ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 420675
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
大峰山脈

弥山・八経ヶ岳 終わったと思われた大峯の厳冬期が二日間だけ復活 

2014年03月22日(土) 〜 2014年03月23日(日)
 - 拍手
miztrek その他3人
GPS
32:00
距離
19.1km
登り
1,691m
下り
1,696m

コースタイム

【3/22】
9:50熊渡-
10:25双門分岐10:35-
13:15カナビキ出合13:30-
14:25ナベの耳/頂仙岳トラバース-
15:20高崎横手15:25-
15:55狼平16:10-
-18:10弥山冬期小屋

【3/23】
8:30弥山冬期小屋-
9:40八経ヶ岳10:15-
10:50弥山小屋11:00-
13:00狼平14:15-
14:40高崎横手14:45-
15:15ナベの耳/頂仙岳トラバース-
15:55カナビキ出合16:10-
17:50双門分岐-17:55
18:20熊渡
天候 3/22~23ともに快晴
過去天気図(気象庁) 2014年03月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
熊渡へ駐車
熊渡から先は通行止め
コース状況/
危険箇所等
【カナビキ尾根】
直登トレースで登りましたが、下山時は気温の上昇により雪面が緩んでいたので、これから登られる方は夏道と冬道のミックスでルーファイされるといいと思います。

【カナビキ出合からナメリ坂〜ナベの耳】
これからの時期は夏道が出てくるので登山道通りでOKです。
北側斜面は先日積もった雪がこれからクラストしていくので、安定面と踏抜きの境目に注意。
週半ばの気温上昇で頂仙岳のトラバースはズルズルになると思います。

【高崎横手から狼平】
北側斜面なのでクラストしたら数日は安定しそう。

【狼平から弥山山頂まで】
僕達がトレース付けていきましたが、
大黒岩上部で少々ミストレースつけてしまいました((*_*;
大黒岩周辺の防鹿柵で初見の方は右往左往してしまうと思いますが、面倒臭がらずに跨いで下さい(笑)
迂回してからは奥宮横まではちゃんとつけておきました。

