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* 北陸新幹線の開通で富山や金沢まであっという間なのは便利で嬉しいけど、やっぱ男は黙って今はなき急行「能登」だよなぁ……(遠い目)。昔はガラガラの臨時急行「越前」も良かったなぁ……。新幹線そのものはこれからいくらでも利用出来るので、周りはヲタばかりの一番列車には、たとえ鉄ヲタであっても乗りたくない。
* 北斗星は、生まれて初めて北海道を訪れ、大雪山を縦走したときに往復乗ったので、無くなるのは少々サビシイ。でも、客車列車の寝台特急は個室が禁煙車ではないため部屋が臭いだけでなく、空調を介して煙が漂って来てゲホゲホ頭痛ぇ……(鬱)。記念として一度乗れば良いかな、と(同じ理由で「あけぼの」廃止も個人的には余り感傷が湧きませんでした。この点、電車の寝台特急サンライズは、個室兼禁煙車ですしスペースが広いので最高♪)。
* トワイライトエクスプレスは距離的にも設備的にも素晴らしい列車ながら、多忙な首都圏民には縁がなかった……。
……とまぁこんな感じで静観する構えです。あ、もちろん、他の皆様がこの話題に関してどのような態度を取られるかはいろいろでしょうが……。
むしろ個人的には、かくも華やかで一万円札が飛び交う話題よりも、その裏側で起こっている地味な変化の方に深い感傷を抱かざるを得ません。それは……ここ1〜2ヶ月のあいだに首都圏から電車に乗って中央線沿線の山に出掛けられた方はお気づきでしょうが、長年中央線の山旅を支えてきた鈍行用の車両・115系電車が、恐らく3月のダイヤ改正を最後に完全に引退してしまうのです! 昨年秋以来、東海道線等で余った銀色の電車(211系)が急速に中央線に配置され、これまでの115系電車はあっという間に数編成を残すのみとなってしまいました。
この電車ははっきり言って近距離・中距離輸送用で、華も何もありません。しかし、頑丈な車体とモーター、そして急勾配に耐えるブレーキを装備し、まさに「無事これ名馬」という表現の通り、半世紀以上という長きにわたって圧倒的に安定した性能を誇って来ました。(但し現在走っているのは製造後35〜45年程度の車両)
そしてこの電車は、中央線に乗って山を目指す人々の夢、山を下りて来た人々の楽しい思い出を、果たしてどれだけ乗せて来たのでしょうか……。
とりわけ、今はなき夜行鈍行長野行き(のち上諏訪行き→甲府行き)は、新宿駅構内アルプス広場での発車数時間前からの整列待ち (笑) から始まって、座席にあぶれた登山者が床に新聞紙を敷いて寝る凄惨な車内 (汗)、勝沼に着くと眼前に広がる甲府盆地の大夜景、甲府駅での長時間停車と買い出し、日野春〜小淵沢あたりでの奥秩父と甲斐駒の壮絶な夜明けなどなど、イベントと言っても良い展開の数々を今でもありありと思い出します。
もちろん、昼間乗っても良いわけで、のんびり走るボックスシートの車内から四季折々に眺める甲州の風光は、「ああ、やっぱ良いな……山と鉄道の旅!」と痛感せずにはいられません (特急ですとあっという間すぎてツマラナイ ^^;)。個人的には、新緑または雪景色の桂川、桃の甲府盆地と南アルプスの大パノラマ、屏風のように立ちはだかる残雪の甲斐駒と鳳凰三山が最高ですね。
しかし、諸行無常の言葉通り、この電車もついに老朽化が進み(否、手をかければ、機構がシンプルなだけにもうしばらく走れるはずですが、後継車両に押されてしまった)、鈍行旅の思い出を人々の心に残して、間もなく永遠に走り去ることになってしまいました。新たに中央線鈍行の座に君臨することになった211系電車も、決して悪い電車ではないと思いますが(乗り心地は明らかにグッド)、半分以上の編成がボックスシート無しですので、運が悪ければ「景色をのんびり楽しむ鈍行の旅」というわけには行かなかったりします。これも世の流れというものでしょうか……。
これまで幾度となく、この電車の中で山行、あるいは18きっぷ旅の余韻に浸りながらビールをグイッと煽ったものですが、今はこの電車の偉大なる歴史と、山峡にモーター音をこだまさせてきた熱い走りを振り返り献杯したいと思います。
長い間ありがとう、中央線の山旅の友115系!
