新穂高〜雲ノ平
- GPS
- 29:31
- 距離
- 52.3km
- 登り
- 3,657m
- 下り
- 3,648m
コースタイム
- 山行
- 5:38
- 休憩
- 1:07
- 合計
- 6:45
- 山行
- 7:44
- 休憩
- 5:10
- 合計
- 12:54
- 山行
- 6:07
- 休憩
- 0:51
- 合計
- 6:58
- 山行
- 4:39
- 休憩
- 0:44
- 合計
- 5:23
天候 | 全ての日で午前中は晴れ、午後は曇りから雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
小池新道は整備されて歩きやすい。 黒部源流から雲ノ平方面への急登はガレ場で注意が必要。 三俣山荘からノ鷲羽岳へは、急な坂でザレ場、山頂が近くなると岩場あり。 |
その他周辺情報 | 新穂高センター近く、奥飛騨の湯『中崎山荘』日帰り入浴900円 |
写真
感想
登山開始日より遡ること366日前に途中断念した雲ノ平への山行へ。
日本最高所の溶岩台地である雲ノ平、国内の沢登りを嗜好する人なら一度は訪れたい黒部川の源流、北アルプス深部の峰々とその稜線、気高く可憐に咲く高山植物など、全行程に山に魅せられるポイントが点在している贅沢な4日間である。
初日は寝不足、猛暑、ペース配分を誤りシシウドヶ原付近で右足が攣り始めるも、なんとか双六小屋に到着。以降は調子を戻して全日程を歩いた。
今回の日程は多くの登山者が歩かれている雲ノ平に向かうプランのひとつであるが、注目する場所は登る人によって異なる。
私にとって、北アルプス最深部の雲ノ平、そして黒部川源流にその身を置いたことが何より大きい。
登山道から見る源流だけではその全容を感じることは出来ないが、一歩踏み出すのも躊躇われる恐怖、水際で魅せる生物の営みなど、黒部を知り北アルプスの頂に迫る行為は、畏敬の念を抱く山岳信仰そのものであり、神のみぞ許される聖域である場所に足を踏み入れれば、それは神に近づく行為にほかならない。
今回は整われた登山道を歩いたので、そのエッセンスを少し味見するに留まったが、北アルプスを登る行為の醍醐味をその身をもって感じられた。
山を歩くという行為はとてもシンプルであるのにとても深い。面白い山行であった。
去年のほぼ同じ時期に天候不順が予想されたため、双六小屋から撤退した計画のリベンジ。新穂高から雲ノ平までの3泊4日予定。天気予報では、各日それぞれ午前中は晴れて、午後に雨予報
。
1日目は去年と同じく、新穂高から小池新道を通って双六小屋へ。去年も晴天で、テント泊の荷物を背負っての小池新道を登っていると、つらかった記憶が蘇る。整備されていてとても歩きやすいが、暑さと急登はなかなかつらい。秩父沢出合の沢沿いや岩の隙間からのひんやりとした空気が気持ち良く感じられる。もうひたすら鏡平山荘までは登ることに集中する。鏡平池で目の前の穂高連峰を眺める。鏡平山荘では、飲み物や食べ物わ頼み登山者が休憩している。弓折乗越までのトラバースの斜面はさまざまな花が咲いている。陽射しもきつい。弓折乗越から双六小屋までの稜線も花がたくさん咲いている。ここは細かなアップダウンが続きこれまでの登りでの疲れで嫌になってくる。稜線の終わりになると正面に双六小屋と鷲羽岳が見えてきて、あと少しと思うが、ここからが一段と長く感じられる区間だと思う。双六小屋に着くと、20から30張くらい既にあった。テントを設営し、軽く食事を取ってダラダラする。予報通り、雲が湧いてきて雨が少し降ったが、大したことはなかった。
2日目は雲の平へ向かう。まずは双六岳へ。今回も朝起きると、テントのフライシートはびしょ濡れになっていた。
去年も訪れたが、槍穂高連峰の眺めは素晴らしい。双六岳手前のだだっ広い平な空間のバックに見える存在感抜群の槍穂高。双六岳に登るだけでも満足感はかなりある。だが今回はさらに奥地へ向かう。
まずは、三百名山の三俣蓮華岳へ。一回下り、ハイマツ帯を緩やかに登って山頂に到着する。富山岐阜長野の県境らしい。ここからの眺めも素晴らしい。黒部五郎岳から薬師岳、水晶岳方面、笠ヶ岳方面、槍穂高連峰と見渡せる。そこそこ登山者で賑わっていた。さらに先へ進む。山頂から見下ろす先に見える三俣山荘へ。三俣峠まではなかなか急な下り。鷲羽岳がだんだんと近く大きく見えるようになってきた。
