記録ID: 197595
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無雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科
八ヶ岳主脈縦走 (稲子湯 〜 夏沢峠 〜 硫黄岳 〜 横岳 〜 赤岳)
1963年08月22日 〜
1963年08月24日


- GPS
- 32:22
- 距離
- 18.6km
- 登り
- 1,736m
- 下り
- 1,786m
コースタイム
22日:稲子湯(8:33) → ミドリ池(10:05=10:35) → 本沢温泉(11:30=12:00) → 夏沢峠(12:42=13:05)
→ 硫黄岳(13:55=14:10) → 硫黄岳石室(14:25)
23日:硫黄岳石室(6:15) → -- 悪天候の為小屋に引き返す -- (6:27) 再び出発(7:50) → 鎖場(8:10=8:25)
→ 横岳主峰(8:45=8:55) → 日ノ岳(9:25=9:27) → 鎖場(9:30=9:32) → 鎖場(9:40=9:42)
→ 赤岳石室(9:55=10:55) → 赤岳(11:35=12:30) → 美し森(16:55)
→ 硫黄岳(13:55=14:10) → 硫黄岳石室(14:25)
23日:硫黄岳石室(6:15) → -- 悪天候の為小屋に引き返す -- (6:27) 再び出発(7:50) → 鎖場(8:10=8:25)
→ 横岳主峰(8:45=8:55) → 日ノ岳(9:25=9:27) → 鎖場(9:30=9:32) → 鎖場(9:40=9:42)
→ 赤岳石室(9:55=10:55) → 赤岳(11:35=12:30) → 美し森(16:55)
天候 | 濃霧 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車
:[バス] 小海駅(7:32) - 稲子湯(8:15) −−− 帰り −−− 23日〜24日:[バス] 美し森(16:55) - 清里駅(17:03) :[電車] 清里駅(19:53) - 小淵沢駅(20:18=20:25) - 甲府駅(21:31=0:42) - 新宿(4:40) - 浦和駅(5:35) |
コース状況/ 危険箇所等 |
−−− 49年前の記録を、ほぼ "原文のまま" ダイジェストで 記します。 −−− ・・・・・日記風ですが、ご勘弁を・・・・・。 −−− ★★ 22日:硫黄岳「石室」まで ★★ −−− 「小諸」に着いた時は、かなり辺りが明るくなってきた。 もう東京とは違った 爽やかな ひんやりとした 空気である。 だいぶゆっくりしてから、小海線の最初の電車に乗った。空は、殆ど雲に覆われていた。 しかしこれは、天気の悪いのを覚悟で来たのだから、しかたがない。 まだ前からの眠気が覚めず、窓の外を見る目もトロンとしている。 「小海駅」に着いて バスに乗るまで時間があったが、すぐにバス停前の列についた。 来たバスは、空いていて座れて快適。しばらくは千曲川に沿って走った。 青空が覗いてきて、これは大丈夫かな?と思った。 実に美しい景色で、登山バスの楽しさを味わった。 「松原湖」を過ぎて、道は前より細くなり、急カーブが多くなってきた。 バスは快適に走り、「稲子湯」着。記念スタンプを押して出発した。 重いリュックが、肩を圧迫してきた。 前方に岩の凄い山が見える。山も段々深まってきた。「ミドリ池」に着いた。 広さは小さいが、木々に囲まれ、前方に 岩肌を露骨に出した山が見える この「ミドリ池」の美しさには、 思わず見とれた。 そのうちに汗が冷えて、寒くなってきた。昼飯を食べた。 この時はまだ、陽が当たっていた。ここが2,069mと書いてあって、ちょっと驚いた。 奥秩父では、2,000m台へ着くのには もっと大変である。 