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無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳
省エネ★歩行術で黒戸尾根を楽しむ!【甲斐駒ケ岳・黒戸尾根テント泊縦走】動画付き
2017年07月08日(土) 〜
2017年07月09日(日)


体力度
6
1〜2泊以上が適当
- GPS
- 13:38
- 距離
- 15.3km
- 登り
- 2,544m
- 下り
- 1,328m
コースタイム
1日目
- 山行
- 4:59
- 休憩
- 1:38
- 合計
- 6:37
距離 8.9km
登り 1,827m
下り 233m
天候 | ■7/8 ・晴れのち曇り ・天気図:http://www.tenki.jp/past/2016/07/08/chart/ ・気温 :不明・・・だが、かなり暑い ・風 :微風 ■7/9 ・晴れ ・天気図:http://www.tenki.jp/past/2016/07/09/chart/ ・気温 :不明・・・だが、かなり暑い ・風 :微風 ■服装 薄手のベースレイヤー ・就寝時は、ソフトシェルを重ね、モンベル#3のシュラフを使用 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
・東京方面 5:07→ 長坂 8:30(JR線 各駅) ・長坂 8:30 → 尾白川渓谷駐車場 9:00(タクシー:\3600) ■復路 ・北沢峠 13:30 → 広河原 13:50(南アルプス林道バス) ・広河原 14:00 → 甲府 15:55(山梨交通バス) ・広河原 16:10 → 東京方面(JR 特急かいじ) かいじは始発なので自由席かなり空いている。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
◾竹宇駒ケ岳神社〜七丈小屋 ・刃渡りを過ぎたあたりからクサリ、ハシゴが登場する。難易度は一般的な岩稜帯のレベルだが、数が多い。体力にゆとりがあった方が良い。 ◾七丈小屋〜甲斐駒ケ岳 ・ハシゴやクサリ場がさらに増えてくる。特に岩場にかかるクサリ場が増える。 ◾甲斐駒ケ岳〜駒津峰 甲斐駒ケ岳から六方石までは砂のザレ場ですべりやすい。 ◾甲斐駒ケ岳〜北沢峠 危険箇所はなし。 |
その他周辺情報 | ・七丈小屋は今年から花谷 泰広さんが管理されている。 ・小屋の雰囲気が、若々しく、おとづれやすくなった気がする。 ・ガリガリ君が置いてあるが、売り切れになりやすいようだ。 |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
さて、ともかくは歩き方の精度を上げていきます。5センチでも段差が低いステップを見つけたなら、四の五の言わずにそちらを選び、段差を殺します。「ちょこちょこ登ったほうがいい」というのはよく聞く話だと思います。
段差を殺すと疲れにくいのは、足を伸展させるパワーが少なくて済むから。さらに体全体のバランスも崩れにくいのでをバランスを保持する筋力も少なくて済みます。これは経験的にも省エネ効果が高いと感じています。
そのためには徹底して小さなルートファインディングを積み重ねることが重要です。たとえば、正面の段差は20cm程度しかないので1歩で乗り上がることもできますが、右側は10cm+10cmの2段のスタンスになっているので、あえてこちらを2歩で登るといった具合です。
また、足をあまり曲げずに振り子のように重心移動して歩くと筋力を使わないので、省エネになります。コレも聞く話なんじゃないでしょうか?身体を少し前方に倒すように歩くのもコツで、自分の体重を推進力に変換できます。これも経験的に効果があると感じています。
このとき、つま先から着地し、そのままつま先を軸に体重移動すると余計なパワーを使わず、しかも早く歩けます。(図は少しオーバーに表現しています。)ガイドさんから習ったのですが、実際、陸上のコーチングで行われている技法だそうです。普段使わない筋肉を使うのでキツイですが、コツがあって、足の指をグーにすると楽に歩けます。
六合目、甲斐駒ケ岳を開山した弘幡大人が祀られた屏風岩。弘幡大人は、開山後、即身仏=開山威力不動明王になったという説があります。こういった修験道の足跡を辿っていくのも黒戸尾根の楽しみの一つ。
