悪沢岳、赤石岳、聖岳。がっつり周回も悪天で1日短縮
- GPS
- 29:30
- 距離
- 41.2km
- 登り
- 4,309m
- 下り
- 4,295m
コースタイム
- 山行
- 5:35
- 休憩
- 0:03
- 合計
- 5:38
- 山行
- 9:10
- 休憩
- 1:07
- 合計
- 10:17
- 山行
- 11:28
- 休憩
- 0:24
- 合計
- 11:52
天候 | 8日:快晴 9日:快晴 10日:晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
新静岡ICで下りると、「工事中通行止めのため新しいルートを案内します」とかで、ナビが迂回路を誘導。結局、静岡の中で下道を走り362号線へ誘導した。千頭で77号線、奥泉の先で388号線、井川で60号線に合流し畑薙へ進んだ。東京方面から来た方に尋ねると、27号で井川まで問題なく通れたとのこと。Hondaのインターナビには一杯食わされた 帰りは井川から27号を通って新静岡ICへ進んだ。確かに工事区間はあったし、夜間通行止めの表示はあったが、8時の始発バスに間に合わせる時間帯は通れる。いずれの道も舗装道路ではあるが、1台しか通れない道幅で、たまに対向車が来るので気を抜けない また、ナビで椹島ロッジを行先指定すると、畑薙湖一つ手前の井川湖の集落の中に誘導されてしまい、目的地に辿り着いたと思えば、井川オートキャンプ場あたり。ここから畑薙の臨時駐車場までは7−8kmあり、バスに間に合うか焦った。Hondaのインターナビには二杯も食わされた ナビ登録する場合は、赤石温泉白樺荘(054-260-2021)を目的地指定すれば、その先2kmほどで畑薙第1ダム夏季臨時駐車場に難なく行ける なお、東海フォレストのバスの時刻表は以下の通り http://www.t-forest.com/alps/bus_sawara.html http://www.t-forest.com/alps/pdf/2015_sawara_bus.pdf 3000円払って椹島まで行く。指定の小屋に泊まり、バスの乗車券を見せれば、宿泊代が3000円引きとなる。また小屋の領収書を椹島ロッジのバスの受付で見せれば、帰りのバスは無料になる。指定のロッジを利用していないと、帰りのバスは3000円払っても乗れないようなので要注意 椹島ロッジ以外の指定の山小屋は、最後まで営業している千枚小屋、荒川小屋、赤石小屋が10月12日で営業終了なので、これ以降は割引システムやバスの利用条件が変わるかもしれない。対象山小屋のリストならびに東海フォレストの連絡先は上記のURL参照 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山ポストは畑薙第1ダム臨時駐車場のバス乗り場にある。登山口や椹島ロッジにもあり 椹島ロッジ〜千枚小屋: 最初1時間ほど急登。その後は一般的な(?)登り。CTで3時間半ほど登ったところに清水平があり沢がある。私はこの水を当てにして最小限の水でスタートした。多くの方がここで昼食をとる(ベンチ1つ)。千枚小屋まで樹林帯を進み眺望なし。わずかに悪沢岳や赤石岳が樹幹から見える程度。千枚小屋に着くと目の前に富士山がどーんと見える 千枚小屋〜悪沢岳: 2565mの千枚小屋から2880mの千枚岳まで一気に登りあげる。途中で赤石岳が見え始める。千枚岳からは塩見、農鳥、間ノ岳、北岳、仙丈、甲斐駒、鳳凰三山が見えるようになる。千枚岳から3032mの丸山まで引き続きひたすら登り、さらに3141mの悪沢岳(荒川東岳)まで登り詰める。ここまで危険個所なし 悪沢岳〜荒川中岳: コルまで150mほど下げ、3083mの中岳まで登り返す。それなりに急な下りだが、特に難所はない。稜線上では長野側から吹きつける風が冷たくてレインの上着を着た。前日にこの稜線を歩いた人は、ハイドレーションのチューブが凍ったとか。稜線からは北ア、中アも見える 荒川中岳〜荒川前岳: 稜線を進む。荒川小屋への分岐でザックをデポした。