六甲全縦大会2025春:奇跡が起こった!


- GPS
- 15:47
- 距離
- 44.6km
- 登り
- 3,123m
- 下り
- 3,120m
コースタイム
- 山行
- 14:56
- 休憩
- 1:06
- 合計
- 16:02
天候 | 晴れ。最高の大会日和でした |
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過去天気図(気象庁) | 2025年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
復路:JR宝塚→最寄り駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所というほどのところはありませんでしたが、部分的に段差が大きくなっている場所やぬかるんでいる場所がありました |
その他周辺情報 | 前泊は明石ルミナスホテル:JR西明石駅から徒歩3分のビジネスホテル。近くにコンビニや食堂もあり便利。外観は古そうながら部屋内部はリニューアルされていました。泊まるだけでよいということなら安くていいです |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
ヘッドランプ
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
タオル
カメラ
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感想
私にとって2025年はひどい幕開けで、なんと元日にインフルエンザに罹ってしまい、今年になって初めて外出したのは1/11になってから。その後もすっきりとせず、結局、この全縦大会がリハビリ登山になってしまった――という恐ろしい状況で当日を迎えてしまいました。
インフルを患っているあいだに太ももやふくらはぎの筋肉がすっかり落ちてしまったため、完歩など夢のまた夢。菊水山まで行ければ上出来、そこから鈴蘭台に抜けてリタイアするぐらいになるだろうと予想していました。
そんな具合だったので、一応、各チェックポイントをクリアして時間内にゴールするための必須タイムスケジュールを作成して、それを見ながら歩くことに。この目安より大きく遅れたら途中であきらめるべし、ということです。
案の定、歩き始めてすぐに筋力の衰えが自覚されます。坂道を力強く登ることができません。のろのろと一歩ずつでしか進めない。ま、今日はこんな感じで行けるところまで行くしかないなぁ、と。
それでも歩いていれば行程は進んでくれるもので、なんやかんやのうちにいよいよ西半の山場、菊水山への登りが近づきました。いよいよかぁ、と麓でエナジージェルを投入して備えます。
菊水山へ取り付きます。やはりきつい。ベストコンディションでも厳しいのに、衰えた足ではいつも以上の壁に感じられます。例の黒プラ階段は一段ずつ足を持ち上げるようにしか登れません。が、「足を動かしていさえすれば必ずゴールできる」という山の教えを思い出して自分を奮い立たせ、何とかかんとか山頂に到達できました。
不思議だったのは、そこでリタイアするという考えは浮かばなかったこと。何となく流れのままに次の鍋蓋山へと足が進みました。鍋蓋も厳しいですが菊水ほどではないので、これも何とかクリア。で、問題はその先。前回はこのあたりから膝痛と足首痛に悩まされ、ヘロヘロになって新神戸に辿り着いたのでした。ところが、これまた不思議なことに、どちらも起こらないまま大龍寺のチェックポイントを経て市ヶ原へ到達できたではありませんか。
もっとも、膝痛はなかったものの、このあたりまでくると、とくに太ももの筋肉が限界みたいで、登りでは足がなかなか上がってくれません。もうリタイアして新神戸へ向かおうかとも思いましたが、いやいや待てよ、六甲縦走で膝痛と足首痛がないコンディションでラスボス摩耶山へ取り付けるというのは貴重な機会ではある。このチャンスを活かさないのはもったいない、と考え直し、思い切ってやってみることに。摩耶山からはロープウェイで下山することもできるのだし、と発起したのでした。
摩耶山は思った通り、大苦戦。とにかく足が上がらない。途中には段差の大きな岩場が何カ所かありますが、それがえげつなく見えます。そいつが出てくるたびに萎えるものが。しかし不思議なことに、総じて意欲は落ちなかったのです。なぜかわかりませんが、「もういや!」とか「もう逃げ出したい!」などとは思わず、苦しみながらも終始前向きでいられました。そのおかげでラスボス摩耶山もとうとう登り切ることができたのでした。
摩耶山山頂にはエイドがあり、「頑張りましたねー、さあスープをどうぞ」と、いただいた卵スープが体に浸みること浸みること。めちゃありがたかったです。
さて、摩耶山まできたら、人間欲が出てくるもので、もうこんな登りはないのだからあとは何とかなりそうに思えてき、さらに先へ進んでみることに。とはいえ、一時は45分ほどあった時間の貯金が徐々に削られてきて、もう20分ほどしか余裕はありません。見れば、アンカーの鬼さんがスタンバっています。あと20分で出発するというので、「ゆっくり追いかけてきてくださいね!」と念押ししてから、そそくさと出発。
次のチェックポイントは記念碑台の16:30。どうやらその時刻を過ぎると下山指導が行われるようです。記念碑台からは六甲ケーブルまでバスが通じているので、時間的に完歩が難しい人はそこで下山指導されるみたいです。記念碑台をタイムリミット15分前に通過。いよいよ鬼に追いつかれそうになってきた汗。
摩耶山の登りで出会ったmanabuさんと六甲ガーデンテラスで再会、以降山行を共にすることになりました。振り返ると、この出会いが大変大きかったのでした。
最終チェックポイントは六甲最高峰下の18:15。17:50に到達し、若干時間を稼ぎました。ここからはもうゴール(リミット21:30)しかなく、以前、2時間半で歩いたことがあるので、ここまでくればもう安心。あとは膝痛と足首痛が出ないことを祈るのみです。
東六甲の縦走路へ入るともう薄暗く、ヘッドライト点灯。この道を宝塚まで単独で行くのは心細い限りでしたが、manabuさんという同行者がいたので大変助かりました。単独歩行とはとくに精神的に大違いだったはずで、manabuさんには深謝多謝です。
心配された膝痛および足首痛も何とか発生せず、淡々と行程が進んで行きます。が、もはや完全に足が終わっているのでスピードは遅く、結局、ゴールに到着したのは21:12。余裕と思っていたのに、タイムリミットの18分前というギリでした!(つまり、ほぼベベタ笑。manabuさんには私のスローペースに付き合わせてしまい、申し訳なかったです) エイドスタッフの「お疲れさまでした」という労いの言葉に、つい「ハイ、しっかり疲れました」と答えてしまいました笑。ここでもいただいたスープが体に浸みました。
ということで、たとえベベタであっても、とにもかくにも、リハビリ山行で完歩できたのでした! この大会に完歩できたのは私にとっては奇跡的。われながら、ちょっと信じられない結果です。事前には菊水まで行ければ上出来だと思っていたところを宝塚まで行けたんですからね。
完歩実現の最大の要因は膝痛も足首痛も出なかったこと。それがなぜなのか正確なところはわかりませんが、ひとつ考えられるのは、今回は膝にサポーターを装着していたこと。一日中サポーターを付けるというのはどうなんだろうとも思いましたが、結果的には奏功したようです。足首痛のほうはまったくわかりません。筋力の衰えによってスローペースに終始したことが、かえってよかったのかもしれません(それでもヤマレコのペース判定では「とても速い」ですが)。
それにしても、こういう大会はいつも以上にいろんな人と出会えるのが魅力ですね。なんとスーツ姿で参戦していたゆうさんや、今回ほんとうにお世話になったmanabuさんなど、思い出の山行として長く深く記憶に残ることになりそうです。
それから、大会運営に携わってくださった兵庫労山のスタッフのみなさま、ありがとうございました。アットホームな雰囲気がとても心地よかったです。
すばらしき山行を経験させてくれた六甲全山に合掌!
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