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Yamareco

記録ID: 7295
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

蝶ヶ岳

2014年01月11日(土) 〜 2014年01月13日(月)
 - 拍手
GPS
56:00
距離
37.1km
登り
1,918m
下り
1,917m

コースタイム

1月11日
7:50中の湯-10:15上高地BC10:47-12:00明神-13:25徳沢14:40-横尾避難小屋15:40

1月12日
5:00横尾-12:07co2,625m分岐-12:40蝶ヶ岳ヒュッテ13:10-13:20蝶ヶ岳-16:13徳沢

1月13日
6:05徳沢-7:15明神-8:40上高地-10:33中の湯
天候 1月11日(土)雪のち晴れ
1月12日(日)曇り時々晴れ、夜は雪
1月13日(月)曇り時々晴れ、朝まで雪
過去天気図(気象庁) 2014年01月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
沢渡第二駐車場(冬期は無料)
沢渡~中の湯はタクシー@3,000円くらい
コース状況/
危険箇所等
● 新村橋〜横尾が梓川内を通る以外は基本夏道
  横尾〜蝶、蝶〜徳沢、いずれもマーク多数
  通過に問題となる箇所はない
● 稜線は強風。尾根だだっ広く、濃霧時はルーファイ
  困難と想像される。
● 横尾〜稜線まではラッセル独り占め。本ルートの
  ハイライト。徳沢〜長堀山ルートに登山者が密集
  しているが、人も少なく、周遊ルートとなる本ルートが
  雪山の楽しさ一杯。
● 横尾避難小屋は小屋前の水、トイレが使用可能だった。
  蝶快適。
● 蝶ヶ岳ヒュッテ冬季小屋も使用可能。
予約できる山小屋
蝶ヶ岳ヒュッテ
ファイル
非公開 7295.xls
計画書
(更新時刻:2014/01/10 13:53)
Tyaku写真館

小雪舞う中中の湯を出発ダー
Tyaku写真館

小雪舞う中中の湯を出発ダー
釜トン出口
凍らずの大正池
上高地BCはラッセル
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上高地BCはラッセル
河童橋は今日も大混雑
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河童橋は今日も大混雑
上高地を散策
明神岳第1,856ルンゼ
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明神岳第1,856ルンゼ
梓川彷徨
冬の徳沢
横尾に向かう
疲れが目立つ
前穂方面
避難小屋前にて

水がジョバリング
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避難小屋前にて

水がジョバリング
カモの会禁断の○鍋
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カモの会禁断の○鍋
2日目

横尾から蝶までの一心不乱
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2日目

横尾から蝶までの一心不乱
最初はまだ正月のトレースを足裏に感じやすく
最初はまだ正月のトレースを足裏に感じやすく
俗っぽい案内など目もくれず
俗っぽい案内など目もくれず
後方に穂高方面が顔を覗かせるも無視
後方に穂高方面が顔を覗かせるも無視
庭駆け回る
らっきー
実直なラッセル
ゲ・・・
穂高にかかる帯状
穂高にかかる帯状
お休み中のタケル
2
お休み中のタケル
ラッセルはおよそ30分(標高約100m)で交替
ラッセルはおよそ30分(標高約100m)で交替
こんな写真ばかり
1
こんな写真ばかり
ゆーまのゆーし
一応人物メインで
一応人物メインで
満足顔×2
さあ、稜線も近い。
でも、風も強い。
3
さあ、稜線も近い。
でも、風も強い。
独り占め
穂高を想像してみてね
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穂高を想像してみてね
槍を想像してごらん
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槍を想像してごらん
ラッセルの疲労が足に来る
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ラッセルの疲労が足に来る
あと1kmか
烈風吹きすさぶ
濃霧時は微妙だな
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濃霧時は微妙だな
己の足跡だけ
雪吹き飛んでる
落ち込んでるように見える
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落ち込んでるように見える
瞑想の丘は偽ピーク?
瞑想の丘は偽ピーク?
常念方面をバックに
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常念方面をバックに
ヒュッテー!
冬季小屋入口。

扉はかなり重いぜ。
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冬季小屋入口。

扉はかなり重いぜ。
ピークに向けて直登
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ピークに向けて直登
独り占めも最終章
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独り占めも最終章
どっかで見たことのあるポージング
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どっかで見たことのあるポージング
寒冷前線接近中
池らしきところ
北八ツ風情
お疲れのリーダー
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お疲れのリーダー
一気に3日目@上高地
一気に3日目@上高地
河童橋と焼岳
雪に文字
釜トンに戻ってきた
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釜トンに戻ってきた
斜度を感じて
ゴーーール!