前岳からは三伏山への稜線がよく見える 分岐〜荒川小屋: 3000mから2652mの荒川小屋まで一気に下る。稜線と異なり静岡県側の斜面は風もなく、上着や帽子を脱ぐ。急な下りではあるが危険個所はない 荒川小屋〜小赤石岳: いきなり急登。しばらくするとトラバース気味の緩やかな登りで大聖寺平に進む。ここから3030mの小赤石岳まで約1時間の急登。荒川三山を上り下りしてきた後だけに堪える。危険個所はない 小赤石岳〜赤石岳: 赤石小屋への分岐までは緩やかな登り。分岐から最後の登りで3121mの赤石岳へ。赤石小屋に行かれる方はザックをデポするのもありかと。赤石岳からは聖、上河内岳などさらに南部の山々が目の前に見える 赤石岳〜百間洞山の家: 赤石岳のザレた斜面をトラバースするように下る。上を見上げると石が落ちてきそうで気持ち悪い。登山者の多いシーズンは落石に要注意。大斜面のコルまで下ると馬ノ背と呼ばれる平坦な稜線歩きが続き、最後に2470mの百間洞山の家まで一気に下る。危険個所なはい 百間洞山の家〜聖岳: 2470mの小屋から大沢岳のコルに出て、2807mの中盛丸山まで一気に上がる。ここから小兎岳、兎岳とアップダウンを繰り返す。2818mの兎岳から200mほどコルまで下げて、前聖岳(聖岳)まで約400m登り返す。聖兎のコルまでの下りは急だが危険個所はない。コルのあたりで伊那側が切れ落ちているので近づきすぎないこと。聖岳への登りは稜線で伊那側から冷たい風が吹き上着や帽子や手袋が必要。トラバース気味の登りで長野側(赤石側)に落ちないよう慎重に 聖岳〜聖平小屋: 小聖岳まで急なガレ場をジグザグに一気に下る。登山者のいるときは落石に注意。小聖岳から薊畑(あざみばたけ)を通り、聖平小屋までは樹林帯を下る 聖平小屋〜滝見台: 緩やかな下りだが、滝見台に向けて登り返す。滝見台からは縦に3つの滝が連なる滝ともう一つの滝が見える。紅葉がきれい 滝見台〜乗越: 山腹を大きくトラバースして回り込むが、登山道が崩落している個所が数か所あるので注意。トラロープがあったりなかったり 乗越〜聖沢吊橋: ひたすら下る。吊橋に向けて最後は急な坂をジグザグに下る 聖沢吊橋〜聖沢登山口: 微妙な登りのトラバース道をこれでもかというくらい進む。最後は一気に下って登山口へ 聖沢登山口〜椹島ロッジ: バスで通った林道を歩く 全般を通して縦走路という感じだが、南ア南部は素朴な感じで北アほど登山者保護の整備はない。今回の核心は赤石岳から馬ノ背への下り、兎から聖への下りと登り返し、聖から小聖への下りだろうか。 聖平小屋の前に「聖岳180分、椹島240分」の標識があるが、椹島に限って言えばありえない。私は登りはほぼCT、下りは大抵CTの8割で下りてくるが、この日もそれなりに下って聖沢登山口まで3時間40分(220分)、椹島ロッジまで4時間20分(260分)かかった。山と高原地図の5時間40分(340分)が一般的かと思う。標識を鵜呑みにしないよう注意されたし |
その他周辺情報 | 千枚小屋は新しくとてもきれい。トイレも快適に使用できる。小屋前には沢の水が水道のようにひかれている。10月12日で今期の営業終了。冬季避難小屋の百枚小屋は解放される 荒川中岳避難小屋は典型的な山頂の避難小屋で小さい。水場はない。トイレは近くにあるが使用可能かチェックしなかった 荒川小屋も新しく非常にきれい。今季は10月12日で営業終了。冬季小屋として解放される。水場もトイレも近くにある 赤岳避難小屋はすでに営業終了。2階が避難小屋として解放されている。大きくはないが快適。外のトイレは使用できない。水場もない 百間洞山の家(今回利用)も営業終了。2階の一部が避難小屋として解放。広くはないが2段になっており15名ほどは入れるか。沢が小屋前を流れており、水は不自由しないがトイレがない 兎岳避難小屋は素通りでチェックせず。チャレンジングな避難小屋かと 聖平小屋は新しくきれい。すでに営業終了。冬季避難小屋は左側に隣接しており、驚くほどきれい。30名位入れるか。