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遭難の本は、遭難報告書等をもとに、第三者的な立ち位置で事後的に論じているものが多いです。これに
対し、表記の本は、当該捜索の現場に実際に携わている著者の視点、そして今捜索している中での家族が置かれた状態に力点を置いて書かれたもので、私にとって、新鮮かつ学びが多かったです。
また、ケースをピックアップしているとはいえ、ご遺体が沢で発見されることの多さも気になりました。
このあとはネタバレです
私が印象に残ったのは、以下のような点です。
ある程度捜索現場に慣れてきたプロの目から見ると、一般的な登山者だったら迷うかもしれない場所を見ても、「ここは迷わないだろう」とプロならではの判断をしてしまうこと、そして「この山だったら、ここが一番危ない」「そんな場所で迷うわけがない」・・・「山をよく知っているがために「山から考える」ことに慣れてしまっていること。「遭難者の視点から山を見る」ことの大切さ。
「(著者は)地図は読めるし、山に登るための最低限の技術も身につけている。しかし、『目』だけはプロにならないように心掛けている」という言葉です。
裏を返せば、私たち登山者は、プロの「目」からみたら何でもないところで、容易に道迷いとか滑落してしまう、ということでしょう。
追記。
ココヘリを持っていったのにもかかわらず、ココヘリ受信機が電波を拾わなかったケースは本当に残念でした(これは遭難者のザックの中から発見され、かつ、電源を切っていたことに、起因するものでした。ちなみに、今のココヘリ会員証は電源スイッチはない)
装備品には、「青い」ものを身につけることが推奨されてました。「青い」ものは、一般に自然界には存在しないものだからだそうです〜確かに、あっても「実」か「花」など小さなものしかないですね
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