【弥山〜八経ヶ岳】
冬道をトレースしました。
鞍部の雪庇もハングするほど着いていないので、際まで寄らなければ大丈夫です。
山頂は錫杖の先端が出るくらいの積雪。

気温が上がって急速に融け始めると夏道を使えますが、雪融けは多少ゴロつくので気がついた方は養生しながら進んで下さい。
防鹿柵に入ってオオヤマレンゲ自生辺りは根雪の踏抜き箇所が増えてくるので、これから登られる方は特に注意。
熊渡を出発
林道には積雪
2014年03月22日 09:58撮影 by  iPhone 5, Apple
4
3/22 9:58
熊渡を出発
林道には積雪
カナビキ尾根を登行中は殆ど曇天
標高を上げるにつれて所々晴れ間
2014年03月26日 01:46撮影 by  iPhone 5, Apple
1
3/26 1:46
カナビキ尾根を登行中は殆ど曇天
標高を上げるにつれて所々晴れ間
カナビキ尾根
2014年03月26日 01:46撮影 by  iPhone 5, Apple
2
3/26 1:46
カナビキ尾根
カナビキ出合
栃尾辻方面
2014年03月26日 01:46撮影 by  iPhone 5, Apple
4
3/26 1:46
カナビキ出合
栃尾辻方面
カナビキ出合
前日の雪で10cmほど着雪
2014年03月26日 01:46撮影 by  iPhone 5, Apple
3/26 1:46
カナビキ出合
前日の雪で10cmほど着雪
ナメリ坂〜ナベの耳
2014年03月22日 15:08撮影 by  iPhone 5, Apple
3
3/22 15:08
ナメリ坂〜ナベの耳
ナメリ坂〜ナベの耳
霧氷と樹氷が最高でした
2014年03月26日 01:46撮影 by  iPhone 5, Apple
6
3/26 1:46
ナメリ坂〜ナベの耳
霧氷と樹氷が最高でした
ナベの耳から頂仙岳トラバースへ
2014年03月22日 15:15撮影 by  iPhone 5, Apple
4
3/22 15:15
ナベの耳から頂仙岳トラバースへ
トラバース中
西方面から来た快晴エリア
P1518が見えます
2014年03月22日 15:41撮影 by  iPhone 5, Apple
4
3/22 15:41
トラバース中
西方面から来た快晴エリア
P1518が見えます
トラバース中
霧氷と青空のコントラストにため息
2014年03月26日 01:47撮影 by  iPhone 5, Apple
3
3/26 1:47
トラバース中
霧氷と青空のコントラストにため息
高崎横手下
弥山山体の樹氷
2014年03月22日 16:58撮影 by  iPhone 5, Apple
7
3/22 16:58
高崎横手下
弥山山体の樹氷
狼平
吊り橋にはまだ新雪
2014年03月22日 17:06撮影 by  iPhone 5, Apple
4
3/22 17:06
狼平
吊り橋にはまだ新雪
狼平
三名の方がステイ
2014年03月22日 17:07撮影 by  iPhone 5, Apple
5
3/22 17:07
狼平
三名の方がステイ
狼平避難小屋
ここから弥山まではトレースなし…
2014年03月22日 17:09撮影 by  iPhone 5, Apple
8
3/22 17:09
狼平避難小屋
ここから弥山まではトレースなし…
日の沈むスピードと競争
2014年03月22日 17:43撮影 by  iPhone 5, Apple
3/22 17:43
日の沈むスピードと競争
防鹿柵を跨ぐところで振り返るとマジックアワーに浮かぶ頂仙岳の峻峰
2014年03月26日 01:47撮影 by  iPhone 5, Apple
5
3/26 1:47
防鹿柵を跨ぐところで振り返るとマジックアワーに浮かぶ頂仙岳の峻峰
冬期小屋に入ってすぐにアルコールストーブで暖をとりました
2014年03月26日 01:47撮影 by  iPhone 5, Apple
6
3/26 1:47
冬期小屋に入ってすぐにアルコールストーブで暖をとりました
翌朝、下界はうねる雲海
20
翌朝、下界はうねる雲海
御来光
ちょうど日出ヶ岳から出てきました
15
御来光
ちょうど日出ヶ岳から出てきました
御来光
この時期にここから拝める御来光は格別です
17
御来光
この時期にここから拝める御来光は格別です
御来光
薄雲が通過する度に変わる目の前の世界
9
御来光
薄雲が通過する度に変わる目の前の世界
御来光
朝なのか夕方なのか一瞬わからなくなりました
いや、最高潮に微睡んだ瞬間
14
御来光
朝なのか夕方なのか一瞬わからなくなりました
