紅色の三椏が珍しいのか義兄は立ち止まってその花を見ていたが、「これは三椏だね。綺麗な色だなぁ〜」と笑みを浮かべて私を振り返る。
「三椏の花は女房が好きだったなぁ〜 、 近所の三椏は黄色ばかりだったけどね」
義兄は愛妻に先立たれたばかりで、その傷心は癒えていないように見える。
改札口で笑顔で手を振り名残惜しそうに帰って行ったが、その後姿に寂しさを背負っていた。
三椏はジンチョウゲ科の落葉低木で、高さ1,2メートル。
枝は3本ずつに分かれ黄褐色、葉は柄があり互生している。
秋遅く、枝の先に30〜50の蕾が球形に垂れ下がり、春、新葉に先立って黄色の花が咲く。
枝が3つに分かれるのでミツマタという名で呼ばれるが、漢名は黄瑞香という。
花がジンチョウゲ(瑞香)に似て黄色だからである。
稀に花が紅色の品種もある。(角川書店 花の大歳時記)
義兄からの長文の礼状は我が身の寂しさには触れず、その殆んどがこれから齢を重ねてゆく妹と私を気遣う文面であった。
手紙の結びに控えめに自分の今後について〜
<〜私は、「我が妻が死をもって与えてくれた時間」として今後を生きてゆこうと考えるようにしています。そうすることによって、彼女の意志と共に生きているような気がするのです。>
〜と言葉少なく書かれていた。
義兄の愛妻は近年急に体力が弱り、義兄が介護する老老介護の状況が続いていたのである。
三椏の花は間もなく終り、新葉の芽吹きも近いことだろう。ainakaren
犬の散歩の途中の家の庭に写真の白い花が咲いていました、ただ花の名前はわかりませんでしたが、
写真でやっとわかりましたよ、花自体は派手さはありませんが、落ち着いた花ですね、
義兄さんのお気持ちは良くわかりますよ、私もお袋の介護のために仕事も辞めて一人で家で見ていましたから、
亡くなった時には寂しさが後からわいて来ましたよ、優しい気持ちの義兄さんですね
花の名前がわかりましたので早速調べましたら、
三椏の花の名前は枝が三つに分かれているところから別名「三叉」と書いてありました、
利用方法は和紙に利用されているとの事でした、
naiden46さん、こんにちは。
そうですね。
三椏の花は地味ですが仔細に見ると綺麗で味わいがありますね。
黄色の花をよく見かけます。
匂いもいいですね。
核家族問題は老老介護の問題でもありますね。
一心同体のような夫婦にも必ず別れの日がくることに思いを致して居ります。
人間、生まれる時も世を去る時も独りきりですからね。
最近、いろいろ考えることが多くなりました。
それにしても齢をとりました。ren
三椏の名は知っており、黄花は図鑑で見ておりましたが実際に見たことはありませんでした。赤花もあることを初めて知りました。
こんな爆発したような球体の星があって地球から見ることができたらさぞかし面白いだろうななどと、SFっぽい光景を想像してしまいました。
miouyamaさん、こんばんは。
三椏は黄色が多いですね。
色が薄く白に近い花もあります。
紅色の花は色が濃く一番艶やかです。
梅と同じように色によって開花時期が微妙にずれるような気がしますが、確信がありません。
三椏もそろそろ終りで春たけなわですね。
今年も無事に桜を見る事ができました。ren
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