自分の中で確認も兼ねて思いつく限りのマナーを書き出してみる。
内容としてはリードクライミングを中心。
気が向いたらノートにしてみてもいいのかもしれない。
1.岩場のアクセス問題
現状、関東圏にある岩場はどこも微妙な状況だと言え、各岩場でアクセス問題と言われる地元との軋轢があり、常に使用禁止となる恐れがある。
問題が起きる度に、地元クライマーやJFAが無給で対応に当たっているのが現状だ。
そのため、駐車場などのローカルルールについては100岩場の内容が古い場合が多いのでSNSやローカルクライマーのHPを確認が必須と言える。
極端に言い切ってしまえば、商業的に成り立っている岩場が極めて限定されている状況から、岩でのフリークライミングというスポーツは、前提として内輪での遊びという要素が強く、クライマー同士のコミュニティは避けては通れないと知っておいて欲しい。
ローカルクライマーや開拓者、岩場の利用に対して尽力している方々へのリスペクトなくて岩場の利用は成り立たない。
有料の駐車場や、利用料は必ず払うことや、ゴミやトイレについては最大限に配慮して欲しい。
また、地元の住民には会ったら必ず挨拶し、なんかしらかの要請があった場合は速やかに共有し、対応にあたる事。
2.アプローチについて
指定の駐車場から岩場への道のりは基本的に既設の道を用いて、勝手に道の整備などはしていけない。特に登山道から道が外れる場合には、登山者が迷い込まないように、目印やケルンを積む行為は慎重に行うべきだ。瑞牆山などは良く登山者が岩場へのアプローチ路に迷い込んでいる事がある。岩場への道はクライマー基準であるため一般登山者を危険に晒す恐れがある。
3.荷物の置き場所
その昔、某岩場では荷物の置き場所は常連によって厳しく定められ、新参者は隅っこに荷物を置かなければならないというルールがあるという噂を聞いてビビったものだが、現状そのような状況は流石にないと思う。しかしながら、一定の配慮は必要だ。
主な場所としては
①ルート直下
②落石の恐れがある場所
③通路の上
などが挙げられる。
①ルート直下は落石の恐れがあるだけでなく、ルートをトライする際にビレイヤーが立つ位置にもなるので、クライミングを妨害する恐れがある。
②この場合、上からの落石がある場所というより落石を起こす恐れがある場所を指す。高台になっている場所は時々絶好の昼寝場所に見えるが、ガレ場を崩して下にいる人に怪我をさせる恐れがある。また、石だけでもなく荷物を落とした場合も同様であり、下部に人がいる場所へは基本的に立ち行ってはならない。
③通路は基本的に平らなので、絶好の荷物の置き場所に見えるが、通路を塞いではならない。ましてや登山道ともなれば当然だ。
4.ルートについて
実際のクライミングの際のマナーは、
①ヌンチャク掛け、ルートの共有。
②チョークの使用、ブラッシング。
③トライ時間。ハングドッグの是非。
④残置ビナについて
などに注意が必要だ。
①基本的なスポートルートにおけるリードクライミングは、既設のアンカーボルトに自前のヌンチャクを掛けながら登る事になる。
しかし、同日に複数人で同ルートをトライする場合は、ヌンチャクを残置し共有することになる。
マスターなどのスタイルについてはややこしい話なので説明を省くとして、現在のスポートルートはヌンチャクが掛かった状態での完登が中心となっているため、出来ればヌンチャクを掛ける作業は避けたいというのが正直なところだろう。
そのため、ヌンチャクを掛けてくれた人に対しては『ヌンチャクお借りします』の一言掛けてからトライするべきだ。
②クライミングにおいてチョークは無くてはならない存在だが、チョークそのものは滑り止めではない。(ロジンや研磨剤は別として)
あくまでも、指先の水分量を調整するために用いるのであって、基本的に岩にチョークが付着していると逆に滑る。そのため、チョークバッグにはブラシを掛けておくためのループが設けられており、チョークとブラシはセットの関係である。
ルートをトライし終えた後には必ず岩を傷つけないように最大限の配慮をしながら、ブラッシングによりクリーニングを行う必要がある。
また、見えにくいホールドを目印としてチョークをつけるティックマークは、ルートを共有する人に配慮しつつ行うべきであり、オンサイトトライの人に対しては望まぬベータを与える事になるため、ティックマークという行為を憎悪に近い感覚で捉えている人もいる事もいる事は知っておくべきだ。
③人気のルートにもなると1日にトライする人が10人を超えることがある。その場合には、単純に1日8時間だと考えても1人20分で24トライが限界になる。限界グレードのトライでも3回は欲しいところだが、最後の数人は自分の番が回ってこない計算になる。
もし、1人1時間掛けてのトライなら、3人で回しても最後の1人の最終便は日が暮れてからだ。
あくまでもトライする人数によるが、1人20分という目安は頭の中に入れておいた方が良い。
また、ハングドッグという行為はかつてフリーという観点から卑怯なことであるとされていた時代があることも知っておいた方が良い。
④終了点には速やかなロアーダウンを行うためにカラビナが設置されていることが多い。これは、結び換えによるリスク回避もさることながら③の内容にも関わってくる。人気ルートのそうした残置ビナを改めて見てみると、ロープの通る場所が削れて溝になっていることに気づくだろう。
もちろん対応強度は下がっており、フォールによる衝撃に耐える保証はない。
時折、こうした残置ビナでトップロープを作っている人達を見かけるが、誰かが好意で提供してくれたカラビナの消耗を早めることもさる事ながら、大変危険な行為に違いない。
もし、初めての岩場には連れて行ってくれた先輩が終了点を作らずに残ビナに掛けたトップロープで登れと言ってきたら付き合いを考えた方が良いだろう。
5.トイレについて
岩場は大抵山奥にあるため、近くに公衆トイレがあることの方が少ない。こういった場でマナーを語るならば、山で粗相をしてはならないと言い切らなければならないだろう。
しかし、一日中我慢なんか出来るわけがない。
では、どうするかと言えば、携帯トイレは必携として欲しい。
正直、小さい方は人が歩く所から離れていて、植生を痛めない場所であれば隠れてすればいいと思う。
しかし、大きい方となれば残置物が出来る。忘れたい記憶だが、自分は一度トレイの位置が暗黙的に定められている岩場で、小さい方をした際に、先人のものを踏んづけた事がある。
目隠しがあるからと言って、人が歩く道で用を足した奴を俺は一生許さないし、2度と同じ犠牲者を出すまいと誓った。
まず第一に、トイレットペーパーの処理だが、これは確実に持ち帰って欲しい。軽く埋めた程度では直ぐに表に出てくるし、白いのでとても目立つ。案外直ぐに溶けて無くなりはしないもので、冬季などは雨も少ないのでずっと残っている。
携帯トイレは密閉性に優れるので紙入れとしても優秀だ。
大きいものも携帯トイレを用いて持ち帰るべきだし、アメリカなどでは携帯トイレを持っていないと入場できないエリアもある。
やむを得ず、残置する場合はスコップなどを用いて簡単に掘り返せない程度に穴を掘ってする。
そして、柔らかくなった土を踏まないように残置物を知らせるために木の枝を突き刺しておくのを忘れてはならない。
基本的に日本の山は自然の山ではなく、山で働く人がいる。ただでさえ邪魔なクライマーがあちこちに糞を撒き散らすようなら良い気はしないし、万が一踏みでもしたら烈火の如く怒るだろう。
最初に記したようにアクセス問題に発展する原因は、トイレと駐車場であることが多いので注意して欲しい。
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