いや、最高潮に微睡んだ瞬間
御来光
スッキリ晴れると山体はモルゲンに染まりました
15
御来光
スッキリ晴れると山体はモルゲンに染まりました
弥山小屋前の鳥居
大町桂月の石碑のところです
6
弥山小屋前の鳥居
大町桂月の石碑のところです
ええ感じに埋もれてます
3
ええ感じに埋もれてます
モンスターの間から漏れる朝陽
3
モンスターの間から漏れる朝陽
雲で拡散されてた朝陽が当たる弥山小屋
6
雲で拡散されてた朝陽が当たる弥山小屋
八経ヶ岳は雲の中
4
八経ヶ岳は雲の中
あ、見えるか…
見えてるけどチラ見せ
3
見えてるけどチラ見せ
あぁ、また隠れた
2
あぁ、また隠れた
だるまさんが転んだ!で振り返ると見えたりする(笑)
2
だるまさんが転んだ!で振り返ると見えたりする(笑)
キラキラです
弥山小屋前の吹き溜まり
弥山小屋前の吹き溜まり
弥山山頂のモンスター
3
弥山山頂のモンスター
八経へ向かう夏道も…
1
八経へ向かう夏道も…
テン場から大普賢方向
6
テン場から大普賢方向
国見八方覗手前
ここから冬道へ入る
3
ここから冬道へ入る
白銀の八経ヶ岳
鞍部には一本のトレース
絵になる
8
鞍部には一本のトレース
絵になる
冬道から八経ヶ岳
南の方へ奥駈 仏生ヶ岳〜孔雀岳~釈迦ヶ岳
4
冬道から八経ヶ岳
南の方へ奥駈 仏生ヶ岳〜孔雀岳~釈迦ヶ岳
八経ヶ岳へ掛けての鞍部
向こうには釈迦ヶ岳
3
八経ヶ岳へ掛けての鞍部
向こうには釈迦ヶ岳
八経ヶ岳山頂部
あのトレースかっこいい
2
八経ヶ岳山頂部
あのトレースかっこいい
樹氷と八経ヶ岳
コルのシュカブラも綺麗
4
コルのシュカブラも綺麗
シュカブラの向こうには大台ヶ原山塊
シュカブラの向こうには大台ヶ原山塊
コルのシュカブラも綺麗
4
コルのシュカブラも綺麗
ここに立つと、言葉になりませんでした
5
ここに立つと、言葉になりませんでした
シュカブラはクラストしていたのでここまで寄れました
2
シュカブラはクラストしていたのでここまで寄れました
振り向けば大普賢
3
振り向けば大普賢
歯ブラシ
さぁ、山頂!
錫杖95%埋没
積雪高は70~80cm?
6
錫杖95%埋没
積雪高は70~80cm?
看板は半分より上埋もれてました
3
看板は半分より上埋もれてました
錫杖95%埋没
うぉ!綺麗!
眼下は水晶谷〜白川又川
5
うぉ!綺麗!
眼下は水晶谷〜白川又川
錫杖95%埋没
明星ヶ岳
相変わらず着雪面の綺麗な稜線
3
明星ヶ岳
相変わらず着雪面の綺麗な稜線
明星ヶ岳の向こう、くっきりと稜線が浮かんだ果無山脈
1
明星ヶ岳の向こう、くっきりと稜線が浮かんだ果無山脈
立ち枯れについた樹氷と紺碧の空
2
立ち枯れについた樹氷と紺碧の空
はぁ…。帰りたくない。
3
はぁ…。帰りたくない。
でもこの奥駈の稜線は何回見てもため息しか出ん
3
でもこの奥駈の稜線は何回見てもため息しか出ん
雪庇を見ながら下山
雪庇を見ながら下山
防鹿柵にもシュカブラ?付いてる(笑)
後一ヶ月は乗り越えれます
1
防鹿柵にもシュカブラ?付いてる(笑)
後一ヶ月は乗り越えれます
おぅおぅ、重ないんかい
1
おぅおぅ、重ないんかい
写真撮ってたら遅れまくりです
写真撮ってたら遅れまくりです
コル周辺の樹氷も最高
1
コル周辺の樹氷も最高
絵になりますわ…
1
絵になりますわ…
振り返って、もう一回ピークへ行きたい
振り返って、もう一回ピークへ行きたい
シュカブラも何回見ても綺麗
1
シュカブラも何回見ても綺麗
しぶしぶテン場へ帰還
しぶしぶテン場へ帰還
トイレ横もこんな埋もれてます
1
トイレ横もこんな埋もれてます
スカッと晴れた大峯核心部
2
スカッと晴れた大峯核心部
弥仙山頂モンスター
これ見れたら登ってきた甲斐がある
2
弥仙山頂モンスター
これ見れたら登ってきた甲斐がある
弥仙山頂モンスター
これ見れたら登ってきた甲斐がある
1
弥仙山頂モンスター
これ見れたら登ってきた甲斐がある
あの標板も…
こんな天気そうそうありません
2
こんな天気そうそうありません
弥山小屋の前はちびっ子ゲレンデみたいになってます
1
弥山小屋の前はちびっ子ゲレンデみたいになってます
さぁ、下るか…
え!11時!?(笑)
2
さぁ、下るか…
え!11時!?(笑)
弥山山頂奥宮前から八経ヶ岳
3
弥山山頂奥宮前から八経ヶ岳
天川弁財天奥宮
ここまで埋まってるのを見るのは初めてです
1
天川弁財天奥宮
ここまで埋まってるのを見るのは初めてです
天川弁財天奥宮
鳥居もくぐれませんわ
3
天川弁財天奥宮
鳥居もくぐれませんわ
ずっとここにおりたい
1
