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https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/sounan.html
ここでは、発生件数・遭難者数が、以下のように増加傾向であることが指摘されていた。
【平成30年の山岳遭難は、● 発生件数 2,661件(前年対比+78件)● 遭難者 3,129人(前年対比+18人)うち死者・行方不明者:342人 (前年対比−12人)・負傷者 1,201人 (前年対比−7人)・無事救助 1,586人(前年対比+37人)であり、発生件数、遭難者数は、統計の残る昭和36年以降最も高い数値を示した昨年より更に増加した。年齢層別の特徴としては、遭難者のうち40歳以上が2,457人と全体の78.5%を占め、また、60歳以上が1,581人と全体の50.5%を占めている。死者・行方不明者では、40歳以上が325人と全体の95.0%を占め、また、60歳以上が246人と全体の71.9%を占めている】
資料には、昭和36年から平成30年までの発生件数の推移・遭難者数の推移がグラフで記され両者ともに一貫して増加、特に平成10年頃よりの増加が顕著であるように感じられた。わかりやすいように【発生件数の推移のグラフ】をコピー利用させていただいた。
また年齢層別山岳遭難者(10歳毎に区分)は、60歳以上特に今後は70歳以上の高齢者の登山事故が増える兆しが確認できた。すなわち平成26年から平成30年・それぞれの年で遭難者人数が最大の年齢層を確認すると、平成26年:60-69歳/744人・平成27年:60-69歳/791人・平成28年:60-69歳/746人・平成29年:60-69歳/741人・平成30年:70-79歳/698人となり、年齢層別山岳遭難者(死者・行方不明者)のテーブルも数こそ違え最大年齢層は同じであった。また年は変わっても最大年齢層から下がるにつれて、すなわち若い年齢層ほど遭難者数は減少していた。
単独登山者の遭難状況については、人数と全遭難者に占める単独登山中の遭難者の割合を確認すると、平成26年:941人/33.7%・平成27年:1068人/35.1%・平成28年:988人/33.7%・平成29年:1069人/34.4%・平成30年:1170人/37.4%と割合が増加傾向あるいはほぼ変わっていないと考えられる。
具体的な事例を東京近郊のしばしば訪れる山域で確認すると、埼玉県警では埼玉県内における山岳遭難の発生状況等を定期的に知らせている。
https://www.police.pref.saitama.lg.jp/d0010/kurashi/sangakujyoho.html
また青梅警察署山岳救助隊は、定期的に山岳救助活動報告などを公表しているようで、最近は更新日:2018年12月14日で以下を確認した。
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/shokai/ichiran/kankatsu/ome/about_ps/sangaku.html
さらに、奥多摩消防署管内山岳事故発生状況については、東京消防庁>奥多摩消防署>山岳救助として以下で確認できる。
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-okutama/sangaku/sangaku.html
自身が高齢者として、また単独行動も多い中、事故予防には留意しなければと感じている。
参考までに最近の日本の人口の年齢別頻度を確認してみると、以下のグラフがわかりやすく感じたのでコピー利用させていただいた。グラフは総務省統計局ホームページ/人口推計(平成30年(2018年)8月確定値,平成31年(2019年)1月概算値)(2019年1月21日公表)を基に作成した、【人口ピラミッド~年齢別(5歳階級)・男女別人口】を示したそうである。
http://demography.blog.fc2.com/blog-entry-1163.html
男女ともに65-69歳の人口が多く、ある意味遭難事故が多いことに繋がるのかもしれない。
最近しばしば報道されている80歳以上の高齢者の自動車事故も、80歳以上の運転者が増えてきたことも要因の一つとされている。グラフからは現在の65-69歳の人口がさらに高齢化し、自動車運転や登山に参画する人も今まで以上に増えることが予測できる。
一方自動車運転や登山については、利用者の選択できる安全対策に従来以上に進展があり高齢者こそ積極的に活用すべきであろう。
今の80歳以上は1940年以前に生まれた方である。1945年に戦争が終結した結果、日本では1947/48/49年にベビーブームを迎えた。出生数の推移を以下から借用して図示した。出生数及び合計特殊出生率の年次推移の図からは、1947/48/49年の出生数が多く、この世代は2018年(平成30年)では72/71/70歳を迎えていることになる。また1971/72/73/74年の出生数が多いその子供世代は2018年(平成30年)では48/47/46/45歳を迎える。
http://www.garbagenews.net/archives/2013423.html
【人口ピラミッド~年齢別(5歳階級)・男女別人口】を再確認すると、現在48/47/46/45歳に対応する45-49歳の人口が多いことがわかる。既にヤマレコ日記に記載した今年最初のヤマレコ利用者の年齢分布によれば48/47/46/45歳に対応する45-49歳の世代が多いことは人口分布と一致していることになる。
https://www.yamareco.com/modules/diary/238211-detail-178024
一方年齢層区分が異なるものの遭難者数の年齢層には45-49歳の世代の多さは反映されていないように感じる。単純に考えると45-49歳の世代は登山行動で最も安全という意味では安定した時期である、または仕事なども影響して登山から一時的に離れた環境であるなどが想定されるが、45-49歳より上の世代ではヤマレコユーザーはそれ以下の世代ユーザーに比べて少ないのかもしれない。僕に場合には同時期には登山活動からは離れていたが、いずれにしろ興味深い。
自動車事故などでも高齢者の事故が取り上げられることが増えているが、高齢者自動車事故を引き起こした80歳以上の世代も今後10年後を目途に1947/48/49年生まれの多くの人数を迎え入れようとしている。
警察庁でも以下のように注意を促しているようだ。
75歳以上の運転者の死亡事故件数は,75歳未満の運転者と比較して,免許人口10万人当たりの件数が2倍以上多く発生している。また,75歳以上の運転者による死亡事故について,件数自体は10年間ほぼ横ばいで推移しているものの,死亡事故件数全体が減少する中,全体に対する構成比は上昇傾向にあり,平成28年は全体の13.5%を占めている。
内閣府ホーム > 内閣府の政策 > 共生社会政策トップ > 交通安全対策 > 交通安全白書 > 平成29年交通安全白書(概要) > 特集「高齢者に係る交通事故防止」
https://www8.cao.go.jp/koutu/taisaku/h29kou_haku/gaiyo/features/feature01.html
ついつい遭難事故の統計資料に関連し、現在の人口構成を確認してしたのでメモとして残しておく。
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