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早速、クラブの先輩に連れられて登山用品店に行き、必要最低限のものを買いそろえる。
スキー板は、最も安い合板製のもので、滑走面が若干加工されているもので我慢する。しかし、長さが180�僂鯆兇┐訛緤�で、小回りが利かず、ブッシュに突っ込んだ際にはもうお手上げである。
そのエッジは、スキー板の両側面に30センチぐらいの長さの金属を継ぎ足したもので、マイナスビスで止められていた。このエッジでは、スキー場上部のアイスバーン状の斜面を下りてくると、良く壊れて、修理の夜なべをする羽目になった。
また、ビンディングは、カンダハーで、前皮をつけて靴を固定し、後ろはワイヤーで固定するというものである。いわゆるセイフティ―の機構などは一切ないもので、急斜面で前のめりに転んだ拍子に登山靴から足がすっぽりと抜けるという経験を2度ほどした。
靴は、当時使用していた登山靴のかかとに、スキーの金具のワイヤーが引っかかるように細い紐状の厚手の皮を釘で張り付けて代用した。
また、山スキーの登りには欠かせないシールは、綿の生地にナイロン製の植毛面がついているもので、うまく張らないと雪がスキー板とシールの間に入り込んで、登行中にずれ落ちるということが何度かあって苦労したものだ。
スットクは、合竹で、新雪に強いように大きめのリングをつけたものを使用した。万が一衝撃で折れても、応急処置がしやすいよう、トンキン竹製のものにしたのは、勤めてからである。
大自然の中、スキー技術はいささかもなくても、新雪の大斜面をキックターンを頻発しながらでも滑り降りたことで、すっかり山スキーの醍醐味のとりこになった。
それで、2年生の春には、白馬岳スキー山行を控え、ホリイケのやや幅の広いショートスキーを新調した。確か165�僂曚匹里發里世辰燭茲Δ忙廚Α�ビンディングは、ワイヤー式のジルブレッタだった。もちろん、エッジは一本のものだ。
また、大学4年の冬には、このスキーで3月の十勝岳に行ったが、ドカ雪でスキー板をつけても膝までのラッセルに前進もままならず、十勝岳の避難小屋をこえて噴煙が上がっているあたりで撤退した。その時、下りで同行の友人のワイヤーが切れるというか抜け落ちるというアクシデントに見舞われてしまった。どうにか応急措置してリフトのところまで降りてくると、スキー場のパトロールがスキー場の最上部で我々の姿を発見して、心配したのかしばらく後をついてきたことを覚えている。
就職してからも、大学時代の友人と尾瀬や鳥海山、飯豊山、立山などで山スキーを楽しんだ。その時は、3代目のスキー板で、ビンディングもセイフティーの機能の充実した、踏み込み式のものであった。
そういえば、登山兼用スキー靴と言えば、こんなことがあった。
就職して6年目の暮れにクラブのOBということで、笹ヶ峰のスキー合宿に参加した時、幸いなことに正月の火打山から豪快に滑り降りるという幸運に恵まれた。しかし、夜の懇談の席で、山スキーの師匠が「新雪に近い雪面なら山スキーの板の性能は二の次でよく、何と言っても足元が肝心だ」と、しきりに強調する。その時、はじめてダブルブーツというものの存在を知った。
それで新調したのが、ローバーの2重靴で、当時大枚49,000円はたいて購入した。これは、素晴らしい靴だったが、その後仕事の関係で海外勤務を経験することになり、宝の持ち腐れとなってしまったのは、いささか残念でならない。
写真��2代目のホリイケのショートスキー
写真��3代目のスキー板
写真��ローバーの2重登山兼用靴
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