ずっとここにおりたい
ここまで無事に来させてもらった上にこんな素晴らしい世界を見させてくれはってありがとうございます
ここまで無事に来させてもらった上にこんな素晴らしい世界を見させてくれはってありがとうございます
役行者さんにもお礼
2
役行者さんにもお礼
また一ヶ月後に来ます
2
また一ヶ月後に来ます
融けた樹氷がまた凍ってシャンデリアツリー
2
融けた樹氷がまた凍ってシャンデリアツリー
融けた樹氷がまた凍ってシャンデリアツリー
融けた樹氷がまた凍ってシャンデリアツリー
融けた樹氷がまた凍ってシャンデリアツリー
1
融けた樹氷がまた凍ってシャンデリアツリー
融けた樹氷がまた凍ってシャンデリアツリー
融けた樹氷がまた凍ってシャンデリアツリー
吹き溜まりも踏み込まなければ綺麗
1
吹き溜まりも踏み込まなければ綺麗
まさにモンスターの手
1
まさにモンスターの手
この二つの色は鉄板です
3
この二つの色は鉄板です
あそこのコルは見てるだけでため息が出ます
あそこのコルは見てるだけでため息が出ます
オオヤマレンゲの自生地周辺
1
オオヤマレンゲの自生地周辺
樋ノ谷上部
いつかあそこのササ原で昼寝したいです
樋ノ谷上部
いつかあそこのササ原で昼寝したいです
大黒岩から辿ってきたトレイル
奥に見えるP1518までひとまず帰ります
1
大黒岩から辿ってきたトレイル
奥に見えるP1518までひとまず帰ります
頂仙岳
ずっと向こうには二上山〜葛城山〜金剛山のダイトレもうっすら
2
頂仙岳
ずっと向こうには二上山〜葛城山〜金剛山のダイトレもうっすら
大の字で飛び込みたい
2
大の字で飛び込みたい
あぁ…八経…また来ます
1
あぁ…八経…また来ます
狼平で小休憩
吊り橋の雪はけっこう融けていました
吊り橋の雪はけっこう融けていました
狼平
ホンマにええところ
2
狼平
ホンマにええところ
高崎横手へもどります
高崎横手へもどります
雪質は一変、シャーベットになりかけ
1
雪質は一変、シャーベットになりかけ
高崎横手の手前
高崎横手の分岐
出た踏抜きスクリーム
2
出た踏抜きスクリーム
頂仙岳のトラバースは落ちた霧氷と融け始めた雪でやわやわ
頂仙岳のトラバースは落ちた霧氷と融け始めた雪でやわやわ
高巻きも滑り始めてきてました
1
高巻きも滑り始めてきてました
ナベの耳
ナベの耳
ナベの耳周辺のブナ床
ナベの耳周辺のブナ床
ナベの耳周辺のブナ床
ナベの耳周辺のブナ床
林間から行者還岳
もう一週間もすれば雪なくなりますね
5
林間から行者還岳
もう一週間もすれば雪なくなりますね
行者還避難小屋の屋根
2
行者還避難小屋の屋根
林間から大普賢岳〜国見岳〜七曜岳
このアングルだと稚児泊の場所もよくわかります
1
林間から大普賢岳〜国見岳〜七曜岳
このアングルだと稚児泊の場所もよくわかります
ナメリ坂でうさぎの足跡
3
ナメリ坂でうさぎの足跡
ナメリ坂は北側斜面なのでこれからクラストしながらしばらく安定するかな?
ナメリ坂は北側斜面なのでこれからクラストしながらしばらく安定するかな?
ナメリ坂
シリセードしたくなるコースでした
ナメリ坂
シリセードしたくなるコースでした
カナビキ出合の上部
正面にはP1518
あれの向こう側が天女の舞
カナビキ出合の上部
正面にはP1518
あれの向こう側が天女の舞
このまま下りたい…
1
このまま下りたい…
走って下りました
1
走って下りました
足跡を見るともう一回走って下りたい衝動
1
足跡を見るともう一回走って下りたい衝動
樹の影が伸びてきました
1
樹の影が伸びてきました
この雪が融けると落ち葉の層
その下には準備中の春
この雪が融けると落ち葉の層
その下には準備中の春
カナビキ尾根の下り始めはけっこうな斜度
シリセード後が多いので、脇の積雪部を踵ダッシュ
カナビキ尾根の下り始めはけっこうな斜度
シリセード後が多いので、脇の積雪部を踵ダッシュ
これから融けたら荒れるぞ…ここは
しかもこの斜度で一面落ち葉なので怖い
これから融けたら荒れるぞ…ここは
しかもこの斜度で一面落ち葉なので怖い
途中から雪が剥がれて荒れてきたので夏道へ
途中から雪が剥がれて荒れてきたので夏道へ
無事にカナビキ橋へ帰還
2
無事にカナビキ橋へ帰還
雪が融けて見えたものは落石
気温が急に上がった日だったのでちょっと怖かった
2
雪が融けて見えたものは落石
気温が急に上がった日だったのでちょっと怖かった
双門分岐
ほとんど雪が融けてました
2
双門分岐
ほとんど雪が融けてました
日没と同時に熊渡へ帰還
あーしんどかった
2
日没と同時に熊渡へ帰還
あーしんどかった
撮影機器:

