八ヶ岳〜大キレットを見ながらキレットを歩く〜


- GPS
- 03:10
- 距離
- 18.0km
- 登り
- 2,006m
- 下り
- 2,011m
コースタイム
天候 | 概ね晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
朝5:30時点で半分位は空いていました。 下山時(17:30)では3台のみ |
コース状況/ 危険箇所等 |
天女山〜権現岳 危険箇所ありません 鎖場1ヶ所だけ有り、鎖には頼らず通過できます 権現岳〜キレット小屋 西面が切れ落ちている所が多いため注意が必要 ゲンジー梯子は周りが開けているため、見るよりも少し緊張しましたがゆっくり行けば問題有りません 鎖場は何カ所か有りますが、頼らずに行けます キレット小屋〜赤岳 ガレ場の落石に注意 私に向かって頭大の石を落とされました。気がつかなかったら直撃でした 通過すること自体は初心者で無ければ大丈夫です。 ガレ場が終わると梯子・鎖が連続しますが危険は感じません 赤岳〜真教寺尾根 核心部は山頂から標高2600m位までの連続した鎖場 ほとんどの鎖は使用しませんが、最下部の鎖場は足がかりが少なくフルに使用させて頂きました ここも落石に注意。若者たちが鎖にフルテンションをかけ落石を伴いズリ下りてきていました。私が真下にいるにも拘わらず・・・ 鎖場が終われば普通の山道です。のんびり歩けます 八ヶ岳横断自然歩道 遊歩道だと思っていましたが、普通に山道です 疲れた体には結構応えます 水場はキレット小屋のみ 多めの水分を持参しましょう |
写真
感想
3連休、テント泊でどこかへ行きたかったのですが、休日出勤になってしまい日帰り登山のみとなってしまいました。
日帰りなのであまり遠くへは行けないし、
冬山ももうすぐだし、
積雪する前に高山に行きたいし、
がっつり歩いてみたいし、
ということで、八ヶ岳のキレットを歩くことにしました。
ルートはどうするか?
単独なので、周回コースにしたいので、
天女山を起点に、真教寺尾根を下り、八ヶ岳横断自然歩道で戻るルートにしました。
行動時間は、休憩を含めて12時間を予定。
暗くなる前に確実に戻りたいので、4:30出発予定とします。
そして、1:00に天女山駐車場に到着し4:00まで仮眠します。
しかし、アラームで一度は起きたのですが、二度寝をしてしまい5:00になってしまいました。
急いで支度をし、
5:35スタート。
権現岳への登山道は、まずは緩やかに登っていくのでウォーミングアップにはちょうど良いです。
標高1900mを越えると急登となり、前三ツ頭まで続きます。
ここからは、御嶽山、中央アルプス、南アルプス、富士山と展望が開けます。
三ツ頭になると、さらに展望が開けこれから歩くキレットや、赤岳、阿弥陀岳、間近に権現岳も見えてきます。
さらに、北アルプスの大キレットもはっきり見えました。いつかは自分もあそこを歩くんだ思いながら。
ここはほぼ森林限界で樹林が無いため、吹き曝しなので風が吹くと寒いです。
今日はほとんど風が無く、長袖インナーに半袖シャツだけで一日中何とかなりました。
権現岳への最後の登りは、一旦少し下り急登を登っていきます。
山頂直下に鎖場が1ヶ所有りますが、特に危険はありません。
山頂にはたくさんの人達がいました。20人ほどはいたでしょうか。皆さん、権現小屋や青年小屋に泊まられたみたいです。
ここで写真を撮っていると、地面の所々に白いものが。
雪でした。昨夜少し降ったのでしょう。今シーズン初めて見た雪になりました。
さあ、ここからキレットへの挑戦となります。
まず立ちはだかるのは、ゲンジー梯子です。
写真ではよく見ていたので大した事はなさそうでしたが、実際に見るとすごく迫力があります。
垂直でも無く、ただ少し長いだけなのに、黒戸尾根の垂直梯子よりより恐怖感があります。
多分、周りに何も無く自分の体が空中に投げ出された様に感じるからでしょうか。
実際には足を踏み外さないように普通に下りれば良いだけなのですが、緊張してしまいます。
梯子を過ぎると、鎖場が何カ所かあり、西面(進行方向左側)が切れ落ちていて、さらに雪が溶けて岩が濡れていることもあるため、慎重になります。
少し余裕のある所では、大キレットを眺め、思いを馳せながら歩きます。
アップダウンを繰り返しながら徐々に高度を下げ、キレット小屋に近づくと樹林帯に入ります。ここら辺は普通の山道です。
そして、キレット小屋に寄りこれからの登りに備え休憩をします。
キレット小屋を出て、しばらく緩やかに登りて行くと、ガレ場の急登が始まります。ここからがキレットの核心部です。大キレットも雲の中に隠れてしまいました。余計なことを考えずに集中しろということでしょうか。
四輪駆動モードに切り替え、手足を使ってガツガツ登ります。
周りの皆さんはスマートに足だけで登られている方がほとんどで、ストックを使用している方も多かったのですが、四輪駆動の方が楽だし、安全だし、早く登れるので良いのでは無いでしょうか?