七丈小屋に到着!休憩時間を除くと、登りはコースタイムの70%のスピードで歩けました。体力不足を考えると歩行術の効果はあったかな?甘いものが欲しくなったので、ネクターをいただきます。
珍しい缶潰しマシーン。飲んだ缶は潰しても足は潰さないでね!七丈小屋は今年から、花谷泰弘さんが管理されているせいか、満員御礼大盛況のようです。小屋の雰囲気もなんか若々しくなった気がします。
下りはストックを長くして前方に突くのが定石ですが、あまりストックを使わないので、うんと短くして山側に突く方法をよくやります。傾斜があって横向きに降りるとき、バランスをとるため。山足に体重を残せるので谷足をそっと下ろすことができるのです。雪山の技術の応用です。
装備
個人装備 |
ベースレイヤー
ソフトシェル
ハードシェル
ズボン
靴下
グローブ
インサレーション
靴
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
地図
コンパス
計画書
ヘッドランプ
スマートフォンGPS
予備バッテリー
筆記用具
保険証
時計(高度計)
ストック
カメラ
マット
シュラフ
|
---|---|
共同装備 |
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ツェルト
ガス
バーナー
コッフェル
カップ
テント
ポール
テントシート
|
感想
夏はテント泊縦走をしようと考えているのだが、体力不足がちょっと心配であった。
最近クライミングばかりやっていて、ジョギングなど、登山のトレーニングをしていないからだ。当たり前だが使う筋肉が違う。
そこでトレーニングがてら黒戸尾根を縦走することにしたのだが、何せテント泊自体2ヶ月ぶり、テント泊縦走に至っては半年ぶり。
この際、歩き方を見直して、省エネ歩行を意識して歩く作戦で行くことにした。
果たして、どうすると省エネなのか?
よく聞くのはスピードが早いと楽という話。荷物が重いと、それを背負っている時間が長くなるため体力をその分消費する。休憩時間を除いた、純粋な歩行時間が短い方が省エネになる。
そのほかに挙げられるのが歩行術で、少ないエネルギーでいかに登るか、方法がいろいろある。
今回、今までやっていた方法の精度を上げることを試して見たが、一番効果があると実感できるのは、執拗なまでに段差を殺すことと、重心移動を使って歩くことは改めて効果があると感じた。気が抜けた瞬間、パワーが必要になるので分かる。
その甲斐もあったか、山を楽しむくらいのゆとりが生まれた。
今年から七丈小屋は、花谷泰弘さんが管理されるようになり、小屋に泊まっての縦走を勧められている。
おそらく営業的な話だが、実際、黒戸尾根自体、鎖場の面白さや、歴史的な足跡、そして花といった登山の楽しみ方が出来る場所だし、縦走したときの満足感も大きい。
ハードなイメージがあるが、実は様々な楽しみかたのできるルートでもあるというのは確かにそうで、もうちょっと、楽しむことを目的に来ていいルートだと思った。
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こんばんわ!
とっても楽しくレコを読ませて頂きました!
西瓜がちょいちょい登場してくるたびにクスクス笑ってしまいました(笑)
歩行の基本、改めて意識してみたくなりました(*^^*)
細かく、低くステップを踏むってのは、やるとやらないでは本当に違いがでますよね。初めて燕岳に登ったときに、夫婦で歩き方を意識して実践してたのを思い出しました。
山に対する姿勢や考え方、学ばせて頂きます。m(_ _)m
それにしても黒戸尾根、お疲れさまでした〜
bicycleさんこんにちは
スイカはスーパーに入ったとき、店頭に並んでいたのを衝撃的に買ってしまいました。山にスイカもって来るやつなんていないだろうと思ったら、他の登山者に、「他にも2人いましたよ~」と言われてびっくり!
ちなみにサメ岩の頂上で、ポケットからスイカを出すときに手こずり、危うく落石ならぬ落スイカをするしそうになったのが、今回の最大のピンチでした。(笑)
クライミングをやってると、頭を後ろに下げただけで壁から剥がされるとか、コシの位置次第で掛かる力が変わってくるとか、ほんのチョットの姿勢や身体の動かし方次第で力のかかり方がえらく変わってくるということをひしひしと実感しています。
歩くのが上手な人がいるという話はよく聞きますが、そんなところから細かいところをもっと工夫すれば、まだまだ効率化ができるのかな~と勝手に想像しています。
もし何か良い技見つけたら教えてください~!