感想

昨年の12/3に霧氷を堪能した後、今シーズン計画した厳冬期の弥山・八経はことごとく流れてついに3月。
雪融けの頃に登るか…と思っていた矢先の連休、予想外の低気圧通過で厳冬期復活。
もともと連休には泊まりの山行を予定していたので、まさにベストタイミングでした。

厳冬期の大峯にはあまり同行を連れて行かないのですが、今回は山仲間3人と一緒にアタック。
大川口に停めて聖宝谷を登攀しようかなぁ、熊渡からアプローチするか、いや、天気も良いし役場から行くか〜とワクワク思案しながら天川へ向かう。
まぁそれらも新川合トンネルを抜けてから全て決まるのが、天川の山を登る理(笑)
結局雪の加減と熊渡から先に行けなかったので、風雪舞う熊渡からアプローチ。

熊渡に着いたのは9:30。
まぁ泊まりだし天気は快晴なので、夕暮れと同時に冬期小屋へ滑りこんだらいいかな~ということで、
9:50に熊渡を出発、林道には落石が数箇所ど真ん中ゴロンゴロン…急ぎ足で双門分岐へ。
カナビキ尾根に入ると、夏道の九十九折手前で直登トレース。
まだ雪質も良く、体力もある時間帯なので直登。
標高が上がるにつれて若干クラストした雪面に新雪が乗っただけなので、新雪が粘り始める。
まぁ急いでも結果が伴わない急登なので、カナビキ出合まではのんびり登ろうかと。
登りながら見上げる稜線は真っ白で霧氷祭りの予感。
P1518辺りはそれはそれは見事な霧氷、厳冬期が初トライのメンバーもいたので、カナビキ出合までの到達時間次第では天女の舞で日帰りでもいいかな…と思いながら2時間かけてカナビキ出合へ到着。

僕が大峯界隈で最も好きな場所のひとつ、カナビキ出合のブナ林も霧氷が綺麗について異世界。
無雪期ならフカフカの落ち葉で少し昼寝でも…というところ。
フカフカの新雪の上で昼ごはんを手短に済ませて出発。

ナメリ坂に入ると北側斜面は雪面が安定していて歩きやすかったです。
陽の当たる稜線に出ると青空に変わって、霧氷と相まってコントラストを上げていきました。
スタスタ通り過ぎることはできなかったので、頭上を見上げて写真を撮りながら霧氷を堪能。
頭の片隅では『このまま気温上がったら頂仙岳のトラバース…』がモヤモヤしていたけど、
そんなことはお構いなしな個人的に今シーズン一番の霧氷でした。

