室堂〜薬師岳縦走
- GPS
- 56:00
- 距離
- 27.1km
- 登り
- 2,172m
- 下り
- 3,274m
コースタイム
- 山行
- 6:00
- 休憩
- 0:02
- 合計
- 6:02
- 山行
- 7:08
- 休憩
- 0:01
- 合計
- 7:09
天候 | 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道が崩落したような個所が数か所ある。 |
写真
感想
この縦走は8月上旬に決行する予定だったが天候不順で2回順延し、この日程になってしまった。すでに山の花々は時期を過ぎており、楽しみにしていた五色ケ原もその面影がなかったことは残念。
私の登山歴は20年以上になるが、思い返してもまとまった休みがとりづらかったせいで縦走というのはあまりやったことはない。さらに、最近は70歳を間際にしてめっきり体力の衰えを感じているうえに、今年はほとんど山にはいっていないのにいきなり3千メートル級の山を歩こうというのだから、不安満載の状況で強行した山行だった。
実際、山に入ってみると予想以上にきつかった。初心者向けと言われる室堂〜五色ヶ原山荘間はコースタイムを1時間超過。五色が原山荘〜スゴ乗越小屋間は未体験の道だが、大小のアップダウンがこれでもかという感じで続き、体力的にも精神的にも激しく消耗した。ここでもコースタイムを1時間超過。この程度の超過で済んだのが不思議なくらい。とどめの苦行は3泊目は太郎平小屋にする予定だったが、家に帰らなければならなくなったため、スゴ乗越小屋から、折立まで直行しなければならなかったこと。スゴ乗越〜薬師岳山頂間も当然ながら未体験のコースで、かつ、これまでの疲労が蓄積しているので、疲労感が大。しかし、ここまではコースタイムを少しオーバーした程度だった。問題はこの後で、私は下りが弱く、疲れていなくても、コースタイムをオーバーすることがあるが、今回は疲労が限界に達している中での下りである。結果としてこの日のコースタイムが9時間のところ、11時間近くかかってしまった。もちろん、この中には、小休止や昼食時間も入っているが、それにしても超過しすぎである。 私にとって今回の山行は無謀だったとしか言いようがない。反省しきり。
とはいえ、天候に恵まれて美しい景色を堪能できたことはよかったし、年寄りの私でも何とか縦走できたのはひとつの自信になった。中でも、ザラ峠や越中沢岳の下りは、振り返るとあんなところをどうやって降りてきたのかと思うような屏風のように見える斜面であり、感動すら覚えた。
また、このコースはタフな人が多いなという印象。25キロの荷物を担いで、焼岳から剣岳まで縦走している中年男性はなんとダンベルをザックにくくりつけて歩いていた。室堂から燕岳までの縦走を企てている女性。一の越からスゴ乗越まで一気に歩く女性。室堂から上高地までのトレイルランをしている若い男性などである。そんなのはザラにいるよと言われればそれまでだが、少なくとも体力のない私から見れば、尊敬に値すべき存在である。
このコースの全体的な印象としては、越中沢岳〜スゴ乗越小屋間は、部分的にではあるが、路肩の崩壊などで通りにくいところがあり、整備状況がいまいちという印象。また、私の反対周り、つまり折立から室堂に向かうコースは登りが多く、より厳しいという感じがした。これは出発点で1100mほどの高低差があるので当然のことだが、特に、スゴ乗越小屋から越中沢岳間の登りは相当きついと思われる。ただ、登りのほうがラクだというという人もいるので、人それぞれだが。
ただ、逆コースは初日に薬師岳山頂小屋に宿泊して翌日五色ヶ原に向かうとすると途中のスゴの頭への登りと越中沢岳への登りが相当厳しく、コースタイムも長くなるので、初日太郎平泊、2日目スゴ乗越小屋泊とするのが無理のない選択となるが、それだとどうしても山中で3泊になる。
しかし、反対回りだと私ですら2泊で回れたので、普通の体力の持ち主なら余裕でこなせるような気がする。ただし、単独行の場合は折立に車をデポすることが前提となる。折立からのバスは8月は毎日運航で、9月は限られた土日のみになり、しかも12時半発なので、バスに乗ろうとすればスゴ乗越小屋を遅くとも3時までには出なければ間に合わないからである。タクシー料金が太郎平小屋の料金と大差なければタクシー利用のほうが一日の長があると思われるが、いずれにしてもバスが運行していなければタクシーに頼らざるを得なくなるので、財布には厳しくなる。
この文を書いているのは、帰ってきた翌日だが、この時点でほとんど筋肉痛がないのは不思議である。今年は山登りにかなりのブランクがあったし、今までは3千メーター級の山を下りてくると2〜3日は筋肉痛に悩まされていたのに、それよりはるかにハードな今回の山行でほとんど変調がないのである。私は山小屋に泊まっても自炊派で、食料、自炊道具持参である。そのため、出発時点ではザックの重さは水を含めて10キロ近くあったので、いつもの山行より2キロ程度重かったにもかかわらずである。
この要因については、一つには全行程で登山タイツを履いていたことと、もう一つはスポーツジムに通っていることが考えられる。登山タイツは、もともとひざ痛予防のため履き始めたものだが、筋肉疲労にもある程度効果があることはうたわれているので宣伝文句どおりだったということか。しかし、タイツを履いていても筋肉痛になったことはあったので、これだけでということではないだろう。
スポーツジムに関しては、週2回ほど60キロのウエートでスクワットをしたり、30分程度のステッパーをやったりしているが、正直、この程度で登山の役にたつとは思っていなかった。が、今回の状況を見ると、かなり効果があったようである。これはまたスポーツジムに通う励みになる。
今回の山行は私にとってかなり苦しい登山であり、もう二度と山になんぞいくものかと硬い誓いを立てたが、1日おいた今ではまた別の山に行く計画を立て始めている。苦しかったことも忘れてしまうほどに痴ほうが進んでしまったかと危機感を覚える。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する