笠ヶ岳（新穂高温泉より笠新道往復）

2017年08月09日(水) 〜 2017年08月11日(金)

• GPS: 47:03
• 距離: 25.2km
• 登り: 2,327m
• 下り: 2,322m

コースタイム

1日目

• 山行: 1:07
• 休憩: 0:05
• 合計: 1:12

12:53 新穂高温泉バス停
13:03 13:07 登山口(双六岳・笠ヶ岳方面)
13:26 13:26 お助け風穴
13:42 13:42 中崎橋
13:53 13:54 笠新道登山口
14:05 わさび平小屋

2日目

• 山行: 7:57
• 休憩: 1:08
• 合計: 9:05

4:33 わさび平小屋
4:45 4:52 笠新道登山口
8:31 8:48 杓子平
10:23 10:25 笠新道分岐
10:25 10:30 分岐指導標（仮称）
10:33 10:34 笠新道分岐
11:19 11:19 抜戸岩
12:20 12:23 笠ヶ岳山荘
12:39 12:43 笠ヶ岳
12:59 13:28 笠ヶ岳山荘
13:38 宿泊地

3日目

• 山行: 6:37
• 休憩: 0:28
• 合計: 7:05

4:51 宿泊地
5:14 5:14 抜戸岩
5:56 5:56 笠新道分岐
5:59 6:13 分岐指導標（仮称）
7:24 7:31 杓子平
11:00 11:05 笠新道登山口
11:16 11:16 中崎橋
11:31 11:31 お助け風穴
11:45 11:47 登山口(双六岳・笠ヶ岳方面)
11:53 11:53 中崎山荘 奥飛騨の湯
11:56 新穂高温泉バス停

天候

8/9 曇り
8/10 晴れ後曇り一時雨
8/11 曇り

アクセス

利用交通機関：

電車 バス

（往路）
JR特急スーパーあずさ1号 7:00 新宿 → 9:42 松本
アルピコバス 10:40 松本BT → 12:44 新穂高温泉（￥2880）

コース状況／危険箇所等

■新穂高温泉〜わさび平小屋
整備された林道。風穴からの風が涼しい。わさび平小屋のテント場は平坦で数多く（公称30張）張れます。

■笠新道登山口〜杓子平
1800m辺りまではよく整備された九十九折。段差が大きくないので歩きやすい。1800m辺りから焼岳、穂高岳、さらには槍ヶ岳が見え始め、テンションが上がります。2000m辺りからは傾斜も急なガラ場となり、エネルギーを消耗します。下りも同様です。杓子平まで来ると笠ヶ岳が遠くに高く見えるようになります。

下り時に杓子平入口から下ってすぐの九十九折の折り返しのところで誤ってガレ筋に入ってしまいました。傾斜が余りに急だったので気がつきましたが、登山道もガレ筋も共にガレていているので、ガレ筋と交錯するときはペンキの目印を見失わないように注意。

■杓子平〜笠新道分岐
杓子平からは楽になるのではと思っていましたが、幻想に過ぎませんでした。ガレた急な登りは笠新道の核心部分と言っていいでしょう。エネルギーを使い果たしました。抜戸岳に向けて高度を下げ、ほぼ登り切るところまで行って、笠ヶ岳に向けて下るのはやるせない。この区間は花は見事。チングルマ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、ミヤマダイコンソウなどが咲き誇っていました。

■笠新道分岐〜笠ヶ岳山荘
笠ヶ岳直下までは比較的アップダウンの少ない稜線で歩きやすい。笠ヶ岳山荘直下のガレ場の登りはガスが出ると分かりにくくなるので、目印を追いかけて登ると良い。