ナベの耳までは本当に綺麗で、この時期の八ヶ岳をスノーハイクしているような錯覚になりました。
それくらい、ベストな時間帯に通過できました。

ナベの耳に着いて、頂仙岳直登トレースがあるかと思いきや夏道トレース。
南側斜面&正午過ぎというのもあって雪質は多少ベタつき始めた頃でした。
次第にアイゼンに纏わりつく雪のおかげで、またまた通過速度を鈍化。
谷側へ一歩外すと抜いてしまうので、実質山側15cmだけ。

トラバースに小一時間かけて、高崎横手へ。
少し太陽も傾いたので、狼平までは影の中下る。
雪質的にアイゼンが要らなかったので、わりとスムーズに狼平へ下れました。
途中、弥山〜修覆山の稜線を見るとびっしり樹氷天国。

16時前に狼平へ到着すると吊り橋には新雪の名残。
避難小屋には二名ほど?外にはカナビキ尾根で抜いてもらった方が幕営。
15分ほど小休憩した後、防鹿柵のほうへ歩みを進めると…トレースなし!
夏なら45分で弥山まで登れるので、2倍かかったとしても暗くなり始めた頃には到着できるということで前進。
斜面を九十九折で登りつめて防鹿柵を跨ぎ、大黒岩を過ぎた小ピークでまさかの大雪庇。
八剣谷側へ巻こうと考えたけど、夏道ベースで抜ける選択。
男だけなら胸まで浸かろうが飛び込めるけど、今回は女性もいたので少しリターンして仕切り直し。
その間に辺りは闇に包まれ始めました(笑)

最後の鞍部に出ると真っ暗なのでヘッデンを用意。
山頂奥宮まではピークを目指せば直登でも着くので最後の小休憩。
振り返ると、大気が抜けて奈良盆地〜大阪平野〜大阪湾〜神戸の夜景まで綺麗に眺めることができました。
ちょっと心細かったであろう女性陣の気を持ち直すにはよかったかも?^^;

仕切り直しスタート後は、吹き溜まりの連続でルーファイ地獄。
無闇矢鱈に吹き溜まりを行軍するよりは、雪面と樹根の風紋の加減を見ながらルートはチョイス。
多少時間はかかっても体力を削がないように。
こういう時は急いだり焦ったりすると、身体も頭も疲弊するので冗談でも言いながら登るのが良し。
こんだけ真っ暗な中、寒風に吹きさらされてようやく着いた冬期小屋に先客いたらどないしよ…と考えながら登る(笑)

そして最後の防鹿柵を跨いだところで、行者さんのお堂横へ到着。
行者さんと奥宮に感謝の参拝をして冬期小屋へ。
恐る恐るドアを開けて中に入ると…貸し切りー!
アルコールストーブで暖を取りながら毛布も全部使わせてもらって贅沢に過ごさせてもらいました。
就寝前に星景撮影を仕込んでおこうと思ったけど、ガスっていたので今回星はお預けです。

翌朝は5時過ぎに起床。
外気温-11℃。
少しだけ雲が抜けるも、眼下には吹き流れる雲海。
これは絶対に焼ける!モルゲンの中で御来光拝める!ということで寒さに反してテンションは上がる。
写真の通りに最高の御来光に出会えました。

御来光を見終わった後は八経ヶ岳。
綺麗な雪面のテン場を抜けて冬道へ。
テン場で擦れ違った方のトレース(多分)がついていたのでコルは楽に通過。
シュカブラと雪庇にはじまり、モンスターや空の青さに足が止まってシャッターを押す指だけ動くようになる。
写真を撮りながら景色を十二分に満喫してピークへ向かう。
快晴で雲がない真っ青な空なので、樹氷の白さもいっそう映えました。
防鹿柵沿いにルートをとって八経の山頂へ。
錫杖は案の定95%埋まっており、山頂の看板も半分は埋没。
『あー久しぶりの厳冬期ピークや』と嬉しさも頂点。
山頂から見渡すと1400~1500mあたりで積雪部の境界。
釈迦ヶ岳方面を見ると古田の森あたりの稜線は白いです。
山上ヶ岳方面は奥駈の稜線から上は積雪ライン。
大台も大和岳辺りから上は積雪ライン。
こんだけ暖けりゃ一気に雪融けが進むと思います。

