第3回の富山マラソン、新たな思い出を作ろうと今年も参戦する。が、今僕は必ずしも生真面目なマラソンランナーではない。
50代終盤にして富山マラソンの開催を知って目指したフルマラソン、第1回の開催まではかなり入れ込んでいた。直前の9月に200km、10月に150kmを走って、満を持して臨んだ第1回だった。
第2回の昨年、夏前まで張り切っていたが、膝の故障となり夏から秋に十分走れず、完走はしたが大きくタイムを落として悔いを残した。
さて今回は、リベンジ意識はあって再びサブ4との目標は一応あるが、第1回ほどの意気込みはあるとは言えず、よく言えば自然体で臨もうとしていた。
6月に黒部名水マラソンを走ってからは、暑いときに低地で走るのは嫌だと、山登り中心であまり走らず、特に8月は走行距離0kmになってしまった。
はたと気が付けばもう9月、気を入れなおして走らねばと思うが、雨降れば走らない、寝坊して走らない、日が暮れて帰るともう走らないという体たらくでようやく79kmを走って9月が終わった。
10月になんとか帳尻を合わせようと、富山市から氷見までの40kmランニングツアーも含めて105km走った。その他に、1日に称名-大日岳-奥大日岳-室堂-弥陀ヶ原-八郎坂のワンデイロングハイク、8-9日に室堂-浄土山(泊)-五色ヶ原-薬師岳-折立のロングハイクをしたので、実質10月だけは第1回と同じ程度以上のトレーニングはしたと決めつけている。
去年からは富山マラソンを目指して走る仲間が増えた。石川ミリオンピークス(IMP)の富山メンバー、Chikau、Redsron、kazumi諸氏が共に完走し、打ち上げで祝い合った。この楽しみもあって益々辞められなくなった。今年もIMPからはChikau、kazumi、Mierinが走る。特に今年のChikauさんはサブ4入りを目指して僕より気合が入っているので最大のライバルだろう。白鳥山のスキーなどで同行した滑川のikazayさんは僕より年上で、6月の黒部では僕より30秒ほど先行してゴールしている。この人たちに絶対負けたくないとまで思ってないが、堂々と競り合いたいとは思っている。そして今年は東京に居る中学時代の同級生iiri君が走りにやってくる。
そんなこんなで直前の一週間、土曜日に10km、雨の日曜は休み、月曜から軽め・短めにしつつ毎日走り、金曜に5kmジョギングして締めとして本番に臨むことにした。天気予報が、10日間予報に10月29日が入ったときは曇り時々晴れでまずまずと思ったのに、曇りに変わり、金曜日になって雨予報になってしまった。台風22号が発生していてへたすると来てしまう可能性もあったが、太平洋側に逸れることにはなった。しかし中国大陸の低気圧との間に気圧の谷、前線を形成し、北陸もその影響を受けた。強風域になると予想された同日の横浜マラソンは中止を決定していた。
受付のあるレース前日、10時には東京から新幹線でiiri君が富山に着いていると言うので、受け付け会場の富山市総合体育館のエントランスで待ち合わせ、一緒に受付してから還水公園を散歩、今年の夏に新設オープンした富山県美術館に入館した。開館記念展で全国から集めた世界的な名画が豊富に見られた。昼食までiiri君と一緒に居てビールで検討を誓い合った。
これで昼もビール、夕食は一人でやはり飲むのだが、レース前日の飲酒についても僕は年々いいかげんになって来た。かなり前は前日一切飲まない、だったが、50代はずっと缶ビール1本に限る、でやって来た。今は、夕食済んだらもう飲まない、になった。
さて10月29日のマラソン当日、朝7:16富山発のあいの風とやま鉄道の列車で高岡に向かう。高岡まで約20分、駅から会場まで徒歩15分であるが、会場が近づくと人が多くて速くは歩けず、着いたら急いで支度、荷物預けてIMPメンバー待ち合わせの文化センターに向かうが、人の流れに逆行でこれも急げない。8時の約束に5分以上遅刻して合流、皆と気合を入れ合った。
致命的ではなくとも走りに影響した失敗を2つした。1つはGPSランニングウォッチを、充電にかけたまま忘れて来た。これで1kmのラップが自動的には分からず、普通の時計で標識到達時刻を覚えて自分で計算しないといけない。もう1つは前記待ち合わせ遅刻に関係し、その後トイレに並んだことからスタートブロック集合制限時間のぎりぎりになり、ブロック最後尾からのスタートになったことだ。それらがどう影響したかは後に記す。
スタート前、セレモニーが始まっている中にCブロックに並ぶ。同じブロックのChikauさんは遥か前にいるはず。雨は降っているが気にならないほどの弱さ、気温は15℃位はあるだろう、割と暖かく、スタート時防寒のためポリ袋と、捨てていくタオルを羽織っているが、既にタオルが邪魔と感じる。セレモニーが終わり、10分前と5分前に車椅子の部のスタート、そして9:00丁度に、フルマラソンがスタートした。
スタート直後から、ブロック最後尾のハンディを感じることとなった。これ以降リザルトのラップタイムを入れた分析を交えていく。直前トイレに行かずにChikauさんと同じ位置にいたら、序盤しばらく並んで走ったと思われるので、Chiakuさんのラップとも比較していく。スタート号砲の後、Chiakuさんは1'59"でスタートゲートを抜けているが、僕は3'17"かかり、その1'18"の差では済まなかった。その後も周りのペースが遅く、混んでいるので抜いていけない。高岡の町中を抜け、一度線路を越えて5kmの折り返しまでに先行ランナーとすれ違う区間がある。ここで風船をつけた、4時間のペースランナーを確認するが、随分と前にいるではないか。5kmの僕のラップが29'09"、ペースランナーの近くに居たというChikauさんと5km通過時刻を比べると、僕が1'31"後の通過、スタートゲートよりも差が広がった。ペースランナーに先ずは追いつかねばと思ってこの時結構焦っていた。