感想

厳冬期初の北アルプスは蝶ヶ岳。北アにあって南部に
位置し、標高も低いことから、比較的トライしやすく、
好天に恵まれれば最高の展望を得られる。

3連休、八ツは大混雑だったようだが、こちらは閑散。

今回は横尾と蝶ヶ岳ヒュッテの冬季小屋をつないで
困難さを軽くしようという計画だ。

事前に調べていると、徳澤から長堀山経由のルートに
登山者が密集しており、横尾からの入山者は少ない
(除く正月)。今週も快適なラッセルを楽しめそうだ。

直前でワルさんキャンセルで3人となったが、3人でも完遂
できる計画だ。

今回は経験者らっきーがCL。計画から手配まで、色々
大変だ。年末の聖に参加できなかったゆーまもモチは高い。

◆前夜

21時に登戸に集合。共同装備を確認して出発。

沢渡に着くと既に小雪が舞っていた。モンベル5番のシュラフ
では当たり前に寒く、後輩のモコモコした厳冬期用シュラフが
羨ましい。。。


◆ 1月11日(土)

7:30 身支度を整え予約したタクシーに乗車し出発。

中の湯でタクシーを降りると、別パーティ(キャンパー?)が
タクシーの荷台からテントポールを落としてしまったようで?
困っている様子だった。その後見つかっただろうか。

これまで幾度となく釜トンを潜ってきたが、自らの足で歩くのは
初めて、少々興奮する。ヘッデンを灯し、その予想以上の
斜度に驚きつつ、トンネルを抜ける。ガスって眺望もなく、
風が吹き抜けて寒い。

そこから淡々と歩く。昨夜からの雪がトレース上に積もり、
足首〜くるぶし程度まで沈む。雪質は上越と南アの中間
程度の湿雪で、ズブっとハマると足抜きが辛い。今週平日の
降雪の際は少し気温が高かったからか、ややモナカ状、
ラッセルとまではいかないが、微妙に疲れる。

上高地のバスセンターのところはちょっとした雪原になっており
トレースも消えていて、膝ラッセルを強いられる。

上高地には予想外に登山者が見当たらない。スノーハイクと
思われるパーティが2組ほどいるだけだ。夏からは想像もつかない
閑散ぶりに驚きつつも、山を独占できるのではと期待する。

大休止の後、ワカンを装着して出発。

徳澤までは冬季小屋の管理人のスノーモービルと思われる
トレースがあり、この上に載った新雪を踏みしめつつ、所々で
トレースが消えており、少々のラッセルを交え、変わらない風景
の下、淡々と進む。(ワカンは不要だったな)

徳澤では冬季小屋が営業しており、ここでらっきーが購入した
コーラでエナジーチャージ。横尾までもう一踏ん張り。

徳澤管理人のトレースに助けられつつも梓川上は脛ラッセル。
ここまでの歩きと湿雪で最後は全員バテ気味。先頭の譲り
合いが繰り返され笑えた。

横尾の避難小屋、今まで数十回も通ってきたのに、一瞥も
くれていなかった。小屋の前には水が絶え間なく湧いている。
小屋は内部で2階に分かれ広々として、綺麗に掃除が行き
届き、窓に明かりが差し込み、極めて快適。

登山者(遭難者?)と思わしきスコップ等の荷物が一部
残置されているのが気になったが、この日は他に宿泊客は
現れなかった。

水づくりの労から解放され、この日は来られなくなったワルさまが
正月山行用に作っていた豪華なカモ鍋をいただく。

カモの会ではその由来上カモ肉禁止と噂で聞いたことが
あるが、この場で食べずに持ち帰ってはむしろバチ当り、という
ことで、頭を垂れつつ?いただいた。激ウマだった。

今回も3人4テンで不安だったが、厳冬期用シュラフの
2人に挟んでもらい快適に就寝。(もっと身を寄せろや)

◆ 1月12日(日)

3時起き5時出発。

闇の中、ヘッデンを灯し、一路蝶を目指す。天候は夕方から
悪化傾向の予報。ラッセルの具合が分からない分、先を
急ぎたいところだ。

序盤、予想外に正月のものと思われるトレース痕を辿ること
ができ、概ね足首から脛ラッセルで進むことができる。

だが、年末の聖のときも「序盤は案外に楽だったが、後半に
猛烈ラッセルとなり、結局すげー辛かった」こともあり、今回も
同様のパターンを想像。最後尾から「まだ楽観できない。
焦らず焦らず」と思い、先行する2人を追った。