三俣山荘のテント場に着くと、救急のヘリが山荘に向かってきていて、山荘に立ち寄ることができず、今日はそのまま通過することにした。テント場は、スペースが点在する空間で、その空間を分けるように水が流れている。とても良い雰囲気で、いつかはここでテントを張りたい。水の流れとと共に黒部源流へと下っていく。黒部川をロープを軽く掴みながら、岩の上をとびとびに渡り、その黒部川水源地からは岩場の急な登りが続く。陽射しと暑さもあいまってかなり体力を消耗した。登り切ると、溶岩大地かな、ハイマツと岩がゴロゴロするところに小さな花が咲いている。木道が現れると、見下ろした向こうには、ポツンと雲ノ平山荘が見える。あと少しと思うが、回り込むように道が続くので、先は長い。祖父庭園手前で休憩をとろうとしたら、ライチョウを発見。ここで休まなければ、出会えなかったはず、良かった。祖父庭園からは斜面をトラバースし、ハイマツの中の木道を抜けると、やっと木道の先に雲ノ平山荘がある。
テント場へは行かずに、分岐に荷物をデポし、10分ほどかけて雲ノ平山荘へ受付しに行った。広々とした静かななんとも言えない雲ノ平の雰囲気。とても気持ち良くて落ち着く。雲ノ平山荘の小屋泊は満室だそうだ。テント場前で、他の登山者に教えてもらいまたライチョウを見かけた。テント場は石が多くて、場所によってはテントを張りづらいかもしれない。テント場内の上へと続く木道の先にある。水は冷たくて気持ち良い。
テント張って夕飯を食べて、また雲ノ平山荘へ散策。帰りにはスイス庭園で水晶岳や赤牛岳を眺め、正面の見下ろす先には高天原山荘が見えた。ここにもいつかは行ってみたい。温泉に浸かりたい。いつになるのだろうか。
3日目は、双六小屋へ戻る。体力が残っていれば三俣山荘に荷物をデポして鷲羽岳へ登る予定。朝起きると、テントのフライシートはびしょびしょ。朝日を浴びる水晶岳を眺めながら、昨日通った道を戻っていく。黒部源流へ下る岩場は下りも注意しなければならない。慎重に下っていく、朝早くて陽射しがない分、随分と楽に下れた。
三俣山荘に着いて、荷物をデポしてアタックザックで鷲羽岳へ。途中に伊藤新道へ向かう道もあった。いつかは伊藤新道から三俣山荘へ行きたいが技術がない。鷲羽岳への登りはジグザグとザレ場が続く。途中から岩場とのミックスになる。アタックザックなので、だいぶ快調に登れた。鷲羽岳山頂からの眺めは今回1番良かった。晴天の鷲羽池を見れ、間近に水晶岳や餓鬼岳方面へと続く険しそうな山々が眺められた。もちろん、槍ヶ岳や笠ヶ岳、黒部五郎岳、薬師岳も見えた。下からの鷲羽岳自身の眺めもすごいが山頂からの眺めも素晴らしい、来てよかった。午後は天気が荒れそうなので、素早く三俣山荘へ戻った。双六小屋へは巻道から戻る。途中までは楽に歩いていたが、道が細くなり、トラバースしていくようになると途端にしんどくなる。途中に岩場の急な登りがあり、げんなりした。なかなかしんどいルートだった。
天気が崩れる前に双六のテント場に戻れた。びしょ濡れのテントを張って少しすると、なんとか乾いた。テント場は風が抜けるので、寒く感じる。ぺぺさんと今回初めて、山ことなどを話しながら外で飯を食う。それまでは雨のせいでそれぞれテント内で食べていた。16時半頃に双六小屋前で電波を拾ってると、急に雨が降り始め、走ってテントに戻った。それから2時間くらい雨が降り続き、雷も何回か鳴ったが、無事に雨は通り過ぎて行った。
4日目は新穂高へ下山。弓折岳への稜線で槍穂高連峰のから上る朝日を眺め、至近距離でライチョウの親子に出会った。どちらもとても運が良かった。朝の涼しい中で、鏡平山荘まで下れた。鏡平池は朝日が映っていた。今日は土曜日で多くの登山者が小池新道を登っていた。わさび平小屋のトマトやきゅうり、スイカなどはとてもおいしそうだった。無事になんとか新穂高へ下山できた。
今回は一年越しに雲ノ平へ行けて良かった。まず何よりも、どの日も午前中は晴天だったことだ。行動中に雨に遭わずに済んだ。晴天なので、山々を遠くまで眺められた。とても疲れはしたが、最高の経験だった。雲ノ平ではもう一泊して周辺を散策できれば、もっと良い体験ができたかもしれない。また訪れたい場所になった。
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