1年かけて登ってきました!五竜岳 唐松岳
- GPS
- --:--
- 距離
- 17.7km
- 上り
- 1,974m
- 下り
- 1,958m
コースタイム
- 山行
- 6:00
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 7:10
天候 | 1日目 曇り時々晴れ 2日目 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所はありませんが、牛首、五竜岳頂上間近は慎重に 唐松岳頂上山荘手前の巻道は崩落している為、尾根道のみの通行となります。 |
その他周辺情報 | 下山後 白馬村で入浴 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
ポール
|
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感想
2018年7月の終わり、冷池山荘から鹿島槍ケ岳を登り、八峰キレットを歩いて
きた私達は五竜山荘分岐の岩場にしゃがみこんでいました。 夕刻17時 あたりは
キリの中五里霧中状態、一言で表現すると「五竜霧中」とでも言いましょうか!
「イヤー!キツイ! もう11時間近くも歩いているナ!」
「誰かツェルトと水持っている?」
「ここでビバークするの?」
「そうだよ、今の季節だったら凍死はないヨ」
「エ〜!」
こんな会話までして覚悟をしかかった時
「ちょっと待って! そこの分岐の先どうなっている?」
「良かった! 山荘まで下る一方の道だ!」
「下りの足だったらまだ動くヨ」
「これで生きて帰れそうだネ(^.^)/~」
(高度計を見て)「アレッ! 標高的には山頂に達してる!」
「誰か代表して山頂に行ってこないか?」
ところが登り坂に果てしない嫌悪感を感じていたあの時、誰も足を向けるものは
おらず、不思議と未練を感じる事もなく五竜山荘への下山を開始しました。
2018年五竜岳登頂断念のドキュメントです。
その後 この鹿島槍ヶ岳〜五竜岳山行は、行程策定に無理がなかったかを議論し
たり、山行途中のエネルギー補給重要性を勉強したり、事あるごとに「あと5分の
所で登頂を断念した山」として1年間気持ちがくすぶり続けていました。
そんな気持ちとは裏腹に「苦労はしたけど、もしかして素晴らしい山旅だったの
では?」「いつか最高の思い出に変化するかも?」の想いが頭の片隅から離れず
密かに再チャレンジの機会を目論んでいた事も事実です。
そんな再チャレンジの機会は、思いの他早く1年後にやってきました。
2019年シーズン毎年恒例にしていた夏山山行(今年は北穂高&奥穂高)は梅雨が
長引き悪天行の為中止(・・;)、お盆恒例にしていた安達太良山&お墓参りも日程
がとれずに中止とハイシーズンにぽっかりと穴が開いてしまったような消化不良感
があった為、白馬に住む元上司(マサさん)に五竜岳直前撤退再チャレンジ構想
を伝えました。
このマサさん、私が社会人になって初めて会社組織(経理部)に属した時の直属
上司であり、転職後も登山に誘ってくれ 私に百名山&3000mクラス登山のきっか
けを作ってくれた「原点」とも言える恩人です。2人の同行登山は約20年前 当時
まだ現役運行していた寝台特急「あけぼの」に乗り秋田県(山形県)鳥海山まで
遡ります。
私の構想に対してマサさん「自分も一昨年八方尾根経由テント泊で行った五竜岳
からの下山で かつてない程にバテてトラウマになっている。久々の機会に2人で
五竜岳リベンジに行こう」と嬉しい言葉をかけてくれました。
私にとって願ったり叶ったり、好天予報も重なって、意気揚々と新宿発の夜行バス
に揺られ早朝の白馬駅に降り立ちました。
髪は白髪になったものの、以前と変わらぬ印象のマサさん、昨日まで頻繁に会って
いたかのごとく会話も弾みます。 合計年齢130才超(*_*; 五竜岳チャレンジの
スタートです。
コース紹介
八方池山荘〜八方池〜扇雪渓〜丸山〜唐松岳頂上山荘〜唐松岳
非常に歩き易く、ハイキングの延長気分で高度を上げていく尾根道です。
北方に白馬〜小蓮華山の稜線、南方に遠見尾根を眺めながら歩を進め 視界が
