先週の大天井岳で、日本百高山登頂を目指している男性に出合いました。私の記憶しているところでは「日本百高山」の元は山渓に記載されたリストで(私は山渓は読んでいないのでいつ掲載されたのか不明)、その元ネタは「日本の山岳標高一覧1003山」のようです。ただ、正確にその内容が反映されているのか検証したことはありませんでしたが、pasocomさんが既にやっていました。
pasocomさんの日記(日本の100高山(新選)) http://www.yamareco.com/modules/diary/21844-detail-51853
pasocomさんの検証が正しいかまでは調査していませんが、少なくとも「1003山」では独立した山として扱われている立山の龍王岳が百高山リストから抜けているのは間違いありませんでした。遊びの世界の話なので目くじらを立てるほどのではありませんが。
以下に「1003山」に記載された複数ピークで構成される山のうち、代表ピークと付属ピークとされた山のリストを示します。なお「1003山」初版が発行されたのは平成3年8月であり、それ以降の地形図の改定で新たに山名が記載された山がいくつもありますので、それらは下記に含まれません(例:ジャンダルムや小窓ノ王など)。また、私が調べたのは初版で、もしかしたら改訂版が出ている可能性もありますのであしからず。実際にはかなりのピークが"付属品"扱いされています。ただし、これを決めた委員会も統一された基準で山を区切ったわけではなく、現実としては「正解無し」が正解かと思います。
ちなみに、地形図で"山頂"として表記された山はフォントが通常と異なっていますので判別可能です(実際には山頂名だけでなく尾根名、鞍部、岩も同じフォントなので山頂かどうかの判断が難しい場合あり)。山名のフォントは「しょう肩体」(右肩上がり)で、地名は普通のフォントです。百高山に正確性を期したい場合はこれら全てのピークに登れば文句ないと思いますが、ロクでもない山がいくつも入ってきますので一気に難易度が高くなり、ロッククライミングが必要になってくると思います。
代表ピーク名:付属の山とされたピーク名
立山、劒岳エリア
立山(大汝山):雄山、富士ノ折立
劒岳:前劒
国見岳:天狗山
龍王岳(浄土山):鬼岳、獅子岳
北アルプス
唐松岳:不帰嶮
鹿島槍ヶ岳(南峰):布引山、牛首山(北峰がない。以前は山名が掲載されていなかった?)
五龍岳:白岳
薬師岳:北薬師岳、間山
北ノ俣岳:赤木岳
野口五郎岳:真砂岳
双六岳:双六南峰
笠ヶ岳:緑ノ笠
大天井岳:牛首山(牛首展望台ではなくその下のピーク)
餓鬼岳:餓鬼のコブ
常念岳:前常念岳
蝶ヶ岳:長塀山
涸沢岳:蒲田富士
前穂高岳:明神岳
西穂高岳:間ノ岳
中央アルプス
駒ヶ岳(木曾駒):宝剣岳、中岳、伊那前岳、木曽前岳、麦草岳
南駒ヶ岳:赤椰岳
将棊頭山:茶臼山
南アルプス
鋸山:烏帽子岳、三ツ頭、編笠山
アサヨ峰:栗沢山
仙丈ヶ岳:大仙丈ヶ岳、小仙丈ヶ岳、馬ノ背
間ノ岳:三峰岳、中白根山
農鳥岳(西農鳥岳):農鳥岳(東農鳥岳)
東岳(悪沢岳):千枚岳、マンノー沢頭
荒川岳(中岳):前岳
赤石岳:小赤石岳
聖岳(前聖岳);奥聖岳、白蓬ノ頭
光岳:イザルガ岳
八ヶ岳
天狗岳:根石岳
権現岳:三ツ頭
白山
白山(御前峰):大汝峰、剣ヶ峰
七倉山:四塚山
その他
富士山(剣ヶ峰):白山岳、宝永山
木曾御嶽山(剣ヶ峰):摩利支天山、継母岳、継子岳
乗鞍岳(剣ヶ峰):大日岳、朝日岳、屏風岳、摩利支天岳、恵比須岳、高天ヶ原、里見岳、富士見岳、大黒岳、四ツ岳、大丹生岳、烏帽子岳、猫岳、硫黄岳、大崩山(乗鞍岳は他と比較して飛びぬけて広範囲で数も多い)
金峰山(奥秩父):鉄山
浅間山:前掛山
「1003山」中の付属資料(124-128ページ)によると、
・調査をまとめたのは「山の高さに関する委員会」で、日本山岳会関係者(4名)、大学関係者(明治大学、京都大学)、大町山岳博物館関係者の計7名。