冬期小屋にデポしたザックを回収し、奥宮へお礼の手を合わせて下山開始。
夜半は風が強かったものの、自分たちのトレースも消されず残っていたし、何より快晴ならロストしない(笑)
大黒岩周辺も行きは突拍子もないトレース付けたので、気分一新して夏道をなぞりました。
雪があれば狼平まではストレートにドカドカ下る。
夏は木道に遮られるので絶対無理(笑)

狼平へ到着して避難小屋で昼食兼休憩。
みんな避難小屋の思い出ノートに記帳。

ちょっと脱線しますが、狼平避難小屋周辺というところは実は環境負荷が飛び抜けて高い場所でもあります。
憧れて狼平の避難小屋へ泊まりに来る人も多いのですが、その分糞尿が多い。
避難小屋横の弥山川で取水するのは僕正直無理です。
狼平で水取るのは木道を50mほど登った沢で取水します。
しかもこの周辺の弥山川に生息するイワナ(キリクチ)は世界最南限の個体群で、奈良県の天然記念物です。
まぁなんで書いたかというと、あの日泊まっていた二人のうちの一人!
ええ年したおっさんが恥ずかしさもなく野糞すんな!しかも小屋の真横で横着して!
せめて裏の裏へ行って雪掘って撒いたら埋めとかんかいアホンダラ。
ティッシュまで雪の上に置いてけつかんねん!
うちの連れ合いが踏んでしもたわ!

ということです。
我慢できるもんではないけど、もうちょっと…ねぇ。
自らの足でしんどい思いをして辿り着いたところを荒らすために来たのではないはずです…。

狼平から高崎横手へ向かう辺りから霧氷はほとんど落ち、雪も日照で融け始めていました。
頂仙岳のトラバースも行きよりは安定していたものの、周辺の霧氷は殆ど落ちていました。
多分3月末の週末にはズルズルでしょう。

ナベの耳〜ナメリ坂までも霧氷は殆ど落ちていました。
雪面も水分が浮いてきていたので、こちらもズルズルコースでしょう。

カナビキ出合へはドカドカ下りました。
落ち葉で滑ってロクに下りれないので、雪の時期の醍醐味です。
小休憩して16時前にカナビキ尾根を下山開始。
下りは急斜面な上に水分の浮いた雪がこねくられて荒れ気味。
思っていた以上に時間がかかってしまい、途中からは夏道で下山。
カナビキ尾根も融けて安定するまではズルズルになるでしょう。

陽の落ちた頃に双門分岐へ到着。
結局熊渡へ着いたのはまた暗がりになった頃でした。

とにかく今回の山行は二日間とも高気圧のど真ん中で登れたことが幸いでした。
それによって多少暗くなっても行動時間の担保もできたし、荒れないこともわかっていたので
ゆとりを持ってアプローチできたのが良かったと思います。
厳冬期の大峯は少しでも荒れそうな要因があれば近寄らない山域です。
一に天気、二に天気、三四も天気で、五に新川合トンネルを抜けたところの積雪量。

週末だけ復活した厳冬期のおかげで素晴らしい年度〆になりました。
気がつけば写真も900枚近く撮ってました。
久しぶりに会心と言える…それくらい素晴らしかった山行です。

