常念岳東尾根〜蝶〜上高地
- GPS
- 56:00
- 距離
- 34.8km
- 登り
- 2,855m
- 下り
- 2,314m
コースタイム
ほりでーゆー四季の郷10:30―11:00東尾根末端―12:25標高1328m標高点付近―14:30 1955mピーク付近―15:20 2178mピーク付近(概ね60分あたり10分の休憩を含む)
12月30日(水)
2178mピーク付近(アイゼン)6:30―7:30標高2350m付近7:40―8:30標高2450m付近―9:00前常念岳―9:30標高2700m付近9:40―9:55常念岳10:10―11:00 2512mピーク11:10―(アイゼン→わかん)―12:00 2592mピーク12:10―13:00標高2570m付近(わかん→アイゼン)13:10―13:30蝶槍―13:40横尾分岐(アイゼン→つぼ足)―14:05蝶ヶ岳ヒュッテ
12月31日(木)
蝶ヶ岳ヒュッテ(アイゼン)6:30―6:55横尾分岐―7:10 2255m標高点付近7:20―7:40なんちゃって槍見台―8:05横尾―9:15徳沢園9:25―10:10明神館10:20―11:00河童橋(わかん→つぼ足)11:15―12:05太兵衛平12:15―12:35中の湯バス停
天候 | 12月29日:小雪のち快晴 12月30日:快晴 12月31日:曇りのち雪 |
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過去天気図(気象庁) | 2015年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
https://www.alpico.co.jp/access/express/matsumoto_takayama/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
※今回は雪が非常に少なく、かつトレース明瞭という好条件のもとでの記録ですのでご留意ください。 常念岳東尾根:森林限界下はトレース明瞭で、一部笹がかぶっている部分があるものの、基本的に進みやすい。標高2200m付近(森林限界との境目付近)は灌木やハイマツの藪。限界上は前常念への登りが核心で、一部岩稜となっているが、今回は危険個所といえるほどのものはなかった。 常念〜蝶:常念周辺と蝶周辺は限界上。強風帯が多いが特に危険な個所は無い。常念と蝶の中間部は樹林帯であり、トレースがなければラッセルで苦しめられると思われる。 横尾分岐〜横尾:ほぼ単調な樹林帯の下りで危険個所なし。 横尾〜中の湯バス停:ひたすら長い・・・ |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
燕岳〜大天井は冬季に縦走したことがあるものの、大天井より南は歩いたことが無かったため、今回は常念〜蝶を縦走する計画とした。また、常念岳の東に派生する通称「常念岳東尾根」は、バリエーションルートではあるもののネットで記録が散見されるため、今回はこの長大な尾根を登路に選択した。
結果的には計画通りに歩けたが、例年に比べてかなり雪が少なくトレースも完備されているという甘々の条件の下での記録のため、参考にされる際はご注意くださいm(__)m
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12月29日(火)
柏矢町駅からタクシーで「ほりでーゆー四季の郷」先の林道ゲートまで入る。2800円也。やはり今年は雪が少なく、昨日初めて平地にも降雪があったと運転手は話していた。
ゲート付近では林道にうっすらと雪が積もっている程度。ここから暫く雪のちらつく中林道を歩いていく。
橋を渡りヘアピンカーブを過ぎて20mほど進むと、右手の尾根に取り付くための鉄梯子が設置されており、ここから尾根に乗り上げる。なお、もうしばらく林道を進み、標高1170m付近に向けて登っていけば最も短い距離で登れそうだが、今回は末端から忠実に尾根を辿る選択肢をとった。
マイナールートかと思いきや踏み跡があり、赤テープなども設置されており、結構人が入っているようだ。どこかのガイドブックにでも紹介されているのかな。。。
踏み跡を見失ったのか、標高1010m付近ののっぺりした部分でちょっとした笹の藪漕ぎとなる。冬山装備で藪漕ぎというのは萎えるorz
だが鉄塔のあたりで再びトレースが現れ以後は基本的にトレースを辿っていく。このあたりで下山してくるパーティ数組に出合う。
はじめは曇っていたが、標高1100m付近から太陽が顔を出し、汗が噴き出してくる。日当たりの良い部分はもろ土が露出しているところもあるほどだ。
標高1180m付近で、左手から別のトレースが合流してくる。確認はできないが、こちらが林道を奥まで進みここまで最短ルートで来るルートなのだろうか??
標高1400m付近からは黙々と標高を上げる。ところどころ笹がトレースを覆っている部分がありうるさい。たまに左手前方に前常念が望まれるが、この辺から見える前常念は異常に遠く、とても到達できないのではと思ってしまう(^^;
尾根の傾斜が緩んでくると若干風が出てくる。針葉樹から落ちてきた雪の粉に陽光が当たりキラキラと輝く様子が美しい。
細い部分が多く、幕営適地は多くは無い。というか雪が想像以上に少ないので、水作りのことなどを考えるとなるべく今の間に標高を上げておかなければ・・・
2178mピークに登るとちょっとした平坦地があり、既に幕営用に整地されたスペースがあった。
ちょうど前方から別のパーティが降りてきたところで、今日はこの辺で泊まるとのこと。この先にはあまり良い場所がないとのことなので、自分も整地済みのスペースを利用させてもらいテントを張ることにした。(整地してくれた方、ありがとうございました!)