しかし、今日はたくさんの方がいます。20名ほどの団体さんを始めとし、キレットだけで50名位の方とすれ違ったのではないでしょうか。
そして、このガレ場でヒヤッとすることが起こりました。
私の20m位上にいた年配のご夫婦の奥様が、足場に困り身動きがとれなくなっていました。後ろからご主人に怒られ焦っていたのでしょう。私の方向に頭大の石を落としてしまいました。
そのとき私は自分の足場を見ていたので気づいていませんでした。
ご主人の「ラーク」という大声で上を見上げると、大きな石が私めがけて飛んできています。
とっさに横によけてギリギリ回避できましたが、一瞬とてもこわい思いをしました。私の後ろには誰もいなかったので何事も無く良かったです。
ガレ場の登り自体は難易度は高くありませんが、落石時の危険回避行動や、自分が落石を起こさない等、登ることだけでは無い技術が必要だと痛感しました。
一歩間違えると命に関わる事ですから。
長いガレ場の登りが終わると、梯子に続き鎖場、岩場のトラバース、梯子、鎖、梯子と続きます。
特に岩場のトラバースは、鎖がついているものの、足元が狭くそんなに安定していないので細心の注意が必要です。
これらを通過すると距離は短いものの気持ちの良い稜線に出ます。
その後、まだ鎖場や梯子が出てきますが、難なく通過し真教寺尾根との分岐に出ます。
さらに5分ほどで文三郎尾根と合流し、梯子をいくつか登るとようやく山頂に到着です。
山頂に到着すると、大キレットがまた顔を出していました。
キレットは、難しい所はありませんでしたが、注意する所、気を付ける所、慎重になる所はたくさんあり、良い経験になりました。
今年2回目の赤岳山頂は、とても多くの人でごった返していました。丹沢の塔ノ岳や高尾山の様でした。
これだけ多くの人がいると、キレットを歩いてきたという感慨も薄れてしまいます。
40分ほどの休憩の後、真教寺尾根を下りますが、すでに結構膝にきています。
鎖場が連続するという所は大丈夫でしょうか?
真教寺尾根分岐までさっき来た道を戻ります。
真教寺尾根道に入ったとたん鎖場です。
鎖を使わずに下りれる所は鎖を使わずにゆっくり下りていきます。
ここでも危ない場面に出くわしました。
私の直後に若い男性3人組がいましたが、3人ともが鎖を両手で持ち、フルテンションをかけズリズリ下りてきます。このとき小石や中くらいの石まで大量に落としてきました。
「危ないから石を落とさないように注意して下さい」と注意をさせてもらいましたが、その後の鎖場でも同様のことがあったため先に行ってもらいました。
若いので体力に任せて山に登るのは良いのですが、周りに対する危険への意識が感じられませんでした。
その後も鎖場は延々と続きましたが、どちらかというと、自分の膝との勝負になっていました。踏ん張りがきかないので、ゆっくりゆっくり着実に一歩づつ下りていきます。
最後の鎖場だったでしょうか?大きな岩を急角度で下りる所がありました。足がかりも少なかったため、ここだけは鎖を有効活用させて頂きました。ここが真教寺尾根の最大の核心部だったようです。まるっきり余裕も無かったため写真を撮るのも忘れてしまいました。
ここから先は普通の登山道です。扇山や牛首山と通過していきますが、
この登り返しほんのちょっとだけなのですが、疲れ切った体と膝にはとてもきつかったです。
更に、賽の河原、リフト乗り場を通過して羽衣池までだらだらと下りていきます。
羽衣池に到着したときには、やっと終わったという安堵感がありました。
あとは遊歩道を1時間ほど歩けば良いのですから。
しかし、まだ終わってはいませんでした。
遊歩道だと思っていた八ヶ岳横断自然歩道、ただの山道でした。アップダウンもあるし、徒渉もあるし、泣きたくなりました。
まさに罰ゲームでした。
最後には、天女山へのピークハントが待っていました。約80mの登りです。
これが500mの登りにも感じるほどきつかった。
山頂に着き、駐車場に戻ったときにはすでに薄暗くなっていました。
いつもいつも、山行が終わると次は軽くハイキングと思うのですが、いざ行くとなると苦行の様なコースになってしまう事が多いのはなぜでしょうか?
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