■笠ヶ岳山荘〜笠ヶ岳頂上
15分ほどのガレ場の登り。目印を追いかけて登ると良い。登りが終わっても、山頂までは左にもう一歩き。

その他周辺情報

中崎山荘奥飛騨の湯 \800

写真

8/9 13:00

笠ヶ岳テント泊という無謀な取り組みを前に十分な休息をとるために今日はわさび平でテント泊。新穂高温泉から登山届出を提出してスタート。

8/9 13:10

しばらく林道を歩き、ここから登山道開始。

8/9 13:18

といっても車が通れる整備された道です。山は雲に覆われたまま。明日の天気はどうなることやら。

8/9 13:33

途中風穴が爽やかな風を届けてくれます。

8/9 13:49

橋が傾いている？ため通行注意

8/9 14:00

笠新道登山口。明日はここからスタート。

8/9 14:12

わさび平小屋に1時間ほどで到着。

8/9 15:26

早速テントを張ります。テント場は広く、結構張れそうです。

8/9 15:36

明日の頑張りを期待して

8/10 4:39

翌日4時半にスタート。この後金沢泉丘高校のグループと同じペースで行動することになります。

8/10 4:51

いよいよ笠新道に突入です。

8/10 5:43

延々と九十九折の道が続きます。1時間に1回休憩のペースを守って登ります。

8/10 6:07

1800mを過ぎた辺りから樹木の隙間から近隣の山々が見えるようになりテンションが上がります。まずは焼岳。カメラの望遠機能が壊れてしまいアップにできません。

8/10 6:24

そして穂高連峰

8/10 6:44

杓子平までの中間地点まで来ました。杓子平までコースタイムは4時間あまりなので杓子平まで1時間半は計算が合いません。

8/10 6:49

途中崩壊箇所があり、慎重に通過します。

8/10 6:59

高度が上がってくると焼岳や霞沢岳がよく見えるようになってきました。

8/10 7:04

2000mを超えると登山道は歩きづらいガラ場になります。

8/10 7:24

しかし景色は最高です。登りの辛さと景色のギャップ。

8/10 7:49

2200m地点を通過。あともう少しです。

8/10 8:20

あそこまで登れば杓子平か？

8/10 8:34

ガラ場が杓子平に簡単には近づけてくれません。

8/10 8:49

4時間の激登の末、杓子平に到着。息も絶え絶えです。

8/10 8:49

しかしここからは目指す笠ヶ岳の雄姿が拝めます。

8/10 9:03

その前に抜戸岳が立ちはだかります。登山道がどう通っているのか分かりません。

8/10 9:18

登り始めると傾斜のきついガラ場が続きます。

8/10 9:24

稜線に出るのに一旦登りきってそれから下るようです。

8/10 10:15

どんなにゆっくり歩いても息が切れっぱなしです。

8/10 10:16

こんなときに励みになるのは景色。笠ヶ岳よ、待ってろ。

8/10 10:16

背後には穂高連峰

8/10 10:25

あともう一息

8/10 10:31

へろへろになって抜戸岳への分岐に到着。杓子平までの登りより、杓子平からここまでの登りの方がきつかった。

8/10 10:32

ここからは絶景が。まずは穂高連峰。

8/10 10:32

その左にはしっかり槍の穂先が

8/10 10:32

そしてこれから歩く笠ヶ岳に続く稜線

8/10 10:32

黒部五郎岳に薬師岳。昨年は黒部五郎岳から笠ヶ岳を見て惚れ惚れとしたんだっけ。

8/10 10:40

一旦下って、ここを左に稜線歩きに入ります。

8/10 10:41

アップダウンもそんなに激しくなさそうです。

8/10 11:02

気持ちよい稜線歩きになるはずが、あれ、笠ヶ岳に雲がかかり始めた。

8/10 11:19

雲は勢いを増し、笠ヶ岳山頂をどんどん覆っていきます。

8/10 11:22

抜戸岩を通過する頃には山頂はすっかり雲の中。

8/10 11:45

テント場に向けて最後の登りにかかります。登りになると足が進みません。どんどん他の登山者に抜かれていきます。

8/10 11:49

有名な「ガンバ」の文字発見！

8/10 11:50

テント場に到着。山荘もぼんやりとしか見えません。

8/10 12:14

とりあえずテントを設営して山荘に向かいます。

