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2018年07月22日 11:03山と鉄道全体に公開

『山と渓谷』と鉄道趣味

このたびは『山と渓谷』1000号の大台達成ということで、誠におめでとうございます。
先日発売された記念特大号は、巻頭の皇太子殿下スペシャルから始まって、何と鎌倉アルプスのようなお気楽ルートまで入選している「日本登山ルート100選」、そして創刊1000号のあゆみを日本と世界の山岳界事情とともに振り返る企画など……本当にてんこ盛りの永久保存版だと思います
仕事の多忙やら何やらで、まだ全然読み進めてはいないのですが 、多種多様な画像は手っ取り早く楽しめます  表紙の変遷、時代を映す広告、結構衝撃的な内容も含む記事紹介・・・
個人的には、カラー山岳写真の草創期たる1970年代に表紙を手がけたカメラマンによる、かなり前衛的な (?) 雰囲気の表紙の数々、あるいは戦前から昭和中期頃までの広告のセンスにはグッときましたし、谷川岳・一ノ倉沢大量遭難時代における衝撃的な方法による遺体回収の記事や、空き缶が大量散乱した北岳山頂の画像にはショックを受けました。
単に「山バンザイ」「渓谷バンザイ」だけではなく、時代・社会に寄り添って自然と登山を扱うのが、ヤマケイという雑誌の魅力なのでしょう。

そんなヤマケイ、実は日本の鉄道趣味界にも多大な影響を及ぼしたことは、鉄ヲタ兼業のハイカーの皆様でしたらご存知でしょうが、一般的にはほとんど知られていないでしょう。
そのひとつは、山→旅→鉄道つながりで、「乗り鉄」向けの雑誌『旅と鉄道』(ネットの時代、そして魅力的な長距離列車の激減で、販売が低迷し版元が最近コロコロ変わっていた) の出版元を引き継いでいることでしょう。
しかし、ヤマケイ=鉄道趣味といえば何と言っても、1980年代前半頃をピークに発行された『ヤマケイ・レイルシリーズ』『ヤマケイ・私鉄ハンドブック』の存在が凄い。
解説・吉川文夫、写真・廣田尚敬といった、鉄道趣味界の神様を登用して、当時活躍していた特急・急行列車や、国鉄・私鉄の主力車両を紹介しまくるという……当時小学生・中学生だった人々には圧倒的な印象のガイド本でした

私の場合は買う金がなく (滝汗)、図書館で借りるばかりでしたが、当時まさに目の玉をかっぽじって眺め続けた写真のイメージが、その後の鉄道写真撮影だけでなく、山岳・風景写真撮影にも生きているわけで (鉄道写真と風景写真は基本的に似たジャンルです)、ホント、当時のヤマケイの企画には感謝感謝のひとことです。

もっとも、何故1970年代後半〜1980年代前半だけ、これほどまとまった鉄道書を出版したのか、知る由もないのですが、世の中がどんどんチャラくてバブリーな雰囲気に向かう中、1950〜60年代と比べて、硬派な山岳趣味が低迷していたりしていたのでしょうか?

というわけで、本の実物は手許にないのですが、当時書面を飾りまくった車両の画像を貼っておきます。平成すら間もなく終わる中、昭和後期に華々しく登場した車両が間もなく完全に消えるのは当然と言えば当然ですが、寂しいものです。

(左)特急あさま用189系。現在は「ムーンライト信州」そして平日朝の松本→長野「おはようライナー」で最後の活躍中ですが、この秋に完全に消えます……。
(中)鈍行の山旅ではお馴染みだった115系も、今や中部以東で一番まとまって残っているのは、しなの鉄道所属車……。(これも8年後に消滅との予告あり)
(右)現役の「昭和の関西車両」代表として、近鉄特急の古参車 (12200系) を選んでみました。もうしばらく現役ですが、現在塗装変更中です。
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コメント

