赤石岳から荒川三山周遊〜伝付峠を越えて〜
- GPS
- 128:00
- 距離
- 51.5km
- 登り
- 5,455m
- 下り
- 5,439m
コースタイム
- 山行
- 6:48
- 休憩
- 0:27
- 合計
- 7:15
- 山行
- 8:42
- 休憩
- 0:08
- 合計
- 8:50
- 山行
- 6:12
- 休憩
- 0:13
- 合計
- 6:25
- 山行
- 6:41
- 休憩
- 0:24
- 合計
- 7:05
- 山行
- 5:35
- 休憩
- 0:45
- 合計
- 6:20
天候 | 全日快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・入山時は1台も無し。 ・下山時は、他に1台+もう1台駐車していた跡あり。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
〔新倉〜伝付峠〜二軒小屋〕 ・沢沿いの桟道や渡渉地点の木橋・石が凍っている時は要注意。 ・桟道は老朽化しており、木の桟道は板が抜けている・抜けそうな箇所があり、金属の桟道でも踏んだ箇所が曲がることがあります。 ・ルートは、多数のテープ・青色のマーキング・黄色のワイヤー・ロープにより明瞭。 ・伝付峠取りつきの出合までは、不安定なトラバースルートが多いので注意。 ・伝付峠前後の登下降は、昔からの峠道で明瞭かつ快適。 ・峠近くの水場は凍っておらず、幕営適地も近くにあった。 ・二軒小屋の登山小屋は明るく快適。トイレなし。 〔二軒小屋〜椹島〜赤石小屋〕 ・二軒小屋〜椹島の林道は、凍結箇所が多少あるぐらいで問題なかった。 ・椹島〜赤石小屋は、3/5の標識までは雪は全くなかった。 ・4/5の標識の手前から、溶けて氷化した雪が出てきた。 ・ボッカ返しから赤石小屋まではさらさらした雪またはモナカ雪だが、特にラッセルは無し。 ・赤石小屋は、本館の手前に新しく倉庫棟ができており、その2階が冬期小屋になっている。新しく快適。入口から明かりが入る。ただし、2階から1階に物を落とさないように注意。 〔赤石小屋〜富士見平〜ラクダの背手前稜線〕 ・赤石小屋から富士見平は、夏道どおりで特に問題なし。 ・富士見平からは稜線通しで少し行くが、稜線の藪がうるさいので夏道のトラバースルートに降りた。 ・夏道は、雪質がサラサラだったりモナカ雪だったり、一部溶けて凍っていたりで不安定。少しラッセルあり。慎重に進むため時間がかかり、稜線沿いの方が早かったかもしれない。 ・夏道の中間あたりで稜線のコルに近づくあたりで、稜線上にテープ多数あり。ここから上がるようであるが、そのまま夏道を進む。トラバースの傾斜はより急となり、ラッセルも深くなり、カチカチの斜面もあったりしたため、より時間がかかり、失敗であった。 ・稜線へ上がってからは、固く締まったモナカ雪の上に少しサラサラの雪が乗っており、おおむね快適だったが、時折モナカ雪を踏み抜くので、バランスを崩さないよう気を使った。また、岩稜までは雪の下の灌木の落とし穴もあった。 ・稜線の北面は崖、南面は急傾斜で表面が溶けてテラテラと光っている状態。両方とも落ちたら止めることは困難。 〔ラクダの背岩稜〜小赤石岳〜赤石岳〜赤石岳避難小屋〕 ・岩稜の核心部には雪がついていたが、サラサラ雪・モナカ雪で不安定だったので、2〜3回蹴りこまないと足元が安定しなかった。サラサラ雪の下がガチガチに凍っている場所もあった。 ・雪よりも岩を使った方が安心であったが、手やアイゼンを置ける岩の上は氷が乗っていることが多かったので、ピッケルでカッティングしながら登った。 ・核心部にはフィックスロープがあるが、半分以上雪で埋まっていた。 ・岩稜を上のほうに進むと、南面は溶けてガチガチになっている場所もあった。 ・小赤石岳までは、ほぼ稜線通し。上部も岩稜だが、南面のトラバースは雪が不安定そうなので避けた。 ・ここまで踏み跡なし。 ・赤石岳までは歩くだけ。 ・赤石岳避難小屋の入り口は下部が凍りついており、氷を割りとって開けた。