若かりし頃三月に、後輩と二人で深沢下降点から三伏峠まで歩きました。
間ノ岳の手前から完全なホワイトアウトになり、全く前が見えなくなりました。
稜線が強風で抉れてパイプライン状になっているところでは
雪の壁に顔面からぶつかるまでわかりません。
なんとなくやばいなと立ち止まり、目を凝らすと雪のエッジらしきものが見えます。
手で触っても雪が柔らかすぎでオーバーミトン越しでは空と雪面の区別がつきません。
一瞬視界が開けて、雪稜の端に立ち、危うく転落するところでした。
本当のホワイトアウトは天地左右も分からなくなり平衡感覚がなくなり
そこに少しでも雪が舞っているのが見えるとめまいがしてきます。
間ノ岳ではコンパスが効かず、三峰岳の方向を定めるのに苦労しました。
かみさんも間ノ岳周辺ではコンパスが効かなかったと話していますので
あそこはホワイトアウトの際は要注意です。
結局熊ノ平の降り口を見失い、南南東の尾根に入ってしまい
途中で気がつき乗越沢を突っ切って熊ノ平小屋に辿り着きました。
これは冬季開放小屋に入り込んで餌をあさっていた野犬の吠える声で
方向を見定めることができたおかげです。
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