すぐ近くの沢の水はそれなりの水量だが、晩秋には涸れるとか。トイレもある 椹島ロッジは山の中の旅館といった感じ。お風呂もあるし、ウォシュレットのトイレできれい。畳の上で布団で寝る。宿泊者以外は時間帯によってシャワーを利用できるが(500円)、ここは我慢して畑薙からすぐ下の赤石温泉白樺荘に入った方が良いと思う(510円) 日帰り温泉: 赤石温泉白樺荘。510円 静岡市葵区田代1110-5、TEL 054-260-2021、10-18時 http://ikawa.ooi-alps.jp/kanko/preview.asp?cd=7&no=82 東京方面の方は27号線沿いに口坂本温泉もある。300円 静岡県静岡市葵区口坂本652、TEL 054-297-2155、9時-16:30 http://www.kuthisakamoto-onsen.net/ ただし、入り口が鋭角的になっており入りづらい。少し先の擦れ違いスペースを利用し、何度かハンドルを切って方向を変え戻ってきて入る必要あり 大阪方面の方は小さいが接阻峡温泉会館もある。300円。静岡県川根本町梅地 TEL 0547-59-3764 http://travel.biglobe.ne.jp/onsen/spot/22000825.html コンビニ: 新静岡ICを下りてすぐにローソンが、少し先にファミマがある。その先はない |
写真
感想
昨年の同時期に南ア北部の白峰三山を歩いたので、今回は南ア南部の山々を訪ねた。小屋で営業しているのはメジャールートの千枚小屋、荒川小屋、赤石小屋の3つだけ。畑薙からのバスの始発時間や途中の小屋の位置、天候などを考えて、反時計回りで荒川三山、赤石岳、聖岳と進むことに。天候が持てば、さらに茶臼まで進んで、歩いて畑薙へ下りることも視野に入れた
三連休は土日に天気が崩れそうとの予報になったため、出張を次週に回して休暇を取り、金曜からの登山を木曜からに変更した。土曜日に椹島ロッジに下りてくる案を基本にして、聖で天候を見て茶臼小屋まで行くか椹島に下りるか判断することにした
1日早めて結果は正解。そして聖で椹島に下りることを判断して大正解だった。先月の飯豊連峰で雨の中を歩いたので、茶臼小屋から畑薙へ雨の中を下山するのは気が引けたが、案の定、椹島ロッジで宿泊した夜から雨になった。まじめに働いて土曜から山入りした方には申し訳ないが・・
木曜と金曜の天気はパーフェクトといっても良い天気に恵まれた。といっても木曜は千枚小屋まで樹林の中をひたすら歩き、折角の快晴も眺望を楽しめなかったのは残念だった
千枚小屋では横須賀からきた若者と、大阪からきた年配の方と知り合い、翌日は赤石まで一緒に進むことに。といっても私だけは、荒川小屋からの赤石の登りで付いていけなくなり、赤石避難小屋でお二人が昼食休憩中にやっと追いついた
この年配の方、百名山、二百名山はすべて登頂し、三百名山も残すところあと8つという名山達人だった。『山へ残した足跡』で検索するとHPにアクセスできる。私より10歳くらい年配かと思われるが、さすがに健脚で付いていけない。60歳手前と70歳手前の10歳の年齢差は、若い世代の10歳違いとは大違いで、非常に大きな年齢差なのだが、達人は素晴らしい若さだ。横須賀の青年はさすがに同じペースで進んでいったが、私がついていけるのは下りだけだった。お二人のおかげで赤石までたどり着き、2日目に無事に百間洞山の家まで到達することができた
さて、今回は本当の意味で避難小屋泊のデビューだった。4月上旬に越後駒ケ岳をやるときに頂上直下の避難小屋利用を考えていたが、天候が悪く麓の銀山平の民宿に前泊して日帰り登山となった。先月は飯豊連峰で切合小屋で避難小屋泊したが、管理人がいて食事の提供があった
今回は本当の冬季避難小屋の利用で意外なほど楽しめた。このスタイルの山にハマりそうな予感がする。まだまだチャレンジングな避難小屋に泊まれるほどのサバイバル力はないが、小屋を選べば十分に楽しめることを体験できた。これからの山の楽しみ方が広がりそうだ
天候に恵まれ、無事に下山できたことに感謝感謝!