また、扉が少し開いており、中に雪が吹き込んでいた。中は真っ暗。トイレなし。 ・赤石岳避難小屋の入り口の引き戸は改良が必要と思われる。下部に垂れている板を短くすれば凍りつかないし、入り口に太めの針金の留め金があれば、風で勝手に開くこともなくなると思われる。(赤石小屋の冬期小屋は太い針金をテープで巻いた留め金があった。太い針金程度であれば、仮に中に閉じ込められても中から開けられる)。 〔赤石岳〜前岳・中岳〕 ・小赤石岳から大聖寺平への下りは、氷化してアイゼンが効きづらい箇所があるので注意が必要。 ・大聖寺平から前岳までは稜線通し。荒川小屋には向かわなかった。 ・前岳の少し手前の衝立のような岩は、左側(西側)の急斜面を登る。下りの際は注意が必要。 ・中岳避難小屋は、入り口が埋まっていた。 〔中岳〜東岳〕 ・東岳直下まで雪のナイフリッジが続く。雪が緩く、すね〜膝ラッセル。風も強いので、耐風姿勢を取って慎重に進んだ。 ・東岳直下は、下部は夏道を進んで、上部は急傾斜の雪の斜面を岩場まで登る。下りの際は注意が必要。 〔東岳〜丸山〜千枚岳〜千枚小屋〕 ・丸山までは悪い箇所なし。 ・丸山〜千枚岳はナイフリッジと岩稜の通過があるので注意が必要。 ・千枚小屋までは悪い箇所なし。 ・千枚小屋の冬期小屋は新しく、大変快適だった。トイレは埋まっていた。 〔千枚小屋〜二軒小屋〕 ・マンノー沢の頭を過ぎたあたりまでは雪があり、幕営可能だった。 ・下りの急坂は、雪がなくなっても落ち葉の下が凍結しているので注意が必要。 |
その他周辺情報 | 〔伝付峠入口〕 ・身延方面から小之島トンネル抜けて橋を渡って左側の新倉の湧水の脇の道を入っていく。林道に合流し、林道を進んでいけばヘリポートにつく。 ・ヘリポートの手前と奥の右手にリニア新幹線のトンネル工事現場があるので、平日はダンプ等工事車両が通ると思われる。 ※HPの案内等では小之島トンネル抜けてすぐ右側(上流側)の道路に入るとしている事が多く、実際にそちらからも回って行けるが、落石で道が荒れているので今はあまり使われていない様子だった。また、近辺に登山届のポストは見当たらなかった。 〔光源の里温泉 ヘルシー美里〕 ・古い木造校舎を改装した宿泊施設で、大変落ち着く。日帰り温泉あり。内湯のみだが、鉱泉の源泉を加温せず入れた水風呂もあり、温冷浴ができる。土産物も販売している。 〔南アルプス邑 野鳥公園、おばあちゃんの店〕 ・野鳥公園のテントサイトは大人1,000円と下界にしてはリーズナブル。人数が少なければ前泊によいかもしれない。 ・野鳥公園の入り口に「おばあちゃんの店」があり、地元で採れたものなどを販売している。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ソフトシェル
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
予備靴下
防寒着
ゲイター
バラクラバ
バラクラバ予備
靴
ザック
アイゼン
ピッケル
スコップ
ワカン
行動食
非常食
調理用食材
調味料
水筒(保温性)
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
|
---|---|
備考 | ワカン使用せず。グローブは、念のためBDのソロイストを持って行ったが、氷点下7〜10度程度の稜線で歩いていると暑くなったので、中厚手の毛糸手袋とオーバーグローブにチェンジした。 |
感想
年末年始に、当初、畑薙ダム(沼平)から入って椹島から赤石、聖、茶臼を通って戻る、6泊7日の予定でしたが、27日の深夜に現地入りしようとしたら、その日の雨で土砂崩れが新たにあったようで、道が土砂で完全に埋まっていました。
近くで車中泊して、28日朝に、もう一度現場近くで工事の方に状況を確認。年内に復旧しそうにないので転進を検討。ほかにも転進を検討している山岳会の方に2組ほど会いました。
転進先・・・塩見は?塩川はダメ。鳥倉はどうなっているか不明。
光岳は?易老渡は相変わらずふさがっている。そういえば、松濤明が昔縦走したな…伝付峠だ!