前回は冬山の黒戸尾根でしたが今回はすっかり夏山になった黒戸ですね。今回も素敵なお写真の数々、見入ってしまいました。そして毎回作られる美味しそうなヤマメシにも興味津々です
今度の連休、私も山中1泊2日のテン泊を考えていてこの黒戸尾根も候補に考えたのですが、連休中で七丈小屋のテン場も大混雑でしょうし、どうせ行くなら1日目七丈小屋・2日目北沢峠で3日目に仙丈を入れる3日間でいつか行きたいなと考え、今回はこちらはパスすることにしました。でもcajaroaさんのレポート読ませて頂くと、黒戸尾根への想いが募ってしまうんですよー
ryoさんこんばんは
小刻みに歩くというのは、特に荷物が重い時にやって、経験的に効果があることは知っていたのですが、「如何に低く」というところは意識しないと、なかなかやらないので、ちょっと今回歩き方を見直してみようかな〜と、試してみました。
以前、雪山でガイドさんに歩き方を教わった時、知ったのですが、上手い人って歩く時に地面についていない足を引きずるようにして休ませるとか、本当細かいことを色々やっていて、また、脚の使い方や重心移動とか、歩きの精度が全然ちがう。そう思うと、やれることってまだまだあるんじゃないかとも思うのです。
たしかに登りっぱなしで、2200mの標高差って確かにあまり経験ないですね。1日目ちょっと地味な分2日目にご褒美がたくさん来る感じはあります。歴史があって、変化のある道なので、ただの樹林帯の道と違って、1日目も楽しめると思います。
黒戸尾根に仙丈をプラスするというのはリッチですね〜。
確かに今花谷さん効果で、結構混んでると思います。
去年は呼んでも山小屋の親父さん出て来てくれないとか、昔ながらのこやだったのが、若返って、登山客も若い人が多く、人気がある印象があります。
連休はどちらに行かれるのでしょう?
レコ楽しみにしてます。
cajaroaさん、maamさん、こんにちは
楽しく、そして興味深く拝読させていただきました
省エネ歩行、長時間かけて、かなりの標高差をクリアする山ならではでこそ、活かされる技ですね
…けれども、非力&ヘタレなので、無意識でやっていました…
いかにして、体力使わずして、目的地へたどりつくか、ある意味頭脳プレイ
それは岩場鎖場難所クリアにも言えて、じっくりと筋を読み、とにかく一発でキメるのが、大事みたいです…
また、装備の違いで、感じる歩きそのものも、全然違いますよね
空身なら、どうということのない岩場鎖場でも、重装備だと、ものすごい恐怖を感じたり…
テント2か月ぶり…って、ワタクシ、昨年の8月以来担いでいない…
あと、画像58の、ストックの使い方、参考になりました
黒戸尾根、はじめ甲斐駒も、そして北岳も、つまり、まだ南アルプス未踏なんです
ステキな景色やお花のお写真見ていたら、行きたくなりました
あ〜、その前に八ヶ岳か…
machagonさんこんばんは!
南アルプス系は中央線ユーザーからすると「ある意味」アクセスが良いので意外と身近ですよ。
ある意味というのは地獄の2時間以上のバス乗車を除けば・・・ですが、甲府が起点になるので、北岳は、八ヶ岳とアクセスがさほどかわらなかったりします。
でもまずは、たしか・・・真教寺&県界・・・・でしたよね。
いずれにせよ、高山が気候的に良い感じの季節になって来ました。ぜひ!
非力&ヘタレ?そうでしたっけ?
師匠のお話だと、ジムで鍛えていて、道無き道をゆくパワー&根性のイメージがありますけど。
えーーーっ・・・・テント1年使っていないって、、、1、2回くらい干してますか?
カビちゃいますよーーー!
cajaroaさん、maamさん、こんにちは!
