雨の八ヶ岳縦走(根石岳〜硫黄岳〜横岳〜赤岳)
- GPS
- 33:16
- 距離
- 32.7km
- 登り
- 2,819m
- 下り
- 2,815m
コースタイム
7:25美濃戸口駐車場-8:21美濃戸山荘-(北沢)-9:47赤岳鉱泉10:08-11:24赤岩の頭-12:07オーレン小屋(ザックをデポ)12:54-13:36根石岳-14:11ヒュッテ夏沢-14:28オーレン小屋(泊)
Day 2
6:08オーレン小屋-6:24ヒュッテ夏沢-7:44硫黄岳-8:03硫黄岳山荘8:50-9:37奥の院-9:57三叉峰-10:56赤岳展望荘11:43-12:14赤岳頂上山荘12:50-14:03行者小屋14:13-(南沢)-16:00美濃戸山荘-16:41美濃戸口
天候 | 8/24(曇り〜霧〜小雨)、8/25(小雨〜中雨〜曇り)、両日とも稜線は風あり。 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
美濃戸口駐車場は1日500円、管理小屋は日中のみ人がいるため、行きか帰りに支払うことになる。非舗装。この先の美濃戸にも駐車場はあるが、陥没路面のため、スポーツ車やセダンはこの駐車場に停めていったほうが無難。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
雨の中という事もあり、鎖続きの稜線を歩き続ける2日目の体力の消耗が大きかったです。もっとも、北アルプスと比べれば大したことはないのですが…。 帰り道、八ヶ岳PA(上り)で食べた清里カレーは絶品でした。かなりおすすめ。 |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ 2 予備あり
予備電池 1
ガイド地図 1 山と高原地図
高度計つきコンパス 2 アナログとデジタル
ナイフ 1
保険証 1
飲料 3.5L 水2L、スポドリ1.5L
トイレットペーパー 1
USB電源 1 5400mAh
タオル 1
携帯電話 1 iPhone
計画書 1
雨具 1 ストームクルーザー上下
防寒着 1 マーモットの軽量タイプ
スパッツ 1
手袋 2 岩登り用と耐風皮手袋
ストック 2 I型アルミポール(ダブル)
ビニール袋 4
替え衣類(フルセット) 2 使用せず
ザックカバー 1
時計 2 wave ceptor
日焼け止め 1
非常食 3 ナッツ・カルパス・チョコレートなど
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共同装備 |
ツェルト 1 モンベル ライトツェルト
細引き 1 5mm x 5m
マット 1
簡易寝袋 1
サバイバルシート 1
ファーストエイドキット 1
医薬品 1
ミラーレスカメラ 1 LUMIX DMC-GF2 + 14mm F2.8
シュラフライナー 1
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感想
(記録整理で手記に補筆して書いているので、多少記憶違い等あるかもしれません。ご容赦ください)
コース設定は、日本百名山 山あるきガイド 下(JTBパブリッシング)掲載のものをベースに、自分の体力を勘案して多少延長したもの。こちらの本では1日目は美濃戸〜赤岳鉱泉迄しか登らず、2日目に硫黄岳〜横岳〜赤岳の稜線を歩く設定になっていた。
自分の車がセダンタイプで美濃戸までの道で底を擦りそうだったのと、天気予報が不安定だったため、スタートを美濃戸口とし、オーレン小屋をベースとして、行動時間次第で西天狗まで足を伸ばすことにした。2日目も赤岳鉱泉経由ではなく、行者小屋経由で南沢から下るルートを設定した。
初日、50Lザックにフロントバックという装備で出発する。水場の多い八ヶ岳とはいえ、出発時点で水は3.5Lを確保している。着替え(水ぬれ用登山着フルセットと寝巻き)まで持っていったこともあり、ザック重量は約15キロ。膝への負担を考え初のI型ダブルポールを導入した。
7:25に登り始め、美濃戸山荘を目指す。歩いてみて美濃戸口に車を停めておいて良かったと再確認する。自分が乗っているのは標準的なトヨタのセダンだが、おそらく確実に2〜3度底を擦りそうな感じ。道がところどころ陥没している。もっともジムニーやフォレスターなら問題ないと思われる。
行きは北沢を選択、赤岳鉱泉を過ぎたあたりで薄い霧が出始めたもの、登山道はまだ滑りにくかったのでオーレン小屋まではスムーズに辿り着く。時間的にはマップタイムの65%程度。ちょうど昼過ぎだったため、昼食をとり、しばらく小屋の人と話す。どうやらこの週末は硫黄岳だけを目指す比較的ライトな人が多いらしい(山ガール・大学のワンダーフォーゲル・ハイキングの会?のような人たちがいた)。