調べたら、伝付峠は荒れているものの越えられそうなので、28日は入口の新倉までの移動日にし、5泊6日の日程となるので、椹島から赤石に登り、荒川三山を廻るルートに変更。
比較的近いので、下部温泉に入ったりのんびりして、新倉近くで車中泊。
初日は伝付峠を越えて二軒小屋の登山小屋で一泊。
2日目は赤石小屋の冬季小屋でのんびりしました。
3日目。今回の山行の核心部の一つ、小赤石岳のラクダの背は、暖かくて雪が緩かったり逆に氷化していたりモナカ雪だったりしていたものの、慎重にルートを選び、足元をしっかり固めれば、重荷でも越えられました。風がほとんど無かったのも幸いしました。
この日は、赤石岳避難小屋。凍りついている扉を開けたり、入口から吹き込んでいる雪を除雪したり、ちょっと忙しい。
4日目の正月の初日の出は赤石岳から。
1月1日の赤石から荒川三山の稜線縦走の日は風が強く、ナイフリッジや氷化した斜面等の不安定な箇所では、耐風姿勢を取りつつじりじりと進んでいきました。
前岳近くの急斜面と悪沢岳西の急斜面も気を付けなければいけない場所です。慎重に越えました。
この日は、千枚小屋の冬季小屋。とても快適。
5日目は二軒小屋に下り、伝付峠を登り返して沢に下りたところで一泊。星がきれい。
6日目、新倉へ下山。
伝付峠への道は、出合までは桟道も崩れそうなものがあったり、行きでは氷の塊になっていたりする桟道があって、これも気を抜けませんでした。道自体も荒れている箇所が多いです。
ただ、伝付峠の前後の峠道は、古くからある道だからか、脚に優しい、よく踏まれた良い道でした。
行くときには、松濤明が向こうからやって来るような気もしました。
畑薙ダムが不通のためか、4日目に悪沢岳を越えるまで人に会わず。
人の痕跡は、悪沢岳から来て聖方面へ向かったであろう単独行者のアイゼン跡のみ。沼平に下山した後どうしただろうか。
今回の山行では、テントをほとんど使わず、冬期小屋泊まりばかりでした。
小屋に頼るというか、小屋が好きなのですね。
最後の日は二軒小屋にまた泊まろうかとも思いました。とても居心地の良い小屋です。
当初の計画ではテント泊が多くなる予想だったので、湿って嵩が減っても良いように厚手のシュラフ(Takemoの11番)を持ってきましたが、小屋の中で着込んで寝ると暑くて夜中に起きる程でした。
この行程では、いつものシュラフ(モンベル#1)で十分でした。小屋の中の温度は、最低でも−12度ぐらいでしたし。
また今回、悪沢岳の北尾根を見ましたが、今度はここから来てみたいと思わせる尾根でした。
コメント
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翌日に赤石避難小屋を利用しました
除雪ありがとうございました4
除雪といっても半分ぐらいでしたが、お礼いただきありがとうございます。
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