5km辺りからようやく自由に走れるようになり、ぺースアップした。10kmになる手前辺りで4時間ペースランナーに追いつき、追い越した。その結果5-10kmのラップが24'36"、1kmが4'55"のペースだ。自分でペースを計算するのも面倒くさくなって止めてしまい、思うに任せて走った結果だ。5'30"/kmのイーブンペースで4時間切りを目標としていたので、これはオーバーペースだ。走っていた時もそれは感じ始め、ペースランナーも追い越せたことから、この後徐々にペースを緩めていく。10-15kmでのペースは5'05"/km、20-30kmまで5'10-5'20/kmの範囲で推移していく。
晴れていれば庄川を北上する間に見え始め、一番の楽しみとなる新湊大橋だが、今日は庄川を渡って港に近づいてから、霧の中から現れた。大橋のループの下で有森裕子さんとハイタッチ、これは元気がでる、さぁ橋登るぞと。ぼやっとした海王丸を見ながら坂を登っていくが、それまでほぼ一緒だった周りのランナーのペースがばらける。僕はどちらかというと坂では速い方か、ここでまたオーバーペースにならないようにと意識はする。大橋の途中で20km地点、下りに入って中間点がある。中間点で1°54'24"、これで後半大崩れしなければサブ4濃厚か。去年は橋の下りから足攣りの兆候があったが、今回は大丈夫、雨が強くなったりしたが、このままで行くぞ。
25km過ぎから30km前までに、今年のコース変更で出来た折り返し往復区間。すれ違うランナーの様子、コスプレランナーを眺めたりして気を紛らわせる。それでも折り返し地点はまだかまだかと長く感じるようになった。折り返してから4時間ペースランナーの位置を確かめる。うん、大分後ろにいる。東に向きを変えて30km、35kmまでが田園地帯で気を引くものに乏しい。足もある程度だるくなって来ている。ものすごくではないが、なんとなく苦しい、できればちょっと休んで目を瞑っていたい、そんな時が訪れた。ここで取った手段が、本当に目を瞑って走ること。道は真っすぐ、そのど真ん中を走っている、すぐ近くに他のランナーはいない、これらを確かめたら8-10歩ほど目を瞑り、そしてぱっと目を開けて数歩、また目を瞑る。こんなことを続けるのが精神的にはゲームの様で気晴らしになり、転ばないように等それなりに気を遣うのだが、目を見開いて走っている時と使う脳細胞が違うのだろう、しばらくして割とすっきりして、また普通に走れるようになった。
35km過ぎて8号線を潜ると、住宅が増えて何度かコーナーを曲がる。神通川に並行して南下するようになると、富山の街中のビルが見えてくる。しかし遂に、僕には足攣りが始まった。少しペースを緩めて、給水所では立ち止まってドリンクを飲む。その程度で、ストレッチまでしなくてもまた走り出せた。そうして35-40kmでのペースは6'01"、唯一6分を越えた。石坂、よく行くスーパーがある、僕にはゴールまでの距離感がある所まで来たんだ。富山北大橋の手前で40km、もう雨も気にならない、橋を渡ると日赤病院、そして富山市総合体育館が目の前に。しかし左に折れて運河を回り込んで行くのであと1km、この辺でスパートしていく選手もいるが、僕にはまだ早いぞ。運河の橋を渡って後は一本道。ゴールゲートは見えてこないが残り400-500mの筈と次第にベースアップ、ゲートが見えたら精一杯のペースアップで、ゴール。
ゴール直前、遂にゴールできるとの感激で目が潤んでいた。去年、一昨年は違っていた。ひたすら足攣りと戦っていた去年はともかくゴールしたい、早くこの苦しみが終わって欲しいと必死で、喜んではいられなかった。少なくともゴール前は。一昨年第1回はタイムこそ今回より良かったが、終盤やはり足が攣ってゴール時苦しんでいたのは去年と似たようなものだった。今回序盤のスローペースとその後のオーバーペース、でも終盤の大きな失速がなく、結果として作戦通り走れたことになり、その点では一番うれしい。フィニッシュタイムの3時間52分2秒は、42.195で割ると5分29.94秒、何と目標値の平均5'30"/kmに限りなく近いペースで走れたことになる。あくまで平均だが。
お疲れ様でした。
臨場感ある投稿、楽しく、失礼、感心しながら拝読しました。
BCだけでなく、普段からのたゆまぬ努力がBCでもマラソンでも実を結ぶのですね。
これからBCのシーズン、チャレンジを拝読するのを楽しみにしております
大先輩のbumpkinさん、
いやいや、たゆまぬではなく、適当な努力なのですよ。
歳とるほど日常なにかやってることが重要とは感じてますが。
いよいよBCの季節、お互い楽しみましょう。
サブ4おめでとうございます。計画通り走れたということで達成感がありそうですね。
今年の春に初フルマラソンに出ていろいろ反省点が見つかったのでまた来年出てみたいと思っています。仲間と走ってその後の打ち上げが羨ましいですね。鉄人レースは今年で3年目ですが今年はチカさんと参加して終わった後の温泉がとても有意義な時間を過ごせました。これでお酒が入ればもっと最高でしょうね!
これからはBCシーズンなので僕も参加できる山行があればご一緒願います。温泉が楽しみです。
koueiさん、
春の加賀温泉郷マラソン走ったんですね。
IMP石川組でもっと金沢マラソンなんかに出たらいいと思うんですがね。
若いkoueiさんならサブ4まで行ってほしいし、行けると思いますよ。
でもとりあえず次はBCで。
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