まるっと雲ノ平 4日間で貪欲に薬師岳〜雲ノ平〜高天原〜水晶岳〜鷲羽岳〜黒部五郎岳
- GPS
- 38:20
- 距離
- 60.6km
- 登り
- 4,835m
- 下り
- 4,823m
コースタイム
06:50 折立 → 10:30 太郎平小屋 10:50 → 11:10 薬師峠キャンプ場(昼食) 12:40 →
13:45 薬師岳山荘 → 14:35 薬師岳 14:45 → 15:20 薬師岳山荘 15:45 →
16:30 薬師峠キャンプ場(テント泊)
【2日目】
05:00 薬師峠キャンプ場 → 05:20 太郎平小屋 → 07:28 薬師沢小屋 07:35 →
09:50 アラスカ庭園 → 10:50 雲ノ平山荘(昼食) 11:25 → 13:25 高天原峠 →
14:30 高天原山荘(小屋泊) + 竜晶池 & 高天原温泉
【3日目】
04:50 高天原山荘 → 05:55 水晶池 → 08:00 ワリモ北分岐 08:10 →
08:40 水晶小屋 → 09:20 水晶岳 → 10:30 ワリモ北分岐 10:50 →
12:00 鷲羽岳 12:10 → 13:15 三俣山荘(昼食) 13:55 三俣山荘 →
16:00 黒部五郎キャンプ場(テント泊)
【4日目】
05:45 黒部五郎キャンプ場 → 07:40 黒部五郎岳 08:05 → 09:15 中俣乗越 →
10:30 北ノ俣岳 → 11:50 太郎平小屋(昼食) 12:20 → 14:45 折立
天候 | 1日目:曇り 2日目:快晴のち曇り 3日目:雨のち雷 4日目:晴れ時々小雨&雷 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自宅〜東海北陸道・飛騨清見IC下車〜国道41号経由〜有峰林道亀谷ゲート(仮眠) 有峰林道亀谷ゲート〜(通行料1800円)〜折立駐車場(無料) ※有峰林道は20時〜6時の間は通行止 ※木曜朝のゲート開放とほぼ同時に有峰林道を通過したが駐車場は4〜5台と臨時駐車場(推定15台)しか空いていなかった。 残りは路肩駐車。 【復路】 折立駐車場〜有峰林道東谷ゲート〜県道484号・国道41号経由〜東海北陸道・飛騨清見IC〜自宅 ※県道484号は道幅が狭く、かなりくねっているのでストレスがたまる(路面状況は問題なし)。 山吹峠・双六ダム経由の方がよいかもしれない。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆折立〜三角点 : 急登。雨天時は泥まじりで石や木の根が滑りやすい。 ◆太郎平小屋から薬師沢方面への木道は滑りやすい。 ◆薬師沢小屋〜雲ノ平 : 樹林帯の超急登。登りは比較的登りやすい。 下りの方が滑るので注意が必要だろう。 ◆雲ノ平〜森の道〜高天原峠 : 石の上を歩いたり、泥の急坂を下ったり。 コースタイムより大幅に時間を費やした。迷うほどの道ではない。 ◆高天原〜ワリモ北分岐:樹林帯で歩みを止めると蚊が襲ってくる。 従って休憩ができない…後半は雨天時の沢の増水に注意。 ◆ワリモ北分岐〜鷲羽岳 : 滑落注意。基本岩場歩きなのにワリモ岳山頂直前の赤土に道迷いのあとがあった。 ◆三俣山荘〜黒部五郎キャンプ場 : まき道。3カ所ほど雪渓歩き。 そのほかは特に危険箇所はありません。 ◆折立に登山ポストはなく、太郎平小屋へ提出。 ◆下山後の風呂 : 流葉温泉ニュートリノ 大人600円(温泉セット:定食付き980円) |
写真
感想
単独行テント泊縦走に与えられた日程は4日間。
目的としてはまずは百名山4座を制覇したい。もちろん雲ノ平も歩きたい。そして高天原で温泉に入りたい。
あこがれの雲ノ平を満喫するにはどのルートを通ればいいか、直前まで悩み抜いた。
公共交通手段がいいのか車がいいのか、交通費から入下山の出入りまで細かく調べあげ、
いったんは有峰林道の料金がかからない北ノ俣岳登山口からの入山に決めたものの
直前の集中豪雨などで登山道が荒れていることも勘案し、結局 “王道” 折立からの出入りとしたのは出発前日のことだった。
自宅を前日22時に出発。ETC深夜割を利用して飛騨清見I.C.下車。
国道41号を北上して有峰林道亀谷ゲート駐車場へ3時到着、車中泊とした。
【1日目】
朝、目が覚めるとすでにゲート前には十数台の車列が。平日なのに登山者の多いこと!