コメント
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Pnballさん、こんばんは。
南アルプスをガッツリと歩き、楽しまれましたね!
緻密な小屋泊から避難小屋泊の山行縦走計画、さすがです。
そして天候を予測した下山、続けていれば間違いなく3000mの稜線は雨ではなく雪に変わっていたと思います
本気の縦走をじっくりと時間をかけ楽しみ、歩かれているレコをとてもうらやましく思いました。
私は今年の小屋泊はことごとく中止になりました。
南ア南部はまだ未踏の領域。いつか参考にさせていただきます(^^)/
お疲れ様でした
Jimnyさん、コメントありがとうございます
南アは奥深いです。山によく出かけていた若い頃も、南アだけはアクセスの悪さ、小屋の少なさから敬遠していましたが、最近は小屋も驚くほどきれいで、人も入るようになりました(少々入りすぎで素朴さが失われつつあるかな?)
昨年夏の鳳凰三山を皮切りに、白峰三山、仙丈・甲斐駒、今回の南部と歩き、残す3千m峰は塩見だけになりました。来年7月には新しい塩見小屋がオープンするので出かけようと思っています
アクセスは相変わらず良くないですが、遠出をものともしないJimnyさんなら、北部も南部もそんなに大変じゃないと思います。ぜひ、南アにもお出かけください
南アルプスの周回コース、絶景ですね。
何かのテレビ番組か深田久弥の日本百名山かで、富士山の景色は赤石岳からのものが最高、と聞いた記憶があります。展望フリークとして、雄大な景色、とても楽しまれたんじゃないかと思います。やはり泊りでの稜線歩きはいいですね。
また、避難小屋泊されたとのこと、確かにそういう選択肢もありますね。
私はほとんど日帰り、たまにテント泊、ごくまれに山小屋泊で、避難小屋を使ったことはなかったのですが、これからの季節の泊りでは使えそうですね。縦走の際には選択肢に入れるようにしてみます。
eurekapapaさん、コメントありがとうございます
避難小屋もピンからキリまで(失礼ながら)ありますが、最近はめっきり快適な冬季開放小屋が増えてきました。小屋の営業シーズンの前後は、登山者も少なく快適に宿泊も登山もできます
テン泊を日頃やられているeurekapapaさんなら、避難小屋泊はまったく問題なしかと思います。雨の日も楽ですし、テントの撤収の必要もないし
聖平小屋などは本当にきれいですので、ここを基点にして聖岳や上河内岳にアタックザックで登れば非常に楽です。ぜひ一度お試しを!
ピンさんこんにちは!
仰っておられた計画、実現しましたね!しかもほぼ満点の空模様ではないですか! 素晴らしいですね。
なんとか行けるか・・・の空で行くよりこっちの方がいいに決まってます。なんともうらやましい限りです。
やっぱり悪沢はカッコいいですね!それだけじゃなくて周りの子分たちもカッコいいんだなぁ!私の今年一番のインパクトでした。
冬期小屋の利用、積雪ギリギリ前の短い期間しか狙えませんからね。それでもこの利点を最大限に活かしたら仰られる通り畑薙起点、なんてすんごい計画も現実に!!良い欲張り方を教えてくださいました!
そういえば、去年の白峰の時に初めて交流させて頂いたことを思い出しました。
色々とご心配をおかけしてしまうかもしれませんが今後ともぜひぜひよろしくお願いいたします!
fickleさん、荒川前岳から三伏山へ続く尾根道は、アップダウンもさることながら、本当に長い。良くやりましたね。呆れながらも感心しました
今回の一気通貫、本当は茶臼まで繋げたかったんですが、飯豊山の後遺症で雨の中を歩く根性が出ず、あっさりとあきらめました。来シーズンには光岳まで含めて残った尾根を繋ぎたいと思ってます
椹島ロッジにはヘッデン着けないぎりぎりの時間に着きましたが、農鳥のオヤジさんなら2時間は説教されたでしょうね
結局、ロッジに着いても夕飯はダメでしたが、茶臼小屋まで行った時のための食事があったので自炊しました
南アは奥深くて良いですね
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