記録ID: 1814946
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積雪期ピークハント／縦走
剱・立山
飛越から薬師岳。苦行の後に如来の神秘に出会う
2019年04月28日(日) 〜
2019年04月29日(月)
野風
体力度
8
2〜3泊以上が適当
体力度について
- GPS
- 20:34
- 距離
- 39.8km
- 登り
- 2,753m
- 下り
- 2,738m
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1日目
- 山行
- 8:55
- 休憩
- 0:28
- 合計
- 9:23
| 天候 | 1日目：そこそこ晴れ 2日目：10時頃から曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2019年04月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
東京方面からは平湯より471号線を進み、「飛越高天原の夕顔の道」を進む（赤い橋のすぐ手前を右折）。山吹峠を越え、天蓋山の登山口の「夕顔の里」の横を通る。「山の村」の集落で484号線に右折し、しばらく走って二股の左の道路を有峰湖方面へ進む。さらに進むと右手に進入禁止の道路があり、看板の横をすり抜けて上がると飛越トンネルの手前約3キロ地点の崖崩れ箇所に着く。ここに縦列駐車する 富山方面からは国道41号線から471号線へ入る。高山方面からは国道41号線から県道75号線を進んで再び41号線に合流する少し手前で「神岡カントリーロード」（農免道路）へ右折する。471号線に出たら右折する。しばらく進み赤い大きな橋を越えたら左折し「飛越高天原の夕顔の道」に入る。ナビによっては、484号線で伊西トンネルを越えて山の村に至るルートを教えるが、峠越えの狭い道なので上述の道をおすすめする なお、飛越トンネル手前の崖崩れはひどく、当分復旧しそうにない またこの時期太郎平小屋を利用する場合は、水はないのですべて購入。シーツやまくらカバーもないので、特にしみだらけの枕が気になる人は、タオルやカバー、あるいは自分用の空気枕の持参をお勧めする |
| コース状況／ 危険箇所等 |
直前の降雪で、コース全般を通じて雪の上を歩いた。ワカンとピッケルを持っていったが使用せず。登山口から急登を登って鉄塔に着いたところでアイゼン装着。以降、登山口に戻るまでアイゼン。新雪で足が沈んだので、ワカンにすれば良かったと反省 駐車場から登山口： 崖崩れはガードレールのすぐ下を通過して抜けられる。以降は道路歩き。1キロほど行くと完全に雪になったが、この季節なので道路の雪融けは早いと思われる。その分、融けきるまで中途半端で滑りやすく、歩きづらくなるかも。登山口にポストあり。トイレはない 登山口から飛越新道と神岡新道の分岐： 今回は雪が多かったので、積雪期限定ルートでトンネル手前の右側からアクセスした。なかなかの急登。鉄塔まで登ると、その後はやや緩やかな登りで途中若干の下りもある。寺地山まで赤リボンは非常に少ないので、ルーファイ力が必要。季節外れの降雪の後は要注意。GPS必携 分岐から寺地山： 上記と同じような道が続く。樹林帯の中の尾根をゆっくり登り上げる。寺地山直下は右側をトラバースする。最後は右側が急斜面なので、雪の状態が悪い時や急斜面のトラバースが苦手な人は、夏道通りピーク越えをおすすめする 寺地山から北ノ俣岳肩の稜線： 寺師山から下り気味に尾根を水平移動。その後は正面の尾根に向けて約600mの急登が始まる。胸突き八丁の苦しい登り。北ノ俣のピークの左下へ巻くように左手に進むとショートカットできる。しんどいが危険箇所はない 稜線分岐から太郎平小屋： 北アの稜線を右に眺めながら小屋方面に下る。ガスなどで小屋が見えていないときは、右に進みすぎないよう注意。雪庇や崖になっている。GPSなどで位置を確認する。下りきると緩やかに登り返す。この時も右に寄りすぎない。雪庇や崖になっている。最後は下って小屋に着く 太郎平小屋から薬師小屋： 小屋から薬師に向かって歩き、薬師峠に一旦下る。積雪期はそのまま真っ直ぐ直登するか、夏道通り右手方向に回り込んで、尾根伝いに薬師小屋手前のピークを目指すか、二通りの方法がある 薬師小屋から薬師岳： 薬師小屋から急登を登って壊れた避難小屋があるピークを目指す。右側に雪庇があるので、近寄らないこと。そこから先は稜線の少し左下（富山湾側）をトラバースして薬師岳ピークに向かう。特に危険個所はない 帰路は割愛。悪しからず |
