槍を眺めながら歩き、最後に槍に登る! 蝶ヶ岳-常念岳-大天井岳-槍ヶ岳 〜雷の恐怖と御光をまとう神秘的な槍の影〜
- GPS
- 80:00
- 距離
- 50.1km
- 登り
- 3,567m
- 下り
- 3,558m
コースタイム
8/17 5:30蝶ヶ岳出発 - 8:55常念岳山頂 - 13:50大天荘
8/18 5:00大天荘発 - 8:30水俣乗越 - 10:50ヒュッテ大槍
8/19 4:45ヒュッテ大槍発 - 6:00槍ヶ岳山頂 - 14:30上高地バスターミナル
天候 | 8/16 晴れ 8/17 晴れ〜曇り〜雷雨 8/18 晴れ〜曇り〜雷雨 8/19 晴れ〜通り雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
長塀尾根は、日中も濡れていて滑りやすい急登です。下りで使う際は気をつけて下さい。 ヒュッテ西岳から水俣乗越への下り、長いハシゴや鎖がいくつも。 結構エグいので、十分気をつけて。 東鎌尾根では、ストックを仕舞った方がいいです。 痩せ尾根なので、滑落に注意してください。 |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
今年のお盆は天気悪かったですねぇ。
色々と長期縦走を計画していたが、ことごとく中止。
後半に晴れそうな予報だったので、今回の山行を決行。
じつは昨年考えてたコースで、やっぱり天気の都合で中止になってたプラン。
今年こそは行くぞ!
山友のsakura0725さんも同じ日程で似たようなルートを通ってますが、
とてもじゃないが、ついて行けない。。。と思うようなコース取り。
詳細はsakura0725さんの記録を参照してね。
【初日】
sakura0725さんと、あかんだな駐車場から、始発のバスに乗り上高地へ。
明神まで一緒に歩き、徳本への分岐にて「じゃあ後で蝶ヶ岳で!」と別れる。
徳沢からは、長塀尾根の急登。
これがまた、ずっと樹林帯の中で眺望も利かず、道もよろしくなくて濡れていて歩きにくい。
長塀山山頂に出ても眺望はなく、だんだん気分は萎えて来るが、蝶ヶ岳山頂手前で突然目の前が開け、穂高と槍ヶ岳の峰々がドカーンと現れる。
いやぁ、写真では見てたが、この景色は凄いな。
雲で山頂部は出たり隠れたりだが、迫力は満点。
こんなに槍・穂高連峰が綺麗に見える場所はないんでない?
まるで飛行機から眺めているみたいだ。
テント設営終えて、ヒュッテで受付終了し、テントに戻って来ると、大滝周りで登って来たsakura0725さんが到着。
時間は12時半くらい。。。。さすが、早いな。。。
結構疲れてたみたいだが、そのまま常念小屋に向けて出発していっちゃいました。
やっぱりこの方の健脚にはついていけん。。(笑)
で、自分は完全にまったりモードで、岩に腰掛けてぼんやり槍・穂を眺めてるうちにウトウト。
その後ちょっと早めの夕食。
今宵もパワー満点、元祖・金沢カレー「チャンピオンカレー」のLカツである。
さて、今回もフィルムカメラを持って来ており、星空のバルブ撮影に挑戦ってことで、夕食後すぐ眠りにつく。
夜中の12時頃に起きだし空を見上げると、まさに星降る夜!
新月の直前だったので、最高の撮影日和!
どんな写真になってるでしょうね。現像の仕上がりが楽しみである。
【二日目】
5時半くらいに出発し、大天井岳の大天荘を目指す。
蝶槍の下りからまたもや樹林帯。しかもこの頃から信州側よりガスが。。。
ここから常念岳の手前まではずっと樹林帯の中で、しかもキツいアップダウン。
気分萎え萎えで、ようやく常念岳山頂。
すでに疲れており、山頂でゆっくりよりも常念小屋でジュースを飲みたい欲求が勝ち、すぐに小屋に向かう。
小屋に入り目に飛び込んできたのは、なんと「ソフトクリーム」の文字!
マジかよ〜〜〜! バニラと、ブルーベリー&バニラミックスだって!
