最近の日記リスト
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2024年 05月 11日 13:19山と草花と歌
最近、春を告げる三椏(ミツマタ)の花を見に山に行くハイカーが増えているようだ。かくいう私もその一人である。では、各地の山に三椏群生地が新たに形成されつつあるのだろうか、なんだか不思議である。
和紙の原料の一つである三椏は、人の暮らしに近い灌木という印象が強い。中国中南部・ヒマラヤ地方が原産地と
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2024年 04月 09日 18:32山と草花と歌
NHK朝の連続ドラマ「らんまん」で一躍時の花となったバイカオウレン。植物学者牧野富太郎博士が、幼少の頃生家の裏山で出会い、終生ふるさとに思いを馳せる花であり続けた花である。
その花に山で初めて出会ったのは、鈴鹿の鎌が岳だった。イワザクラ、イワウチワなどの春の花を愛でながら谷を登っていくと、渓流の
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2024年 03月 18日 21:04回想の山旅
今私の手元に、昭和43年(1968年)7月に発行された山と高原地図シリースの「比良山系」の地図が残されている。
鴨川河畔から眺められる東山の山並みは、北は比叡山から奥比叡の山までで、花折峠より向こうの比良の山々はあくまでも近江の国の山であり、旅情を感じさせる山であった。ただ、京都で大学生活を送っ
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2024年 03月 10日 08:35山と暮らし
峠の中には、山深い峠をいくつも越えてたどり着くと、前方が大きく開け、平野を見晴るかすことのできる好展望の峠がある。
伊那の飯田から三河の岡崎、尾張の名古屋を結ぶ飯田街道の果てしなき山路の最後の峠となる伊勢神峠もそういった峠の一つである。
そもそもこの街道は、塩の道とも、中馬さんの通る中馬の
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2024年 03月 01日 14:54山と暮らし
江戸と沼津を結ぶ矢倉沢往還を伊勢原か秦野に越えると、善波峠がある。この峠道は、江戸から明治・大正頃まで物資の輸送や富士・大山への参詣路として多くの人々が行き来したという。
残念ながら、今や古道は十分には残っていないが、峠付近の切通は往時をしのばせるのに十分である。
私がこの峠に立ったのは
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2024年 01月 28日 13:29里歩きのたのしみ
昔の人は、「待つ」ことに暗い影を感じるどころか、時に楽しみました。子供たちは皆「もういくつ寝るとお正月」と正月の華やかさを心待ちしたものです。ゆうすげや宵待ち草の花に悲哀や哀愁を感じた人々も多かったと思います。
今、若者の間では大変な短歌ブームだそうですが、和歌では「待つ」は常しえの象徴の「松」
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2024年 01月 11日 14:51山と草花と歌
若い頃、富士山は、登る山ではなく、遠くで眺める山だと思っていた。
学生時代に春の甲斐駒ヶ岳、晩秋の塩見岳、正月の御嶽山、聖岳で見た富士山の姿は、未だに忘れがたい。どんな山に登っても、天気の良い日には富士山の姿を探し、見つかったといっては幸福な気持ちになったものだ。
富士山は、日本人の心の奥
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