一つ前の日記で取り上げた「源流は呼んでいる」の出版社が「岳」と書いて「ヌプリ」と読ませるところだったので、同じ出版社の図書を探して読んでみたというわけです。本書は、大町山岳博物館の刊行物「山と博物館」と山岳文芸誌「アルプ」に掲載された小文を、それぞれから7編づつ、計14編をまとめ、単行本として出版したものとなっています。さまざまな文献を調査した研究論文的な性格をもった作品が多くなっています。興味深かったものとしては、「白馬岳という山名」でして、雪形の代かき馬をベースとした「代馬」が語源という通説はどうやら間違っているらしく、山並み全体を「白馬」に見立てたもので、明治時代から現地では「ハクバ」と発音する人もいたという事実が綴られていました。また、ウェストンについても2編で詳しい歴史考証をしています。さらには、陸軍参謀本部陸地測量部(後に国土地理院)の三角点とは別に、それよりも古い時期に農商務省が三角点測量を行っていたそうで、上部の角が丸くなっている標石(自分も見た記憶がありますね)の写真(八方尾根のもの)も掲載されていました。 【読了日:2015年9月13日】
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日記
★「黎明の北アルプス」三井嘉雄著(岳(ヌプリ)書房、1983年7月)
一つ前の日記で取り上げた「源流は呼んでいる」の出版社が「岳」と書いて「ヌプリ」と読ませるところだったので、同じ出版社の図書を探して読んでみたというわけです。本書は、大町山岳博物館の刊行物「山と博物館」と山岳文芸誌「アルプ」に掲載された小文を、それぞれから7編づつ、計14編をまとめ、単行本として出版したものとなっています。さまざまな文献を調査した研究論文的な性格をもった作品が多くなっています。興味深かったものとしては、「白馬岳という山名」でして、雪形の代かき馬をベースとした「代馬」が語源という通説はどうやら間違っているらしく、山並み全体を「白馬」に見立てたもので、明治時代から現地では「ハクバ」と発音する人もいたという事実が綴られていました。また、ウェストンについても2編で詳しい歴史考証をしています。さらには、陸軍参謀本部陸地測量部(後に国土地理院)の三角点とは別に、それよりも古い時期に農商務省が三角点測量を行っていたそうで、上部の角が丸くなっている標石(自分も見た記憶がありますね)の写真(八方尾根のもの)も掲載されていました。 【読了日:2015年9月13日】
「黎明の北アルプス」 しばらく前に読んだ山の本
一つ前の日記で取り上げた「源流は呼んでいる」の出版社が「岳」と書いて「ヌプリ」と読ませるところだったので、同じ出版社の図書を探して読んでみたというわけです。本書は、大町山岳博物館の刊行物「山と博物館」と山岳文芸誌「アルプ」に掲載された小文を、それぞれから7編づつ、計14編をまとめ、単行本として出版したものとなっています。さまざまな文献を調査した研究論文的な性格をもった作品が多くなっています。興味深かったものとしては、「白馬岳という山名」でして、雪形の代かき馬をベースとした「代馬」が語源という通説はどうやら間違っているらしく、山並み全体を「白馬」に見立てたもので、明治時代から現地では「ハクバ」と発音する人もいたという事実が綴られていました。また、ウェストンについても2編で詳しい歴史考証をしています。さらには、陸軍参謀本部陸地測量部(後に国土地理院)の三角点とは別に、それよりも古い時期に農商務省が三角点測量を行っていたそうで、上部の角が丸くなっている標石(自分も見た記憶がありますね)の写真(八方尾根のもの)も掲載されていました。 【読了日:2015年9月13日】
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へええ!「ハクバ村」というとき本当はシロウマなのにな、という罪悪感を毎度感じていましたが、そんな説もあるんですね。
ヌプリの本、うちにも何冊かあります。北海道の本屋かと思えばそうでもなく・・・。
yoneyamaさん、コメントありがとうございます。
「シロウマ」vs.「ハクバ」については、まったく同感です。都市伝説ならぬ「四ツ谷伝説」(信濃四ツ谷駅→白馬駅)とでも呼びたくなりました。
なお、ヌプリ書房の本は、他には「山旅残歌」しか読んでいません…
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