| その他周辺情報 | コンビニ： 東京方面からは471号線の赤い大きな橋の手前で右折するが、右折せずそのまま赤い橋を渡ったところにヤマザキYショップがある。24時間営業かどうか不明。Yショップのとなりに公衆トイレがある。トイレはここが最後。コンビニは新島々までに調達する方が安全 高山、富山方面からは赤い橋の手前になる。国道41号で調達しておくのが良い 日帰り温泉： 東京方面は平湯温泉かその手前にいくつかある日帰り温泉に立ち寄るのが良い ひらゆの森。500円。10‐21時 http://www.hirayunomori.co.jp/spa01.html 高山、富山方面は近くにはない |
写真
前日、飛越トンネル付近まで行けるのか下見に出かけた（高山のアパートから1時間半）。途中、山吹峠やこの道路が所々積雪していたが、崖崩れ箇所まではノーマルタイヤで来ることができた
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前日、飛越トンネル付近まで行けるのか下見に出かけた（高山のアパートから1時間半）。途中、山吹峠やこの道路が所々積雪していたが、崖崩れ箇所まではノーマルタイヤで来ることができた
崖崩れの手前で縦列駐車。雪をものともせず入山された人たちの車が10台位止まっていて、3センチほど雪をかぶっている
当日朝、4時半前に出立。崖崩れ箇所から1キロほど歩くと道路は完全に真っ白な雪。先行者数名（ツボ足、スキー）
飛越トンネル。ここまでの上り坂で約1時間かかった。こりゃまるで冬山だ。トンネル手前の右手方向の沢に下って登る
小刻みにアップダウンを繰り返しながらも緩やかに登る樹林帯の尾根道を進んできた。寺地山まで来ると登り上げる稜線が正面に見えてくる
ここから一気に稜線まで登り上げる。晴れなのだが、微妙に薄い雲がかかっている。これが後に神秘的な現象をもたらす
見上げると幻日環が出ていた。一つは太陽を囲む円のように。もう一つは太陽がダイヤモンド指輪のよう（後記：ダイアモンド指輪が幻日環で囲む輪はハロ（日傘）が正解）
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見上げると幻日環が出ていた。一つは太陽を囲む円のように。もう一つは太陽がダイヤモンド指輪のよう（後記：ダイアモンド指輪が幻日環で囲む輪はハロ（日傘）が正解）
環水平アーク（水平の虹）も現れている。それぞれが珍しい現象なのに、三つが同時に現れた
太陽を取り巻く2重の虹のようにも見えた。16�亶�角でも全体を捉えられなかった。高山、富山、長野など平地でも見られてニュースになったようだ
先は長い。所々アイゼンが効くが、新雪で足首まで沈むのでじわりじわりと疲れがたまる
長くつらい登りのご褒美。稜線に出ると槍ヶ岳から南岳への稜線。その手前が裏銀座の稜線
北ノ俣岳の稜線にイグルー作りをする2人組（後記：kagoru-dake さんでした）
稜線の少し下の絶景ポイントにテントを張る人。皆さんタフだな（後記：also さんでした）
GW限定で営業してくれる。本当にありがたい。前夜は同室の方お一人。この夜は15人くらいだった
到着後はアルコール（ロング缶2本と持参の焼酎）とおつまみで食堂にてまったり。夕食を済ませて夕日を眺める
翌朝、風が少しあったが4時半に薬師を目指す。振り返って北ノ俣岳（右）と黒部五郎（左）の頂には雲がかかっている
3時過ぎに出発した2人組先行者の苦労が窺える。深いところは膝下ラッセル。下山するお二人にお礼を言いました。本当にありがとうございました
雪が深いので直登ルートではなく、皆さん夏道の尾根ルートを進む。2番手の2人組が尾根を進んでいる。先行2パーティーのトレースから逸れて、前方の低木の間を抜けて斜めにトラバースして稜線へ上がった
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雪が深いので直登ルートではなく、皆さん夏道の尾根ルートを進む。2番手の2人組が尾根を進んでいる。先行2パーティーのトレースから逸れて、前方の低木の間を抜けて斜めにトラバースして稜線へ上がった
このシュプールは同室になった70代と思しきご年配の方が昨日滑った跡。毎年ここに来てBCを楽しむとか。今回は黒部五郎、三俣蓮華、野口五郎、烏帽子と回って、5月4日に七倉に下りる予定とか・・
