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*「静かなる大恐慌」柴山桂太 (集英社新書)
グローバル化に物申したい、でも何を言っていいかわからない…という人は多分いるはず。とりあえずこれを読むといい。ケインズ理論を今おさらいすることになるのだが、スッキリする。今の日本経済の脆弱化とジレンマの理由が的確に(大体)理解できる。
今の経済不安は実は二つの世界大戦直前と似ているのだと筆者はいう。仮に国家間の衝突は巧妙に避けられても、グローバル化は、世界の貧富の差をひたすら押し広げ、それぞれの国内の(貧国においてさえ)経済格差、世代間格差、地域間格差を広げている。
私たちは、不明瞭な形であっても、今生きている社会がこれまでになく「不安定化」していると感じている。日本の片田舎で暮らしている私自身のなかにも、説明しがたい不安や不満や不平等がある。その不安の意味がわかる。
*筆者の解答の一つは「大きな政府」である。それをどう受け止めるか。グローバル化と福祉、セーフティネットの充実。これだけだとどこかで聞いたこともあるような気もするが。
*「日本農業への正しい絶望法」神門善久(新潮選書)
日本の農産物が、その安全性と品質の高さで、アジアの富裕層の間でもてはやされている、というようなニュースを聞くと何となく気持ちがいい。やっぱり日本だね、と農業となんの関係もない人も誇らしく思ったりする。だがだがだが、ちょっと待て。それはマスコミの情報操作かも。
「有機栽培」「規制緩和」「企業の参入」等のキーワードを散りばめて、マスコミ、識者がもてはやす「農業ブーム」は虚妄に満ちている…これがこの本の惹句。柴山さんと違ってこれはなかなか声高理論だし、ちょっと引いて読み出したが…「本当は明るい日本農業」的幻想がことごとく消え去ってしまう。まさしく正しい絶望法。恐らく、としか語れない門外漢だが、神門さんの言うこと結構あたってるんだろうなって思う。それにしても「きちんとした味覚を持っていない消費者」=自分も、農業衰退の一翼をになっていることになるのか。参ったね。
農業に関心のある人なら興味深く読める。TPP対応で迷っている人も。
良書、良番組、良サイトは少なからずあるはずなのに、気がつくと、どうでも良い文字を追っている事が多いです。まとまった時間をとらなければ集中できないからと、短い時間でしか読めないものばかり読んでしまう。
・・・集中した読書には新幹線の1時間半が、最低限要りますよね。
yoneyamaさん、フィクションは読後に心地よい異世界を漂っていればいいのだけど、この手の本は、本当は一度咀嚼する必要がありますね。私は結構苦手。でも読書日記をちょこっと書くと少なくとも全体像は残るかな。
山用品でも日常の買い物でも、毎日食べているものでも、一つ一つが今の日本の経済活動のアウトプットだと思う。その質が下がれば経済の質もきっと下がってるのだろう。だが、もしかしたらその質の良否さえ、自分で判断できなくなりつつあるのかと思いました。
今から投票に行きます。午後は晴れそうだから少し山の空気を吸いに行きますね。 北東北の大雪原をゆくyoneyamaさんの記録読めなくなったのはちょっと寂しい…
まさに出張で都会に向かうビジネスマンの読書ですね
帰路はだんだんとのどかになって、
雪景色も現れる車窓の景色と共に、
のんびりと山の絵本でも
しがない老サラリーマンのお勉強です
誰でもできる仕事なので任されただけ
新宿からの中央線、土曜なのに久しぶりに満員電車味わいました
東京は雨でもあまり濡れないね
そちらは雪はどうですか。東北は一度どっと降ったけど、低い山は溶け始めています。冬はこれからですけどね。そうですね、のんびりと山の絵本でも…
経済の問題にしても農業の問題にしても、簡単に処方箋は出せないことが、まさに自分ごとのレベルで私たちの目の前に現れているように感じています。自分一人抱えてもしょうがないのはわかっているのだけれど・・
たとえば大きな政府にならざるを得ない流れなのだろうけど、なんでも政府任せにはできないだろうから、地域のコミュニティがますます重要になる・・そんな程度しか考えつかないのですが
農業は究極は消費者が守り育てる、そこに行きつくのではと思っています。高齢化が進んで、すでに農業のやり手がどんどんいなくなっている今、農業はすでに山や自然を守るための環境税などと同様な手当を考えるべき時期にきているのではと・・
自分でいろいろ判断するために、読書を続けることは大切ですね。kiyoshiさんのコメント、いろいろ考えさせられました。お腹すいた〜
kamadamさん
投票行かれましたか。選挙というのは本当に不思議なものですね。清き一票っていうけど、自分の1票など、何の影響もない。何の意味もない。でも選挙結果は自分が投票した政党が勝ったかどうかに関わりなく、日本人の集合的意思がちゃんと見える。揺れ動く民族ですね。忘れやすくて。でも、それが戦後日本の変わらぬ姿なんだろうなって思います。
何年に一回、私たちはこの姿を見ることができます。毎回興味深いです。
私はこの国に生まれ、この国で死んでいきます。このような日本でもまあ結構です。結局のところどのような手立てをしても、少しずつ少しずつ衰退していく、少しずつ不自由に不安定になっていく。ジリジリと。それが多分来るべき現実なんでしょう。
悲観的になっているのではありませんよ。
ご一緒に山をあるきながら、またいろんなお話をしたいですね。
でもその前に、晩ご飯と晩酌、しっかりやってね
明日も頑張りましょうっか?
