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ですが環境がこの5万年で大きく変化しました。特にこの1000年。200万年の進化を考えるととても短い時間。こんな短い時間での変化に合わせるように、我々の体は進化できていません。5万年前の環境に適している体のまま、農業、産業革命、テクノロジーの進歩により、周りの環境が急激に変わってしまいました。
ハーバード大学の人類進化生物学教授、ダニエル・E・リーバーマンの著書「人体六〇〇万年史──科学が明かす進化・健康・疾病」によると、我々は、現在ミスマッチな環境にいると言います。 このミスマッチにより、様々な健康問題を抱えるようになりました。
リーバーマン教授の研究で分かったのが、「人間は長距離を走るための体に進化した」ということ。長距離を走ることで、食料を確保できる仕組みに進化した私たちの身体。これが走らなくなると、身体にあらゆる問題が出てしまう。動物の中で最も優れた長距離ランナーは人間。
人間以外の動物は、早く走ることはできても、長く走り続けることはできない。なぜか。動物は、長時間走ると自分自身の発生した熱をコントロールすることができなくなってしまうから。そのため、早く走った後、必ず木陰などで休み体の熱を下げます。しかし、私たち人間は、他の動物のように皮膚が毛で覆われておらず、肌がむき出しになっている。これは、体内の熱を逃がしやすくするためで、数百万とある汗腺から、汗と一緒に熱を放出する冷却システムを持っている。この冷却システムのおかげで人間は走りながら汗を出し、体に熱がこもらないようにすることができるので長く走り続けることができます。
この体温調節機能を生かして、人間は狩りをしてきました。筋力もない、足も早くない人間が長く走るという能力を得るために、体毛や汗腺を変化させ、体温調節ができるようになったために、人間は自然界で生き延びてこれたし、それが今の自分らの祖先であり、自分の体にもその機能が残っていると考えると、なんだか感慨深いものがあります。
私たちの体は、チンパンジーや虎と同じように、大自然にある環境の食べ物を食べる体に進化してきました。ところが、自然に存在しない物を食べるようになり、これがミスマッチになって、心臓病、ガン、糖尿病などになるようになってしまったとリーバーマン教授は論じます。だったら自然の野菜やフルーツを食べたらいい。そう思ってもスーパーで売っている例えば今のりんごは、5万年前に存在したりんごとは全く違う物。サバンナにいた牛と家畜されている牛では栄養量も全く違う。
「だったら明日から大自然に戻り、原始人のような生活を始めよう!」
これは不可能に近い願い。現在存在する人口を大自然の食物では養えないからです。だったらどうしたらいいのか。全てのミスマッチから逃れることはできません。でも定期的に走ることならできます。毎日、ライブランで走ることは、誰にでもできることで、長距離を走るためにできた我々の体には一番いいことでもあるように思えます。
人間の人体は「長く歩く・走る」ために長い年月をかけて進化してきたことを知り、歩く・走ることに、興味を持たざるを得ません。しかも、走ることは、脳にも良い影響があります。
現代の社会は、人工知能やAIなど、人間の脳の発達によって急速な環境の変化を遂げていますが、人間の体は狩猟採取をしていた時と変わらないと言われています。便利になっていく世の中だからこそ、自分で意識して運動をしていかないと、体はどんどん退化してしまい、体が退化していくと様々な影響を脳に及ぼし、病気や精神疾患などに繋がると言われています。だからこそ、頭だけに偏らずに、私たちの祖先が生き延びるために、進化させてきた体の機能をしっかり使って自分自身の体も進化させていきたいです。
そして、今日もまた走りました。よろしければ、山岳トレラン、ご覧ください。
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最後に生物の進化論で有名なチャールズ・ダーウィンの言葉を。
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最も強い者が生き残るのではなく、
最も賢い者が生き延びるのでもない。
唯一生き残るのは、変化できる者である。
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