RE: 『山と渓谷』と鉄道趣味
bobandouさん、こんにちは。

「硬派な山岳趣味が低迷していたりしていたのでしょうか?」
まさに、その通りです。

1980年代というのは、軽薄短小時代の始まり。
まだ一応昭和ですが、昭和から平成への転換期なんでしょうか。
今も全盛ピークを続けている中高年登山もまだ発展途上だったし。
山岳会の低迷、大学山岳部の廃部。
若者、特に若い女性の山・自然離れ。
でも当時若かった女性たちが、今必死こいて山登りしてるなんて滑稽ですね。
ダサイ・クサイ・メンドクサイの三拍子が揃っている登山なんて〜、という時代でしたよ。
2018/7/22 11:32
>yamaheroさま
こんにちは、コメントどうもありがとうございます!
今日は御殿場口から富士山に登ろうと考えていたものの (高山病と人波の回避は御殿場口がベスト)、余りの暑さで気分が萎え (七合目から下で鉄板焼き死亡必至)、クーラーの中でこんな日記をウダウダと書いておりました

さて、やはり1970〜80年代は山岳界低迷の時代でしたか・・・
何となくクリスタルに渋谷系や原宿系、巷の大学ではテニスサークルなどのナンパ系が大はやり、「山に行く」といえば清里あたりのファンシー系……。そんな時代に、今回の記念号にも写真が載っていましたが、凄まじい歩荷訓練やりまくりの高校・大学山岳部なんて流行るわけがないですよね……。

私も80年代に高校に入ったとき、最初山岳部に入ろうと思っていましたが、山行といっても悉く競技山行またはその訓練を意味しており、軍隊的に動くイメージに完全に尻込みし、別の部活に入ってもすぐにやめて帰宅部となりました。その後は、鉄ヲタ→バックパッカー→へたれハイカーという遍歴をたどっております。

スポ根的な山岳界から、多様な情報・多様な趣向の中で、個々人が勝手に思い描いたスタイルで山と自然を楽しむ世の中へと変わるまでに、それなりの時間がかかったわけですが、置き電話の時代でネットもメールもなかった80年代は、誰もがどちらかといえば流行に流され、極端から別の極端へと流れていたのかも知れません (そして、それに満足出来ないスピリチュアルな人々の一部がオウムへ……)。

それにしても、本当に若い女性がいなかったですよね!!
私が山登りに足を突っ込んだ90年代は、かつて50〜60年代にグループ登山しまくった世代が子育てを終え、中高年登山ブームが現れていましたが、僅かな若いヤロー登山者はその勢いに圧倒され、手頃な南関東の山でも「山女子」なんてまず見かけず……。
たった一人、重いザックを背負ってテン場からテン場へと巡り歩き、午後はテン場の近所の人々とビール片手に談笑しながら、そこに同世代の女子がいたらどんなに良いだろうか!!な〜んて話もしたほどです

当時チャラい世界にいた「昔のギャル」たちがいま山に登っているのは、ある意味滑稽……本当におっしゃる通りです。皆さんも若い頃に山女子でいて下されば、私にとって良い出会いもあったかも……なんちゃって (以下自粛 ^^;)。
2018/7/22 12:04
RE: 『山と渓谷』と鉄道趣味
Bobandouさん おはようございます
miketamaです

ヤマケイ、私もまだきちんと読んでいないのですが、北岳の空き缶の写真には驚きました。
何年か前に山で食事をした時に、空になったガス缶を置いたまま(つまり捨てた)帰ろうとした山の先輩がいて、もしかしたら『棄てるのが当たり前』で育った人なのかな?!、
でも当時だってゴミを持ち帰る登山者もいたでしょうけれど。。