標高差2,200m・・この数字を見ただけで、登ってもいないのに息が上がりそうですが、私の足だと何時間かかるやら・・(笑)
岩の上でバンザイしているお写真を拝見して、私もやってみたいと思っちゃいました💦
甲斐駒ケ岳も仙丈ケ岳にも登りたいのですが、日の出と共に登り始めるには、どうしても前泊必須ですね。
5時頃登山口に到着出来るバスでも有れば良いのですが・・😢
秋の頃に登りに行きたい気持ちは有りますが、標高差がネックかもです⤵⤵
いつも楽しいレコ読ませていただきありがとうございます😊
ak0211さん
こんにちは!
そうですね・・・。両方登るとなると、連休が必要ですね。
仮にアクセスの良い北沢峠から入ったとして、バスが着くのがどうしてもお昼頃になりますし・・・
我が家も未だ両方登るということはしたことがありません。
1つ登って満足しちゃってます(笑)
一泊二日でどちらかは行けるので、
天気のいい週末をえらんで行っています。
黒戸尾根にこだわらなければ、北沢峠までバスで入れるのですが、
北沢峠自体、標高2200mくらいある!ので仙丈も甲斐駒も標高差700-800mくらいになります。
難しくはないですよ!
北沢峠のバス停前の木漏れ日山荘の夕食は豪華で、ビーフシチューとか出るらしいですよ!
私は正月に一度入っただけなので、食べたことないですが、いろいろ楽しみ方はありそうです。
cajaroaさん、maamさん、こんばんは!
とってもお勉強になるレコをありがとうございます、即お気に入りしました!
段差を殺す、と足の指を曲げてつま先着地、土曜日に早速試してきました。
一歩でいけるところを二歩で登り、足裏の接地部分も、どの部分を使うと疲れやすい(筋力を使う)のか、いろいろ試したところ、小さい段差をつま先側でスッと立ち上がっていくと力を入れずに楽々登れちゃいますね♪
クライミングと一緒じゃん
振り子〜つま先(足指まげて)接地は、次回試してみます。
下山時、傾斜が急なところは足指まげてつま先接地をしてみました。
足指曲げると面ではなく点で接地できますね、膝曲げやすいし、これも省エネ??になるか。
cajaroaさん、maamさんのおかげで下山が確実に楽しくなってきています,いつも色々アドバイスありがとうございます♪
追伸
そして・・・スイカ
スイカはカリウム豊富。汗で流れた電解質補給にぴったりですね(^^♪
意外と糖質低いし、カリウム補給のために私もたまーに食べます。自宅で
山の上ではおいしさ倍増どころではなさそう
mochaさん
こんにちは!
mochaさんを見習い、わたしも学んだこと、考えてきたことを残すようなレコをかいてみました。
小さい段差をつま先で立って立ちあがるって、まさにクライミングですよね。クライミングやってると、より小さい段差にバランスして立てるようになるので、プラスに働いている実感がわたしもあります。
去年、K藤さんの講習で「足上げすぎ。5cm下に足場あるでしょう!」みたいなこと言われ、たった5cmで何がそんなに違うんだ?と当時は思いましたが、立ち上がるパワーだけでなく、バランスのとりやすさも変わるし、ほんのちょっとの差がいろいろ影響してくるものだなと最近感じています。
一方、K野さんの雪山講習では、
「あるきかたの技術を教えたけど、今のあなたと私では歩き方の精度がちがう。精度を上げていってください」
と言われたことがあります。
講習を受けた後、2シーズンかけてよりバランスに違和感がないように山に行くたびに歩き方を見直しながらブラッシュアップしていきましたが、おかげでだいぶ歩き方がスマートになったような気がします。
K野さんの講習は滑落したら助からケースが多いから、絶対に山で転ぶなという方針なので、必死にあーでもない、こーでもないと、歩き方を自己改善してきましたが、それがすごく効いていると思っています。maamは下りで全く転ばなくなりましたし、スピードも上がり(普通になった)ました。
それでもまだ下りは改善の余地があるし、振り子〜つま先(足指まげて)接地はまだものになっていないかな〜。
※スイカにそんな効果があるとは!そんな効果があるのであれば、また持って行こうかな?重いけど。
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