4月は年度始め、恒例の釈迦ヶ岳詣でです。

昨年12/3の弥山・八経ヶ岳
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-379190.html

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:3134人

コメント

まるで厳冬期
3月もお彼岸というのに、これだけの景色、厳冬期そのものですね。
雪山がオレンジに染まるあの光景は最高でしょうねぇ〜
私は結局今年は、厳冬期の弥山には入れなかったです。
来年こそはテン泊で星空とご来光を撮ってみたいです。
2014/3/26 7:49
tekapoさん
いつもコメントありがとうございます^^
運良く二日間とも厳冬期の大峯が舞い戻ってました!
厳冬期にアタックした中では一番天気も良かったので、念願の画創りができました。
来月末からは弥山小屋もオープンしますし、ワクワクしています。
来年は示し合わせて行きませんか?冬期は一人で行くより大人数で(笑)
2014/3/26 15:21
Re: tekapoさん
厳冬期の弥山で示し合せ・・・  いい響きです。ぜひ!
そして、大台ヶ原で星撮りも・・・         ぜひ!!
4月には大阪に帰ります。しばらくは大阪に居れそうです。ぜひ!!!
2014/3/26 21:00
Re[2]: tekapoさん
そういえば各地へ出張行脚中だそうで。。。
色んなところに登りに行ってらっしゃるのが羨ましいですよ^^
4月に帰ってこられるのでしたら、まずは大台で星撮りですね!
2014/3/27 14:28
こんにちわ、弥山でお会いしました:-)
23日、弥山と高崎横手出合で二度お会いしました。
3月下旬にしては天気に恵まれとても楽しい山行でしたね。
弥山からのご来光、羨ましい限りです。
私は日帰りだったので、狼平から弥山へのトレースはとても助かりました。
足跡を見て、当日2名ほど先行してるのかなと思いつつ登ると、
4名いらっしゃったので驚きでした。
かなりしっかりした装備で、まさかガイドをされているとは思いもよらず、
雪焼けした風貌は大学生くらいの年齢かと思いましたよ。
私も、大峯を愛してちょくちょく登っております。
良ければ、当日のブログもご覧くださいませ(^o^*)/
http://nikkor14d.blogspot.jp/2014/03/2014-03-23.html
2014/3/26 8:55
nikkor14dさん
コメントありがとうございます!
実は時々ブログを拝読させていただいております^^
まさかお会いしていたとはびっくりです。

本当に一月ほど巻き戻ったかのような山容水態で、フルコースを満喫できましたね。
狼平からのトレースは右往左往してしまい申し訳ありませんでした。
大黒岩周辺から胸付近まで抜ける雪層だったのと、女性もパーティーに含んでいたので安全策優先のルーファイするとあのとおりに…。
弥山の山頂で擦れ違った時は内心『あんなトレースつけてスミマセン…』という気持ちでいっぱいでした(汗)

下山時も後ろから来られる気配がなかったのもあって、高崎横手でお会いする寸前『向こうから周られていればいいけど…』と思っていた矢先でしたので、僕も安堵しました。
同じ大峯を愛する方、またお会いできれば嬉しいです^^
2014/3/26 15:36
今回も・・・
美しい写真の数々!!
現地に行けばきっと感動で涙が出るぐらいなのでしょうね!
やっぱりここは聖地です。
なのに。。。狼平。
私もサンダルで踏みました
私は、大も小も、モンベルの簡易トイレ持参で最後まで持ち帰りましたよ♪
というのも、あそこ、隠れる所も少ないですし、夜になるとヘッドランプ持参でもかなり見えない
こんな時こそ、みなさま、簡易トイレ持参でお願いしたいものです!!!
上には、天川の奥宮がある聖地なのですから。。。
2014/3/26 18:44
kaoritreeさん
いつも見ていただいてありがとうございます!
今回単独行なら感動しきりだったと思います。
本当にこの山は聖地です。
そう想いながら登られる方がいらっしゃることにも感動ですが^^

狼平…今に始まったことじゃないんですが、今回同行者が踏んでしまったもので(汗)
たしかに“する場所”というのが際限ないので、『ほなここでええわ』となってしまうんでしょうね。
“有事”の際にも、水の神様の山だけに、色々と思い巡らせたいものです。
2014/3/27 14:21
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

雪山ハイキング 大峰山脈 [日帰り]
技術レベル
2/5
体力レベル
3/5
ハイキング 大峰山脈 [日帰り]
技術レベル
3/5
体力レベル
3/5

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら