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南側の丹沢山塊の西側にはそれこそ「山」という字の成り立ちを表すような大室山が顔を出している。僕が山名を説明すると、仲間の一人がこの「大室山」をどうやら静岡県伊東市のそれと勘違いしたらしい。「先日登って来たが、ここから見えるとは驚いた」といっていた。伊東市の大室山は580mほどの火山なので、奥武蔵から見えるはずはない。見えるそれは、丹沢の西、神奈川と山梨の境にある1587mの「大室山」だった。後で説明すると「よく考えれば見えるはずないよね」と言っていたが、僕の説明不足は否めない。
全国には同じ山の名前がたくさん有る。何処の○○山なのかをはっきりしないととんだ勘違いを引き起こす。
その他にも、地図やガイドブックに記載されている山名が地元で昔から親しまれてきた呼び名と異なることも。全く、異なっている時には括弧書きで示されていることもある。例えば奥武蔵・飯能市の柏木山(高ドッケ)などのように。
それはそれで、問題ないのだが(ぼくの感性からして)、名前に同じ文字を使いながら、わずかに呼び方が違っているのが何とも気持ち悪い。
我が家周辺の奥武蔵の山々でいえば、まず日和田山。僕たちは子供の頃から「ひわださん」だった。ところが、ガイドブックなどには「ひわだやま」と書かれているものもある。たしかに、近くの学校の校歌では「ひわだやま」と歌わせてもいるが、これはあくまでも作詞家が歌としてそう歌わせた方が良いと考えたものだと僕はずっと思っていたし、今でもそう思っている。
さらに、日和田山の北側の「高指山」も僕たちは「たかざすやま」と幼い頃から呼んできたが、いつのまにか「たかざしやま」になっている。さらには、飯能市の「顔振峠」。ここは僕たちは「こおぶりとうげ」と今でも呼ぶが地図やガイドブックでは「かあぶりとうげ」とされている。駅や山道にある表示にもそのように記されているからこれが一般的なのだろう。言葉にしにくい「かおふり」→「かあぶり」→「こおぶり」になったのだろうとこれはこれで納得はできるのだが。
むしろ僕たちが子供の頃から使っていた呼び名こそが、もともとの名から変化したものなのかもしれないとも思うものの、なんとなく納得できないような気持ち悪さを感じる。
そういえば、北アルプスの白馬岳についても同じようなことを聞いたことがある。「白馬」は「苗代馬」→「代馬(シロウマ)」と呼ばれるようになったから正しくは「シロウマダケ」だというのが定説だが、どうやら地元では「ハクバダケ」と呼ぶそうだ。地元では「シロウマ」などと呼ばないという話を聞いたことがある。
「白馬岳」を「ハクバダケ」ではなく、最もらしく「シロウマダケ」と呼ぶ観光者達を、地元の人達は僕の様に、どこか苦々しい思いで見ているのだろうか。
写真:日和田山 金刀比羅神社前から
大室山(中央) 左は丹沢山塊 左端の頂は蛭ケ岳
私が数年前に、地元に行った頃は地元でも山だけはシロウマダケだったと思います(ホテルでの話)。ヤマヤにとっては何時までもシロウマダケであって欲しいですね。
旧・国鉄が急行"白馬(ハクバ)”を走らせたのは、罪深いです。
1956年7月8日、新宿駅で撮影した電機牽引列車の写真を持っています。
tama-takeshiさん
ありがとうございます。
ホテルではそうだったのですね。
私がうかがったのは地元のガイドさんだったと思いますが。
最近はどうなのでしょう、「シロウマ」と言うことが多くなったのでしょうかね。
こんちはー
松本生まれですが、白馬→しろうま読みは山登り始めて始めて知りましたよ
スキー場表記もハクバ読みですし、そもそも電車の駅名がハクバで地域もハクバ読み
もう、もはや今となっては何が正しいのか解らないような感じだと思いますが
少なくとも山登りに興味ない人との会話では白馬は「ハクバ」読みの方がよく通じると思います^^;
marukazuさん
コメントをありがとうございます。
やはり、そうなのですね。まあ、どちらでも良いと言えばそうなのですが、自分の家の近くの山々については、なんだか違和感が拭いきれずにいます。これは、体に染みついたものが否定(?)されているような気がするのかも知れません。
現実的にはどうであっても、分かればよいのですけれどね。
そういえば、金峰山(きんぷさんorきんぽうさん)のように県や山を境に南北の地域で呼び方が違うなどという山も、結構ありますね。
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