それはさておき、
懐かしい名前が出ていましたので。

吉川文夫さん

昔むかし、ご縁がありましてお会いしています。
背の高い穏やかな方で、私にも母にも丁寧に接してくれていました。

山形新幹線だったかな、試乗会で吉川さんと母が向かい合わせの席に座っている写真がありました。

神様、ですか!
本を出してらしたり原稿依頼が多いとは聞いていましたが、偉ぶらない方でしたのでbobandouさんがそんな事言ってるなんて、ご本人、照れていらっしゃいますよ。
 
私は鉄道マニアではないのですが、ヤマレコでbobandouさんやtaroさん、他の方達が車両の写真をアップすると興味は湧きます。

兄の孫が鉄道好きで三才のくせに桃太郎が好き、ってどう思います?(笑)

のぞみに試乗した時に、速くて母が気分が悪くなってしまった、なんてのも思い出です。

ありがとうございます、
母は母で、鉄道ファンの人からは神様と言われている人物とふれあいがあった人生だったと思うと、すてたもんじゃなかったのですね。
2018/7/25 9:50
>miketamaさま
こんにちは、コメントどうもありがとうございます!
今月のヤマケイ、パラパラめくっただけでも、あの北岳の画像はショックですよね……
今でも、良く踏まれた登山道の中から、昔のデザインの缶が片鱗を覗かせていることがありますが、自然美化の意識が芽生えてゴミ拾いや回収が普通に行われる時代になる前は、本当に「何も考えずに棄てる」時代だったのか……と絶句しますね。
今ではサッカースタジアムのゴミ拾いが賞賛されて鼻高々な日本になっていますが、油断するとまた昔に逆戻り、なんてことも有り得ますから、そうならないように若い世代を仕込まなければなぁ〜なんてことを改めて強く思うワンシーンでした。

それはさておき、御母上が吉川文夫氏と懇意にされており、miketama様ご自身もお会いしたことがある……というのは、鉄ヲタ的視点からみれば超絶に自慢できることですね!!
吉川文夫氏の、落ち着いた、分かりやすい、それでいて「好き!」の一念が滲み出た文章は、当時の向学心ある鉄道少年にとっては模範であり、いまの鉄道趣味界の中核にいる40〜60代の人々に多大な影響を与えておられると思います。

しかしながら同時に、本当に優れた鉄ヲタは、専門知識・趣味性・社会性のどれをとっても優れた方が多いですので、決して自分が有名人であることを自慢したり、他人を見下げるということはありません。むしろ、「単に自分は好きで好きで仕方がなくてこの趣味をやっているだけなので、偉ぶるつもりは全くない。お世話になっている人々・お付き合い頂いている方の全てに感謝感謝」という方こそ、真の趣味人として成功されているように思われます。

そんな、一部の趣味人紳士の寄り合いとして盛り上がっている空間の回りに、膨大な数の有象無象がぶら下がり、中には無駄な自己顕示欲もはびこって、「屑鉄・キモヲタ」と呼ばれる連中が世間の印象を台無しにしている……というのが鉄道趣味界(あるいは他のマニアックな趣味)の実情です

ともあれ、そんな吉川文夫氏と御母上 (新幹線試乗会のチケットを入手されるほどでしたら、鉄道業界に近いところにいらっしゃったのでしょうね……) を通じて、miketama様も鉄道そのものには良い印象を持たれている、ということが全てだと思います  

ちなみに、初代「のぞみ」300系は、とにかく速さだけを追求し 、乗り心地が悪いことで有名ですので、酔うとしても不思議ではないです

3歳の子供が図鑑を片手に「桃太郎〜 」と眼を輝かせるのは、至ってフツーです w
私も幼い頃は、重厚長大な貨物列車が来るとコーフンしてました (今もですが )。
この先小学校に入ってからも電車小僧が続くとしたら、真性鉄ヲタになりますね
その前に、ゲーム、特撮戦隊ものドラマ、あるいはスポーツなどなどに興味が移り、電車はどうでも良くなってしまう子供の方が多いです。
2018/7/25 10:37
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