景色を見るのに丁度良い。
小槍に登っている人が見える。 写真で小槍を見ていてここにどうやって登るの?登れる訳ないと思っていたが、実際に登っている人を見た。
登っていく途中では、高さ的な怖さは全く感じない。 足場も手元もしっかりしていて不安は無い。
15時30分3つめの長いハシゴを登り頂上に立った。 頂上は、20〜30人位の人で満杯状態。
頂上周囲の端は、急激に切れ落ちた崖になっており怖さを感じる。 押されてバランスを崩したら一貫の終わりだ。
端に寄らないようにして周囲を見渡す。 これが北アルプスの山並みか・・・。
小さな祠と槍ヶ岳山頂と書かれた看板があり、看板を持って記念撮影。
『やっと登った!』と心の中で呟く。
思った通り360度の展望が広がる。
『穂高に向かう稜線が見える、この稜線に大キレットがあるのか・・・』
16時下山開始。 17時30分槍ヶ岳山荘に下山した。
本来であれば登頂を心から祝いたいのであるが、正直言ってバテてしまったことが残念である。 22〜3名のメンバーの中でただ一人である。
自分の体力では、登り2泊・下山1泊が必要なのかと思う。
1日目槍沢ロッジ泊・2日目殺生シュッテ泊・3日目横尾山荘泊ならそんなに苦しまなくても登れるような気がする。 いつかは、そんな登山をしてみたい。
翌朝も、4時起床・5時食事・5時45分ご来光を見て出発。
山のご来光は実に感動的だ。 自転の早さを感じる。
飛騨乗越で槍ヶ岳とお別れ、石ころだらけの登山道は滑りやすく歩きずらい。
昨日は槍ヶ岳山荘でラーメンを食べようと思い食料を持たずに登ったが、今日は山荘でチマキ弁当を作って貰い休憩時に少しずつ食べた。
お米はパワーになるような気がする。
カヌー仲間のOさんが昨年同じツアーで飛騨沢沿いの下りコースが大変だったと言っていたので心配していたが、特に膝や足に痛みがでることも無く14時新穂高温泉に下山した。
このコースは、槍ヶ岳への最短コースで日帰り登山をする人もいるらしい。
こうして槍ヶ岳登山が終了した。
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