小蓮華山から雪倉岳北面(瀬戸川源流〜白高地沢)


- GPS
- 16:51
- 距離
- 30.6km
- 登り
- 2,258m
- 下り
- 3,407m
コースタイム
- 山行
- 5:18
- 休憩
- 0:14
- 合計
- 5:32
天候 | 4/2 帯状高気圧の中心通過。終日快晴で昼は微風。上空寒気が入り夜間は2000mで-10℃。 https://tenki.jp/past/2022/04/02/chart/ 4/3 午前中快晴で稜線は風速10m/s程度。午後から気圧の谷が接近し夕方にわか雨。 https://tenki.jp/past/2022/04/03/chart/ |
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過去天気図(気象庁) | 2022年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・4/2 予想を上回る大混雑にびっくり。どこも駐車場は満車で、初めて個人店の駐車場に誘導された(オーナーさん1泊2日認めていただき、有難うございました)。 帰路:木地屋の除雪終了点にチャリデポして木地屋〜平岩駅はチャリ、平岩駅〜白馬大池駅へJR大糸線、ラスト栂池まで徒歩で車回収計画(電車に間に合わず、後述)。 平岩駅 松本方面 日曜日の時刻表(駅探) https://ekitan.com/timetable/railway/line-station/168-35/d1?dw=2 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・栂池自然園〜船越ノ頭〜小蓮華山 船越まではシール。船越から先はシートラアイゼン。信州側に雪庇隠れクラックやバリズボが多いので、寄り過ぎない方が良い。小蓮華山は偽ピークが3つほどあり、意外と遠く感じた。 ・小蓮華山〜瀬戸川源流〜幕営地 三国境へ一段下ると雪が繋がっていて広大な圏谷に入れる。序盤はガリガリでもすぐ平滑になり、2600〜2300mはこしまり雪の上にパウダーが乗っていた。三国境からの沢が合流するとガリパウ。2090m付近で側壁が緩やかになる所があり、そこからスキーヤーズレフトにトラバース。小尾根を越えた先の広尾根2010m付近のシラビソ林と、その下1969m高点台地で雪が柔らかい所が幕営適地。 ・幕営地〜雪倉岳避難小屋 夏道の鉱山道2000m付近の尾根から取り付き、そのまま雪倉上ノ沢の右岸尾根を登って2300mで上ノ沢へ水平移動した。谷風が吹き下ろしたせいで、雪は尾根の方が柔らかかった。避難小屋の出入口ドアは凍りついて動かず、中は入れなかった。 ・雪倉岳避難小屋〜雪倉岳 風で夏道が区間の半分出ておりシートラアイゼン。アイス急斜面を登る箇所もあった。 ・雪倉岳北面〜白高地沢右岸台地 頂上北の肩から北面カールを3-4ターン落とし、雪倉ノ池方向ではなく稜線の下を末端までトラバースする。そこから2200m前後までは35-40°の斜度があり、緩むと雪もフィルムクラスト化してきてメローで快適な大斜面がずっと続く。1538m高点の先で白高地沢橋が見えるので、北斜面トラバースで高度を下げつつヒョウタン池を通過。そこで朝日方面からの合流トレースがなければ、GPS頼りに瀬戸川橋を目指す。 ・瀬戸川橋〜蓮華温泉〜木地屋 瀬戸川橋からの斜面取付は、蓮華温泉のスタッフが雪階段を作って下さっていた。ピンクテープが随所にあり木地屋まで迷うことはない。蓮華温泉の先2本目の橋手前からヤッホー平へのショートカットは、弥兵衛沢が完全に埋まっており問題なかった。長距離ストップスノーで消化試合ということもあり、タイム見積りを多めにとった方が無難。 |
写真
感想
前からずっと気になっていた雪倉岳。蓮華温泉ロッジは早くも満室でとれない。週末は帯状高気圧、2日天気続くなら振子沢は勿体ないなあ。小蓮華山から北西面の瀬戸川に落とせば初日も楽しめ、地形図とGoogle Earthで幕営適地を見つけた。これは行くしか無いでしょう。
