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日記

カテゴリー「山と草花と歌」の日記リスト 全体に公開

2025年 04月 10日 07:34山と草花と歌

コイワザクラよ!密やかに咲け

 最近、武甲山固有の希少植物「チチブイワザクラ」に関し、うれしいニュースが飛び込んできた。4月5日の毎日新聞社配信の記事によれば、チチブイワザクラの自生が、50個体に満たない数ではあるが、約20年ぶりに確認されたという。  この花は、1957年、清水大典、福島定次郎両氏が秩父の武甲山で発見したもの
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2025年 03月 09日 17:56山と草花と歌

ハナネコノメとその仲間たち 〜小さきものはみなうつくし〜

 かの清少納言は、枕草子の中で「愛らしいもの」、「愛おしい」ものをいろいろ列挙してみて、畢竟「なにもなにも、ちひさきものはみなうつくし」と喝破している。  では、お山で出会った草花で、「小さきものはみなうつくし」と感じさせる花はと聞かれたとしたら、私はその第1にハナネコノメを挙げたい。  春の芽吹き
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2025年 02月 15日 22:55山と草花と歌

福寿草  〜鈴鹿の山で春を言祝ぐ〜

 福寿草といえば、春を告げる花。旧暦の正月(2月)頃にどの花よりも早く咲き出すことから、おめでたい花として江戸時代から親しまれてきた。それだけに元旦草、長寿菊、満作草など別名も多い。  少し余談になるが、北海道や東北地方では、まず咲く花ということで、万作と呼ばれることが多いらしく、北海道銘菓マルセイ
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2024年 08月 01日 17:01山と草花と歌

ヨツバヒヨドリ 〜アサキマダラの舞いきたる花〜

 息抜きに自然に親しむ私などは、山野草の名を覚えるのは、花の姿の優美さ、愛らしさや色彩の鮮やかさ、花の香のかぐわしさを感じ取ったときである。  昆虫や鳥や蝶の身になって山や高原に咲く花を探し求めるなんて芸当は、したことがない。もっとも、何事にも例外は、あるものだ。ヒヨドリバナやヨツバヒヨドリの名を知
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2024年 07月 13日 15:21山と草花と歌

風に揺れるマツムシソウの花あれこれ

 風に揺れるマツムシソウの花は、可憐で、実にエレガントである。淡い青紫色の筒状花とそれを取り巻くフリルのような舌状花は、西洋印象派の画家クロード・モネの「 パラソルを差す女」の帽子を連想させる。  そのマツムシソウに初めて出会ったのは、四国の法皇山脈の東赤石岳の山頂近くの岩稜であった。東赤石岳は、
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2024年 07月 07日 20:04山と草花と歌

黒百合咲く白山  〜青春の山を思いつ〜

 クロユリに初めて出会ったのは、高校山岳部の夏合宿で後立山連峰を朝日岳から蓮華岳まで縦走した時だった。確か五竜岳付近だったと思うが、わずか一輪だけ咲いていた。黒百合は厳冬期のアルプス越えの伝説で名高い戦国武将佐々成正の因縁の花と、歴史好きの友人がしきりに解説してくれたので、強く印象に残った。  そ
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2024年 06月 25日 16:28山と草花と歌

お茶会で出会った花 仙洞草に思う 〜華やかさだけが「華」でない〜

 今年の4月の話である。友人がコロナ渦で少しばかり年遅れの古希記念茶会をやるという。まともに正座もできない我が身としては肩身が狭いが、座椅子を用意するから是非にとのお誘いに甘えて、参加した。  茶会の行われた建物は、京都御所の中にあった九条邸から移築された由緒あるものだそうだが、茶席としては開放的
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2024年 06月 17日 17:32山と草花と歌

神事を彩るササユリ 大自然で出会うササユリ 

 朝いつもより早く目が覚めたので何気なくNHKラジオ第一放送の「マイあさ!」を聞いていると、突然「ササユリ」の言葉が耳に飛び込んできた。その瞬間、山で出会った艶やかなササユリの花が脳裏に蘇った。涼しげなうす紅の花は、甘い香りがあり、私には清楚というより艶やかさを感じさせられる。  ラジオの音に耳を
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2024年 06月 11日 18:06山と草花と歌

サラサドウダンの「更紗」とは?  〜落花の美しさに思う〜

 サラサドウダンを漢字で表すと、更紗満天星あるいは更紗灯台である。その釣り鐘型の小さな白色又は淡黄色の花は、淡い紅色の筋が入り、先端も淡紅色を帯びる。品があって、大好きな花の一つである。  「更紗」と名付けられた由来については、縦じまの入った花の模様が更紗染めの模様を連想させるとしてつけられたと言わ
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2024年 06月 05日 12:41山と草花と歌

夏雲の似合う花ニッコウキスゲの思い出

 「登りくればニッコウキスゲの咲く尾根に青空高く雲の湧きいづ」(2023.7霧ヶ峰にて)  ニッコウキスゲは、私が覚えた最初の山の花だった。オレンジ色のユリのような花は、草原と夏雲がよく似合う、まさに夏休みの始まりを告げる花といってよかった。  中学1年生の夏休み、父親が珍しく弟と一緒に志賀
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2024年 05月 19日 14:48山と草花と歌

白い羊、赤い羊 〜見立ての文化と山の景観に寄せて〜

 「△△山に白い羊放牧中」、「〇〇山に赤い羊放牧中」といった山行記録を目にしたとき、なんの事だろうと不思議でならなかった。しばらくして、これは、日本人の好きな「見立て」の文化の発露であることと理解した。  見立ては、和歌や俳句の表現技法として、また、日本庭園の作庭法としてお馴染みのものだ。例えば、「
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2024年 05月 11日 13:19山と草花と歌

ミツマタ咲く丹沢大山不動尻の春に思う 〜群生地は、増えているのか〜

 最近、春を告げる三椏(ミツマタ)の花を見に山に行くハイカーが増えているようだ。かくいう私もその一人である。では、各地の山に三椏群生地が新たに形成されつつあるのだろうか、なんだか不思議である。  和紙の原料の一つである三椏は、人の暮らしに近い灌木という印象が強い。中国中南部・ヒマラヤ地方が原産地と
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2024年 04月 09日 18:32山と草花と歌

森の妖精、バイカオウレンを歌によむ

 NHK朝の連続ドラマ「らんまん」で一躍時の花となったバイカオウレン。植物学者牧野富太郎博士が、幼少の頃生家の裏山で出会い、終生ふるさとに思いを馳せる花であり続けた花である。  その花に山で初めて出会ったのは、鈴鹿の鎌が岳だった。イワザクラ、イワウチワなどの春の花を愛でながら谷を登っていくと、渓流の
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2024年 01月 11日 14:51山と草花と歌

富士を眺め、富士を詠む 〜山の楽しみ、山での喜び〜

 若い頃、富士山は、登る山ではなく、遠くで眺める山だと思っていた。  学生時代に春の甲斐駒ヶ岳、晩秋の塩見岳、正月の御嶽山、聖岳で見た富士山の姿は、未だに忘れがたい。どんな山に登っても、天気の良い日には富士山の姿を探し、見つかったといっては幸福な気持ちになったものだ。  富士山は、日本人の心の奥
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