行って北岳
- GPS
- 13:42
- 距離
- 14.9km
- 登り
- 2,043m
- 下り
- 2,040m
コースタイム
- 山行
- 7:15
- 休憩
- 1:55
- 合計
- 9:10
- 山行
- 5:00
- 休憩
- 2:05
- 合計
- 7:05
天候 | 初日:曇り時々晴れのち霧雨、2日目:晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特に危険個所というのはないものの、八本歯のコルまで、とにかくきつい厳しい登りが続く。白根御池からも地獄のくだりが続く。 |
その他周辺情報 | 国道52号線(身延道)から早川町方面に入ると、奈良田温泉までコンビニがないので、早めに調達する必要あり。第2駐車場には仮設トイレがある。 |
写真
感想
昨年、寝不足で臨んだ白根三山縦走計画。大樺沢二俣から八本歯のコルへの登り口までの急登でバテバテになり、あえなく敗退した昨年のリベンジをするつもりだったが、やはり三山縦走は叶わず、「北岳ダケ」の登頂で終わった。題目のシャレのために計画変更したのではないので、誤解しないよう ... しないか。。(^^;
昨年は、夜の八王子渋滞に巻き込まれ、奈良田駐車場到着が未明2時過ぎだったが、今回は余裕の17:00前到着。夕方から小雨が降り出し、車窓用手作り網戸もあまり役立たなかったが、何とか睡眠をとった。
バスを降り、広河原山荘から登りはじめる。徐々に厳しくなる傾斜に耐えながら、マイペースを心がける。昨年の敗因の一つは、最初のオーバーペースであったこともあり、後続にどんどん追い抜いてもらう。二俣を過ぎて、苦しくなってくるが、昨年ほどの悲壮感はない。周囲をみれば、同じような年齢、体格の輩が同じように喘いでおり、心強く思う。昨年との違いがもう一つ。涼しく感じる気温だ。時折、晴れ間がのぞくが、開けたところでは風が心地よい。
とは言え、3歩で1メートル、20歩進んで数分休むペースなので、一向に進まない。気がつくと、さっきまで一緒に喘いでいた人々がずっと上方にいる。ダケカンバの林の中なので見通しも悪い。そのうち、丸木で作った梯子が次々に現れる。たまに斜めッている段もあり、滑らないよう注意しながら登る。傾斜のない梯子は前かがみとなり、テン泊の重い装備が背中に重くのしかかる。梯子が続き、結構な太さの丸太手摺をしっかり掴んで登ると握力もなくなってくる。またもや八本歯のコルに届かず惨敗なのかと、気が沈んでくる。
確かに苦しい登りはあるものの、もがいて動いていれば、いつかは頂上に着き、それが登山の醍醐味だと思っているのだが、ここまで苦しい時間が続くと諦めるのもまた潔さかと、いろいろなことを考えながらもがいて登る。あとで振り返ると、それほどでもないと思うのだが、その時は、永遠に終わらない時間のような気がした。
やっとのことで、八本歯のコルに這い上がり、まずは北岳山荘へのトラバース。テントスペース確保を試みる。山荘に着くと既に健脚氏達が良場を確保しており、かなり傾斜のある場所しか残っていなかった。ガスがかかり周囲の見通しは良くない。雨がふり出す降る前に急ぎテントを張る。
14:30過ぎに少しガスが晴れ、一瞬、北岳山頂が見えた。まだ少しだけ三山縦走が諦めきれない私が存在し、今日のうちにと空身で山頂アタックを試みる。1/3程度登ったところで、上方にはガスが厚くかかり始め、ポツポツと雨も降り出した。登るか、引き返すか、しばし思案するが、このまま登っても何も見えず頂上を踏む達成感もイマイチかと、今日は勘弁してやることにする... (^^; 縦走計画を諦めた瞬間でもある(振り返ると賢明な判断であった。もし、挑んでいたら、農鳥岳からのくだりで脚が動かなくなっていた可能性大である)。
そうと決まったら、テントに戻り、時折晴れるガスの向こうの景色を見ながら、山飯+コーヒーでゆったりとした時間を楽しみ、日没前に早々にシュラフに潜り込む。周囲が暗くなってしばらくしたら、奇妙な感じを覚える。悪寒のような震えが1分ぐらいの間隔で何度も起こる。そういえば、槍ヶ岳下の殺生小屋や穂高岳山荘のテン泊でも同じようなことがあった。震えはすぐに止み、暖かい感覚が戻るのであまり不安は感じなかったが、妙な気分である。これが私の体なりの高山への対処法なのかもしれない。傾斜が強いため(寝返りをすると、テントの端っこに滑って行ってしまう)、左足と左手をつっかえ棒のように支えながらの睡眠は、時折降ってくる雨音にも邪魔されながら、浅く、細いものとなった。
2時過ぎぐらいから周囲では出発用意の音や話し声が聞こえてきたが、少し明るくなるまでテントの中でゆっくり過ごす。早朝のコーヒーを楽しみ、濡れたテントの始末に手こずりながら、6:30に荷物を背負い、再び北岳山頂を目指す。稜線からは、南には富士山、北には中央アルプスが雲海の中に浮かんで見える。登るにつれて雲が取れ、富士のシルエットが朝日に映える。さらに登ると、槍ヶ岳の特徴的な形と共に穂高連峰もはっきり見えてくる。風も心地よく、テンションは上がり放題。やはり登山はこうでなくては。
頂上の景色は素晴らしかった。日本の屋根が雲海の上に全部見える。歓声をあげながら記念写真を撮るたくさんの人がいて、私も山名板と一緒に撮って頂いた。昨日の苦闘のことは忘れて至福の時間を過ごした。立ち去りがたいが、今日中には帰宅したいので、重い腰をあげる。肩の小屋を過ぎてしばらく行くと、厳しいくだり道となる。今度は永遠に覚える急降下の連続である。昨日使い切った登りのための脚の機能・エネルギーの僅かな残りを今度はくだりのために全開する。白根御池までの長いくだりを何とかこなし、山荘でソフトクリームを、と受付にダッシュすると「売切」の文字。。がっかり度合いが、えげつない。
その後も、トラバース路のアップダウンや崖のようなくだりに苦悶しながら、気力だけで広河原を目指す。途中、GPSが停止していることに気づくが、それに構う余裕もなく、ひたすら足を交互に前に出すことに専念した。広河原山荘が見えた時には、脚を引きずるようにしか歩けなくなっていた。
14:10発の奈良田温泉行バスに乗り、15:00に到着。すぐに出発し、談合坂の大渋滞に巻き込まれながらも、何とかその日のうちに帰宅できた。乳酸いっぱいの腿とふくらはぎに閉口しながら、行って北岳の山行を思い出す今日この頃である。
私も御池小屋からインフォメーションセンターまでの最後の下りがめちゃくちゃキツかったです。二日経った今も筋肉痛。こんなこと久しぶりです
やっぱりそうでしょ、私だけではないでしょ、と言うより、私と同じ時間帯に下っていた皆さん大変そうで、「広河原山荘まで、あとどれくらいですか?」と複数回聞かれるほどでした。ちょうどGPSがうまく動かず、正確な距離が不明のため、少し短めに答えて励ましましたが、結果、恨まれてしまったかも。。(^^;
でも、yasu89219さん、間ノ岳も制覇したんですから大したものです。これからも楽しく出かけてくださいね。
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