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「64」の帯は、「このミス1位、週刊文春1位」という惹句だから、ミステリー好きなら書店で手に取られた?まして「クライマーズ・ハイ」「半落ち」の横山秀夫。ヤマレコユーザーさんでも読まれた方がおられるのでは。圧倒的な筆力で、分厚い671pを一気に読み通してしまった。警察小説は数あれど、ここまで濃いものはないだろうな。ネットレビューでは毀誉褒貶あって、辛口読者もおられるようだが、私は両賞の選考委員の側に立ちたいかな。これは間違いなく面白い。全く個人的感想だけどね。縦糸は、未解決の身代金誘拐事件。横糸は地方県警の縦社会の中にある刑事部対警務部の確執(キャリア対ノンキャリア)。主人公は、刑事部出自の警務部広報官である。十数年前の事件が、今の確執に強い影を落としてくる。それを探らざるを得ない主人公。だが、ドラマは今また巨大な力で動き出した・・・
予想もしない展開に、きっと読者は主人公と一緒に驚愕の声をあげることになるのでは。
会話が上手い。急展開になるところの会話は、読者を読みきっている手練の筆致であった。
「中国の市民社会」李ヤンヤン 岩波新書
去年、急に尖閣問題が再浮上してきて驚いた。自分が学生だった40年前から尖閣=魚釣島の話はずっとあって、領土問題として認識していたが、それが突然過熱してきたのはどんな裏の思惑があったのか。
それとは別に、報道の仕方も浅くて、ネットではヒートアップして、その気分は意外に伝染性があったりする。中国の理解もしかり。「一党独裁」「社会主義」「貧富の格差」どれもそのとおりなのだが、それだけではない中国もあるはずだ。
書店で手にとった「中国の市民社会」。中国のNGO,NPOのことが詳しい。中国に国家=党と対峙する「市民社会」があったこと自体驚きで、そういう無知な自分を恥じてしまう。国家も一目置くその市民力は、党と政府のイニシアチブをうまく利用しながら、独自の市民参加のシステムを今構築しつつある。農民工の支援、地方の貧困女性の支援、環境対策への参加など、見事な組織力としたたかさに驚かされる。この国はやはり大きい。やや総花的で物足りなさもあるが、現代中国理解には欠かせない視点だと思った。
kiyoshiさん、こんばんは
yahooニュースを見ていたら、出版業界の不況で新刊の7割が返品という記事を目にしました。http://goo.gl/wzdTA
kiyoshiさんみたいな読書好きの方がこの業界を支えているのかもしれませんね
そういう僕は図書館で借りたり、最近はamazonでkindle本を購入したりが多いので、この記事の原因をつくっている大多数のうちの一人になっているのかもしれません
この正月は雪が降り続いて(僕の実力では)山に行くことが出来なかったので、シュラフに包まった蓑虫になって読書三昧を送っていました。
いつもだいたい小説を読むことが多いのですが、先日の選挙や昨今取り沙汰される領土問題の影響からか、珍しく社会モノを読んでみました。
古い本から新しい本まで様々ですが、中々考えさせられたので参考まで挙げておきます。
•日本 権力構造の謎 上下 カレル ヴァン ウォルフレン著 ハヤカワノンフィクション文庫
•ワークシフト 孤独と貧困から自由になる働き方の未来図 リンダ グラットン著 プレジデント社
•人間の叡智 佐藤優 著 文春新書
横山秀夫の64はまだ読んでないので、図書館で探してみようと思いま〜す
kiyoshiさん、こんばんは。横山秀夫の本、とってもおもしろかったようですね。長編を一気に読みとおす魅力溢れる本にはそうしょっちゅうお目にかかるものではないでしょうから、とてもラッキーでしたね
中国社会に関しては、デモの際の暴動や数年前の毒入りギョーザや偽ブランド等々を思い出してしまいますが、御指摘のようにそれだけではない中国にこそ目を向けることが大切だと、考えさせられます。中国社会や中国人の優秀な点に目を向けることを心がけるべきだと。とにかく大きな視点を持って長期的な戦略を立ててきますし、おっしゃるように非常にしたたかだと感じます。
正月にNHKで中国とどう向き合ったらいいのかといったテーマの討論番組がありましたが、私が「そうだ!」と膝を打ったのは、現代史にもっと授業時間を割くべきだという意見に対してでした。明治維新以降の日本と世界の歴史を学ぶ授業に最低一年間はかけるべきだと個人的に思っておりました。日本人は忘れるのが早いとか言われますが、無知では困る、歴史から学ぶことは多いのだと・・
tooleさんもこの正月はじっくりと良い本を読まれたようですね。いつかkiyoshiさんに講師をお願いして山小屋で様々な分野の講義を受けてみたいです
ちなみに私は、「消えたヤルタ密約緊急電」岡部 伸著を今読んでいます。期待以上に引き込まれています。考えさせられることが多いですが。読書にいそしむ吹雪の夜もまた楽し・・・
tooleさん、こんにちは
古い人間なので、紙媒体じゃないとダメなのです
シュラフって
屋根で滑落停止とかしてると危ないよ
ご紹介いただいた本、どもも私の頭では難しそうですが、見つけたら読んでみますよ
今日の雪かきは終わったかな。記録のアップ、お待ちしています
kamadamさん、こんにちは
中国関連は難しいですね。自分がどのスタンスで発言するかによって180度変わったりします。ただ、この本の視点は私は初めてだったので新鮮でした。
歴史の授業のこと、おっしゃるとおりですが、これ、もっと難しい問題になってしまうよ
日本が自分の国にどういう未来を描いているのか、が本当は一番大事なことなんでしょうね。感情的になっては、全てがご破産になると思います。新しい日本政府の二枚腰、三枚腰の外交戦略なんでしょうけどね
「消えたヤルタ密約緊急電」ユダヤ関連の本でしょうか。面白そうですね。何とか入手してみたいと思います。
寺子屋ならぬ山小屋討論会ですね
多分お酒はいるとすぐに寝るから〜
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