栂池高原は今シーズンのゴンドラ待ちワースト。長蛇の行列にびっくり。でも天狗原滑られるBCの方とシェア乗りして、長い待ち時間も色々お話しできて楽しかった。11時前、テン泊装備なのと船越は登りも短いので心配はない。暑くて汗タラタラ、でも程よく雪も緩んでいてシールで登れた。船越は登っていく人、滑っていく人多数で海外のゲレンデにいるみたい。春スキーには手軽で良いところだと思う。
船越から小蓮華山は風衝地なので、シートラアイゼンで歩く。ニセピークが何度も出てきて、こんな長かったかなと焦る。4つ目でようやく頂上に立った。瀬戸川へのドロップポイントを探していざ谷へ。真正面に雄大な雪倉岳、足元に圏谷地形が広がった。北アルプスだなあ。ガリガリを横滑りしていくと締まった新雪に変わり、表面も滑らかに。パウダーが一様に乗り出した。ここが今日の私のゲレンデ。栂池ゴンドラ待った甲斐があった。最高。
側壁が緩んだ所からトラバースしていくと、幕営予定地までの斜面にも新雪が溜まっていた。シラビソの森に設営。1人はやることが多くて、稜線で囲いブロック切り出すよりもスキーなら標高を落として張る方が早いと思う。翌朝の雪が締まってる間にさくっと登り返せば良い。夕食はクスクスにパプリカを刻んで入れて、ドライフルーツと一緒に蒸した。サハラ砂漠の食べ物は雪の砂漠にも向いてる。軽量コンパクトで水も消費が少ない。夜、鉱山道の谷はおろし風が強くてゴォーと唸っていた。シラビソの森には吹き込まず安眠。
翌朝も-10°C快晴だった。雪倉岳がほんのりモルゲンロートに染まる。雪倉上ノ沢は谷風でカチカチそうなので、右岸の尾根をシールクトーで上がった。こしまり雪が乗っていて歩きやすい。雪倉岳避難小屋のドアは凍りついていて、びくともしなかった。ここも風衝地、夏道をシートラアイゼンで登る。振り返ると白馬岳と旭岳が大きい。学生の頃に登った記憶が少しずつ蘇ってきた。9時過ぎ、登頂。雲海と北アルプスの大展望にポツンと囲まれる。荷物の重さからくる疲れさえ忘れる時間。
北の肩から雪倉北面へドロップ。出だしのガリガリ急斜面は初すべりの月山以来、いやそれより硬い。キックターンも危ないので木の葉落としで前進後退しつつ、露出した岩を縫っていくと北面カールに出た。ボウルに入ると滑らかアイスに新雪まだら。3ターンでトラバースして次の斜面へと小尾根を越す。おおーー凄いスケールだ。一枚ガラスのようなツルツルバーンへ飛び込む。転倒は許されない、慎重に。エッジは抜けそうでしっかり回った。スキー万歳、シーハイル!
2200mを割ると斜度が緩み、雪も緩んできた。そしてフィルムクラストに変わり、大雪原クルージングへ。無限にラインを選べる複雑地形で、どこを滑っても白高地沢には出る。橋が見えてからは北斜面トラバースで高度をキープ。前日蓮華から遊びに来たと思われるパーティのトレースがあり、ヒョウタン池も上手にトラバースされていて助かった。瀬戸川橋に到着。滑走距離6.5km。ご馳走様でした。天国だった。もう1日終わったも同然。あとがきへと続く…
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エンドレスに長い。蓮華温泉を過ぎても、木地屋が遠ざかっていくように感じる。2時間半くらいで自動運転と思ったら大誤算。カニ歩き登りにストップスノー手漕ぎの連続。このクラシックコースってウロコテレマーク用?昔はそうだったのかな。天気も崩れて17時半。氷雨の降りしきるなか、木地屋に下山。嗚呼無念、平岩駅から電車がない。
20:47終電は快速に接続し、白馬大池は通過。栂池までヘッデンでチャリ漕ぐしかなかった。28km、R148千国街道。登り坂の長いトンネルとスノーシェッドが連続で出てきた。トンネルに響き渡るエンジンの唸り。出ると真っ暗で氷雨が叩きつける。長距離トラックが水しぶきを巻き上げて追い抜いていく。身体が冷えて足が攣りそうになった。DNF。村営バス停留所に駐輪してタクシーを呼ぶとすぐ来てくれた。
ソロの縦走山行で、これまでも下山口にチャリデポし輪行もして車回収してきた。しかし想定外では戻れなくなる弱点はあった。今回のルートだとチャリデポ後、車は平岩パーキングに置いて、朝の電車+村営バスで栂池に行くのが正解だったと振り返る。プラニングって難しい。でも、それも山行の一部として前向きに捉えようと今回思った。
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