またまた失礼します
私はこの国に生まれ・・に続く文章、ちょっと気になりましたよ。グローバル化の行きつくところということでしょうか、悲観的になっているのではないとのお言葉ですが・・真意をゆっくり伺ってみたいところです。メールだと微妙なニュアンスが伝わりにくいので、またお会いできた時にでも・・
日本人の集合的意思が見える選挙結果ですが、ただどうかなと思うのは、得票率43%の政党が議席の79%を得てしまうという選挙制度、しかも投票率自体が戦後最低の
約60%ということですからね・・
投票しないのも民意という見方も認めますが、うちの子供たちには、投票しないことは組織票のある政党に半票入れたのと同じ意味だぞと言っておきましたよ。それから、若い年代が投票に行かないから、年寄り優遇の政策がとられているんだよと。選挙初めての下の子は、結構真剣に考えて投票したようです
「なんで日本に米の基地があるんだ」とか、「若い世代が支える年金制度は、自分たちが負担した分より受け取る分が少なくなるなんて、おかしいのではないか」とか、いろいろ本質的な質問も受けて
明日は真冬日の予報で、秋田は吹雪いています。しばらくは雪に閉ざされた世界ですね・・
kamadamさん。お風呂入って寝ようかなと思ってたのに!
息子さんとのやりとり、心洗われるエピソードです。素敵な親子関係ですね。でも米軍の基地問題、日本の安全保障の根幹ですね。年金制度、社会保障の土台骨ですね。こんな難しいことさらっと返答できる親はそんなにいないよ
私の親は古い日本人でしたから、選挙に行くことは国民の義務と考えていました。権利じゃなくてね。母も亡くなるまで連れていきましたよ。冗談半分に母に「誰にいれたの?」って聞いたら「秘密!」って
59%ですか。労組の組織率も20%切りましたね。権利か義務かわからないけど、面倒を避けるという点では一致しています。負担は嫌ということでしょう。でももらえる権利はいただく、権利のタダ乗りみたいな精神状態だとしたら困りますね。 意識下のことだろうけど
ある種の負担、負担感が必要なのかもしれません。むしろ「自由」も「平等」も小さな戦いの戦果であるべきだ、と思うくらいです。
投票行動は実にささやかな政治へのコミットメントですが、それは放棄してはならないものの一つだと思います。
冒頭のことですが、一般的なことを述べただけなんです。21世紀初頭の「文明の衝突」が話題になった頃のほうがまだ活気がありましたね。バブルとその終焉があって、政治も経済も枠組みが大きく変わってきて、「これからどうなるのだろう」という不安もありましたが、同時に楽しみや期待もありました。第三世界の台頭とともに日本経済も立ち直るだろうし、などと。でも難しいですね。グローバリズムはまさに両刃の剣です。
世界には幸せと不幸が同じだけあって、これからは私たちの幸せの取り分が減っていくのではと、変な比喩ですけど。そんな感じです。これ、またお会いしたときにでも
雪の秋田ですね。雪かき、雪下ろし、大変でしょうが気を付けて冬をおすごしください
晴れたら美しい雪山を見せてくださいね
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