百名山を詠み込んだ短歌を探すのも、面白いが、見つけるのが苦労する。この巻機山もネットで見つけた一首です。いまのところこの歌だけです。越後の名の知れた山なのに悲しい思いがする。
頂きに白雪残しそびえ立つ巻機山に春の訪れ
写真:巻機山 撮影場所:新潟県南魚沼市 撮影日:2014.05.10
いしひさのブログ 巡って感じたじいさん日記
http://ishihisa.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-a234.html
眼前にそびえ立つのは越後の名峰巻機山である。室町時代の関東管領として活躍した上杉氏は相模・武蔵・上野の他に越後の守護となり、上野と越後との間に立ちふさがる谷川岳を越えなければならなかった。戦国時代には上杉謙信も関東管領となり、関東への進出を果たしたのだが、険しい山越えをしなければならなかった。巻機山の麓の清水部落を通って谷川越えを果たしたのである。甲斐の武田の妨害を避けての関東進出は、雪国のことゆえ大変であったろうと思うのである。話変って、若かりし頃に巻機山に登ったことを思い出した。山頂はワタスゲに囲まれ白一色だったことを覚えている。ワタスゲが咲く頃だから7月ぐらいだった思う。地下足袋をはいて単純に沢登りを楽しんだのだが、今は堰堤があり堰堤を迂回しながらの沢登りだろうか。滝などを滝壷からよじ上るとき、冷たい水を頭から冠り登る気持が揺らいだこともあったと懐かしく思うのであった。麓に広がる田んぼはひかり、雪解けの水を貯える様子がうかがえる。ボチボチと田植えが始まるようだ。
いしひささんのブログも2018年で更新が無い様に見える。写真一枚に文章を添えてブログを作られていて、短歌幾枚かの写真にそえられているものがあった。山の写真は立山があって、歌が添えられてあった。しかしこれは偶然でしかない。
南魚沼市、越後湯沢や塩沢などの町が合併して「南魚沼」になった
巻機を覆いし雪のまだらにて越後に春をむかいけり
巻機山のいわれとも言える伝説について、とよた時著『山の神々いらすと紀行』(東京新聞出版社)の「巻機山の織姫」を以下紹介します。
「山中で日が暮れてしまった村人が、やっと見つけた人家の明かり。あばら屋の中で美しい姫が機を織っていた。」
「巻機山は、魚沼連山の主峰で割引岳、本巻機、牛ヶ岳、前巻機の山々をいい その名が示すように機織りの守護神を祭っている。
『巻機山由来記』に かつてこの山に天の織女星を祭ったとある。そして「又ウシロノ山一(牽牛星ヲ拝スルトテ是ヲ牛が岳卜申也。天ノ織女(女星ニテ機ヲ織タマフ。牽牛(男星一テキヲヒキ玉フトナリ。本御夫婦ニテ天ノ河ノ両辺在セ玉フ。七月七日夜、鳥鵠河ヲ瑕テ橋トナリ逢タマフト云。一説ニ曰、牛ガ岳大山住ノ命ナリ。巻機山は木ノ花開爺媛トモ云」とあり、五穀豊穣、紡績織縫に利益ありとも説いている。
そんなことからか、巻機山にはこんな伝説が残っている。
その昔、大木六村(今の塩沢町)の弥治右衛門が山仕事をしているうちに 日が暮れてしまった。仕方なく暗闇の中をさまよっているうちに、かなたに明かりが見えた。
「やれやれ地獄に仏」と近づいてみると荒れすさんだ家の中で美しい姫が機を織っている。
不思議なことがあるものだと思いながらも、訳を話すと姫は「私もちょうど里へ下りるところでした。ご案内しますので、申し訳ありませんが私を背中に負っていただけないでしょうか。そのかわり決して私を見てはいけません」。
村人は気味が悪かったが姫を背に、山道をどんどん下りて行った。しばらくして村の明かりが見え始め、見覚えのある所にくると、つい安心したのか、横目で背中を見てしまった。その途端、美しい姫の姿はどこにもいなくなり、自分の片方の目は横にらみのままになってしまったという。
清水地区から前巻機を通り 山頂途中の小鞍部に「御機屋」と呼ばれる所がある。そこが姫が機を織っていた所だと伝えられている。」
宮柊二記念館と言うのが魚沼市にあって、宮が巻機山の歌を歌っていないか問い合わせた。上村さんと言う方としばらくお話をして、記念館主催の地元の会もあるようなので、聞いていただくことにして、メールを送った。どのようなことになるか楽しみです。
(以下追記、2022.8.5)
結局、返事はありませんでした。
つい昨日、偶然にも、植松壽樹全歌集を改めて見直したところ、なんと歌集う「白玉の木」の最後の昭和38年の「会津」の章に見つけました。
めざし行く巻機山はまだ見えずその前山の紅葉と霧氷
という一首です。トラックの荷台にでも乗っていたのでしょうか。清水部落へと行く途中で詠んだ歌です。
清水部落から巻機山に登るのは、今の主流の道になっていて、桜坂に駐車場がある。残念ながら植松の歌には、巻機山を眺めて詠んだものが無い。
コメント頂いたのは、何かの偶然?
映像拝見しました。自分流に楽しんだ映像ですね。カメラを動かし過ぎているのが難点かな。人間の目の動きとカメラの動きは違いますので、人間の目の動きのように振ると、見ている人はその速さに付いていけないで目が回るのです。
私も注意しているけど、動きながらなので厳しいですが、なるべくゆっくりと動かすのが良いですよ。編集は若い人の方が上手ですよね。
頑張って山に馴染んでください。山の好きな彼女ができるといいですね。これからの活躍期待しています。どんどん山に行ってくださいね。
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