すると、予想は早いうちに的中。200mほど高度を上げると
トレース痕は全体の半分以下となり、脛〜膝程度のラッセル
となる。

湿雪で重いのと傾斜が急でまるで腰ラッセルを強いられる
ような感覚となる場面も。

それでも1人30分、標高差約100mほどを稼ぐ目標(暗黙
だったが)で、交代交代ラッセルして進む。

他にパーティはいない。今週もまたこのルートには我々だけだ。
北アルプスの大人気の山(ルート)を自分達だけで独占できる
この快感、正直、個人的にはピークは二の次、余り重要で
はない。むしろこうして一心に山と向き合えることで満足だ。

ラッセルはマルチピッチ。

私がラッセルで進み、適当な地点(一応30分100m目安)で
後続にトップを託し、自分は(ビレイはしないが)ザックを
下ろし一服する。また進み暫くすると追いつき、先を
進む2人のラッセル(約60分)が終わるとまた、バトンタッチし、
自分がトップに立つ。

3人一緒に休憩できないのは残念だが、まぁそこまで
話す余裕もないし、一斉休憩ではそもそも非効率だ。

実直且つ責任感あるらっきーのラッセル、
嬉々としたゆーまのラッセル。

ラッセルには性格が出るように思える。
自分はどう映っているだろうか。個人的には後々バテないよう
なるべく消耗しないように進むことに集中していたが。。。

ともあれ、そんな繰り返しを7時間ほど続け、稜線手前に
到着した。

ここで初めて3人一緒に休憩を取り、ラッセルを振り返り談笑。
ほっと一息。

1枚着込み稜線仕様にグレードアップして出発。
本当に風が強い。雪が吹き飛んで土が露出している。
八ツの硫黄岳山荘付近と似ている。

尾根自体は広いので、風吹き飛ばされて滑落というような
ことは起きづらいので、凍傷リスク(と濃霧時はルーファイ)
のみに留意すれば、不安なく歩けるところだ。

ラッセルの疲労でやや足取りは重かったが、大過なく蝶ヶ岳
ヒュッテの冬季小屋に到着。中に入り休憩を取ることに。

ここで打ち合わせ。時間は13時近くだったが、夕方から
天候悪化傾向予報で、下山路はすぐに樹林帯に入れそう
なので問題はないが、まだ時間的に余裕があるので、
徳澤を目標に途中の尾根でのビバークも視野に入れて
前に進むこととなった。

ヒュッテから山頂は5分程度。
残念ながら槍穂高の展望は得られなかったが、安曇野、
八ヶ岳方面はスッキリよく見える。とはいえ、個人的には
どうでも良いこと、ここまでのラッセル占めで十分満足。

風も強いので早々に下山開始。小雪も舞い出し、ガスも
かかってきた。

幸い、山頂から先は徳澤からの登山者のトレースが
付いており、これを辿ることができた。あれだけラッセルが
面白いとか言いつつ、下山は楽したいと思う邪念も持ち
合わせている。現金な人間だ。

長堀山を超えると下り基調、程よい雪の状態で快適に
下れるが、リーダーのらっきーが大分お疲れの様子。
実直且つ責任感あるラッセルの影響だろうか。

途中でのビバークも検討されたが、シリセード、グリセードを
交え、3時間程度で下山。16時過ぎには徳澤に到着する
ことができた。

徳澤冬季小屋で水を分けてもらい(1L=100円)、ビールを
購入し、祝杯を!と行きたかったが、らっきーはお疲れ、
ゆーまはザック内でビールも梅酒も漏れてしまうトラブル。
ここが徳澤で良かった、とホットしながら、また今回も学ぶ
こと多数で、喜び、反省相半ばしつつ、夜は更けていった。

◆ 1月13日(月)

昨夜から降った雪は10cm程度か。
この日も一番ノリで出発したためか、最終日も軽いラッセルを
することになったが、ご愛敬。

徐々に晴れ間が見え始めるも、どうしても顔見せない穂高を
見遣りつつ、釜トンネルをくぐり、楽しく楽しい2泊3日の山行を
終えた。

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コメント

うらやましい
楽しそうな山行でうらやましい!
蝶の冬季小屋、赤くなってるんですね・・・たしか去年は茶色だったような・・・
2014/1/31 15:26
むすかっか
ありがとう。

北アの番人、ムスカとも雪山行きたいな〜
是非頼むよ。
2014/2/2 1:26
あ〜無念
先日の権化で久々の冬山(暖かかったけど)
やっぱ仲間との冬山は楽しいかった。
それを思うとこの山行に行けなかったのは本当…
最近暖かく状態は良くなってるが腰痛はまだ微妙…早く治したい…
2014/2/3 8:59
プロフィール画像
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上高地〜横尾〜徳沢
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス
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2/5
体力レベル
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