「本沢温泉」へ向かって歩き出した。途中は、原生林のようなものがあって、雲取山を思い出した。 「本沢温泉」へは、非常に楽に着けた。ここの小さな流れで、ソーダラップをドリンク。 "スカッと爽やか" になった。 みつ豆の缶詰も冷やして食べた。旨いです。 ここを出てすぐに「旅館」に出た。ここに「本沢温泉・標高2,100m」と書いてあった。 ここの人が「きょうは何処まで行くんかね?」と訪ねてきた。 「硫黄岳石室の予定で、余裕があれば、赤岳石室まで」と言うと、「ここは風が吹かない所なのに、 この位 風があるのだから、夏沢へ行ったら強くて行けない。まあ今日は、せいぜい夏沢泊まりだよ!!。 硫黄の石室まで行けたら、ベテランだ」と言った。 なるほど今は、青空なんか全く無く、山には濃いガスが掛かっていた。 我々は礼を言って出発。見通しは、暗い。元気を出して、登った。 やっと「夏沢峠」に着いた。 すると小屋の人が、「疲れたでしょう。さーさどうぞどうぞ中へ」と言ってスイスイと調子よくお茶を持ってきた。 何も言わないのにお茶を持ってきたのだから、お金は?と思ったら、果たして "御一人様30円" ときた。 本沢の人が言ったとおり、風は強かった。ガスが一緒に流れて、視界は誠に悪し!!。景色どころではない。 小屋の人に聞いて、石室まで大丈夫か?と尋ねたところ、大丈夫という返事。 出発したが、視界は20m位だった。とても寒くて、今はジャンパーを着ている。 高くなるにつれ、風は前よりも強くなったが、追い風となって 苦ではない。 左側は 有刺鉄線が張ってあり、絶壁となっていた。視界も悪し!!。 唯一の露出部分である頭・顔は、びしょびしょである。 ようやく「硫黄岳」着。景色は、もの凄い!!だろうなあ〜・・・という想像しか出来ない状態。 頂上は何一つ障害物が無く、風が遠慮無く吹き付ける。隅に、ロボット雨量計というのがあった。 頂上にずーと居られないので、出発。風下になって、風は少し弱くなった。それでも、尾根なのでやっぱり強い。 14:25,本日の行程終わりの「硫黄岳石室」に着いた。 まず、炉のところで 暫く温まり、2階に上がった。夕飯は、米を5合出して、小屋に頼んだ。 そして、天窓の光でトランプをして遊んだ。やがて 18時を過ぎて、飯だというので 下に降りた。 飯を頼んだ人は 皆降りてきて、テーブル巾の長い板の両側に座る。 お椀、飯椀、飯を入れたボール、味噌汁を入れたボールがあった。おかずは、缶詰、ふりかけを出した。とても旨かった。 後は、セーター、ジャンパーを着て すぐ床に入った。 −−− ★★ 23日:横岳 〜 赤岳 〜 美し森まで ★★ −−− 僕らが最初に目を覚まし、続々と起き出した。すぐに下へ行って、用意が出来ている飯を 缶詰、ふりかけで食べた。 6:15,他の人たち数人と出発したが、進むにつれ 風が強く、よろけそうになる。ケルンも飛びそう。 これは駄目かな?と小屋へ引き返した。視界は悪く、10m前後。 他の人たちは、断念して 元来た「夏沢」へ引き返すらしい。 小屋の人の話によると、風はこの辺が一番強く、「横岳」の方に行けば 段々弱くなると言う。 他のパーティーで、赤岳へ向かって行ったのが居る。7時50分、我々は大丈夫と判断して、出発した。 風も視界も全く変わっていなかった。さっき引き返した所を過ぎて、段々登りになると、風は少し弱まってきた。 まもなく、最初の "鎖場"に 着いた。スリリングな急傾斜の岩である。 この鎖場の"中休み"といった所で、写真を撮った。 ここで初めて、赤岳方面から来たパーティーと会った。峠を越えて、「横岳主峰」に着く。 狭い岩の山頂である。岩雀と思われる鳥が、ほんの手の届く範囲にまで近寄ってきた。 ここを出発して9時10分、最高のスリリングな所に入った。「日ノ岳」と鎖場2ヶ所を含む地帯である。 晴れていれば判る道も、本筋ではないと判ってすぐ引き返す。