はじめまして。
息子が電車通学で115系を使っていましたが、最近新しい電車が増え、そちらはベンチシートだとか。
「新しいのは気持ちいいし、乗り心地いいだろう?」と聞いたら、「う〜んん・・・、なんだかボックスシートの方がいいなあ。」だそうです。
今の高校生にしてもそんな感覚があるらしい。電車の新しい古いはあまり関係ないようです。
私にとってもブルーとクリーム色のこの電車は新宿から帰省するときにお世話になったなつかしの列車。けっして「あずさ」などには乗らなかったですから。(^^)
当時、連休などの時には満員で巨大なリュックを背負った登山者が床に座り込んで歩くこともままならない状況の時もありましたね。いまの各駅停車はどういう状況なのでしょうか。
北陸新幹線の始発列車の切符がどうしたとかトワイライトがどうしたとか、そういう時にだけ大騒ぎする「鉄ファン」やそれを大きく報道するマスコミはなんとなく苦々しく感じます。こんな風に地味に引退していく電車こそ愛すべき存在なのに・・。
>pasocomさま
こんにちは、こちらこそはじめまして。コメントどうもありがとうございます!
「イマドキの若者は体格が大きく、他人と近距離で顔を突き合わせるのを嫌がるため、ボックスシートよりもロングシートを好む」なんていう話をどこかで読み、多分そうなのだろうと思って少々残念に思っていたのですが、必ずしもそういうわけではなく、実はボックスシートも結構好きだったというのは、何だかちょっと良い話ですね!
やはり、友人と一緒に通学する場合など、ボックスシートの方がまったりと出来るでしょうし、あるいは試験の前など参考書に目を落としつつ、たまに気分転換で景色を眺めようと思った時にはボックスシートの方が良いに決まっています (笑)。
同じ電車通学でも、電車に乗っている時間の濃密さ・記憶の残り方という点では、やはりボックスシートや転換クロスシートに軍配が上がるのでしょうね。最近、他の輸送機関との競争がないJRの路線では、客をロングシートの短い列車に詰め込んでおけば良い割り切る傾向がありますが、車体が大きくインテリアの工夫の余地があり、印象に残りやすい交通機関である鉄道車両だからこそ、人間の思い出・記憶も視野に入れた車両にして欲しいものですね……。
私は今も昔も神奈川県民で、両親も近場の出身のため、帰省という行事にはとんと縁がなく (^^;)、こういうシブい乗り物で帰省した、という思い出をお持ちなのはある意味でうらやましいことです。とくに若いうちであれば18きっぷが最強ですよね (笑)。
しかしまぁ、メチャ混みな鈍行列車で数時間耐えるというのは、若いからこそ出来ることだったと思います。90年代初め頃までは、東海道線の大垣夜行とか、中央線夜行や、登山に都合の良い朝方の松本行きとか、新聞紙を床に敷いて耐える軍団が当たり前のようにいましたが、その後高速道路の整備・安い高速バスの増加・長距離急行や鈍行をめぐるJRのヤル気無さといった要因のため、安く旅をしようとする多くの人が別の移動手段に流れ、それとともにヒサンな光景も消えて行ったと記憶しています。まぁ、より快適に移動できるに越したことはないのですが、帰省客や登山客でカオスになった昔の駅や列車の写真を目にするにつけ、「こういう面倒臭いけどテンション上がる経験も悪くないよな……」と思ってしまいます (^^;
たまに、鉄道の話題が目立つからという理由で飛びつき、特殊な人種の狂乱という視点で伝えるメディアの薄っぺらさには、私自身鉄ヲタでありながらも正直ウンザリしています。まぁ、鉄ヲタもいろいろな人種がおり、その中でもこういう節目に熱狂する人が多いからこそ、そのような扱いになってしまうのでしょうけど……。
逆に、こういう地味な車両の引退を歴史的視点と沿線民の視点からきっちりと伝えられるメディアがあるとすれば、その記者は本当のジャーナリストだと思います〜。
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