5時55分にゲートが開き、折立の駐車場には6時25分に到着。準備をして6時50分登山スタート。
湿度が高いせいか全く調子が出ない。こんなに?? と驚くほど汗が出る。
急坂はさほど気にはならないものの、少しぬかるんでいた。北ノ俣岳登山口ならもっとすごいことになっているだろう。
歩き始めて50分ほどでようやくアラレちゃんの立て看板。最初の目標を認識してホッと安心した。
その後は三角点以外にもベンチがある休憩ポイントがたくさんあったので、疲れ具合によって数回休憩を入れた。
天気はあいにくの曇り空。晴れていれば有峰湖や薬師岳が見えるビューポイントもあっただろうに残念だ。
整備された登山道の脇に咲く高山植物をカメラに収めながら、太郎平小屋到着。
「10時半だけどいいんだよー。頑張ったんだも〜ん」とばかりに1杯1000円の生ビールを注文したら「本日最初の注文ですよ」と言われた。
薬師峠キャンプ場に移動してテント設営。管理人さんはまだいないみたい。
昼のラーメンを食べて、もうのんびりしたいところだけれど、気合いを入れて薬師岳へピストンすることにした。
沢の岩を登りながら何人か抜いていくと、いつの間にやら周りに誰もいなくなって時々人とすれ違うのみ。
薬師岳小屋を過ぎると、ますますガスがひどくなってきた。景色が望めないのを承知でピークハントするのは気が滅入った。
山頂はやはり何も見えず。薬師如来の祠に手を合わせ、トボトボと来た道を帰る。
薬師岳小屋まで戻ってくると、小屋の中から手を振っている人たちが! 朝知り合った石川県からのパーティー4人だ。
小屋に入って少しお話して、缶ビールをご馳走になった。薬師岳小屋は昨年新装されたばかりで、とてもきれいな山小屋でした。
ビールを飲んじゃったので、足元に気をつけて薬師峠まで帰る。
話し込んじゃったので帰り道はもう前後には誰もいない。キャンプ場についた頃には他のテントでは夕食の準備が始まっていた。
テント受付を済ませて、パスタの夕食。
1日目から頑張って歩いたので疲れた。今回の山行はまだまだこれから。
無事に予定通り4日間歩き通せるだろうか? と不安を抱きつつ、早めの就寝とした。
【2日目】
3時に起床。星空がすごくきれいだ。探すともなく見ていると1つ2つと流れ星が流れる。人工衛星も見える。今日は天気もよさそうだ。
テントの撤収に少々時間が掛かり、薬師峠キャンプ場を5時出発。太郎平小屋から薬師沢小屋方面へ向かう。
朝の木道は気をつけていても滑りやすい。転けるまではなかったものの2度ほど大きく股裂け状態となった。
沢のほうへ下っていくので、天気がよくても強い日差しを避けて歩ける。何度か沢を渡って薬師沢小屋到着。
途中一緒に歩いたお兄さんはここから大東新道を通って高天原温泉に入り、雲ノ平でキャンプするという。
雲ノ平まで行ってから高天原山荘へ行く私とはお別れだ。薬師沢小屋からは急登なので、いろいろアドバイスをもらった。