「赤岳」石室着。 外に寒暖計が有り、ちょうど10℃を指していた。東京などとは、20℃も気温差がある。(23日の東京最高気温:32.9℃) 石室の中で、昼飯とした。 石室に いかにも山娘という感じの17,8歳の女の子が居た。ハーモニカを吹いている。 ここを出発、「赤岳」のあの 鋭く実にスタイル良く立っている峰の下に来たらしい。そこは、清里分岐になっている。 ここから赤岳山頂まで25分位は、激しい傾斜の岩の連続で、疲れる所だ。 岩に "頂上まで10分、ガンバレ!!" の激励の文字があり、奮起した。まもなく真上に小屋を見る。 目的の山「赤岳」に到着した。まさに感激の一瞬であった。風は大分弱まった。視界も、前よりは良くなったようである。 頂上でのソーダラップ、缶詰の旨さは、最高であった。 三角点が判らず探していると、ここより高い峰がかすかに見えた。三角点!!。 頂上小屋は、風当たりが強いのだろう。小屋入り口の通路を除き、背より高く岩が積まれている。 頂上から「小淵沢」へ降りても 時間的には間に合いそうだが、山中で夜になることが確実なので、 「清里」へ降りることに決めた。 「清里分岐」までの急な所を 今度は降りるのだが、登ったのより骨が折れた。 根っこにすべてを託して、さっきはここをどうやって登ったのだろうと思うほど、登った時の足場が判らない。 「清里分岐」を通過。13時頃 下の雲が切れ、八ヶ岳の裾野の町、さらには奥秩父連峰も見えだした。 思えば、この景色が昨日今日を通じて唯一なので、我々は非常に喜んだ。 振り返って見上げた「八ヶ岳」は、厚い雲を被っていた。もうガスから完全に脱出した。 途中の休憩で飯を食べ、ソーセージを食べた。 15:30,初めての陽が差した。振り返り「赤岳」を見たが、相変わらず雲の厚いベールを被っていた。 美し森付近を通って「美し森バス停」に着いた。 「清里」に着いたが、誠にこじんまりとしていて、閑かな町である。秩父方面、富士山が綺麗に見えた。 標高1,284mで、日本で一番高所の駅である。 「清里駅」を19:53に経ったが、遂に八ヶ岳連峰は、その全貌を見せてはくれなかった。 「小淵沢」に出て 甲府行列車に乗り、甲府で "新宿行き" 待ち合わせの為、甲府市内をぶらついて、 新宿着が 24日4:40であった。 |
写真
撮影機器:
感想
−−−下記のようなコメントも残していました。−−−
◎ 日本列島に長い前線があり、この上を低気圧が通るという 山行きにとっては、"最悪"の 天気でした。
したがって景色も見えず、ただ歩いただけという感のある今回の山行きは、この縦走路から見る
景色の素晴らしさから言って、ほんとうに残念だったが、しかし、変化の多い岩コースで 楽しかった。
だから今、買ってきた「八ヶ岳」の絵はがきを見ても、一つとして思いあたるものは無い。
天候の悪いことを覚悟で行ったのだから、仕方がない。
◎ 16歳、高1の「夏休み」です。従兄弟3人と登りました。
行き帰り夜行 1泊2日の行程でした。
◎ 費用の合計は、次のとおりでした。
・交通費 845円 ・食料費 605円 ・現地飲食 165円 ・宿泊費 500円 ・絵はがき 130円
−−−計2,245円−−−
◎ 上記のうち、宿泊費 =「硫黄岳石室」の料金内訳は、次のとおりでした。
・素泊まり 350円(寝具付き) ・食事3食味噌汁付き(米一人5合持参) 150円 −− 計500円 −−
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利用交通機関:
車・バイク、 電車・バス、 タクシー
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5
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