メインザックをデポし、サブザックに背負い変えて13時過ぎに天狗岳方面へ。水と非常食、レインだけになり重量が3キロを切ったため、足取りは一気に軽くなる。しかし、この時点で雨が降り始め、霧が深くなり始めた。レインジャケットを羽織り、さらに進むものの、箕冠山から根石岳の稜線に出るポイントで、風がかなり強くなってしまった。飛ばされるほどでは無いが、吹き付ける雨もあり、時折しゃがまないと転びそうになる。
明日もあるし、無理をすることもないか…という気持ちと、立ち往生してしまっていた親子を発見したため、根石岳で引き返す事にした。小さな女の子2人を連れている親子で、同じくオーレン小屋泊とのことだった。荷物を代わりに背負って同行することを提案したものの、まだ父親が体力があるらしく大丈夫という。しかし気になったので、せめて出来ることとして通る予定のヒュッテ夏沢経由の道を先行することにした。一部崩落しているところはあったが、迂回ルートがしっかり設定されていたため引き返すような事にはならず。その後、無事に小屋で再会出来て安心した。
小屋には14時半帰着。風呂に入り、夕食までKindleアプリで新田次郎の小説を読んで時間を潰す。便利な時代になったものだ。夕食はオーレン小屋自慢の桜鍋。山小屋で出される料理とは思えないほど旨い。ご飯もお代わり自由だったので3杯頂く。夕食後、学生たちは囲炉裏の周りで酒盛りを始めていた。若さを感じる。
翌朝、朝食後6時過ぎに小屋を発つ。夏沢峠を経て硫黄岳へ。硫黄岳付近で雨量がやや上がり、視界は10メートル程度に落ちる。風も出てきた。硫黄岳は山頂が広く視程が制限されると方向がわかりにくい。気をつけないと道迷いしそうなポイントと感じた。大体の人はここで降りた模様で、横岳方面へ向かう人影は見当たらない(逆は10分に1組程度はいた)。
天気予報を見たいため、硫黄岳山荘に寄る。ここまで、カメラの操作で外したり付けたりしていたために防風手袋の浸水がひどい。山荘のストーブで乾かしたが、あまり良くない。岩登り用グローブ(エストラマー+化繊メッシュなので、濡れるが絞れば乾く)に変更する。ニュースによれば、残念ながら雨は夕方まで降り続けるらしい。出発前の予報では10時過ぎから上向くはずだったのだが…。
奥の院付近から地蔵の頭は鎖と梯子がなかなか堪えた。支点がゆるんでいる部分は岩でクリアしたいところだが、やはり雨で滑る。岩登り用グローブに変えて正解だった。稜線西側の崖は高さはあるものの、フチを歩く部分はあまりないため、ほとんど恐怖は感じなかった。東側は下に広がっている部分があるところが多く、最悪滑落しても数メートル〜10メートル程度で止まれそうに感じた。自分もすれ違ったパーティもしていなかったが、念のため雨の日はヘルメットを被った方が良いかもしれない。
赤岳展望荘で再度の休憩。体が冷え始めたため、ホットカルピスとソイジョイ3本を補給する。ソイジョイは1本だけ食べるつもりが、あまりの美味さに3本も食べてしまった。これ以降の山行で非常食を変えるきっかけになった。一時間弱休憩し、最高峰、赤岳へ。本当は阿弥陀岳へも行きたかったが、この時点で予定より2時間近く遅れている。おそらくこれが最後の頂になる。気合を入れて上り始める。
12時過ぎに赤岳頂上山荘着。ここでも熱いお茶を飲み30分ほど休憩を取る。山荘の人に聞くと、今日は下山をあきらめ、ここに泊まっていくことにしたパーティも何組かいるらしい。帰りは相当気をつけることにする。山頂神社にお参りし、13時ごろ下山を開始する。
文三郎尾根は、だいぶ時間がかかった。晴れていれば「なんでこの程度の岩場に鎖が・・・」と思うような場所でも、濡れてしまうと安全に下るには時間をかけて足場を確保してゆかなければいけない。おそらく初めてマップタイム通りの時間かかってしまった(もっともマップタイムの時間は晴れの日のタイムらしいが…)。
行者小屋では立ったまま10分ほど休憩し、水分だけ補給する。小屋先では上の山荘まで登るのをあきらめてここへ泊まるという話が聞こえてくる。しかし、自分は下りないわけには行かない。何せ、明日は仕事だ。ひたすら無心で岩を捌きながら歩く。
美濃戸山荘には16:00着。GPSロガーの電池が切れかかっていたのでUSBバッテリーを繋ぐ。16:41美濃戸口駐車場へ帰着。駐車場管理人(別荘地の管理人も兼ねている)に、2日間の駐車料金千円を払い、帰路につく。いつの間にか雨は止み、雲の切れ間からは青空が覗いていた。
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