今回のテント泊では軽量化にチャレンジし、ザックは小屋泊用の35L。
急登になってその効果を感じることが出来た。思ったより軽い。登れる。
普段と変わらない軽い足取りでグイグイ登ると木道末端まで2時間掛からなかった。上出来だ。
ここからは木道。時々シーソーのようなトラップがあって気が抜けないが10分も歩くと飽きてきた。
アラスカ庭園で大休止。最高の青い空。黒部五郎岳や水晶岳、赤牛岳がよく見える。昨日ガスりまくってた薬師岳は山頂に雲が掛かっている。
途中追い抜いたおじさんたちからケーキを食べることを勧められたので、祖母岳をパスして直接雲ノ平山荘へ向かう。
雲ノ平山荘は新装。新しい木の香りがしてとてもきれい。まだまだテラスを増設しているようだ。
…が、ケーキ売り切れ。せっかくなのでコーヒーを注文し、手持ちのパンで早い昼食とする。
このコーヒーがめちゃめちゃおいしかった! 下界でもなかなかこんな風味と香りには出会えない! 得した気分になった。
高天原山荘への道は、大きな岩の道になったあたりから歩きにくくなる。岩の上を移動する際どうしても膝が気になる。
時間的には余裕があるので“ゆっくり慎重に”を心がける。
その後続く“森の道”も急な下りがぬかるんでいて歩きにくかった。
薬師沢小屋で別れた朝のお兄さんとまたまた遭遇。お互い「早いですね」と言いながら通ってきた道の情報交換をした。
ようやく高天原峠。1時間半のところを2時間掛かった。
木道脇にミズバショウの葉やキヌガサソウが現れ、ゴールが近いことを教えてくれる。
沢に出て気持ちが晴れたところで、さらにしばらく進むと視界が開け、突如ニッコウキスゲとワタスゲの群生が出現。
「ああ、高天原に着いたんだ」と感激。
14時半、高天原山荘到着。本日は素泊まりの小屋泊で5500円。
ツアーなども入っていて小屋は結構多めだったが、素泊まりグループは1階のカイコ部屋で1人1枚の布団だった。
竜晶池と高天原温泉にも行ってきたのだが、こちらはカメラを忘れていったので残念ながら写真がありません。
竜晶池は朝が神秘的でいいらしいのだが、夕方行くと「普通の沼」みたいでした。
温泉は近づくにつれ硫黄の臭いがして泉質も最高。先に竜晶池へ行ったので、温泉へ入る頃には団体客もはけてお風呂独り占め。
蚊が多いのには難儀しましたが、ゆったり浸かることが出来ました。
【3日目】
4時50分、高天原山荘出発。草木が朝露に濡れて、狭い登山道を抜けるたびに身体やザックを濡らす。
今日は天気も悪化傾向なので心配だ。急ぎ足で登る。
途中、水晶池へ立ち寄る。ここも道が狭くて水滴が気になる。地面が乾いていれば分岐にデポしたのだが…。
水晶池は思いがけず神秘的で美しい光景。立ち寄った甲斐があった。
ようやく樹林帯を抜けたところで、雨が降っていることに気付く。いつから?
