日曜の早朝。
山支度をして、まだ布団の中にいる家族に「行ってきます」を告げて、玄関ドアを開けたら、さらさらと雨が降っていました。
玄関開けた時から降ってるのは、さすがに気持ちをくじかれます。
登山口に着いたら降ったり止んだりだった、くらいなら、まあ登ってもいいかなと思っていたんですけど。
暗いうちから支度していて、そんなに降ってると気づかなかったんですよね。
結局回れ右して、その日は家でゴロゴロすることになりました。
時間があいたので、山野井泰史さんのドキュメンタリー映画「人生クライマー」を見ました。
先日「垂直の記憶―岩と雪の7章」と「凍」を続けて読んだあと、映画もぜひ見たいと思っていたので、Amazonプライムに降りてきてラッキー。
山野井泰史さんは、著書やインタビュー記事の印象通りの方でした。
もしかしたら、テレビかなにかのインタビューで見たことがあったのかもしれません。
クライミングが好きで好きで、365日24時間クライミングのことを考えていそうな人。
かたや奥さんの妙子さんは、思っていたよりずっと、何倍も素敵な人でした。
穏やかな物腰、優しい話し方、それでいて芯が強くて安定している。こんな人が身近にいたら心酔しちゃうかも。
ヒマラヤのギャチュン・カンから壮絶な生還を果たした後、凍傷で計10本の指を失って入院している時に、泰史さんのお母さんが妙子さんに「大丈夫よね? 泰史は、また登るわよね?」ときいたというエピソードが印象的でした。
私の両親は、こんなふうに私を心配してくれただろうか。私は子どもに、こんなふうに心配してやることができるだろうか。生き方や幸不幸を、本人ではなく周りの勝手な物差しで計って「もう、やめるよね?」と言ってしまわないだろうか。いろいろ考え込んでしまいました。
映像に出てきた山仲間の何人かが、すでに故人であるのもずしんと重たい。
それでも、クライミングをしている泰史さんは本当にいきいきとしています。
二人で畑仕事をしたり、カメに餌をあげたり。クワガタを捕まえて「すごい」と喜んだり。豊かで幸せな時間がゆっくりと流れている様子が映されています。
最後のほうで遠藤由加さん(山野井夫婦と共にチョ・オユーを登頂した人)が「あの二人は、スゲーいい」と言うを見て、わかる、スゲーいいですよねと勝手にうなずいてました。
映画を見終わる頃には雨は止んでいて、結局昨夜の天気予報どおり昼頃まではもったようです。
山に行っていれば、もしかしたら登れたかも。
まあ、しょうがないです。こんな日もある。梅雨だもの。
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