後輩と我が城四畳半で、どこか行こうというはなしになって、地図を嘗め回す。
ゲジゲジ探しです。
おお、ここどうだ。いんじゃないすか。行ったことない地域だな。
ただでもらったセリカに乗り込み六日町を目指す。
当時はまだ関越トンネルがなく三国峠をタイヤを鳴らしながら抜けていく。
野生の勘で一発でその林道に入る。
かなり荒れていたが、ダルマセリカは腹をこすりながら進む。
おおーこれだ。その沢をまたいで林道がある。橋を越えたところに幕営可能な広場がありました。水無川は遥か下を流れています。正面の高倉沢もいい感じ。魚留の滝は大きな岩で流れを二分した滝です。
さて入るかと橋の袂から沢床に降りました。もう今では記憶があいまいですが、橋の真下が水無川に一気に落ちる滝の落ち口だったような気がします。雰囲気は屏風の一ルンゼをバカでかくしたような感じです。広大なスラブです。歩き始めるとカグラ滝がすぐ上にあります。橋の真下が丁度漏斗のくびれに相当します。
雨がパラパラ来た。
後輩にこれは本降りになったらひとたまりもないなと同意を求める。
次の瞬間やばいと思って慌てて橋を登り返す。
どうせ休みはまだある。とテントを張ってシュラフに潜り込む。二人とも徹夜で運転してきたのであっという間に寝込む。
ふと目が覚めると凄い轟音がテントの外で聞こえる。風もある。テントから顔を出す。
おい凄いことになっているぞ。と後輩をたたき起こす。
確か雨はもう降っていなかったような気がします。
オツルミズ沢をまたぐ橋の上を沢の水が乗り越えて水無側に落ちていく。
橋の上は水深10センチぐらいでしょうか。
水の勢いもすごいが、それにもまして水と一緒に流れる空気の風圧が凄い。吹き飛ばされそうです。
車で渡ったら車ごと水無川に転落するでしょう。
挑戦です。
ザイルで確保してもらい橋を渡ります。
やばい本当に飛ばされそうだ。諦める。
あの水無川の魚留の滝の大岩が完全に水没している。
林道ののりしろ、オツルミズ沢側の斜面のいたるところから水が流れ落ちている。
まるで白糸の滝です。
車を止めたところと幕営地は安全そうなので、また寝ることにする。
多分その日のうちに水は引き、橋を車で渡ることができて、水流が落ち着くまで時間をつぶそうと尾瀬に散歩に出かけました。(あの頃が元気だったのですね。)
鳩待峠から尾瀬ヶ原に入り、初めて尾瀬を見る後輩は感動しているのではと感想を聞くと「稲刈りが終わった田んぼですね。」
明日は快晴だろうと頑張ってまた三国峠を越えてオツルミズ沢に戻る。
下山時に水流でそこらじゅうえぐれていた林道は砂利を敷いて、たった一日で完全に補修されています。
トラックが止まっている。
しばらくすると登山者がに三人降りてくる。聞くと今朝からオツルミズ沢に入り今降りてきたという群馬労山のメンバー。
ホールドにマムシがいて困ったが、コンティニアンスで行けば日帰りできますよとアドバイスをもらう。
私の大っ嫌いなマムシとコンティニアンスを聞いて意気消沈してしまいました。
橋の10cm位の欄干?にできた穴から丸い石を記念に持って帰りました。
沢の水が橋を乗り越えているときこの石が穴の中でくるくる回っていました。
後でこの現象を甌穴ということを知りました。
こんばんは!
「オツル」と聞いて思わず反応してしまいました。
実はこの9月に行こうと思ってました。
いや、去年も行こうと思ってましたが、雪渓やらなんやらかんやらうやむやになりました。
今年こそ!寡雪で大チャンス!
でしたが、天候とそれ以上に登る人間の不具合により断念!
ずいぶん昔の若い頃、お隣の北沢に行きました。
一泊の予定で、一日先に出発したオツルPとの集中でしたが、テン場で雨にやられて撤退でした。
朝起きてみると、北沢の大滝と真ノ沢の幣ノ滝との出合が、空中で地球の洗濯機みたいになって巨大な渦巻きになってました。
ドラゴンが踊っているように、瀑水が空中に水平に噴き出していました。
ヤバイヤバイ。
テンバ、といってもスラブの隅っこに過ぎませんが、そこもジャブジャブでビリー缶もプカプカ、水を汲むのが便利でした
遥か頭上、滝上の樹林帯からも水がすっとんで来ます。
雪渓の切れ端がすっ飛んで来ないかと気が気でありませんでした。
シトシト雨くらいで大した雨じゃなかったのですがスラブはコワい!
当然沢床にはかかわることができず、グシガハナにエスケープ。
9時間のヤブコギです。
5センチ四方くらいのブッシュの隙間の穴に我が身とザックを延々と突っ込み続けました。
馬の背の尾根なので、薄いところを選ぶとかできません。
私はいい加減ウンザリしたのですが、そのちょっと前に朝日の化けノ穴で増水にやられて10数時間ヤブコギした仲間はヘラヘラ笑ってベーコンなどチリチリ焼いておりました
オツルPは一日遅れで下山でした。
100mと150mの滝のぶつかり合い。
凄かったでしょうね。
私なんぞ安全地帯の林道から見ていてその変貌ぶりに驚愕していましたが、mieeさまはその真っただ中。
グシガハナへ抜けるやせ尾根も右が切れていて結構やばかったことでしょう。
ずっと轟音が聞こえていたのではないでしょうか。
当時はゲジゲジだけを目当てに何ら予備知識もなく向かいました。
後で有名な沢であることを知りました。
ガスっていなければ、関越道から10キロ以上先のサナギ滝が見えるんですよね。
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