夕飯は餅入りキムチうどん。温まる。風もあまりない穏やかな夜を迎えた。
12月30日(水)
冬型が緩み快晴。穏やかな朝である。
できれば森林限界上で日の出を迎えたいため、夜明け30分ほど前に出発。といっても尾根上なので既に明るい。
昨日は一日つぼ足だったが、本日は朝からアイゼン装着。
事前にGoogle Earthで調べたところではすぐに森林限界に達するはずなのだが、限界との境目くらいが灌木やハイマツの藪になっており、少々時間がかかった。トレースがあったので助かったが、無ければ踏み抜きと藪のダブルパンチで心が折れていたかも><
だがここまで来ると、前常念が目前に姿を現し、モチベーションがいやがうえにもアップする。
2260mのピークで前常念の上部から夜が明け始め、数分のうちに山体全体がモルゲンロートに包まれたかと思うと、朝日が安曇野の平野の向こうから顔を出した。
ここでしばらく写真タイム!(^^)
この先のコル付近でテントを張っている方がいた。本日は下山されるとのこと。
さて、ここから前常念までの距離はさほどではないが、稜線が一部岩稜となっており、岩を北から巻く部分などで一部ラッセルとなったため少々時間がかかった。
斜面の傾斜はそれなりだが、慎重に行けば問題となるほどではない。
じわじわと高度を上げようやく前常念に達すると、穂高連峰が稜線越しに望まれた。白い衣を纏った美しい厳冬期の穂高である。そして行く先には常念岳本峰が堂々と聳えている。
早く行きたいのは山々だが、ここまでで結構息が切れており、写真を撮ったりしながらなだらかな稜線をゆっくりと進んでいく。風は冷たいが、この場所にしては弱い方だろう。
主稜線に達し、わずかに南に向けて登るとようやく常念岳到着!!表銀座の山々や槍穂の稜線はもとより、御嶽や浅間、南ア、富士まで眼中に入っており、これ以上は望めない贅沢な展望だ。
ほぼ同時に別ルートから山頂に到達した2人と互いに写真をとったりして少々休憩。甘い紅茶を飲んで体を暖める。
さて、まだ先は長い。南に向けて縦走を開始する。
まずは常念岳から400mほど一気に下る。雪と岩がミックスされた斜面で、調子に乗ってスピードをだすとたまに足をひねりそうになる。
2512mピークから先はしばらく樹林帯となる。表銀座らしからぬ穏やかな部分だ。
トレースはあるものの雪が深くなってきたのでアイゼンからわかんに切り替える。このあたりは幕営適地が点在するが、時間があるので先に進み、蝶ヶ岳ヒュッテを目指すことにする。
だらだらした登りを終えて2592mピークへ達すると、端正な蝶槍が正面に見える。そして右手には相変わらず穂高の見事な展望。風も無く暑く、ピッケルを素手で持っても大丈夫なほどだ。
蝶槍への登りの中間地点付近で再び限界上となりアイゼンに切り替え。先行していた方もここでアイゼンに切り替えていた。今日は自分と同じく蝶ヶ岳ヒュッテに泊まる予定とのこと。
蝶槍から砂利っぽい土の露出部分が多く現れる。蝶ヶ岳付近は風が強く雪が付かないという情報だったが、確かに。。蝶ヶ岳まではひたすらおだやかな山稜歩きで、穂高の展望を楽しみながらハイキング気分で歩いていく。
アイゼンをつけたものの凍結個所もほとんどなく、むしろ土の露出部分で邪魔になる感じだったので、横尾への分岐からはつぼ足に変えた。
蝶ヶ岳ヒュッテは大盛況。狭い入口から入る冬季小屋は既に人でごった返していたため、小屋の裏手の吹き溜まりになったところの雪を整地して、テントを張ることにした。
テントを張って夕飯を食べて一息ついていると、中国人パーティが到着し、横に2つテントを設営しはじめた。自分のテントがこのパーティのテントに半分に挟まれる形となり、しばらくピンインが頭上を飛び交っていた。中国語ちゃんと勉強しようかな。
大変入りの良い「安曇野FM」を聞きながら就寝。夜は星が綺麗で風が強かった。
12月31日(木)
大晦日。
日本海と太平洋に小さな低気圧が発生し東へ進んでいるようで、空気がもやっとしている。槍穂も山頂部はガスっており、あまりすっきりしない天気だ。
今日は横尾分岐まで引き返し、横尾へ下って上高地まで行くコースと徳沢園までは長塀尾根を下るコースが選択肢として考えられるが、長壁尾根は地形図を見る限りガスっているとルートファインディングが難しそうな場所があったため、安全を期して横尾経由で下山することにした。
風の強い稜線をたどり、横尾分岐を経て下り始めると、すぐに樹林帯となる。トレースばっちりで、非常に進みやすい。結局、標高差1000mほどを70分くらいの高速で下り、あっという間に横尾山荘着。途中の「なんちゃって槍見台」は景色が良かった。
横尾まで降りると気分的には下山した感じなんだけど、ここから中の湯まで16kmほどの林道&車道歩き・・・これはある意味核心です。もう霧氷の写真とか梓川の写真とか大正池の写真を撮るなど、なんとか楽しみを見つけながら、淡々と歩いていくしかない(笑)
流石年末とあって、下山する人、これから登ってくる人、双方とも多く、横尾、徳沢園、上高地バスターミナル付近いずれも多くのテントが見られた。多分年が明ければ一気に静寂の空間に早変わりするんだろうなあ。
最後のちょっとしたお楽しみ(?)の真っ暗な釜トンネルを抜けると、中の湯バス停に到着。バスまで少々時間があったので温泉に入り(1人30分貸切制。入れるかどうかは「運」です。)、ちょうど身体が暖まったところでやってきたバスに乗り、松本駅へと向かった。
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