GW表銀座縦走(燕岳〜大天井岳〜常念岳〜蝶ヶ岳)
- GPS
- 80:00
- 距離
- 31.0km
- 登り
- 2,761m
- 下り
- 2,693m
コースタイム
中房温泉 8:30→合戦小屋 11:20→燕山荘 13:00
5/3
燕山荘 6:10→燕岳 6:30→燕山荘 7:00(ピストン)→燕山荘 7:20→蛙岩 7:50→大下りの頭 8:20→大天井岳取付 10:40→大天井岳 12:30→大天荘 13:00→東天井岳付近 14:00→常念山荘 16:00(テント泊)
5/4
常念山荘 6:40→常念岳 8:30→蝶槍取付 12:00→蝶槍 13:10→蝶常念分岐 13:20→蝶ヶ岳ヒュッテ 14:00(テント泊)
5/5
蝶ヶ岳ヒュッテ(蝶ヶ岳山頂) 6:30→徳沢 9:00→上高地 11:00
天候 | 5/2 雨 5/3 雨 5/4 晴れ時々曇り 5/5 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
穂高駅から中房温泉まで1700円(当時) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・中房温泉〜燕山荘間 GWには小屋の人がトレースと赤旗をつけてくれます。 ・燕山荘〜大天井岳間 稜線伝いに歩いていくが、途中で安曇野側に降りる尾根に入りそうな箇所あり。 天候が悪く見通しが効かない場合は要注意。 私も途中で気づいてGPSで確認、戻ることになった。 ・蛙岩 雪の多い時期(岩内部が雪で埋まっている)は右巻きで登ってください。 左は斜度のきつく切れ落ちています。 ・大天井岳 夏道ではなく、雪斜面直登。温度の高い時期は雪崩に注意。 大天井岳から常念山荘までが、心が折れそうになるくらい長い。 このあたりから常念方面のトレースが薄くなる。 ・東天井岳 巻くように通過後、廃道看板があり、そこを直角に曲がる。 一見雪庇向こうへ歩いていくように見える。 ・蝶ヶ岳 テント場は吹きさらしのため、ペグダウン多めか、雪の上でもハイマツ陰に幕営推奨。 ・長塀山 この時期の長塀山登山道の雪はグズグズ。 |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
【5月2日 穂高駅〜燕山荘】
いよいよ1日目、今日は穂高駅から中房温泉までバスで移動、そこから山登りになります。
バスは駅から見て右手側のあたりに停車します。
駅前から中房温泉までは、1700円の先払いです。
あいにく、朝から雨は降り続き、中房温泉に到着してもさらに勢いを増すばかり。
中房温泉の見た目は小さな温泉街といった様子。
日帰り入浴もできるので、一度入ってみたいですね。
山登りスタートをしたものの雪は雨でグズグズな感じでした。
いくつかのベンチと合戦小屋を経由して燕山荘へ。
合戦小屋は雪も大量にあり、小屋も営業開始してから間もないため、小屋番の方は除雪作業に追われていました。
初日は激しく雨に降られて全身びしょ濡れ&稜線は雨も風も強かった。
予定外でしたが燕山荘に泊まって乾燥室を使わせてもらいました。
燕山荘の小屋の方は細かく気遣いのできる方々で、もう一度使いたいと思いましたね。
さすが人気小屋。
【5月3日 燕山荘〜常念山荘】
前日からの雨がやむこともなく、外は強風&雨。
夜半でも雪になることはありませんでした。
とりあえず、前日にいけなかった燕岳を目指しました。
燕岳までは片道30分弱の行程です。でも真っ白で何も見えません。
そのまま小屋まで引き返し、今日の本番である大天井岳へ。
小屋から出て、大天井方面の登山道は、分岐の下の道を行ってください。
雨の中、岩場などを行くと小さなピークを越え急に開けたとこで看板がありました。
何だろうと思ったら、「大下りの頭」でした。
小さなピークなので、いわれないとわかりません。
ルート上には、たくさんの雪庇がありました。
雪庇のすぐ横を通るトレースもあり、場所によっては危険なところもあります。
中には稜線から離れて隙間ができているところも。
気温と雨のせいですね。
夏道が出ているところもありますが、雪も多い。あずみ野側は一面真っ白でした。
厳冬期では穴が雪で埋まってしまう蛙岩も今回は幸いなことに今回は雪も少なくなり、通れるようになっていました。穴が埋まっていた場合は、右方面の岩場を越えるか、左手の急な雪面を越えています。
大天井岳の取り付きでは2人のPT(ここで燕山荘へ戻って行きました)が先行していて、雪面に斜めに残っていたトレースを登っていました。
この時期、大天井岳周辺は雪崩も多い。
そのため小屋からは、夏道ではなく直登するよう指示をもらっていました。
しかしながら雨のため、この雪面上部にクラックが入っていて、雪崩てもおかしくない状態でした。
急な雪面も状態が悪く、重いザックを背負って登るには危険でした。
私も今回は、雪面よりもハイマツや岩場を中心に登っていきました。
大天井岳から先は、トレースがあまりありませんでした。
大天荘までの稜線は雪が残り、腰までズボズボいきながら進みます。
大天荘はまだオープンしておらず、冬期小屋のみが開いています。
ここに数日前からテントや小屋を使って泊まっているカメラマンの人がいました。
厳しい自然や悪天候にも耐え、一瞬の風景を思い求める山岳カメラマン。大変ですね。
大天井岳を越えると、東天井岳があります。
東天井岳を巻くような感じで通過してしばらくすると「廃道」という看板が立っています。
この看板の前を直角に曲がっていきます。
大天井岳から来た場合、一見すると雪庇の向こう側へ歩いていくようにトレースがあるため、近づくには少し勇気がいりました。
大天井から常念山荘まではただひたすら長く、重いザックが足かせになって時間ばかりが過ぎていきました。
先もガスで全然見通せず、いい加減嫌になっていたところで、急に常念小屋が!