8/10 12:14

「山荘スグソコ」、とは言え

8/10 12:14

山荘までは結構登ります。ガスのため目印を頼りに進まないと迷いそうです。

8/10 12:20

「ガンバレ」の文字発見

8/10 12:23

雪渓を渡ります。

8/10 12:27

ようやく山荘に到着。テント設営の手続きを済ませます。

8/10 12:31

せっかくここまで登ってきたので、そのまま山頂を目指します。

8/10 12:38

ガレ場を登ります。

8/10 12:40

ガスがとれて山頂がよく見えるようになりました。

8/10 12:45

ここを登ると、山頂は左のサインがありました。

8/10 12:46

あれが山頂でしょうか？

8/10 12:47

笠ヶ岳山頂に到着です。長かった〜！ほぼ同時に到着したイギリス人の方は山頂標に抱きついていました。その気持ちわかります。

8/10 12:51

眺望もなく、お腹も空いたので、山頂を後にします。

8/10 12:52

小さな祠もありました。

8/10 12:53

山荘に向けて下ります。

8/10 12:58

山荘が見えてきました。

8/10 13:19

お腹が空いたので、山荘でエネルギー充填。

8/10 17:38

テント場に戻るとテントの数が増えていました。

8/10 17:37

夕方一瞬山頂が見えかける瞬間がありましたが、すぐに雲に閉ざされてしまいました。

8/11 4:59

夜に一雨あり、翌朝は晴れの予報だったのですが、このとおり濃霧の状態。夜明け前にこの濃霧の中、山荘にトイレに行くのは大変でした。

8/11 5:01

天候の回復が期待できないので、下山することにします。

8/11 5:09

帰りの稜線もこのとおりガスっていました。

8/11 5:12

こういうときはお花観賞。登りのときは必死でお花の写真を撮る余裕がなかったので、下りはお花を見ながら。風に吹かれるチングルマ。

8/11 5:13

ガスが薄くなってきました。

8/11 5:23

チングルマとミヤマアキノキリンソウ

8/11 5:24

抜戸岩を通過します。

8/11 5:34

この稜線歩きがアルプスの醍醐味。

8/11 5:36

まだ花のついているチングルマ

8/11 5:37

ハクサンイチゲも咲いていました。

8/11 5:50

抜戸岳が見えてきました。

8/11 5:55

抜戸岳の辺りだけガスがとれました。

8/11 6:03

双六岳への縦走路との分岐まで来ました。

8/11 6:12

せっかくなので抜戸岳の山頂に寄ってみることに。ここでよいのか自信がありませんが、ここで下からの道と合流しているので。

8/11 6:18

杓子平に向けて下ります。

8/11 6:19

登りのときに横目で見ていましたが、杓子平への下りは見事なお花畑。チングルマも可愛く咲いています。

8/11 6:22

ウサギギク

8/11 6:28

ミヤマダイコンソウ

8/11 6:33

ピークを過ぎていましたが、たくさん咲いていました。

8/11 6:35

イワカガミ

8/11 6:36

アオノツガザクラ

8/11 6:36

シナノキンバイとハクサンイチゲ

8/11 6:37

ミヤマキンポウゲかな？

8/11 6:38

一帯に群生していました。

8/11 6:39

ハクサンイチゲも

8/11 6:49

オンタデ？

8/11 7:00

モミジカラマツ？

8/11 7:03

ここにもハクサンイチゲが

8/11 7:08

ヨツバシオガマ

8/11 7:31

これは？

8/11 7:31

杓子平に到着。ここで栄養補給です。ここから笠新道登山口に向けて激下りが始まります。

8/11 7:39

エゾシオガマ

8/11 7:43

クルマユリ

8/11 7:47

ミソガワソウ？

8/11 7:47

オニシモツケ？

8/11 7:53

ミヤマトリカブト？

8/11 7:53

シモツケソウ

8/11 7:54

ハクサンフウロ

8/11 8:03

ミヤマホツツジ？

8/11 8:53

ガラ場の下りは昨晩の雨で濡れて滑るので難儀をしました。どんどん他の登山者に抜かれていきましたが、どうして滑らないのか、と思います。下山までに4回ほどしりもちをつきました。