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このシュプールは同室になった70代と思しきご年配の方が昨日滑った跡。毎年ここに来てBCを楽しむとか。今回は黒部五郎、三俣蓮華、野口五郎、烏帽子と回って、5月4日に七倉に下りる予定とか・・
北ア南部を代表する槍から大キレット、北穂、奥穂への稜線が全容を現した。美しすぎる
小屋からあそこまでさらに登る。日本海側からの北西の風が強くなってきて体温を奪う
裏銀座の稜線。ご年配の方はあそこまで行くのか。信じられない。どうかご無事で・・
昨年秋に2泊3日で新穂高からピストンした赤牛岳。赤牛からの稜線左下には薬師見平
所々膝下まで埋まりながら、下りは真っ直ぐおりて太郎平小屋に。デポしたザックにアタックザックの中身を入れ直して出発
ヘロヘロになりながら神岡新道分岐の下まで登り返してきた。昨日、絶景ポイントに張っていたテント。絶景がなくなってしまった
登り返しか・・。飛越新道とそれに続く神岡新道は、何だか塩見岳のアプローチに似ている
ヘリが名前を呼びながら捜索していた。ここで追いついてきたフランス人のBCカップル曰く、26日の土曜に一人亡くなったとか。その人を探しているのか？彼らは今日の下山途中にでかいザックだけが残っているのを見たという。別の遭難者か？
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ヘリが名前を呼びながら捜索していた。ここで追いついてきたフランス人のBCカップル曰く、26日の土曜に一人亡くなったとか。その人を探しているのか？彼らは今日の下山途中にでかいザックだけが残っているのを見たという。別の遭難者か？
感想
このGW、天候が許せば室堂から新穂高までオートルートを5‐6泊で歩くつもりだった。そのために85Lのザックも新調した。ところが前半の天気が良くなく、晴れるのは日曜と月曜午前のみ。1.5日ではどうにもならず、せめてオートルートのごく一部の薬師に出かけることにした
テン泊にするつもりでザックに詰め込んで準備したが、前日に飛越トンネル手前まで下見に出かけて、私の脚力・体力では、新雪の上を重いザックで歩くのは無理と判断。前夜に40Lザック小屋泊装備に詰め替えた
結果的には大正解で、あの長いアプローチとその後にやってくる急登を、雪に足を取られながら重いザックで登るのは到底無理だった。表向きは使用禁止の北ノ俣避難小屋あたりまでがせいぜいだったと思う。それにしても多くのテン泊者がぐいぐいと登っていくのにはただただ驚くばかりだった
シーズン中の折立からのアプローチならいざ知らず、アクセスが長い飛越トンネル登山口から登ろうという登山者は、私のようなへっぽこ登山者ではなく強者ぞろいだった。そうそう、若者が一人で駅から折立まで歩いて、腰までのラッセルで太郎平小屋に上がってきたのには言葉を失った
同じ部屋に二人で泊まった70代と思われるご年配の方も、いろいろとお話ししたが、この時期の常連でただ者ではない。30日、1日は天気が崩れるので黒部五郎の避難小屋で過ごすという。今でもへなちょこ登山者の私は、70代になって雪の薬師に登れるだろうか。多分ヘリコプターで名前を呼ばれているだろうな・・
もう一日天候が持てば、太郎平小屋に連泊して黒部五郎にも足を伸ばしたかったが、別の機会にするとしよう。でも飛越からはもういいかな（笑）。このルート、登山口から急登し、その後は樹林帯を徐々にかつ延々と登り上げ、最後にドーンと急登が待っているあたりは、本当に鳥倉からの塩見岳に似ている。帰りの登り返しがちょこちょこあるあたりも似ているし、今回は崖崩れのため、登山口までの1時間の道路歩きまでそっくりだった
涸沢でも雪崩があったようだが、この時期の降雪で雪が不安定なのだろう。薬師では図らずも冬山のような真っ白な雪の上を静かに歩いて登ることができ大満足だ
GW後半の天候も読み難いところがありますが、出かけられる方々の安全登山を願っています
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入山者多い上高地、常念、燕といった山域ならともかく薬師で小屋がGWに開いてることにビックリです。
山容だけ見るとなだらかですが実際歩くとキツいんですよね、このテのルートって。
それにしてもいい眺めですね。
ピンさんらしい渋い山の選択、流石です
「渋い選択」と言えば、最近のトムさんの山行ですよ
こんな山あるんだと感心しきりです。まぁ、南プス周辺ってとこは「らしさ」がにじみ出てますが（笑）