その瞬間、「いやっほぉぉぉう」と叫びましたよ。
もちろん心の中で。小心者なのです。
常念小屋もいまだ雪の中。入り口は雪の下。
トンネルを掘り、入り口までの道を確保していました。
一の沢からも登山者が登ってきていました。
車を止めてピストンな人が多かったようです。
本日はここまで。とりあえず、9時間近く歩いてきた体にはビールと休息。
350mlのアサヒドライの黒ビールが自販機で500円。
水が1リットル200円。
水が高いなあ・・・
【5月4日 常念山荘〜蝶ヶ岳ヒュッテ】
日目です。何とか朝から晴れてくれました。
ここまできてまともに青空が見えた時間は初めて。常念岳の頂上まではっきりみえています。
本日は常念山荘目の前、常念岳を登ることから始まりました。
常念岳は、始まりこそゆるい岩場ですが、途中から急になり岩場登りに。
さらに雪面が出てきます。大きな雪面からアイゼンを履いていきます。
夏道を登っていきますが、夏道が細かく雪で隠れていたりするので、思い切って直登する方が早いです。
ステップがついていましたが、重いザックを背負っている方は結構注意したほうがいいですね。
ガスが濃く、風が強くなり、ザックが振られました。
ひーひーいいながら登ること2時間(笑)
常念岳ピーク到着です。朝の天気もすっかりごきげんナナメな様子。
真っ白な中、たまに出る景色を楽しんでいました。
山頂から、蝶ヶ岳ヒュッテまではアイゼンを使う必要がないくらい夏道が出ているか、雪面にステップがはっきり出ていました。
常念岳からは、快適な岩場下りです。
次のピークは蝶槍。
しかし、いざ雲が晴れると、蝶槍がものすごく遠くに見えてゲンナリしました。
蝶槍までは、何度か雪面の急斜面を登ったり林間雪面を歩いていきます。
ステップが付いているのでアイゼンはいりませんでした。
常念岳ピークから歩くこと3時間。蝶槍の取り付きの最低部に到着です。
見上げる蝶槍のピークまでは、雪面を延々キックステップで登り、ハイマツ帯をくぐり、岩場を登った先になります。
あまりの目に見える高低差に、登る前から嫌気がさしましたね。
なのに、蝶槍も地味で、看板もありません。
何か残念な時間をすごしたような、そうでないような。
まあ、登りきってしまえば、あとはこちらのもの。蝶ヶ岳ヒュッテまでは平坦な稜線だけ。
蝶ヶ岳山荘のテント場は半分くらいが雪に覆われていました。
私は普通に石の上に張りました。
ガスは出ているものの風はないし、今日はゆっくり寝れるかなー。
まさかこれがあんな状態になるとは・・・・
5月5日 蝶ヶ岳ヒュッテ〜徳沢(上高地)
「もう飛んじゃうんじゃないかと。 ビュービュー、バチバチバチバチ。」※
寝てるとテントの壁に押されるわ、床が浮き上がるわで、4日の夜は大変なことになっていました。
超強風&吹雪です。
蝶ヶ岳ヒュッテのテント場をさえぎる場所のない稜線のテント場で風が直撃。
テントの外側に雪と氷がどんどんと付いていくので、内側から叩いて落としていました。
夜半には外から「危ない、小屋に逃げよう」とか「テント壊れた」というような声が聞こえてきました。
テント内の気温自体は、氷点下ギリギリくらいでした。(水袋は凍っていませんでした)
朝起きると、風はまだ強いものの、天気は一気に晴れ。
昨日も一度蝶ヶ岳山頂を踏んだものですが、こんなに晴れたし行くぜ!
蝶ヶ岳ピークからは、360度の大展望でした。
白い北アルプスが目の前いっぱい広がる光景にしばし言葉を失いました。
さらば雪の表銀座、またいつか厳冬期に来るよ!
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
・・・長塀山が残ってた・・・長い・・・無駄に・・・
※下山後知りましたが、5/4は白馬で大量遭難のあった日でした。
そりゃあ、あんだけ風強い悪天候であれば誰でも遭難しちゃうよね・・・
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