ミックスをいただきましたが、久しぶりに神を感じたソフトクリームでした。(笑)
昼食取って大天荘に向けて出発。
ここからがまた長かった。。。
大天荘手前から雲行きが怪しくなり、大天荘についた途端、バケツをひっくり返したような雨。
その瞬間、テントを張る気力がなくなり、小屋に素泊まりの手続き。
はい、私、根性なしなんで、降ったらテント張りません。
しばらくすると雷がガラガラとなりだす始末。
小屋に逃げてよかったなぁ。。。としみじみ。
【三日目】
早朝、とりあえず雨はあがり晴れているが、天気はやはり午後から雷雨となる可能性が高いとのことで、5時に出発。
もし途中で天気が悪くなったら、水俣乗越から槍沢ロッジに避難することにした。
とにかく、天気が崩れる前に今日の予定であるヒュッテ大槍につくことが目標である。
喜作新道を歩いてる途中、6時半くらいから早くも大天井岳や常念岳の上には信州側からのガスがかかり始める。
前日と同じガスや雲の動き。
不吉な予感が頭をよぎる。
雲が押し寄せるのが先か、ヒュッテ大槍への到着が先か。
それにしても、ヒュッテ西岳から東鎌尾根のルートは、テント装備の荷物では辛かった。。。
水俣乗越までの下りはクサリと梯子がいっぱい。
慎重に慎重に。。。
水俣乗越についたのは8時半。以外に早いペースである。
さて、ここで判断せねばならない。
逃げるか、行くか。
ガスや雲の様子を見ると、この後崩れてくることはほぼ間違いない。
しかし、雲の動きから、あと3、4時間は大丈夫とみて行くことに決定。
ここからの東鎌尾根ルートの登りはほんとにキツかった。
急激にペースダウンするも、天気が崩れる前に!という気持ちが体を押す。
小屋まであと十数分というところで、雲の動きが急変。
左右の谷から、急激にモクモクと雲が上昇し始め、急速に発達し始めた。
直感的にこれはマズい!と感じ、小屋へ急ぐ。
なんとか10時50分頃にヒュッテ大槍に到着。
よかった。。。降って来る前に到着できた。。。
と思っていた数分後、ポツポツと屋根をたたく音がしたと思ったら、またもやゲリラ豪雨。
しかも、前日より凄まじい雷である。
食堂の窓から外を見ると、中岳や大喰岳の稜線にバンバン落雷してる様子が見える。
おっとろしぃ〜〜〜!
小屋には次々に逃げ込んで来る人達。
みんな、ずぶ濡れである。
それにしても。。途中ですれ違った人達は大丈夫だろうか。。。
大天荘から同じルートを登ると言ってた方達は大丈夫だろうか。。。
そして、その心配がとうとう現実のものとなってしまった。
すでにニュースになっているが。。。
東鎌尾根で一人、落雷をうけたのである。
幸いにも命に別状はなかったが。。。かなりの重傷。。
槍ヶ岳山頂でも一人落雷にあい、お亡くなりになってます。。(ご冥福を。。)
ヒュッテ大槍の支配人とスタッフが意を決して救助に向かい、天候の回復を待ってヘリが来て、搬送されていきました。
もし、自分の到着があと数十分遅れていたら。。。
もしかしたら、自分が落雷をうけていたかもしれない。。。
そう思うと、背筋が寒くなります。
ヒュッテ大槍は昨年に続き2回目。
ここの食事は本当に美味しい。
絶対、また来たくなります!
夕食後はお楽しみのウイスキー。
ここは通好みのウイスキーがそろってることで有名。
ボウモアやラフロイグを飲もうかとも思いましたが、やはり華やかなマッカラン12年にしました。
シングルとは言え、一杯600円とは!
下界のBarよりもお手頃である。
夜中にはやはり星空のバルブ撮影に挑戦。
うまく写ってるといいが。。
【最終日】
朝らから最高の天気。
こりゃ最高の御来光と槍のモルゲンロートになるぞ!
5時前に小屋を出て、途中の小ピークで御来光を見る。
振り返るとオレンジ色に光る槍。
いやぁ、本当に美しい。
槍ヶ岳は山頂で御来光を拝んだ人達の下山とこれから登る人達で渋滞状態。
中間の梯子の列で待ちながらふと笠ヶ岳方面を見ると、
雲海の中にくっきりと槍ヶ岳の影。
しかも、その影の穂先には、御光をまとったような虹が丸く槍の影を包んでいる。
あまりの神秘さに、鳥肌が出そうでした。
山頂は360度の大パノラマ。
昨年登った時は、まったく眺望は利かなかったが、今回はすばらしい天気である。
名残惜しみつつ山頂を下り、ヒュッテ大槍にデポしておいた荷物をもって上高地に下山開始。
しかしまぁ、この槍沢のルートは長いね。
すでに疲れもピークに達している体、ここまでくるとモチベーションは下山後の温泉のみになっている。
温泉を頭に思い浮かべながら、ヘロヘロになって歩く。
明神を過ぎた途端、通り雨がサーっと降って来た。
ここまで来てレインウェアを出すのはいやだなぁと思い、ふとテント泊用に折り畳み傘を持って来てたことを思い出し、ここからは傘。
今回、これだけ悪天候に遭いながら、一度もレインウェアを出さなくて良かったのは、単に運がよかっただけなのか、
それとも天気の読みや判断がよかったのか。。。
バスターミナルでは、恒例のシメのソフトクリーム。
疲れた体にこれは本当に響き渡る!
最後は平湯の森で温泉につかり、四日分の汗を流して疲れをほぐす。
久しぶりのロング縦走。
しんどかったけど、終わってみたら楽しかった感覚がいっぱい!(笑)
今年中にもう一度長期縦走できるかなぁ。
P.S
今回、残念なことが。
以前日記に登場した30年もののシュラカップを、下山途中でなくしてしまったのである。
槍沢ロッジでの休憩中か、そこから横尾までの道で忘れたか落としたか。
長年愛用してただけに、これは残念。
もし拾われた方がいましたら、ご連絡を。(まぁ、見つからないと思いますが。)
底には「WILDAM」刻印、取手にはたぶん黄色のカラビナが付いてます。
m(_ _)m
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する