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まえがきは、三宅修氏が担当していて、その後に29人の方のそれぞれの「とっておきの山」に関する小話が続くものです。構成としては、愛読の「忘れえぬ山」(串田孫一編)に似ているところがあります。
最初の「ゴンベーと雪崩」(芳野満彦氏)の一編がとにかく最高に楽しかったです。絶対ありえないようなノンフィクション、というところで、とにかく痛快の一言!
ちょっとばかり期待外れだったのは、西丸震哉氏の「桑ノ木山」。ちょっと著者らしくない書きっぷりだったところを見ると、本当の「とっておきの山」については口外していなくって、その後ろめたさ(?)でもあるのかも知れません。
最後の「新雪の八海山」(石田亘氏)も楽しく読める一遍でした。このような話がほほえましく感じられる、っていうところが、私もある程度、歳を重ねてきた証拠かもしれません。
この手の本を読みますと、自分のこれまでの山の登り方はどうだったか、ということを振り返ることになり、とても良い機会になります。(黙々と歩き続けるのではなく、ちょっと立ち止まって周囲の風景とかお花とかを観察してみる、気分)
でもって、自分の「とっておきの山」は何か? という問いかけについても、いろいろと考えを楽しくめぐらせるわけです。
さまざまな視点があるので、もちろん一つには決められません。
「毛勝山」「丸山岳」「カムエク」「笈岳」「蝙蝠岳」「笹山」「平ヶ岳」「栗駒山」などなど・・・
でも、本当の「とっておきの山」は、別にあります。口に出すと価値が下がってしまいそうなので、内緒です。
自分のとっておきの山、大テーマですね。
ぼくはこの本の中では三浦敬三さんの「八甲田サマースキー」を読んで良い家族だなあと思いました。
夏休み帰省中の息子雄一郎と二人、朝から八甲田大岳東面の硬い雪渓を鍬で耕し、まいにちスキー稽古&研究錬磨に打込む親子。一週間も雪渓の脇にテントを張って焚き火で炊事する妻、ハイマツの薮で終日遊ぶ弟、妹。あきれる程のスキー莫迦ぶりに感動しました。
> yoneyamaさん
そうでしたそうでした、三浦敬三さんの一編についても紹介すべきところでした。ありがとうございます。
三浦雄一郎さん、お父さんあっての、って感じですよね。
そういう意味では、日本初の冬季オリンピックメダリストの父である猪谷六合雄氏が書かれた「摩周湖」(串田孫一著「忘れえぬ山」に収録)も強烈な印象が残っています。こちらはご夫婦だけでの探検隊のストーリィではらはらどきどきでした。
私自身、志賀高原にあった猪谷氏の記念館の近くの宿に泊りこんででスキーに明け暮れた時期もありました。
猪谷六合雄氏の著書「雪に生きる」がうちの書棚に何故かかあり、まもなく読まんとしているところです。
「忘れえぬ山」も確かありました。読んでみます。古本屋みたいな書棚で把握していない本がたくさん・・・。
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