立ち止まってザックカバーをするが、少し止まると蚊が襲ってくるので休憩するのも一苦労。
「今日はもう水晶岳へ行くのはやめよう」と思っていたのだが、とりあえずワリモ北分岐に行ってみると、大きなザックが3つほどデポしてある。
ここでようやくレインウェアを着る。思ったより寒くない。元気が出てきたのでピークハントすることにした。
本当に晴れていたら素晴らしい景色が望めただろうに…。でもゴツゴツしたイメージだった水晶岳は意外にも花の宝庫。
遠景は望めないまでも、足元に広がるお花畑が素晴らしかった。また晴れた日に登ってみたいものだ。
戻って少し悩んだが、鷲羽岳へ向かうことにする。
雨の中の岩場歩きは疲れた。
頂上は霧の中。鷲羽池もどこにあるのやら。こちらも次回に持ち越しの山となった。
見えてからなかなか着かない三俣山荘へ到着したのは13時15分。ここで遅い昼食。
展望喫茶でビーフカレーとコーヒーを頂く。レトルトながらビーフがごろごろ入っていておいしかった。
食べているうちに雨がますます強くなってきた。
展望喫茶を出ると山荘前で手を振る人が。高天原山荘で一緒だった女性だ。
双六まで行く予定を変更して三俣へ泊まるという。
こちらはといえば明日の下山へ向けて、何が何でも黒部五郎小舎まで行かねばならない。
強行スケジュールを組んだ自分が悪い。諦めて腹をくくる。
歩き出してしばらくすると雷だ! もう、なんて一日だ。
あまりにひどく鳴っているときは止まってやり過ごし、ゆっくり歩くことにした。
何人か、傘をさして歩いている人に出くわしたが、トンでもないと思った。
16時、黒部五郎キャンプ場着。気疲れした。
一度やんだ雨が、テント設営中にまた降り出した。大急ぎでたててテント内へ潜り込む。ハァ、、参った参った。
夕食時には止んでくれたので助かった。夜中にも少し降ったようだが、あまり気にならなかった。
【4日目】
朝5時出発…の予定がぐっすり寝てしまい寝坊。隣のテントの騒がしさで目が覚める。 「隣のテント、ありがとう」
慌てて準備して5時45分スタート。
今日はいい天気。昨日雨の中だった水晶岳や鷲羽岳がハッキリ見える。う〜ん、悔しい。
黒部五郎の美しいカールを清々しい気分で歩いた。
山頂へ到着したときには少しガスも出ていたがまずまずの天気。最終日のご褒美かな?
今日は寝坊したので、あとはガツガツ闇雲に歩く。
赤木岳あたりまで来るとガスは一段と上がってきて、振り返ると黒部五郎岳も隠れていた。
さらに北ノ俣岳までくると、もう一面のガス世界。朝の晴天もどこへやら。池塘では小雨になり、今日もまた雷が。
急いで太郎平小屋へ。お昼はここで特盛ラーメン。チャーシューぶ厚めがGoodでした。
あとは下るのみ。途中ご一緒した薬師岳日帰りの方と終始お話しながら下山。
いろいろ話が聞けた上、ペースを引っ張ってもらって、いつもよりいい調子で下山できました。
欲張って計画を立て、ほぼ目的を達成したものの
雨や雷に遭遇したことも考えると、予定は余裕を持って立てるべきだとつくづく思いました。
一方で、単独行テント泊の装備でも登山マップ通りの時間で歩けることが判り、
今回の山行は、今後の登山計画の目安になる意義のあるものになったと思いました。
kiyokiyoさん こんばんは
雲の平、お疲れ様でした
>雨もあがって槍と双六
>ひゃっほー! 槍だよ
→は、笠ヶ岳と思われます。
三俣蓮華岳方面から槍ヶ岳と穂高岳は、こんな感じでした
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/photodetail.php?did=104803&pid=f9161a911ac112675f9db0c81dff18ab
↓ 雲が無い時の、水晶岳からの南の展望
alpsdakeさん こんにちは。
槍→笠、ご指摘ありがとうございます。
いやぁ恥ずかしいですねぇ
黒五のテン場で伝え聞きしたのを地図も見ずに鵜呑みにしていました。
ただいま続きの山行記録を鋭意作成中ですが
また何か間違いがあったら教えてくださいね。
kiyokiyoさん、こんばんは。
4日間の山行、すごいですね。
2日間連続もできないでいるので、
60キロも連続で歩かれているので
うらやましい限りです。
10時にビールを飲んでいるので、
この日は終わりかと思っていたら
そのまま薬師岳ですか?
ビールなんて水代わり?
つわものですね。
toratora48さん、こんにちは。
ビール飲んで移動して、テントたてて、ラーメン食べたら
行けそうな気になっちゃって、、、結局薬師岳ピストンしちゃいました。
帰ってから記録をまとめてみたら60キロ超だったので自分でもびっくりです。
旦那さんにも「ホントによく歩いたよねぇ〜」と言われるほど
過去サイコーの山行となりました。
toratora48さんの記録を読んで、今度は黒戸尾根も攻めてみたくなりました
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