開けると正面に不帰の瞼キレットが迫力を持って迫ってきます。
唐松岳頂上山荘への巻道は崩落している為、尾根道の急階段を登ると後立山
連峰の稜線に到着します。
唐松岳頂上山荘〜牛首🐄〜大黒岳〜白岳〜五竜山荘
山荘を出発すると山小屋スタッフの方の牛首入路チェック(?)があります。
牛首核心部は高度感はありますが、足がかりが分かり易く問題ありません。
約250m下った後、大黒岳〜白岳へほぼ同じ高度を登り返していきます。
右肩に剱岳を従えた五竜岳の迫力満点の眺望はこの稜線ならではの絶景です。
五竜山荘〜八峰キレット分岐〜五竜岳山頂
前半は気持ちのよい稜線漫歩、次第に岩の比率が増えていき山頂間近は両手
両足を使ったプチクライミングとなります。 こちらも手がかり、足がかり
がしっかりしているので問題なく山頂に至ります。
五竜岳山頂からの眺望
文句なし絶景!の一言です。 劔&立山、槍&穂高、黒部源流、中央アルプス
南アルプス、八ヶ岳、富士山、高妻&戸隠、妙高&火打、浮かんでくるだけで
これだけの山々の真ん中にいる事が実感されます。
昨年、晴天の鹿島槍ヶ岳山頂から見た絶景に感動しましたが、五竜岳山頂は
それに勝るとも劣らない眺望かと感じます。 なぜなら鹿島槍ヶ岳の絶景が
プラスされるからです、手前の八峰キレットから北峰/南峰がせり上がり、
右肩に(本家)槍ヶ岳との共演を見せる光景はここならではの特権ではない
でしょうか。 至福の30分間を過ごしました。
来てよかった五竜岳
マサさんとの20年ぶり同行登山、2人揃って歩いたり、それぞれのペースで歩い
たり、すばらしい絶景に迎えられて案外あっさりと互いのリベンジ達成となった
感があります。 それは五竜岳が持つ本来のすばらしさ、恵まれた好天に加えて
自分の「原点」とも言える恩人と今だに一緒に歩けている充足感がそう思わせて
いるのだと思います。 体力に任せていかに早く登頂するかを目的にしていた?
以前とは異なり、老齢パーティ?となった今はいかに体をいたわるペースで歩き
続けるかが重要テーマになっていますが、休憩時間込みでコースタイムはキープ
できましたし、マサさんに至っては休憩ポイントで私を待っている「ゆとり」を
見せています。(速い!) 途中で先行していった(若い)人達とは、なぜか
目的地には同時刻にいる!今回の同行を通じてあらためて山行技術を教わった感
があります。 ありがとうございました。
この1年間私達の中で言い続けた「あと5分で逃した五竜岳登頂」
この言葉を訂正します。 ⇒「3分間水平移動先に看板はありました!」
今回、昨年へたり込んでいた分岐点岩場の写真を何枚も撮りましたし、そこから
30m先につながる看板付山頂も「証拠写真」として残しました。
しかしその岩場から南方へ振り返り鹿島槍ヶ岳方面を眺めると、そんな「証拠
写真」などほとんど意味を持たないと直ぐ納得できました。
そこには鹿島槍ヶ岳の裏(冷池山荘)を出発し登頂後キレット小屋へ下山、更に
いくつものピークをアップダウンしながら五竜岳に登りつめてつめてくる名(難)
コース八峰キレットの稜線がのびています。
「こんなスゴイとこ辿ってきたんだ!」素直にそう感じました。「食料も大して
摂らず(メロンだけ!)よくみんなここまで来れたものだ!」と感心(寒心)す
るとともに「山のダイナミックさが凝縮されたすばらしいコースを歩いてきた」
喜びが1年の時を経て湧いてきました。
残り30m(100m走のアスリートがダッシュすれば4秒!)を行かなかった事は
このコースを歩いてきた事に比べれば、実に些細な「蚊に刺された」ような
もの! 「行けなかった」と嘆く必要性はまったくありません。
1年前「誰か代表して山頂に行ってこないか」に応えて、ちょっと時間はかかり
ましたが私「五竜岳」の看板写真は撮ってきました。 しかし「看板を見てきた
だけ」「登頂は1年前に達成済みでした」と報告したいと思います。
それ故、この山行記 同行者3名で書いています。
1年間の余韻にひたれたすばらしい山旅をありがとうございました。
五竜岳ほんと行ってよかったです(*^^)v
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