太郎平小屋、絶対採算合ってないですね。でも営業してくれるというのは心強い味方です。
オートルートを過去のレコで調べていて、去年歩かれたnaga4687さん（同じ市民税を払ってます）のレコで知りました
このルート、本当に塩見岳のアプローチに似てます。三伏から先に登っていくと右斜め先に将軍が見えるように北ノ俣岳が見えてくるところや、泥濘で靴がドロドロになるあたりも似てます（今回はずっと雪の上で汚れず）
小屋泊にせよテン泊にせよ、北アとは思えない静かな残雪歩きを楽しめます。ある意味トムさん向きのハードさも持ってます。ぜひ一度お越しを！
おはようございます。
イグルー泊していた者です。
先日はお話できて、また少ない時間ですがご一緒できてとても楽しかったです。
ラッセル猛者も無事に小淵沢までご一緒しました。
また機会がございましたら、どこかの山でお会いしたいものです。
コメありがとうございました
また、彼を小淵沢まで送っていただいたようで感謝です
というか、彼が馬力で烏帽子まで進もうとしていたのを、お二人が思いとどまらせてくれたのではないかと思っています。彼のマシンのような疲れ知らずのリズミカルな足の運びで、脚力や体力は問題ないと思っていたのですが、この時期にピッケル無しかつ６本歯の軽アイゼンでは危なっかしかったです
何度かやめておくよう勧めたのですが、先に進んでいきました
でもイグルートラップに捕まったようで（笑）、お二人と一緒に下りてきたのを見たときはホッとしました。息子と同じような世代なので・・
鈍行列車で登ってますので、どこかで見かけたらまた声をかけてください
稜線でテントを張ってたものです。
整地の時に目の前におられた方ですね。
サンピラーは当日多方面で見られたようですけど、やはり日本海へ落ちていく姿が一番美しいですね。僕はタイミング的に全容が見られなかったので写真を見て満足しました、ありがとうございます。
あと翌日未明はガス&吹雪きだったのですが、写真を見る限り自分やkagoru-dakeさんのところだけだったんですね(´Д⊂
もしかしたら夜間もガスわいてなかったんですかね…
それを差し置いても絶景続きでしたので大変満足でしたけども。
お疲れさまでした！
八ケ岳の全山縦走とか、地蔵のドローン飛ばしなど、タフな山行や遊び心あるレコを凄いなぁと拝見していました。天の川撮影もキレイで感心してました
ちょうど北ノ俣の稜線に登り上げて絶景に見とれていたら、ほぼ同じく到着されるや否や、テント設営のための穴掘りを始められたので、ついつい見とれてしまい、断りもなく撮影させてもらいました
あの時、お声がけすればよかったです。せっかくお会いできたのに残念です。私が薬師から下山する際に薬師小屋あたりでスライドしたかと思いますが、２度のチャンスを逃しました
未明は太郎平小屋周辺も風の音が強く薬師に行くのを迷いましたが、とりあえず外に出てみると、それほどでもなかったので出かけました。振り返ると北ノ俣や黒部五郎のあたりが雲に覆われていましたので、幕営地で雪が降っていたのも分かります
テン泊装備を担いできて、１泊で黒部五郎と薬師を歩かれるあたりはさすがalsoさんです
本当にお疲れさまでした。ぜひ今度お会いした際にはツーショットをお願いしたいものです
GW前半のあまりよくない天候の中、隙をついて薬師岳に行かれてたんですね。
写真を拝見すると素晴らしい景色で、うらやましい限りです。
やはり北アルプスはまだまだ雪山を堪能できるんですね。
GWは家族の用事などで泊まりがけの山行は行けず、先日子どもと尾瀬に日帰りで行ったのみで、天気のいい後半も登山はなしです。
5月はかなり時間の融通が効くのですが、れこを見て薬師岳あたりに出掛けたいなと思いました。
雪が緩むのに要注意のようですね。
eurekapapaさん、いつもコメありがとうございます
この時期に登山口の最初から最後まで雪の上を歩けたというのはラッキーでした
しかも直前の降雪のおかげで、行きは冬山のように真っ白な雪の上を歩くことができました
下りは残雪期らしい状態になってきていましたので、これからもどんどん状態が変わっていくと思います
太郎平小屋はGWで一旦閉じて、6月1日から営業するようです
それまではテン泊装備で出かけることが必要です
eurekapapaさんなら、北ノ俣の稜線に幕営して、初日に黒部五郎、2日目に薬師へ行って下りてこられるでしょう
昨年は剱岳でしたよね？次回のレコを楽しみにしています
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