・山と山名の扱いの議論の中で、1つの山の範囲(複数ピークを持つ山をどう扱うか)の議論もなされた。結果として統一された基準(ピーク間の距離やピークを隔てる谷の深さなど)で決定するのは困難とされ、「山を遠望した時の直観的印象」「地域住民、登山関係者間での慣用」「日本名山図譜(神中、1986)」から決定したとのこと。ようは客観的基準で決めたわけではなくメンバーの主観で決めざるを得なかったわけです。よって、百高山のリストが正しいとか間違っているとかは言えない。人それぞれの百高山でいいと思います。
toradangoさん、こんばんは。
ヤマレコの運用ルールにより(ツイッター的な一部ユーザーのみに使用されないため)、同日の日記は1つだけが一覧に表示されるようになっています。(全ての日記タブでは見えるのですが)
そのため、この日記にレスするのに探してしまいました。
今、自分としては達成が難しい深田百名山を後回しにして百高山(正式ではなくとも一応広く認識されているもの)を目指しています。
そんな中でやはり、主峰だけでなくどこまで行けば一つの山として登ったことになるのか、は気になるところです 。
まあ、なんと言っても自己満足なので、ピークだけ登ればよいのか、コースを(何処まで?)通ればよいのか・・・など、解釈は色々有りますね。
取りあえずは上記のリストの主峰をピークとして登頂する、次は合わせて周辺の名のあるピークも登る、できればコースにも拘って・・・・と欲が膨らみます。花の百名山であれば花の時期にも拘って・・・・
山を始めた当初はピークよりも縦走ルート(赤線)を重視していたのでそれなりに(従たるとされているピークも)通っています。が、百高山をクリアするのと同レベルで未踏のジャンダルムだけは行きたいと思います。
拘りって、何か不思議ですね 。
正しいとどうかではなくて、やりたいのは何か・・・と考えるこの頃です。
コメントありがとうございます。日記の表示仕様については初めて知りました。「日記」なので1日1件というのは妥当かと思います。今回はお買物の関係もあって1日3件も書きましたが、こんなことはもうないでしょう。
百名山は技術的な面より日本全国に点在していること(金と時間)が問題になりそうですね。山渓の百高山はエリアが日本中部に固まって割と狭い範囲(と言っても西北は白山、南東は南アまであるのでそれなりに広いですが)に存在するので交通に関しては百名山より恵まれていますが、西穂のような岩稜の山とか道が無い山は百名山より多いので、達成するのに必要な技術は百名山のレベルより高いことが必要かと思います。たぶんガイドブックに無い山もあると思いますので事前のネット調査は不可欠かと。
日記で書いたように山頂の厳密な定義は存在せず、どこまでを一つの山とするかは人それぞれ。目標も人それぞれでいいと思います。現状の山屋さんの間では百高山と言えば山渓の百高山がデファクトスタンダード?と思われますで、まずはそのクリアを目標とするのは自然な流れだと思います。
でもやっぱり百高山に入ってなくてもジャンダルムは登りたいですよね〜 以前の地形図ではジャンダルムは山名扱いではなく地名扱いだったので、リスト作成当時は山頂としてカウントされなかったのだと予想しています。でも南アルプス辺りから槍穂を眺めるとジャンダルムもはっきりと別のピークとして分離することが可能ですし、奥穂から見たあの姿の印象は強烈ですよね。という私は西穂と合わせて登ったことがあります。10月に登ったので夏のようにガスが上ってくることもなく大展望を楽しめました。
百名山、百高山が終わったら「付属の山」も含めて全山登頂を目指すのも興味があるところですが、笠ヶ岳の緑ノ笠、乗鞍岳のピークなどは登山道がない山が多いし、北アルプスでは明神岳や蒲田富士などクライミングの範疇の山、南アの白蓬ノ頭は冬ルートだし、一般登山の範囲外・・・・。
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