8/11 8:59

2100m地点を通過

8/11 9:08

オオバギボウシ

8/11 9:22

ヨツバヒヨドリ？

8/11 9:58

1800m地点を通過。ここまで下りてくれば、後はガラ場が少なくなります。

8/11 10:08

ノリウツギ？

8/11 11:10

笠新道の終点が見えてきました。下りも楽ではありませんでした。

8/11 11:23

新穂高温泉に向けて再びいわくつきの橋を渡り

8/11 12:02

ようやくゴールインです。笠ヶ岳テント泊という私にとって無謀な試みも無事に終了しました。

撮影機器：

RICOH WG-4 GPS リコー

装備

個人装備

長袖シャツ タイツ ズボン 靴下 防寒着 雨具 ゲイター 日よけ帽子 着替え 靴 ザック ザックカバー 行動食 調理用食材 飲料 ハイドレーション ガスカートリッジ コンロ コッヘル ライター ヘッドランプ GPS ファーストエイドキット ロールペーパー 保険証 携帯 時計 ストック カメラ テント テントマット シェラフ

感想

やまぼうし

のろのろ台風5号のために畑薙へのアクセス道路が通行止めになり、予約していたバスがキャンセル。休みとの関係から、当初計画していた南アルプス縦走を断念せざるを得なくなりました。その代わりに9月に予定していた笠ヶ岳に急遽繰り上げて登ることにしました。

ですが、笠ヶ岳への直登ルートである笠新道は北アルプス屈指の急登で知られる手強い相手。この1ヶ月天気とスケジュールが合わず、全く登山できなかった私がこの急登にテント泊装備で挑むのは無理があるかもしれないと思いましたが、いざとなれば撤退すればいいとの覚悟で臨むこととしました。

わさび平小屋でテント泊し、体調を整えて登山に臨むつもりでしたが、夜中に目が覚めてからは寝つけず、寝不足のまま出発となりました。1時間ごとに休憩をとりつつ、金沢泉丘高校のグループの後ろについて笠新道を登りました。序盤の1800m付近までは良いペースで登れましたが、2000m以降のガラ道には四苦八苦。アミノサプリと羊羹を投入して何とか倒れ込むように杓子平に到達しました。

杓子平まで来ればさらに上を目指す覚悟を決めました。杓子平からは楽になるのではという甘い期待はすぐに打ち砕かれ、抜戸岳に向かうガラ道の急登ではどんなにゆっくり登っても息も絶え絶えに。ここが今回の核心部でした。休み休み、ヨボヨボと登り、何とかクリア。分岐点からは笠ヶ岳のみならず、黒部五郎岳や薬師岳が望め、昨年黒部五郎岳の山頂から笠ヶ岳の展望を楽しんだことを思い出し、今回それとは逆の構図を眺めることができ、感慨深いものがありました。

稜線をトボトボと歩く頃には、笠ヶ岳の山頂にガスがかかるようになり、その後、一向に回復することはありませんでした。重い足を引きずりながら何とかテント場に到着。手続きをするため山荘に向かうが、最後のガレ場の登りには、背中の荷物がないにもかかわらず、息が上がってしまいました。せっかくなのでそのまま山頂に。当然ながら山頂はガスの中で展望はありませんでした。

通常登山で辛くなると花の写真を撮って気を紛らわせるのですが、今回登りではそんな余裕は無く、ひたすら登りに耐えるばかりでした。私にとっては相当無謀な試みでしたが、笠ヶ岳をテント泊装備で登ることができれば、大概の山は大丈夫ではないかと、妙な自信がつきました。