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山岳事故を戒めるように先人の言葉はたくさんあります。山の日ということもあり、全国の登山口やインフォメーションセンターでの登山者への注意喚起と呼びかけが行われました。
暑い中、お疲れ様です、ご苦労様ですということでけっして無駄でもなくいいことだと思います。「いつもの救助訓練のロープワーク」「遭難者の引き上げ訓練」同様、「やっています感」は満載でアピール感は十分です。
でも本当は声掛けしたり、その様子を流し目に入山した登山者が毎年たくさん遭難されていることを考えると「自宅を出た時、要するに身の丈に合った山域の選定、コースの選定、体調管理・健康管理、メンバー構成、装備準備、気象チェック、食料準備、熱中症対策、セルフレスキューなどを含めて不足の点は「声掛けでは間に合いません」
せっかくなら昨年ある県で実施されていましたが登山用品店などたくさんの初心者登山者も訪問する商業施設での「山岳遭難防止活動」をされたほうが有効だと思っています。そこなら装備を買い足したり地図を買ったり、ヘルメットを買ったりと色々と対策ができるからです。「なかなか売る側は防止活動には協力的ではないので、もっと連携すべきだと思っています」
レベルの高い登山口に来る登山者とレベルの低い登山口に来る登山者とでは高い方が「それなりに習熟した登山者の比率は高いと思います」なぜか、それはツアーでもレベルの高いツアーを引率するときはメンバーは習熟しており流れるように山行ができて手間暇はかかりませんが、レベルの低いツアーは引退者と初心者が交雑するバラバラの引率で多大な苦労が待ち受けていることがおおいからです。つまり商業施設なら初心者からベテランまで幅広い登山者にアピールが可能でしょう。
一番効果のある声かけで過去に感心したのは、山小屋の相談所の横で煙草を吸っていた時に駐在の山岳隊員が相談された初心者の若者に「そのコースは厳しすぎてあなたの経験値では非常にリスクが高すぎて無理です、やめたほうがいい」「悪いことは云わないからそうしなさい」と説得していたことです。納得されていたような雰囲気でした。
声掛けしたりしてアドバイスするならそのくらいのことを言わなければ「現地で防止するなどは不可能でしょう」
ある温泉小屋の親父は「あんたやったら、いける」とか「あんたはダメ」とか勝手なことを言っている姿も逆に見たことはありますが難しいものですね。要は「遭難するように遭難する、流れを断ち切るヒントや判断を促すということ」でしょう。かたや温泉旅館で若い夫婦に明日から冬の嵐だからやめなさい、行くにしても上の小屋で相談しなさいとアドバイスを受けたのにそのまま吹雪で命を落とした若い夫婦もいました「旅館の親父さんが言ったんだけどねぇ」と遠くを見つめる顔は忘れません。
穂高の小屋で一緒だった2人の高齢者が飲み干したコーヒーカップを2つ残したまま残雪の奥穂の往復で滑落して命を落とし、そのカップが持ち主を待っているようで印象的だったと話をしていた友人、その友人も残雪の北穂で200m滑落して亡くなりました。
「もって生まれたもの」業はかえることは出来ませんが、富山県警のあの日の隊員の嗅覚は素晴らしかったなぁと今でも記憶にあります。これは個別のレアなケースです。
防止活動は自治体の人員と費用の限りもあり範囲も狭い事なのであとは工夫するとしたら現地より、商業施設の買い物の時が1番でしょう。長年登山口のアピールはしていて遭難件数が最高だというのだから「何か考えないといけません」「的はずれはだめです」
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